そろそろかなぁ、と思って、いつもの場所に見に行ったら、林の中で、今年もひとり、ひっそり、咲いていました。
キブシ。
漢字だと「木五倍子」と書きます。
五倍子(ふし)はヌルデにつく不思議な虫ヌルデシロアブラムシの虫こぶ「ヌルデノミミフシ」のこと。
鉄漿(てつしょう=お酢などに鉄を溶かしたもの)にこのヌルデの虫こぶを粉末にして溶かしたものがかつてのお歯黒などの材料だそうです。
そしてその五倍子の代用品として、木五倍子(キブシ)の実も使われたとのこと。おそらくタンニンを多く含むものと思われます。
木材の鉄漿染めの時に添加剤として使ってみよう、と思いつつも、ヌルデノミミフシは(なんだかかぶれそうで)触る勇気がなく(でも昔の人は口に入れてた?)、キブシの実を探していたりもするのですが、雌雄異株なこともあってか、なかなか会えずにいます。