Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


真空管式太陽熱温水器の井戸水対策の備忘録

いつも心の片隅で、気になっているモヤモヤがあったのでした。

大屋根の下で作業をしていると、晴れた日だと言うのに、ポタポタと雨が降っているような音が屋根でするのです。モヤモヤの原因はそれ。

もう一ヶ月近くもこんな状態なのでした。


太陽熱温水器から、かなり派手に水漏れしているのです。

贅沢なことにわが家では、お風呂のお湯も、トイレで流す水も、花崗岩主体の南アルプスの地下を流れてきた天然水なのですが、このとびきり美味しい地下水(井戸水)にはひとつだけ欠点があって、硬度30㎎/㍑という軟水にもかかわらず遊離炭酸(炭酸ガス)がわずかに含まれていて、それが銅を腐食させるのでした。

これは地下水全般に言えることでもあり、そのために給湯器の熱交換器なども、井戸用には熱の伝導性に優れた銅パイプではなく耐食性に優れたステンレスパイプのものがあったりします。実はウチで使っている給湯器も銅のパイプに何度も穴があき、おかげでハンダでピンホールを埋めるのがかなり上達したりしていました。

そして今回、水漏れを起こしてしまったFUJISOLの太陽熱温水器にも対策用の補修部品があり、それをメーカーから送ってもらい修理することにしました。

曇った日を狙って、作業開始。

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⇧作業を始めた当初は空はどんより曇っていたのですが、見る見る間に青空が広がり、晴れてしまったのでした。あああ。真空管内部にあるヒートパイプに素手で触ったら大変なことになります。

まずは真空管の取り外しです。

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真空管の下に付いている樹脂製のねじ込みキャップを外すと真空管は外すことができるのですが、スキマにゴミが入っていたりで固着しているものも多く、今回の中では、これが一番大変な作業でした。


そしてこれが真空管の先端部。

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⇧キューピーさんのように尖っていて、ここをぶつけると簡単に割れてしまうので慎重な作業が要求されます。

ところで、外れた真空管がやけに重いのでシリコンのパッキンを外してみたら、驚いたことに中からはたっぷりとお湯が出てきました。ヒートパイプ式は、真空管内には熱交換用のヒートパイプと呼ばれる銅のパイプ(とアルミのフィン)が入っていて、これが太陽熱で加熱され、このヒートパイプの熱伝導で上部のタンク内の水を加熱するという方式です。だから本来は真空管内には水は入っていないはずなのです。

水漏れは、かなり前、厳冬期から起こっていたので、その頃から真空管内に水が流れ込んでいた可能性が高く、夜間に凍結して真空管が割れなかったのは奇跡、不幸中の幸いでした。

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⇧赤かったり黒かったりするものが真空管の中に入っているヒートメタル(銅パイプ)。この部分が太陽熱で加熱されます(写真の下側がタンク側です)。

 

さて、水漏れの原因は貯湯タンク側にあります。

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⇧指さしているナットの奥に、銅でできた試験管のようなものが入っていて、その試験管の中に、さきほどのシートパイプの先端が刺さり、タンク内で熱交換をするという仕組みなのですが、井戸水だとどうも、この奥にある銅の試験管にピンホールが生じてしまうようなのでした。


次にこの真ちゅう製のナットをはずします。このナットを外すとタンク内の水が一気に出てくるので、その前に給水側の止水栓を締めます(それでもタンク内の200リットルの水は一気に流れ出てきます)。

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⇧ナットのサイズは22ミリでした。数が多いので、インパクトを使うと便利。

ナットが外れたら次に、その奥にある銅の試験管のようなサックを外すのですが、これにもちょっと手こずりました。

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⇧当初スナップリングドライバー(握ると先端部が広がる)を使って、銅の試験管を内側から保持し、こじるようにして引っ張り出していたのですが、なかなかうまくいかず大変でした。それよりも、ドライバーを奥まで突っ込み、一番奥の部分で試験管内壁をコツコツ左右上下に叩きフランジ側の固着を取るようにすると比較的簡単に外れることが(最後の方になって)分かりました。

そしてこれが問題の部品。

地下水で腐食してしまった銅のサックと、井戸水用対策品のステンレス製サック。
これをステンレス製の対策品に入れ替えるというのが今回の主な作業です。

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⇧写真にあるようにステンレスのサックには銅のワッシャーを入れ、22ミリのフレアナット(先端がすぼんでいて相手がフレアにひらく)を締め込み固定&シールします。
ただしその際、フレアナットは締めすぎるとステンレスのサックを過度に変形させしまい、そうなるとヒートパイプが入らなくなってしまうことがある、とのことでした。

マキタのインパクトドライバーはトルク調整ができるのですが、一番緩い状態(ランプがひとつだけ点灯した状態)でクラッチがカタカタカタと三回作動するまで締め、とりあえずこれで一度テストしてみることにしました。

すべての箇所をステンレスのサックに入れ替え、ナットを締め込んだところで、通水して漏れがないことを確認します。

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⇧1時間ほど、様子を見ましたが、あれほどポタポタ漏れていたのにどうも漏れている箇所はなさそう。派手に漏れていたのでもっとひどい状態になってしまっているのではないかと心配していたのですが、ホッ。


ところがこの頃には空はすっかり晴れ渡ってしまい、真空管に日が当たってしまっていました。内部のヒートパイプはほんの1分直射に当たっただけでも触れないくらいに熱くなってしまうので、布やスタイロを被せることに。それでもヤケドしそうにキンキンに熱くなっていました。

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やけどしないように気をつけながら、再び真空管を取り付けます。
真空管を取り付ける際は、黒いゴムのパッキンをあらかじめタンク側に取り付け、そこに真空管を挿すようにして付けるのが正解。真空管側に付けておいてタンクに挿そうとするとうまくいきませんでした。

 

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⇧摺動する部分には中性洗剤を添加したシャンプー液を霧吹きで吹くか(石鹸は強アルカリなのでやめたほうがいいと思います)、シリコンスプレーなどのすべり剤をスプレーしてあげるとスムーズに作業が進みます。

最後に、タンク最上部にある温圧弁をあけて、タンク内のエア抜きをし、タンク内を水で満水にしました。これをやらないとここに空気が溜まってしまい、圧力(調整)タンクになってしまいます(井戸ポンプの起動回数を減らすことはできるかもしれないけれど)。

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⇧遠くの南アルプスを見て、故郷ヒマラヤの山並みに思いを馳せる三蔵法師のようなこの物体が温圧弁。冬期に凍結しないように布でグルグル巻きにしています。

心の片隅でくすぶっていたモヤモヤがひとつ解決し、心はだいぶ軽くなりました。
でも、実はモヤモヤは他にもたくさんあって、屋根全体の修理がそろそろ必要だったり、ジープのエンジンが不調だったり、2階の洗面台の下の水漏れもそろそろ放置できないくらいで一階の天井のシミも気になるし、桜が咲くまでに終えないといけない菌打ちなどの農作業もかなり遅れ気味だというのい今年はなんだか春の訪れが早かったり、ミツバチ分蜂用の箱作りが進んでいなかったり……、こんな暮らし方をしていると不安材料はいくらでも見つかるんですが、でも、こんな素晴らしい環境の中で(金稼ぎもあんまりせずに)どうにか暮らしていけているのだから、それだけで「丸儲け」なのであります。


太陽熱温水器の取り付けと効果に関しては、以下のブログが少しは参考になる、かな?
http://musikusanouen.hatenadiary.jp/entry/20141127/1417104498
http://musikusanouen.hatenadiary.jp/entry/20141220/1419074269
http://musikusanouen.hatenadiary.jp/entry/20150117/1421506446

太陽熱温水器の改造はこちらを!(これはかなり違うのでオススメです)
http://musikusanouen.hatenadiary.jp/entry/20160109/1452344148