Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


簡単便利な包丁差しのつくり方

薪を刻んでいて、ふと思いたち、いい加減につくった包丁差しなのですが、それが案外便利なので、ちょこっと紹介します。

材料はテキトーな丸太。

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今回使ったのはイチイの丸太。
腐りにくく、カビにくいといわれるイチイの丸太があったので、それで何かつくってみたくなり、包丁差しをつくってみたのでした。
だからたまたま丸太だっただけで、角材(できれば抗菌作用のあるヒノキやスギがベターか?)でもかまいません。

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⇧まずは包丁の刃の長さよりも少し長めに丸太を玉切りにします。

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皮をはいでそのままでも良かったのだけれど、電動カンナで少し面をだしてみました。
あとは、そこに3筋、丸ノコで背割りを入れるだけ。

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2~3日すると芯持ちである真ん中の背割りは、割れが開いて来るので刃の厚みのある包丁もさせて便利だったりもします。

水が垂れてもいいように、ウチでは下にお皿を受けて使用しています。

包丁差しはあると、とても便利。
包丁は刃物なので、包丁差しがあるとないとでは危険度も違ってくるように思います。

その気になれば、10分もあれば作れるから、壊れたり汚れたりしたら、新しく作り直すのも簡単。木だけでプラスチックや金物などの余分なものがついていないから、壊れたり汚れたりしたら、薪として燃やしてしまうこともできます。



①稲の無農薬栽培・備忘録(毎年情報追加更新のこと) 浸種から催芽まで タネもみを何グラム水に浸けるか?など

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稲のタネまきのことについて、一年前のことなのに、見事なくらいにいろいろ忘れてしまうので、毎年追記しながら書き留めておくことにしました……。

■いつどれだけの量を温湯消毒し、水に浸けるか。
これが結構、重要。

2024年は、4月20日午前中に約2kgのモミを約9%まで日干しし、その後、60度弱( 59℃前後)、10分で温湯消毒。その後、流水に付けたけど気温が25度もあり、水温は14度だった(15度以下であればOKらしい)。
1枚乾燥重量100g(浸水後135g)✕18枚≒2000g(←乾燥重量)。量は1反18枚換算(虫草農園は2~3本植えなので通常よりも少なめ)。
床土はコメリのもので4袋(そのうち昨年の余りが1袋)用意した。
気温が高く、農業用水の流水も14度近くで浸種の温度が高めなので、6日目の25日午後より31度近辺で約20時間催芽。26日の午前中に苗箱に土を入れ午後、播種。浸水催芽した状態でひと箱135g播種した。

●来年へ向けてもメモ:土は古いものから使ってしまったが、床土には今年のものを使い、肥料分が抜けても問題ない覆土用に昨年のものを使ったほうが良さそう。
モミを入れるネットはふたつに分けたほうが、少ない水量でもしっかり浸かりやすい。特に催芽の際。


↑催芽の後半は、2~3時間で芽が一気にでるので要注意。




2023年は、4月17日に種モミを日干しし(できれば9%まで乾かした方が温湯消毒に耐えやすいとのこと)、翌4月18日午後、温湯消毒(58度15分)。

1枚乾燥重量100g(浸水後135g)✕18枚≒2000g(種モミを日干しした。日干し前の水分量は約14%だった)。量は1反18枚換算(虫草農園はかなり疎で、2~3本植えなので通常よりも少なめです)。

同時に田んぼに水を入れ、水生植物のタネをできるだけ発芽させておく(2023年はフェアリーベッチのアレロパシーを期待し昨年の秋にタネを播いている←でも、フェアリーベッチを育てるには冬期乾燥させる必要があり、アキアカネには厳しい条件になってしまった)。


2022年は4月15日あたりから日干しをして含水率を9%に落とす予定だったのだけれど、雨などによりたしか18日あたりから日干し→浸水→催芽(4月27日に撮影した写真に鳩胸の写真あった)などをはじめたと思われます。周囲よりもかなり遅い感じだったけど、でもそれで、ちょうどよかった感じ。

2021年は4月14日に温湯消毒(作業開始)で、その結果、田植えは5月29日になりました。発芽した雑草を埋め込むための代かきが3回できて初期の除草の助けになり、田植えのタイミングとしては良かったのだけれど、苗が少し大きく育ちすぎな感じもあったのでもう少し遅くしてもいいのかも?
温湯消毒の数日前に、種モミを天日干しして含水量を9%に落としておくといいらしいので、天日干しから始める場合、4月10日過ぎに天日干しからはじめる、というのがいいのかも(天日干しに関しての詳細は下の温湯消毒のところに記載)。

2020年は早過ぎでした。除草剤を使わない無農薬栽培なので、まずは田んぼに水を入れ、雑草たちが芽を出させてから最低一回は、代かきをしておきたい。そのためには、浸種の開始は、焦る気持ちを抑えて、周囲の慣行農法の田んぼよりもかなり遅くしたほうが良さそう(少なくとも2週間くらい)に思われます(発芽率を下げないために浸種の時間をあまり長くしたくないということもあります)。

2019年はこんな感じで早すぎでした。
稲の浸水は4月8日、催芽は15日、17日は軽く干して、翌日18日(満月前日)に種まき後、薪ストーブの周囲で出芽まで養生。出芽後、ビニールハウス内の育苗場に移動させて管理、5月28日に田植え(新月6月3日の5日前)。育苗期間中、成長を遅くさせるため、低温管理で徒長防止。というのが2019年。

■追記■2022年8月16日
参考までに、埼玉の御園さんは、

5月の連休にもみ振りします。
田植えは6月15〜25日くらいですね。
もう36年間ずっと変わらずにやっています。
とのこと。



●注意●一般的な農家よりも播種が遅めなので、タネまき用土(培土)を購入する場合、売り切れてしまっていることがあるので(みなさん、買うのが早い)、3月頃ホームセンターの近くを通るときに買っておくこと。量は1反だと24リットル入り(コメリのコレイチ)だと4袋、前年の残りがあれば3袋。
積み重ねたとき、箱の底で押されてしまったとしても、苗箱の中の土はできるだけたくさん入れたほうが、大きめの苗で植える場合にはいいように思う(暖地は稚苗でもいいが、寒冷地は中苗、もしくは成苗が望ましい--田んぼでの生育期間が短いので--と言われている)。なので最低4袋。また、プール育苗の場合は、液肥を使う方法もある、とのこと--まだ使ったことはないけれど。

水稲のタネ蒔きに当たって、タネもみを何グラム水に浸けるか?

一般的には、1反に3~4kgとのこと。
でも虫草農園は、
①田植え機での田植えで、株間を最大値の25センチにしていること。

②1箇所あたりの本数が2~3本と少なめであること。

③個の多様性を重視するため(と称しているけど本当のところは面倒臭いから)塩水による選別をしないこと、などから、

2019年はとりあえず、一般的な蒔き量の半分の1反あたり2kgでやってみることにしました。虫草農園は稚苗でも大きめにしたいので乾燥重量で一箱100g(浸水後135g)くらいで蒔くのでこれだと一反あたり約20枚(追記2020年 虫草農園の場合はこれではかなり多すぎだった)。

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■面積の換算値:
1反(たん)=10畝(せ)=0.1町(ちょう)=300坪(つぼ)=990㎡(平米)≒約10アール

 

今年お借りできる田んぼは、2か所で、

●(道路の)上の田んぼ 水張り面積280㎡≒0.28反

2000g/反×0.28反=560g よってハッピーチルドレン(長粒の香り米)460g、黒米100gを用意する。

●(道路の)下の田んぼ 水張り面積802㎡≒0.8反

2000g/反×0.8反=1600g よって、コシヒカリを1600g用意する。

↑これでは多かった。

■種モミの温湯消毒■

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⇧種モミの温湯消毒では、種モミを入れたときに温度ができるだけ下がらないように一番大きな寸動ナベで、薪ストーブもしくはかまどでお湯をつくったあと、微調整をガス台を使って行うというのがいい感じ。

ところで温湯消毒ですが、60度だと10分、58度の場合は15分など、少しの温度の差で時間がかなり異なり、そのあたりが微妙なようなのですが、温度計によって表示温度にかなりのバラツキがあることが判明。
(上記は、水稲の場合であり、麦類の場合は、もっと低いので要注意。一例としては、水に15度Cの水に 3時間浸漬後、50℃の温湯に数分浸漬し温めた後、小麦54℃、大麦53℃の湯に5分間浸漬し、その後、直ちに水で冷却する:詳しくは、麦類(小麦、大麦、ライ麦)の温湯消毒・温湯浸漬・温湯浸水法を参照のこと)。

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⇧写真の温度計は59.2度なのですが、放射温度計だと55度前後。また、バイメタルと思われる温度計(下の写真の真ん中)だと70度付近を示していました。

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⇧3種類のうちで真ん中あたりの表示である手前のデジタル棒温度計を採用。でも、ちょっと不安ではあります。

■浸種(種モミを水に浸ける)についての注意事項■
●温度●
・漬ける水は10度以下だと低すぎで、7度以下だと著しく不良(温湯消毒した種もみの場合「積算100℃」は迷信で、低温の場合、発芽不良を起こしがちとのこと)。
・逆に水温13度以上だと高すぎで催芽前に芽が出てしまうものがでて不揃いになってしまう。

●日数●
・6日以下だと吸水不足で出芽が遅れる
・10日以上だと長すぎで発芽力が落ち、死滅する場合もある
よって、最適な浸種は、
11度C~12度Cで、7~9日間
で、我が家の場合は、室内では温度が高すぎで、かと言って、外や作業場では温度が低すぎ、玄関に置くのがちょうどいい感じでした(邪魔だけど、酸欠防止のためのモミを引き上げや水換えを忘れないという点でも良い感じでした)。

(水稲温湯消毒種子、取扱マニュアルより
http://www.kamikawa.pref.hokkaido.lg.jp/ss/nkc/04_sibetu/publication/ontousyoudoku.pdf

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苗箱をいくつ用意したらいいか
乾燥したモミの状態のお米を8日くらい浸種すると、水を吸った分、重くなり、うるち米の場合、1.3~1.4倍になる模様(2017年実測)。
よって、苗箱1枚あたり、稚苗の場合で催芽モミ145g(ウチは植えるのを遅めにするので少なめ)だと、催芽モミ145g÷1.35=乾燥モミ107g
中苗の場合だと、水を吸った催芽モミ110g(中間値)÷1.35=乾燥モミ81g
2019年はコシヒカリの乾燥モミを1600g浸種したので、箱は1600g÷107g/箱≒15箱 
黒米は100gだったので、1箱
ハッピーチルドレンは乾燥460gなので、460g÷107g/箱=4.3箱≒4箱
ということで試してみようと思います。

 

●2020年追記
2畝+8畝=1反で 22箱作ったけれども 補植用を別にとっておいてももう4箱は少なくても問題なさそう。
植付本数が一箇所2~3本のウチの場合、18箱くらいでOKのようだった。
コシヒカリを8畝に植えて、3箱+1箱(補植用)余り
ハッピーは2畝の4分の1+外周2周で4箱中2箱余り、
モチ(ココノエモチ)はひと箱でほぼ全部植え、
黒米は3箱でひと箱余った。

 
●2021年4月追記 「種モミの量と温湯消毒の温度、その前に日干しに関して

    1箱   乾燥重量g 1箱浸水後重量g 2020年播種枚数 2020年使用枚数 2021年播種枚数 2021年 乾燥重量g
コシヒカリ 下の田 100 135 14 11 12 1300
黒米 上の田 100 135 3 2 2 200
ハッピー 上の田 100 135 4 2.5 2 200
もち米 上の田 100 135 1 1 2 200
 合計        22 16.5   18

2021年、コシヒカリは昨年のできが悪くシイナが多かったので、100g追加して温湯消毒した。
2021年、一反に一種類の稲を植えるのであれば、苗場個数18枚でちょうどいい感じだったけれども、種類が多いとちょっと少なすぎな感じ(田植え機の苗取り量を多め→最大で作業・それでも1~4本程度)。
8畝の田んぼの外周を2周するには、苗箱2枚では足りない。3枚は必要。
ということで2021年は8畝側(コシヒカリ)の苗が足りないくらいだった(苗取り本数も少し多かったかも)なので、総計で20枚は必要かと。

■湯温消毒■
2021年は温湯消毒は4月14日に行い、その後、何度か水を替えて地階の作業場に移動(玄関では水温13度Cと高めだったので)。
●温湯消毒に関して、2021年は60度C10分で行ったが、できれば65度Cだとバカ苗病の発症なども抑えられ農薬を使った消毒以上の効果があるが、普通の種モミを65度10分温湯に浸けてしまうと発芽率が低下してしまうとのこと。ところが種モミの含水量を9%くらいまで乾燥させてから温湯消毒すると65度Cでも問題なくなり、発芽率も収量も落ちない、というレポートがネット上にあった。

agri.mynavi.jp

かまどでの温度調整は難しく、来年からは温度が高めに振れてしまっても問題がないように温湯消毒前に種モミを日干し、含水量を9%まで落としてから温湯消毒してみようと思う。


■培土はどのくらい必要か?■
1箱あたりの標準使用量は、床土2.2Lと覆土1.3Lで合わせて3.5Lとのこと。
重量だと床土2.5kg、覆土0.7kg(軽量タイプではないものの場合)
市販の床土を使用する場合、24リットル入り(≒20kg)の場合、
1袋で、覆土込みで6~7箱が目安とのこと。
(ただし1袋30リットルの軽量タイプの場合は、8~9枚が目安になる)。
虫草農園の場合は、育てる苗が20箱なので、20箱÷6.5≒3袋ということで、
前年のあまりがあれば、3袋、なければ、4袋、コメリで買ってくる。

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催芽の準備
催芽はクーラーボックスと熱帯魚用のヒーターを組み合わせて行うと、温度管理が楽で便利。
モミが酸欠にならないように、ときどき袋ごと引き上げて、酸素を供給します。

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⇧黒くて細いナマコのようなものが熱帯魚用のヒーターで、温度設定のボリュームがあって便利。32度にセットしたけれども、それでは少し高くなりすぎるようでした。26度くらいでも水温は30~32度を保てる感じ。

催芽の時間
浸種がうまくいき、催芽を30~32度前後で行うと、20時間程度でモミから突起状の芽が出てきます。なので、あらかじめ時間を読んでから催芽を行うこと。
さもないと、下の写真のようなことになります。

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■追記■
農協などに提出資料用データの覚え書き
全国の10a当たり平年収量は約530kg
虫草農園はほぼ無肥料栽培なので、約6割りの約300kg(30kg袋10袋)で深刻、じゃなくて申告。


■追記■
なんだ、2017年にも浸種や催芽の備忘録を書いているじゃないか!
(備忘録を書いたことを忘れないようにするためにはどうしたらいいのだろう……)。

水稲の育苗の備忘録1 ・虫草農園流(つまり、かなりいい加減)
http://musikusanouen.hatenadiary.jp/entry/20170409/1491752338

なめこの短木栽培、備忘録

雪ニモマケズ、きょうもキノコのタネ菌打ち。

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きのうに引き続き、きょうも午後からは雪が舞う寒い一日でした。

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⇧これはきのうの夕方。10分くらいであたり一面が真っ白になってしまうような吹き降りでした。それでも手を止めず、作業を続ける虫草農園の農園主(娘)とスタッフさん(連れ合い)。それぐらいにいろいろ、切羽詰まっているのであります。

きょうはナメコ。虫草農園では、なめこは短木栽培という方法で栽培しています。
ホームセンターで売っているなめこのタネ菌は、コマ菌と言って、丸太に穴をあけて打ち込むタイプの菌なのですが、なめこの場合はそれよりも、オガ菌と呼ばれるオガクズ状のタネ菌が適していて、収量も増えるように思います。

なめこのほだ木にはサクラが適しています。
まずは丸太の玉切り。

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⇧樹種はヤマザクラ。長さ15cmを目安にシートの上で切っていきます。シートを敷くのは、この切り粉であるオガクズも使用するから。

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⇧切り口を合わせる必要があるので、ペイントペンで合いマークを打ってから切ります。

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⇧キノコの種菌には、オガ菌、コマ菌、成型菌などがありますが、ナメコの短木栽培ではオガ金を使用します。南アルプス市の富士種菌より1ボトル1100円(税込)で購入しました。
このオガ菌1に、米ぬか2,先ほど切った時に出たサクラのオガクズ4、水4(容積比)の割合で加え、練り合わせます。オガクズの水分が多いときは、水4だとちょっと多すぎる時もあり、握ってみて水がにじみ出てくるくらい、が目安になります。

合いマークを付けた合わせ目に、米ぬかなどを混ぜたオガ菌を盛り込みます。

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⇧周囲がしっかり密着するように、真ん中を少しへこませ、こんな感じに盛り込みます。

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⇧その上に合いマークを合わせ、もう一方のほだ木を重ねます。

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⇧合口にラップを巻いて完成。

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⇧軽トラに載せ、雑木林に運び、菌がしっかりまわり、上下がくっつくようになるくらいまで仮伏せ(シートで覆い水分の多い状態で保管)をします。

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⇧タネ菌1ボトル(1リットル)で60個(30セット)のなめこ栽培用短木ができました。
短木ひとつが約15cmだから、1ボトルで0.15m×60個=約9mの原木が必要、ということになります。

きょうは2ボトルやったので合計120個、約18mのサクラの丸太を使ったことになります。
桜が咲くと、空気中の雑菌の量が急速に増えるので、植菌作業は桜が咲くまでに終えること、などと言われています。
このあと、シイタケ二種類、ひらたけ、えのき、アラゲキクラゲ、ヌメリスギタケ、タモギタケ、ムキタケ、そしてマイタケの植菌をする予定。
はたして桜(ソメイヨシノ)が咲くまでに間に合うのか?








 

 

 

キブシが咲きました。

そろそろかなぁ、と思って、いつもの場所に見に行ったら、林の中で、今年もひとり、ひっそり、咲いていました。

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キブシ。
 
漢字だと「木五倍子」と書きます。
五倍子(ふし)はヌルデにつく不思議な虫ヌルデシロアブラムシの虫こぶ「ヌルデノミミフシ」のこと。
鉄漿(てつしょう=お酢などに鉄を溶かしたもの)にこのヌルデの虫こぶを粉末にして溶かしたものがかつてのお歯黒などの材料だそうです。
そしてその五倍子の代用品として、木五倍子(キブシ)の実も使われたとのこと。おそらくタンニンを多く含むものと思われます。
木材の鉄漿染めの時に添加剤として使ってみよう、と思いつつも、ヌルデノミミフシは(なんだかかぶれそうで)触る勇気がなく(でも昔の人は口に入れてた?)、キブシの実を探していたりもするのですが、雌雄異株なこともあってか、なかなか会えずにいます。

真空管式太陽熱温水器の井戸水対策の備忘録

いつも心の片隅で、気になっているモヤモヤがあったのでした。

大屋根の下で作業をしていると、晴れた日だと言うのに、ポタポタと雨が降っているような音が屋根でするのです。モヤモヤの原因はそれ。

もう一ヶ月近くもこんな状態なのでした。


太陽熱温水器から、かなり派手に水漏れしているのです。

贅沢なことにわが家では、お風呂のお湯も、トイレで流す水も、花崗岩主体の南アルプスの地下を流れてきた天然水なのですが、このとびきり美味しい地下水(井戸水)にはひとつだけ欠点があって、硬度30㎎/㍑という軟水にもかかわらず遊離炭酸(炭酸ガス)がわずかに含まれていて、それが銅を腐食させるのでした。

これは地下水全般に言えることでもあり、そのために給湯器の熱交換器なども、井戸用には熱の伝導性に優れた銅パイプではなく耐食性に優れたステンレスパイプのものがあったりします。実はウチで使っている給湯器も銅のパイプに何度も穴があき、おかげでハンダでピンホールを埋めるのがかなり上達したりしていました。

そして今回、水漏れを起こしてしまったFUJISOLの太陽熱温水器にも対策用の補修部品があり、それをメーカーから送ってもらい修理することにしました。

曇った日を狙って、作業開始。

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⇧作業を始めた当初は空はどんより曇っていたのですが、見る見る間に青空が広がり、晴れてしまったのでした。あああ。真空管内部にあるヒートパイプに素手で触ったら大変なことになります。

まずは真空管の取り外しです。

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真空管の下に付いている樹脂製のねじ込みキャップを外すと真空管は外すことができるのですが、スキマにゴミが入っていたりで固着しているものも多く、今回の中では、これが一番大変な作業でした。


そしてこれが真空管の先端部。

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⇧キューピーさんのように尖っていて、ここをぶつけると簡単に割れてしまうので慎重な作業が要求されます。

ところで、外れた真空管がやけに重いのでシリコンのパッキンを外してみたら、驚いたことに中からはたっぷりとお湯が出てきました。ヒートパイプ式は、真空管内には熱交換用のヒートパイプと呼ばれる銅のパイプ(とアルミのフィン)が入っていて、これが太陽熱で加熱され、このヒートパイプの熱伝導で上部のタンク内の水を加熱するという方式です。だから本来は真空管内には水は入っていないはずなのです。

水漏れは、かなり前、厳冬期から起こっていたので、その頃から真空管内に水が流れ込んでいた可能性が高く、夜間に凍結して真空管が割れなかったのは奇跡、不幸中の幸いでした。

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⇧赤かったり黒かったりするものが真空管の中に入っているヒートメタル(銅パイプ)。この部分が太陽熱で加熱されます(写真の下側がタンク側です)。

 

さて、水漏れの原因は貯湯タンク側にあります。

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⇧指さしているナットの奥に、銅でできた試験管のようなものが入っていて、その試験管の中に、さきほどのシートパイプの先端が刺さり、タンク内で熱交換をするという仕組みなのですが、井戸水だとどうも、この奥にある銅の試験管にピンホールが生じてしまうようなのでした。


次にこの真ちゅう製のナットをはずします。このナットを外すとタンク内の水が一気に出てくるので、その前に給水側の止水栓を締めます(それでもタンク内の200リットルの水は一気に流れ出てきます)。

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⇧ナットのサイズは22ミリでした。数が多いので、インパクトを使うと便利。

ナットが外れたら次に、その奥にある銅の試験管のようなサックを外すのですが、これにもちょっと手こずりました。

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⇧当初スナップリングドライバー(握ると先端部が広がる)を使って、銅の試験管を内側から保持し、こじるようにして引っ張り出していたのですが、なかなかうまくいかず大変でした。それよりも、ドライバーを奥まで突っ込み、一番奥の部分で試験管内壁をコツコツ左右上下に叩きフランジ側の固着を取るようにすると比較的簡単に外れることが(最後の方になって)分かりました。

そしてこれが問題の部品。

地下水で腐食してしまった銅のサックと、井戸水用対策品のステンレス製サック。
これをステンレス製の対策品に入れ替えるというのが今回の主な作業です。

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⇧写真にあるようにステンレスのサックには銅のワッシャーを入れ、22ミリのフレアナット(先端がすぼんでいて相手がフレアにひらく)を締め込み固定&シールします。
ただしその際、フレアナットは締めすぎるとステンレスのサックを過度に変形させしまい、そうなるとヒートパイプが入らなくなってしまうことがある、とのことでした。

マキタのインパクトドライバーはトルク調整ができるのですが、一番緩い状態(ランプがひとつだけ点灯した状態)でクラッチがカタカタカタと三回作動するまで締め、とりあえずこれで一度テストしてみることにしました。

すべての箇所をステンレスのサックに入れ替え、ナットを締め込んだところで、通水して漏れがないことを確認します。

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⇧1時間ほど、様子を見ましたが、あれほどポタポタ漏れていたのにどうも漏れている箇所はなさそう。派手に漏れていたのでもっとひどい状態になってしまっているのではないかと心配していたのですが、ホッ。


ところがこの頃には空はすっかり晴れ渡ってしまい、真空管に日が当たってしまっていました。内部のヒートパイプはほんの1分直射に当たっただけでも触れないくらいに熱くなってしまうので、布やスタイロを被せることに。それでもヤケドしそうにキンキンに熱くなっていました。

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やけどしないように気をつけながら、再び真空管を取り付けます。
真空管を取り付ける際は、黒いゴムのパッキンをあらかじめタンク側に取り付け、そこに真空管を挿すようにして付けるのが正解。真空管側に付けておいてタンクに挿そうとするとうまくいきませんでした。

 

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⇧摺動する部分には中性洗剤を添加したシャンプー液を霧吹きで吹くか(石鹸は強アルカリなのでやめたほうがいいと思います)、シリコンスプレーなどのすべり剤をスプレーしてあげるとスムーズに作業が進みます。

最後に、タンク最上部にある温圧弁をあけて、タンク内のエア抜きをし、タンク内を水で満水にしました。これをやらないとここに空気が溜まってしまい、圧力(調整)タンクになってしまいます(井戸ポンプの起動回数を減らすことはできるかもしれないけれど)。

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⇧遠くの南アルプスを見て、故郷ヒマラヤの山並みに思いを馳せる三蔵法師のようなこの物体が温圧弁。冬期に凍結しないように布でグルグル巻きにしています。

心の片隅でくすぶっていたモヤモヤがひとつ解決し、心はだいぶ軽くなりました。
でも、実はモヤモヤは他にもたくさんあって、屋根全体の修理がそろそろ必要だったり、ジープのエンジンが不調だったり、2階の洗面台の下の水漏れもそろそろ放置できないくらいで一階の天井のシミも気になるし、桜が咲くまでに終えないといけない菌打ちなどの農作業もかなり遅れ気味だというのい今年はなんだか春の訪れが早かったり、ミツバチ分蜂用の箱作りが進んでいなかったり……、こんな暮らし方をしていると不安材料はいくらでも見つかるんですが、でも、こんな素晴らしい環境の中で(金稼ぎもあんまりせずに)どうにか暮らしていけているのだから、それだけで「丸儲け」なのであります。


太陽熱温水器の取り付けと効果に関しては、以下のブログが少しは参考になる、かな?
http://musikusanouen.hatenadiary.jp/entry/20141127/1417104498
http://musikusanouen.hatenadiary.jp/entry/20141220/1419074269
http://musikusanouen.hatenadiary.jp/entry/20150117/1421506446

太陽熱温水器の改造はこちらを!(これはかなり違うのでオススメです)
http://musikusanouen.hatenadiary.jp/entry/20160109/1452344148

春の香草たっぷりのゴマだれ塩焼きそば虫草農園風。

一週間に一回だけだけど、食事当番がまわってきます。
で、きょうのお昼がその日でした。
前日、道の駅に売れ残り品の引き揚げに行ったついでに、明日のメニューを考えながら隣のスーパーで食材を物色。
メニューを考えるのも、毎日三食だと、ホント大変だと思うのですが、たまにだと、これが結構、楽しかったりします。今回は焼きそばにすることにしました。

それに合わせた残りの食材も同様。調理する直前に畑や林をうろついて、楽しみながらテキトーに調達します。


今回の収穫はこんな感じ。

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⇧メインは、ハウスの中で大きくなって邪魔モノになり始めた野良坊と、柔らかそうなキャベツ(の外葉)。それにふきのとう、カンゾウルッコラパクチー、ネギ坊主、フキノトウ、そして行者ニンニク。


林からは、肉厚な花割れどんこシイタケと、アラゲキクラゲ。これらのキノコは秋にも採れるけど、実はシイタケとキクラゲは、どちらかというと春きのこなのでした。

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⇧肉厚の原木シイタケはアワビのような食感と旨味があったりします。

そしてこれらに組み合わせるのは、マルちゃんの塩ゴマだれ焼きそば。

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⇧塩ダレは春季限定だそうで、安いし、三食入りだし、結構、気に入っています(普段の食事では取れないアミノ酸系の旨味もタップリ!)。

 

香草たちは、混ぜて炒めてしまうと味も混ざってしまうので、ベトナムのフォーのように薬味として別のお皿に切り、分けておきます。

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⇧左手前から右まわりにルッコラ、ふきのとう、パクチー、そしてネギ坊主のミジン切り。そのとき、家の周りで手に入るもので十分だと思います。

調理は簡単。
焼きそばの麺をほぐさずに、油を引いたフライパンいれて、しばらくそのまま焼いて、わざと焦げた麺を作るという裏技もあるのですが、今回はシンプルに、ごま油に行者ニンニクを入れ、それで豚肉の切り落としを炒め、その後、キノコ。少しして大量のキャベツと野良坊、最後にお水と麺を入れ、蒸し焼きにする方法でつくりました。


感じとしては塩ゴマ味の中華風パスタのような感じのものができあがりました。

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⇧そしてこれが最初の頃の状態。

お腹が空いていることもあって、ちょっと量が足りなかったくらいに美味しかった!

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⇧そして途中から、香草の薬味を入れるとこんな感じになります。
どちらかというと香草たっぷりフレッシュサラダの中に麺がときどき混じっている、という感じ。
香草がこれではちょっとキツすぎる、という人はマヨネーズをたして、油でコーティングしてもいいかも。レモンやライムをかけても美味しそう。
春、そこらに生えている野菜とキノコ、そして香草系の野草でつくる塩焼きそば、オススメです!

見える収納の魔力? 道具にも住所を! 壁面収納のススメ

こどもの頃から「忘れもの」が多かったのですが、悲しいかな、歳を取ると、それにさらに「もの忘れ」が加わる、ということに気が付きました(そのうちそれも忘れるかも知れませんが)。


さっきまで使っていたはずの老眼鏡がどうしても見あたらず、困り果て、頭を抱え、ふとオデコに手を当てたらそこにあった、……というのはまだまし。

老眼鏡を(目に)かけているのに、老眼鏡をしばらくの間、探してしまったというときには、いろいろな意味で愕然とさせられました。

 

はてさてそんなわけで、モノづくりは好きなのですが、このところはどちらかというと、モノを作っている時間よりもモノや道具を探している時間のほうが長いのではないか? というくらい探しものをしている時間が長く、どうしたものかとひとり悩んでいたら、先輩から素晴らしい助言いただきました。

 

臼井健二さんいわく、
「探しものの時間を少なくするコツは、モノや道具に住所を与えること!」
つまりは帰る場所をちゃんとにつくってあげること、なのだそうです。
なるほど、なるほど。
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ということで、見せる収納、壁面収納というのを実践してみることにしました。

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⇧これがそのための壁面。雨が吹きかけないように軒を深めにしています。


このあたりは、標高があって紫外線が強いので野ざらしの材木は、白っぽく、場合によってはシルバー系の光沢をもった感じに日焼けしてくれます。
その白系の色と、自家製の浸透性媒染型塗料の茶色系の色とのコントラストがなんとなくシックな感じがあって良さそうなので、収納壁もその線で行くことにしました。

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⇧野路板やホームセンターなどからタダでいただいてきた木製パレットを物置小屋の屋根に並べて白州の紫外線にさらします。まださらして間もないパレット(奥から2枚目)との色の違いが分かるでしょうか?

ひと夏さらすと、かなりいい感じになるのですが、春から秋は農作業が忙しいので、モノづくり系の作業を主に行う(ことにしている)冬まで、そのままさらしておきました。
ところがそれにより、困ったことが起きてしまったのでした。

このあたりには、ホソミオツネントンボというイトトンボが住んでいるのですが、どうも波板と材木との微妙な隙間がお気に入りのようで、ホソミオツネンと思われるトンボたちがたくさん、このスキマを越冬場所として使っていたのでした。
ホソミオツネンは、カメムシテントウムシなどと違い、越冬仲間が肌を寄せ合って寒さを凌ぐ集団越冬タイプではないので、それぞれが離れて点々と止まっているのですが、どうもこの「ガルバニウム波板の上の材木」という条件が気に入って集まってしまっているようなのです。一般的には雑木林のひこばえなどに擬態して冬を越すと言われているのですが、とはいえ雑木林で冬越し中のホソミオツネンを探すのはかなり大変。それを考えると冬越し中のホソミオツネンがこんなにたくさんここにいることは特筆に値することのようにも思えます。

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⇧板をそーっと持ち上げると、こんな感じで板側に何頭ものがへばりついているのでした。ところでこのホソミオツネントンボというトンボ、越冬中のこの時期は木と同系色の地味な保護色となっているのですが、春になって成熟するとこんなに鮮やかな色になります。

お休み中のトンボには申し訳ないことをしたのだけれど、一頭ずつそーっと別の場所に移動してもらい、収納壁の製作をはじめたのでした。
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⇧壁板は、縦張りにするか横張りにするかでちょっと迷ったのですが。間柱に直接壁板を固定できるというメリットを優先させて横張りに。継ぎ目は角をサンダーで落とし、固定するネジは隠さず、鍋ネジで露出させることにしました。
端が反った感じよりも真ん中が膨らんでいる方が好きなので、壁の表面側に木裏を使っています。

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⇧紫外線にさらされた感じに統一感が出るように時間をかけて貼っていたら、材が収縮してしまいスキマが空いてしまったりもしました。向こう側が透けてしまうのはなんかちょっとカッコ悪いので……。

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仕方がなしに、雨ざらしで表面が剥がれてしまった合板の表面材を木工用ボンドでスキマに帯状に貼り付けることにしました。桟木を打つ方法もあったのだけれども、もしかしたらこちらも壁面収納面に使うかもしれず、凸凹させたくない、という事情がありました。

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⇧木工用ボンドだけでは硬化するまでに剥がれてくるので、タッカーを併用。

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⇧その結果、裏側はこんな感じになりました。こちら側には将来的には鉢上げなどの農作業用のカウンターと棚ができる予定です。

施工と順番が前後しますが、収納壁の束石(つかいし)は、そこらの河原から拾ってきた御影石の小石で石積みしてみました。

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⇧芋掘り用のハサミ型スコップでまずは凍結深度(約40cm)まで、直径約20cmほどの穴を掘ります。その後、その真ん中に柱の芯材となる単管パイプを叩き込み、生コンが土ににじみ込んでしまわないようにビニールで遮断し、打ったコンクリート基礎の地上部を小石で石積みするとこんな感じの束石ができます。

裏から見るとこんな感じ。

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⇧柱の内部が単管パイプなのが分かるでしょうか?
単管パイプは将来は4面を木で囲われてしまうので芯が単管であることは分からなくなる予定です。

一方で、壁にぶら下げる道具たちも、少し手入れをし、化粧直ししてあげることにしました。

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⇧折れてしまった爪を部品取り用にとってある壊れた熊手から移植。
そして浸透性媒染型塗料を塗布。

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⇧スコップやフォーク、それに半月クワなど、木製の部分のあるものは、タンニンの鉄媒染色である焦げ茶系に統一して塗装することにしました。

どこに何を吊るすか、道具を集めてレイアウトを決めます。

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で、こんな感じになりました!

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⇧使いやすさ優先で、使用頻度の高いものをなるべく手前に持ってくることにしました。


フックは、なるべく壁と同色にすることで道具を目立たせることを基調に、主には木材で作り、一部ボルトなどを使ってフックを作りました。

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使用頻度の高い「土削り」は、家族3人用をそれぞれに壁にセット。「そこに自分のがなかったからと他人のを借りてはいけない」という虫草農園の憲法第九条で厳格に管理されることになりました。

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⇧土かんなは、金属の柄の部分を木のスキマに挿した後、ストンと落とすと固定されます。

剪定ばさみはこんな感じ。

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⇧柄の形に合わせて作ったので、これも板に添わせてから落とすだけで固定できます。

 

カマもひとり2本、自分の穴があり、そこに愛用カマを挿します。錆びているのも一目瞭然。知らんぷりして口笛など吹きながら、隣の人のと差し替えることも禁止されています。

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こちらはハンマーを吊るすための台。
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ハンマーはヘッドが重いので、壁側に少し起こして傾けてやると、落ちにくくなり、安全に固定できます。

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⇧こんな感じ。農作業では案外、ハンマーをよく使います。働きの悪い農奴の頭をコツンと叩いたり(ウソです)。

穴のあるものは、シンプルにボルトをナット2個で固定。

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⇧長めのボルトを使用し、板の手前と奥、それぞれにワッシャーとナットを入れ、板を2つのナットで締め込むことで固定します。この方法だと薄板にもかなりしっかり固定することができます。

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⇧裏から見るとこんな感じ。板が割れないように大きめのワッシャーを使用するのがコツ。表側にもストッパーとなるナット&ワッシャーが仕込んであります。

 

スコップ(ショベル)はカップ型の受けを木で作りました。
カップ型の受けに、鍋ネジを3本打つと、ちょっとシュールな顔になります。

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⇧そしてこのスコップ、実はかなりのお気に入りの道具でもあります。いつかまたそのあたりも紹介したいと思います。

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おかげで、このところ農作業に関しては、道具を探している時間がかなり少なくなったように感じます。

よく使う道具は、厳選して気に入ったものを選び、そしてそれらが気持ちよく収納されていると、そこから道具を手に取るだけでもなんとなくうれしくて、やる内容は以前と変わらないのに不思議なことに作業自体も、いままでよりも楽しく感じられてしまったりするのでした。

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 オススメです。見える収納。