農業所得から算出したところ「米農家の時給は10円」と言われ、話題になりました。
でもそれは経済効率を考え、除草剤などの農薬や、コンバインなどの機械を使ってお米を栽培した場合。
農薬や化成肥料、それに最新の機械を使わずに、お米をつくった場合はどうなのだろう?という思いから、虫草農園がお米をつくるに当たってどのくらいの労力や経費が必要なのか算出してみたくなり、その都度、記録してみることにしました。
●2025年11月2日 2畝と8畝別々の日に行った (2人で3時間)計6時間
やったこと 藁切りカッターで藁を切って米ぬかを混ぜながら積み上げ。
エンジンカッターの整備(タイヤにエアを入れる)と搬入出。
米ぬかの調達など。

ご老体ながらも一度もトラブルなく田起こしをしてくれた天ぷら廃油駆動のヤンマー
●2025年12月7日 藁撒き3時間、トラクターで田起こし2時間、トラクター修理と整備1時間 合計6時間(トラクターオペレートや農機修理を標準賃金で換算する方法もあり)ここまでトータル12時間
やったこと フォークで藁を田んぼ全体にまんべんなく撒いた。その後、トラクターで田起こし(朝は土がガチガチに凍っていたのでヒヤヒヤだった)。
トラクター:バッテリーあがりのためジャンプスタート、燃料フィルターの清掃、天ぷら廃油燃料作成、タイロッドエンドなどのグリスアップとギアオイル&エンジンオイルの点検&給油

米ぬかを混ぜて積み上げてあった切り藁を田んぼ全体に均す

耕転後(最も粗い1にして)一度だけ耕した。

こちらは慣行農法の周囲の田んぼの現状。すでに何度か耕転している模様。
●2025年12月14日 緑肥用ヘアリーベッチ、植え付け 3時間 ここまでのトータル15時間
タネまきに間に合わなかったので、雨の中、こぼれ種ででていた30番のヘアリーベッチを掘り上げ、田んぼの畔や隣の葡萄棚の下などに移植した。緑肥というだけでなく、ヘアリーベッチが繁茂すると、他の草たちを抑えてくれるので、土手草刈りの回数も一回減らせるのではないかという目論み。
●2026年3月18日 ヘアリーベッチ植え付けと用水路のゴミすくい 2時間 トータル17時間
12月に植えたヘアリーベッチはだいぶ傷んでしまっていた、3月に植えるのとどちらが正解か、明日雨の予報だったので、試しに植えに行った。
●2026年4月19日 鳥原中山間地総会 1時間 トータル18時間
今年の堰上げ(4月26日)、用水路草刈り(5月10日)などの予定を調整、獣害などの報告と対策を協議。
●2026年4月22日 天日干し、温湯消毒、浸種 2時間 トータル20時間
午前中に約2kgのモミを天日干し。夕方まで干したが曇りがちで水分量は12%までしか落ちなかった。その後、60度近辺で10分温湯消毒。カマドで大きな寸動鍋を使ったので、モミを入れても温度が下がらずいい感じ。
半割ドラム缶に水を張り、農業用水を少し流しながら浸水。水温は13度Cだった。

●2026年4月26日 用水路の堰さらい 3時間 トータル23時間
地元の方たち10人ほどと、南沢水路と「ホラ」と呼ばれる沢道の土砂や竹切りなどを行った。朝7時半集合。なぜ朝早いのかと言うと、地元の方たちは日曜日は他にも普請作業があり、重ならないように時間を調整している模様。
●2026年4月22日~29日 タネモミの浸水終了 10分×8日≒約1時間 トータル24時間
温度の測定とタネモミを一度引き上げての水切り、流水の水量調整など。
●2026年4月30日~31日 催芽 2時間 トータル25時間
クーラーボックスの中に熱帯魚用のサーモスタット付きヒーターを仕込み、その中にタネモミをつけて、30度~32度を20時間キープ。
●2026年5月1日 土入れ&タネまき&保温 5時間×3人=15時間 合計40時間
午前中 苗箱を洗い、土入れ。午後、タネまき、潅水、覆土、母の家に運び、電気敷毛布や電気アンカなどを熱帯魚用のサーモスタットにセットして保温。
●2026年5月1日~3日 温度調整&天地返し 1時間×2人=2時間 合計42時間
温度が思ったほど上がらないのでサーモスタットの調整を行う。
天地返しは、保温している苗箱を出し、箱の上下で温度差が生まれないように上下を逆にする作業。
●2026年5月3日 プールの準備 3時間×2人=6時間 合計48時間
午後、ビニールハウス内の野菜たちを路地に移植するなどしてハウス内を整理し、ハウス内に耕運機をかけて土を柔らかくしたあと、プールとなる部分を水平に凹むように掘る。その後、単管パイプや板などを用意し、プールの縁をつくる。
シートに穴が開いてしまっていた部分があったので補修。
シートを敷き、水を少し入れて水平を見て調整し完了。
●2026年5月4日 プールに苗箱を移動 1時間×2人=2時間 合計50時間
母の家で保温させてもらっていた苗箱をビニールハウス内のプールに移動し、ネズミよけの寒冷紗を張る。
●2026年5月9日 田んぼ周囲の草刈り&桑の伐採 約2時間半×2人=5時間 57時間
明日、地元の堰さらい&草刈りがあるので、田んぼ周囲の草を刈り、お隣の田んぼに日陰をつくってしまっていた桑を伐る。
●2026年5月9日 田起こし 1時間半 合計58.5時間
スズメノテッポウの草原となってしまって田んぼの田起こし。集落はもう夕食の時間で、申し訳ないと思いながらもきょうしか時間が取れず、オールドトラクターで大きな音をとどろかせながら田起こし。
●2026年5月10日 堰さらい&水路周囲の草刈り 約2時間 合計60.5時間
南沢と千が松水路の草刈り&堰さらいを地元集落の方たち20人くらいと行った。わたなべの受け持ちは南沢水路と洞の上流部で、サラシナショウマやミヤマカタバミなど山野草が多く残っている。こんな機会でもなければなかなか歩かない場所なので発見があって嬉しい。主な作業は刈払いだが、洞の上流部は竹藪なので邪魔な竹や倒れている竹をコードレスチェンソーで伐採。前回から広域農道とサントリー入口の交差点付近の草刈りをサントリーがやってくれるようになり助かる。
●2026年5月10日 害獣侵入防止のネット張り 約1時間 合計61.5時間
草刈り後、南沢水路近くで稲作をしている人と中山間地の役員(計10名)でネット張りを行った。
●2026年5月12日 トンボで均す 1時間半 合計63時間
トラクターによる耕転が深すぎたのか、2速での耕転が災いしたのか、大きな凹みが出来てしまっていたので、トンボで均す。水を入れる前、乾いている状態で慣らしておいた方が楽かと思ってやったけれども、大汗をかくほどの重労働だった。
●2026年5月17日 ヌルミを深く掘り直す 1時間 合計64時間
わが家でお借りしている田んぼは最上流部で上から農薬や除草剤が流れてくる心配がほとんどなくありがたいのだけれど、水が冷たいのが欠点。入水路近くのイネはどうしても育ちが悪くなってしまう。それを補うために回遊水路を田んぼの縁に作り、沢水を暖めてから入れるというのがヌルミの本来の目的。
でも虫草農園の場合は、中干しなどの際の水生生物のエスケープゾーンとしての役割りもある。農水省が行っている農業の「見える化」でも、水生生物のエスケープゾーンとしてのヌルミをつくるかどうか(あるいは中干しをアキアカネの羽化後に行っているか)を評価の対象としていたりする。注目される機会の少ない取り組みではあるけれど、こうした細かなことまで評価対象にしてくれていることは虫屋としてありがたい。
●2026年5月19日 代かき&トラクターメンテ 2時間半
●2026年5月20日 スパイダーモア修理 2時間
●2026年5月24日 「ぬるみ」掘り 1時間
●2026年5月25日 田んぼの周囲をトラクターで踏んだあと、代かき 2時間
●2026年5月29日 最後の代かき 2時間
●2026年5月29日 トンボで修正 1時間
●2026年5月29日 トラクター清掃&グリスアップ 1時間
●2026年5月29日 トラクター尾輪脱落の修理(ベアリング交換) 2時間
●2026年6月1日 朝、トンボで凸凹の均し 1時間
●2026年6月1日 田植え前用の重めのチェーン除草機製作 1時間
●2026年6月1日 午前中 田植え直前のチェーン除草 1時間
●2026年6月1日 苗運び&お田植え 3時間×2人 6時間
●2026年5月4日-31日 苗の管理(水位調整とハウスの温度管理) 10分×2回×29日
●2026年6月2日 田植え機清掃&給油(オイル)&メンテ 30分
●2026年6月2日 補植(主に8畝) 1時間×2人 2時間
●2026年6月3日 台風で大雨 排水路をつくる 1時間
●2026年6月3日 補植(主に2畝) 1時間×2人 2時間
●2026年6月8日 チェーン除草(田植え後、初) 1時間×2人 2時間
まるで小さなマリモのような緑色をしたホウネンエビがたくさんいた。
●2026年6月10日 鹿よけの柵を設置 1時間半×2人 3時間
田んぼの中にシカの足跡多数。鹿よけのネットを張ることにした。ネットを設置してしまうと草刈りがしにくくなるのでまずは草刈り。その後、2畝の田んぼに、支柱を打ち込み、鹿よけのネットを張った。
●2026年6月13日 チェーン除草 2回目 1時間×2日 2時間

●2026年6月17日 エンジン田車 ポンプ修理 30分
●2026年6月17日 エンジン田車8畝 1時間
●2026年6月18日 エンジン田車&株間トール2畝 30分×2人=1時間
●2026年6月27日 株間トール 30分
●2026年6月27日 米ぬか散布 30分
●2026年6月29日 土手草刈り 1時間×2人=2時間 葡萄棚下が終わらず。
●2026年6月29日 草取り 30分×2人=1時間
●2026年6月30日 米ぬか調達 1時間 6袋約100kg調達成功
●2026年6月30日 草取り&米ぬか散布 1時間×2人=2時間
●2026年7月1日 草取り&米ぬか散布 1時間
午前中に行い無駄なくらいに株間トールで土をゴシゴシやって濁らせると夕方まで濁ったままにできる。

いろいろ試したけれども、稲を痛めることなく草を効率よく取ることができるという点で、真ん中の「株間トール」が一番いいように思う。
●2026年7月5日 2畝と8畝(沙羅側)の草取り。1時間半
曇りで涼しかったので越境して草取りをした。
●2026年5月12日から毎日 水見(水入れと取水停止) 20分×◯日