朝、起きて、「はて、きょうは何をしようか?」と考えます。
もう少し正確に言うと(やりたいことはたくさんあるから)「さて、何から始めようか?」なのですが、いずれにしても大切なところは「誰かに何かをやってください」と指示されるのではなく「何をやるかを自分で決める」というところ、のようにも思えます。
見方によっては「やらなければならないことがたくさんある」「やらなければならないことの山に押しつぶされそうになっている状態」とも言えなくもないのですが、でもそれらの多くはやらなくても、自分がちょっと嫌な思いをするくらいのことで、やらなくてもまあ、人類は絶滅しないし、地球の生態系もきのうとあまり変わることなく、これまでの数億年と同じように多様性で平衡を保つために棲息密度に応じた調整を行ってくれています。定期的な大発生を繰り返すマイマイガもバッタも、エントモファーガ(昆虫感染症菌)などにより個体数制御されていて、バランスを保っているように見受けられます(そのあたりに興味をもった人はどうぞ、こちらを)。
いかんいかん、話が脱線しました。
「地給知足の暮らし」と題して、虫草農園での暮らし方を紹介する動画をつくっていただいたのでした。
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誰にでもオススメできる生き方、ではないのかもしれません。
でも、これだけ文明が発達し、技術もこんなに進化したのだけから、朝から晩まで、しかも週に5日も、お金稼ぎのために働かなくてもいい世の中になっているのではないか? わたしたちのようなグータラなナマケモノにもできるのだから、もっと多くの人ができるはず、との思いはあります。
田舎暮しであれば、土地に余裕があるので、捨てられてしまうものをいただいてきて、ストックしておくことができます。おかげで、小屋の多くは廃材でつくることができました。
公共交通機関のない田舎では自家用車が必需品なのですが、中古の電動軽トラ&中古電動軽バンを手に入れてからは、太陽光発電でほぼ充電できているので自動車の燃料代はほぼ無料。
しかもそれらはいただきものの中古のソーラーパネル&ヤフオクで仕入れた5000円のパワコンによる発電なので、手間はかかったけれどかかった経費は3万円くらい。それで田舎暮しの必需品である自動車燃料代は無料にできました。しかもほぼ永久に無料(中古であってもソーラーパネルの劣化率は年1%未満、台風で壊れたりしない限り、たぶん私が死んだ後も発電し続けてくれます)。
そのあたりに興味を持った方はどうかこちらを。
また、暖房は自己流のパッシブソーラー&薪ストーブだし、給湯は真空管タイプの太陽熱温水器。草刈機もマキタならパワードby太陽光でいけるし、日本の田舎はいま高齢化と過疎化が進んでしまっているので、いまは田んぼも畑も果樹園も貸していただきやすい状況にあります。
つまり、ヒトが快適に暮らしていく上で必要な衣食住&エネルギーを自給することはそんなに大変ではないし、「知足」をモットーに暮らしをつくれば、そんなにはお金を稼ぐ必要もないように思われます。
誰にでもオススメできる生き方ではないかもしれません。でも、ヒトの暮らしのほとんどをお金で解決しなければならない暮らし方は、一見、効率的に見えるのですが、実は実質的にも精神衛生的にも不安的で、その効率はお金を猛烈にたくさん持っている一部の人がさらにお金を集めるためにも効率的な仕組みであり、つまりは搾取に都合のいい方法だったりもするように(外から見ていると)感じてしまいます。
何度も書いてしまうけれど、誰にでもオススメできる生き方ではないのかもしれません。でも、比率としてこうした自給的で農的、そしてちょっと不便で、だけどそれを楽しいと感じられるような人はもっともっとたくさんいるはずだし、そうした人たちが「地給知足な暮らし」にシフトすることが、命をも軽視する我利我利亡者による搾取を減らし、紛争や戦争をなくし、地球の温暖化をも止める確実な方法のように私には思えてしまうのでした。
いまはまだまだ少ないのですが、この暮らし方は、とんでもなく楽しいし、心が弾みだすようなことも多くて、毎日が刺激的で、似たような感覚の人にはかなり充実した暮らし方だと思うんだけどなぁ……。
末筆ながら、虫草農園の暮らし方に興味を持ち、声を掛けてくださったKEEP協会の田村のり子さん、鳥屋尾健さん、大学の授業に使ったり撮影にもお付き合いくださり的確な助言をくれたリッツこと鈴木律子さん、そしてそして、毎日暮らしている我々にも気が付かない視点まで掘り下げ、素晴らしい感性で動画を撮影&編集してくれた田中文太郎さん、ありがとうございました!