Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


①稲の無農薬栽培・備忘録(毎年情報追加更新のこと) 浸種から催芽まで タネもみを何グラム水に浸けるか?など

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稲のタネまきのことについて、一年前のことなのに、見事なくらいにいろいろ忘れてしまうので、毎年追記しながら書き留めておくことにしました……。

■いつどれだけの量を温湯消毒し、水に浸けるか。
これが結構、重要。

2024年は、4月20日午前中に約2kgのモミを約9%まで日干しし、その後、60度弱( 59℃前後)、10分で温湯消毒。その後、流水に付けたけど気温が25度もあり、水温は14度だった(15度以下であればOKらしい)。
1枚乾燥重量100g(浸水後135g)✕18枚≒2000g(←乾燥重量)。量は1反18枚換算(虫草農園は2~3本植えなので通常よりも少なめ)。
床土はコメリのもので4袋(そのうち昨年の余りが1袋)用意した。
気温が高く、農業用水の流水も14度近くで浸種の温度が高めなので、6日目の25日午後より31度近辺で約20時間催芽。26日の午前中に苗箱に土を入れ午後、播種。浸水催芽した状態でひと箱135g播種した。

●来年へ向けてもメモ:土は古いものから使ってしまったが、床土には今年のものを使い、肥料分が抜けても問題ない覆土用に昨年のものを使ったほうが良さそう。
モミを入れるネットはふたつに分けたほうが、少ない水量でもしっかり浸かりやすい。特に催芽の際。


↑催芽の後半は、2~3時間で芽が一気にでるので要注意。




2023年は、4月17日に種モミを日干しし(できれば9%まで乾かした方が温湯消毒に耐えやすいとのこと)、翌4月18日午後、温湯消毒(58度15分)。

1枚乾燥重量100g(浸水後135g)✕18枚≒2000g(種モミを日干しした。日干し前の水分量は約14%だった)。量は1反18枚換算(虫草農園はかなり疎で、2~3本植えなので通常よりも少なめです)。

同時に田んぼに水を入れ、水生植物のタネをできるだけ発芽させておく(2023年はフェアリーベッチのアレロパシーを期待し昨年の秋にタネを播いている←でも、フェアリーベッチを育てるには冬期乾燥させる必要があり、アキアカネには厳しい条件になってしまった)。


2022年は4月15日あたりから日干しをして含水率を9%に落とす予定だったのだけれど、雨などによりたしか18日あたりから日干し→浸水→催芽(4月27日に撮影した写真に鳩胸の写真あった)などをはじめたと思われます。周囲よりもかなり遅い感じだったけど、でもそれで、ちょうどよかった感じ。

2021年は4月14日に温湯消毒(作業開始)で、その結果、田植えは5月29日になりました。発芽した雑草を埋め込むための代かきが3回できて初期の除草の助けになり、田植えのタイミングとしては良かったのだけれど、苗が少し大きく育ちすぎな感じもあったのでもう少し遅くしてもいいのかも?
温湯消毒の数日前に、種モミを天日干しして含水量を9%に落としておくといいらしいので、天日干しから始める場合、4月10日過ぎに天日干しからはじめる、というのがいいのかも(天日干しに関しての詳細は下の温湯消毒のところに記載)。

2020年は早過ぎでした。除草剤を使わない無農薬栽培なので、まずは田んぼに水を入れ、雑草たちが芽を出させてから最低一回は、代かきをしておきたい。そのためには、浸種の開始は、焦る気持ちを抑えて、周囲の慣行農法の田んぼよりもかなり遅くしたほうが良さそう(少なくとも2週間くらい)に思われます(発芽率を下げないために浸種の時間をあまり長くしたくないということもあります)。

2019年はこんな感じで早すぎでした。
稲の浸水は4月8日、催芽は15日、17日は軽く干して、翌日18日(満月前日)に種まき後、薪ストーブの周囲で出芽まで養生。出芽後、ビニールハウス内の育苗場に移動させて管理、5月28日に田植え(新月6月3日の5日前)。育苗期間中、成長を遅くさせるため、低温管理で徒長防止。というのが2019年。

■追記■2022年8月16日
参考までに、埼玉の御園さんは、

5月の連休にもみ振りします。
田植えは6月15〜25日くらいですね。
もう36年間ずっと変わらずにやっています。
とのこと。



●注意●一般的な農家よりも播種が遅めなので、タネまき用土(培土)を購入する場合、売り切れてしまっていることがあるので(みなさん、買うのが早い)、3月頃ホームセンターの近くを通るときに買っておくこと。量は1反だと24リットル入り(コメリのコレイチ)だと4袋、前年の残りがあれば3袋。
積み重ねたとき、箱の底で押されてしまったとしても、苗箱の中の土はできるだけたくさん入れたほうが、大きめの苗で植える場合にはいいように思う(暖地は稚苗でもいいが、寒冷地は中苗、もしくは成苗が望ましい--田んぼでの生育期間が短いので--と言われている)。なので最低4袋。また、プール育苗の場合は、液肥を使う方法もある、とのこと--まだ使ったことはないけれど。

水稲のタネ蒔きに当たって、タネもみを何グラム水に浸けるか?

一般的には、1反に3~4kgとのこと。
でも虫草農園は、
①田植え機での田植えで、株間を最大値の25センチにしていること。

②1箇所あたりの本数が2~3本と少なめであること。

③個の多様性を重視するため(と称しているけど本当のところは面倒臭いから)塩水による選別をしないこと、などから、

2019年はとりあえず、一般的な蒔き量の半分の1反あたり2kgでやってみることにしました。虫草農園は稚苗でも大きめにしたいので乾燥重量で一箱100g(浸水後135g)くらいで蒔くのでこれだと一反あたり約20枚(追記2020年 虫草農園の場合はこれではかなり多すぎだった)。

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■面積の換算値:
1反(たん)=10畝(せ)=0.1町(ちょう)=300坪(つぼ)=990㎡(平米)≒約10アール

 

今年お借りできる田んぼは、2か所で、

●(道路の)上の田んぼ 水張り面積280㎡≒0.28反

2000g/反×0.28反=560g よってハッピーチルドレン(長粒の香り米)460g、黒米100gを用意する。

●(道路の)下の田んぼ 水張り面積802㎡≒0.8反

2000g/反×0.8反=1600g よって、コシヒカリを1600g用意する。

↑これでは多かった。

■種モミの温湯消毒■

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⇧種モミの温湯消毒では、種モミを入れたときに温度ができるだけ下がらないように一番大きな寸動ナベで、薪ストーブもしくはかまどでお湯をつくったあと、微調整をガス台を使って行うというのがいい感じ。

ところで温湯消毒ですが、60度だと10分、58度の場合は15分など、少しの温度の差で時間がかなり異なり、そのあたりが微妙なようなのですが、温度計によって表示温度にかなりのバラツキがあることが判明。
(上記は、水稲の場合であり、麦類の場合は、もっと低いので要注意。一例としては、水に15度Cの水に 3時間浸漬後、50℃の温湯に数分浸漬し温めた後、小麦54℃、大麦53℃の湯に5分間浸漬し、その後、直ちに水で冷却する:詳しくは、麦類(小麦、大麦、ライ麦)の温湯消毒・温湯浸漬・温湯浸水法を参照のこと)。

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⇧写真の温度計は59.2度なのですが、放射温度計だと55度前後。また、バイメタルと思われる温度計(下の写真の真ん中)だと70度付近を示していました。

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⇧3種類のうちで真ん中あたりの表示である手前のデジタル棒温度計を採用。でも、ちょっと不安ではあります。

■浸種(種モミを水に浸ける)についての注意事項■
●温度●
・漬ける水は10度以下だと低すぎで、7度以下だと著しく不良(温湯消毒した種もみの場合「積算100℃」は迷信で、低温の場合、発芽不良を起こしがちとのこと)。
・逆に水温13度以上だと高すぎで催芽前に芽が出てしまうものがでて不揃いになってしまう。

●日数●
・6日以下だと吸水不足で出芽が遅れる
・10日以上だと長すぎで発芽力が落ち、死滅する場合もある
よって、最適な浸種は、
11度C~12度Cで、7~9日間
で、我が家の場合は、室内では温度が高すぎで、かと言って、外や作業場では温度が低すぎ、玄関に置くのがちょうどいい感じでした(邪魔だけど、酸欠防止のためのモミを引き上げや水換えを忘れないという点でも良い感じでした)。

(水稲温湯消毒種子、取扱マニュアルより
http://www.kamikawa.pref.hokkaido.lg.jp/ss/nkc/04_sibetu/publication/ontousyoudoku.pdf

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苗箱をいくつ用意したらいいか
乾燥したモミの状態のお米を8日くらい浸種すると、水を吸った分、重くなり、うるち米の場合、1.3~1.4倍になる模様(2017年実測)。
よって、苗箱1枚あたり、稚苗の場合で催芽モミ145g(ウチは植えるのを遅めにするので少なめ)だと、催芽モミ145g÷1.35=乾燥モミ107g
中苗の場合だと、水を吸った催芽モミ110g(中間値)÷1.35=乾燥モミ81g
2019年はコシヒカリの乾燥モミを1600g浸種したので、箱は1600g÷107g/箱≒15箱 
黒米は100gだったので、1箱
ハッピーチルドレンは乾燥460gなので、460g÷107g/箱=4.3箱≒4箱
ということで試してみようと思います。

 

●2020年追記
2畝+8畝=1反で 22箱作ったけれども 補植用を別にとっておいてももう4箱は少なくても問題なさそう。
植付本数が一箇所2~3本のウチの場合、18箱くらいでOKのようだった。
コシヒカリを8畝に植えて、3箱+1箱(補植用)余り
ハッピーは2畝の4分の1+外周2周で4箱中2箱余り、
モチ(ココノエモチ)はひと箱でほぼ全部植え、
黒米は3箱でひと箱余った。

 
●2021年4月追記 「種モミの量と温湯消毒の温度、その前に日干しに関して

    1箱   乾燥重量g 1箱浸水後重量g 2020年播種枚数 2020年使用枚数 2021年播種枚数 2021年 乾燥重量g
コシヒカリ 下の田 100 135 14 11 12 1300
黒米 上の田 100 135 3 2 2 200
ハッピー 上の田 100 135 4 2.5 2 200
もち米 上の田 100 135 1 1 2 200
 合計        22 16.5   18

2021年、コシヒカリは昨年のできが悪くシイナが多かったので、100g追加して温湯消毒した。
2021年、一反に一種類の稲を植えるのであれば、苗場個数18枚でちょうどいい感じだったけれども、種類が多いとちょっと少なすぎな感じ(田植え機の苗取り量を多め→最大で作業・それでも1~4本程度)。
8畝の田んぼの外周を2周するには、苗箱2枚では足りない。3枚は必要。
ということで2021年は8畝側(コシヒカリ)の苗が足りないくらいだった(苗取り本数も少し多かったかも)なので、総計で20枚は必要かと。

■湯温消毒■
2021年は温湯消毒は4月14日に行い、その後、何度か水を替えて地階の作業場に移動(玄関では水温13度Cと高めだったので)。
●温湯消毒に関して、2021年は60度C10分で行ったが、できれば65度Cだとバカ苗病の発症なども抑えられ農薬を使った消毒以上の効果があるが、普通の種モミを65度10分温湯に浸けてしまうと発芽率が低下してしまうとのこと。ところが種モミの含水量を9%くらいまで乾燥させてから温湯消毒すると65度Cでも問題なくなり、発芽率も収量も落ちない、というレポートがネット上にあった。

agri.mynavi.jp

かまどでの温度調整は難しく、来年からは温度が高めに振れてしまっても問題がないように温湯消毒前に種モミを日干し、含水量を9%まで落としてから温湯消毒してみようと思う。


■培土はどのくらい必要か?■
1箱あたりの標準使用量は、床土2.2Lと覆土1.3Lで合わせて3.5Lとのこと。
重量だと床土2.5kg、覆土0.7kg(軽量タイプではないものの場合)
市販の床土を使用する場合、24リットル入り(≒20kg)の場合、
1袋で、覆土込みで6~7箱が目安とのこと。
(ただし1袋30リットルの軽量タイプの場合は、8~9枚が目安になる)。
虫草農園の場合は、育てる苗が20箱なので、20箱÷6.5≒3袋ということで、
前年のあまりがあれば、3袋、なければ、4袋、コメリで買ってくる。

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催芽の準備
催芽はクーラーボックスと熱帯魚用のヒーターを組み合わせて行うと、温度管理が楽で便利。
モミが酸欠にならないように、ときどき袋ごと引き上げて、酸素を供給します。

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⇧黒くて細いナマコのようなものが熱帯魚用のヒーターで、温度設定のボリュームがあって便利。32度にセットしたけれども、それでは少し高くなりすぎるようでした。26度くらいでも水温は30~32度を保てる感じ。

催芽の時間
浸種がうまくいき、催芽を30~32度前後で行うと、20時間程度でモミから突起状の芽が出てきます。なので、あらかじめ時間を読んでから催芽を行うこと。
さもないと、下の写真のようなことになります。

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■追記■
農協などに提出資料用データの覚え書き
全国の10a当たり平年収量は約530kg
虫草農園はほぼ無肥料栽培なので、約6割りの約300kg(30kg袋10袋)で深刻、じゃなくて申告。


■追記■
なんだ、2017年にも浸種や催芽の備忘録を書いているじゃないか!
(備忘録を書いたことを忘れないようにするためにはどうしたらいいのだろう……)。

水稲の育苗の備忘録1 ・虫草農園流(つまり、かなりいい加減)
http://musikusanouen.hatenadiary.jp/entry/20170409/1491752338