Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


真空管式太陽熱温水器なら寒冷地でも使える、のだろうか? その2


 スミマセン、いろんなことをテキパキこなすというのがどうも苦手でのそのそしていたら……「真空管タイプの太陽熱温水器はその後、どんな調子ですか?」という問い合わせを何人かの方にいただいてしまいました。
 施工の模様なんかも紹介したいとは思っているのですが、とりあえずは、その後の経過を報告させていただきます(「真空管式太陽熱温水器なら寒冷地でも使える、のだろうか? その1の続きです」。
 2014年12月1日から要所要所でタンクの温度と外気温、それにそのときの天気を記録しています。
 その結果わかったことは、とりあえず外気温が氷点下8.3度Cまで下がっても、太陽熱温水器に併設されているタンクの温度は13度Cまでしか下がらない、ということが分かりました。タンク自身の断熱効果もあると思うのですが、従来型の太陽熱温水器と違って真空管部が冷えにくいことからか、この部分で日の出までに熱交換されてしまわない(放熱しない)、ということがあるのかもしれません。
 その一方で、凍結防止ヒーターを巻いていない配管(今回施工した太陽熱温水器用の給湯と給水配管はサヤ管の中に架橋ポリのパイプを通し、サヤ管の外側に発泡剤の断熱材を巻いただけで電気ヒーターなどの加温装置を付けてはいません)は外気がマイナス8.3度Cまで下がったこの日、どこかで凍結してしまった模様で、室内の温水蛇口はどこもでなくなってしまいました(時間にすると1時間くらい)。
 いくつかの箇所を同時にいじってしまったのでどこが原因だったのかはハッキリとは分からなくなってしまったのですが、ボイラーに入る入り口部分に使われているミクスチャーバルブの部分を動かした際、ジャリジャリといった感覚があったのでこの部分が凍結していた可能性が高いように思われます。

 上の写真の銅色をした黒い握りのバルブがミクスチャーバルブです。我が家の太陽熱温水器はボイラーに接続し、温度が足りない場合はボイラーで加温できるようにしています。ただしそのためにはボイラーに入る温度の調整が必要で、高温の水が入ってボイラーを壊してしまうんおで、そのて手前にミクスチャーバルブと呼ばれるバルブ(冷水を混ぜることで温度を下げる)を付けています。
 上の写真は施工途中のもので、このあと、発泡剤の断熱材を巻いて保温しているのですが、可動部(握りの部分)は外気に接しているのでその部分から熱伝導して凍結してしまった可能性があります。
■追記■その後、ハンドル部まで含めて断熱材でくるんだところ、氷点下10度以下に下がった朝も、問題なく水やお湯がでるようになりました。


 その他に分かったことは、タンク内の温度は冬でも晴れればあがるけれども、お湯を使うことによって下がるのも案外早い、ということ。
 12月に入ってタンク内の温度が最高温度の達したのは、15日の15時で、61度にまでなりました(このときの外気温度は4.8度Cでした)。
 しかしお風呂にお湯(41度に設定)を7分目までためる(約200リットル)と、タンク内の温度は30度まで降下し、その後、3人お風呂に入ると(お湯を使うと)、19度Cまでタンク内の温度は下がってしまい、温度が足りない分はボイラーによる加温が必要でした(この不足分のエネルギーを薪や廃油で補うことができないか検討中)。
 また、61度まであがったこの日は、前日が選挙の日で、テレ東の選挙特番を見たかったので、テレビを見に行ったついでに隣の家(こちらも真空管ではないけれど不凍液循環タイプの寒冷地仕様太陽熱温水器を使用)でもらい風呂をしてきたので、この日はお湯を大量に使うことなく、したがって夜も温度が下がらず翌日15日の朝7時の時点では外気温が氷点下3.9度にもかかわらずタンク内の水温は35度もありました。それによって温度が60度オーバーまで上昇した、ということのようです。つまり、お風呂を毎日使うのではなく、1日おきくらいにして2日天気のいい日が続くと、寒冷地の冬でも補助の化石燃料はほとんど使うことなく、お風呂&給湯に使うことができそうです。
 また、一日中天気の悪かった日はどうかというと、曇や雪や雨の日は20度にも達しないこともあります。しかし1時間でも日射があると温度は上がり、20度のラインは比較的早く越えます。
 最高温度61度Cは2日連続晴れてしかも1日目はお風呂を作らなかったという特別な日だったわけですが、前日にお風呂を使った晴れた日の平均的な温度は、朝13度で、夕方には50度前後という感じでした。ただ、この地は西に南アルプスを背負っていて、このところは西高東低の冬型が強く、南アルプスからの雪雲が流れてくることが多くて条件としては必ずしも良い条件とはいえないようにも思います(たとえば小淵沢や明野などは、こちらが曇っている時でも晴れていたりします)。
■追記■このあと、この地に住む先輩の方が同じタイプの真空管太陽熱温水器(ひとまわり小型のタイプ)をウチよりも日当たりの良いところに取り付けたところ、2日連続で晴れて、1日目お風呂にお湯を貯めないと、90度を超えるとのことでした。夕方何時まで日が当たるかでかなり違いがありそうです。

 もうひとつ分かったことは、太陽熱温水器を付け、その温度が分かることで、家族が無意識のうちに節約モードになる、ということ。これはとてもいいことで優れた効果をうみます。温度計を取り付け、測るということはとても効果的。太陽熱でのお湯がないときにはなるべくお湯を使わず、薪ストーブの上で沸いているヤカンやナベのお湯を使うようになりました。

↑奥の薪ストーブで沸かしたお湯を手前のステンレス二重構造のジャーに入れて台所給湯器として使用しています。蛇口の延長は油紙で、水量の調整は木の枝。かなりのアナログですが、これが結構、快適。

 それと同時に思ったのは、薪ストーブで作ったお湯をもっと使いやすいような仕組みを作ることができれば、日照の少ない寒冷地の冬、より効果的に化石燃料の消費を抑えることができそう、ということ。こちらの方も是非試してみたいと思っています。


■追記2■
配管の中で一番凍結しやすいのがボイラー手前のミックスバルブの部分で、この部分にいらないフリースを厳重に巻きつけ20cmくらいの太さにして巻きつけたところ、とりあえず氷点下5度くらいの日までは大丈夫になりました。最低気温がそれ以下までさがると水は出なくなってしまいますが、とりあえずいまのところ配管が破裂するようなことはありません。サヤ管+架橋ポリ配管+断熱剤

■追記3■
翌朝が氷点下5度以下になりそうな日は、家の中の蛇口をひとつだけ(電気ヒーターを巻いていない配管系統の中でひとつだけ)、ポタポタと垂らして寝ると翌朝も気持ちよく水が出ることが分かりました。井戸の場合は水の使用量はあまり気にしなくてもいいのですが、それでもポタポタの量は2秒に1回くらいまで絞っているのですが、とりあえず氷点下10度くらいまでは大丈夫です(ただしもしものことを考えて、凍っても破断しにくいサヤ管+架橋ポリである必要はあるように思います)。

 順番が前後しますが、「真空管太陽熱温水器なら寒冷地でも使えるのだろうか? その3」として、真空管タイプの太陽熱温水器の「組み立て&施工手順」について書いてみました。もしよければ「その3」もご覧いただければと思います。