Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


■年末、てんてこ舞い日記2■サクラの木の移植と井戸の配管

「■てんてこ舞い日記1■ユンボの修理」の続きです。
 ユンボが動くようになったのでいよいよ、サクランボの木の移植! といきたいところなのですが、このサクラの木、家に密接しているので、その前にテラスの一部を解体する必要があるのでした。
 サクランボの木が大きくなったら2階の窓やテラスの屋根からサクランボを収穫できたら素晴らしいじゃないか! というのが当初の目論見。そんなわけで、木は建物に沿って順調に大きく育ったのでした。
 ところがサクランボは木全体にネットを被せない限り、サクランボの収穫はほぼゼロ。毎朝、群れでやってきた鳥たちのレストランになる、ということを知り、ネットを被せやすいように近年は小さめに剪定していました。とはいえ、ネットを被せていても完熟になると、ハクビシンがネットを噛み切って中に入り、食べ放題のビュフェ状態になり、ヒトの口に入るサクランボはゼロ、なんて年がこのところは続いていました。
  バールと金槌でテラスを解体後、ユンボで恐る恐るテラスの基礎を探ります。地上に出ているボイド管の柱は簡単に取り除けた(折れてしまった)のですが、その下のフーチンが思いのほか大きく、ユンボバケットですくったら、ユンボが前のめりに持ち上がってしまうほどの重さ大きさでした。
 その後、井戸水の配管をよけながら、サクランボの木の抜根。研いだスコップで根を切りながら掘り進みます。
 これまたユンボが倒れそうになりながらも、サクラの木をなんとか軽トラの荷台に載せることができました。軽トラで所定の場所に移動。移植先は周囲に障害物がなく、収穫時にはネットをかけた上で(ハクビシンやアライグマ対策用の)電柵が設置しやすいような場所に移動しました。
 と書くといかにも順調にことが進んだかのようですがさもあらず。サクラの木を軽トラの荷台から植え穴に落とす際、木が転がってしまい、(冷静に考えれば到底無理なのに)それを支えようとして抱えてしまい、人もいっしょに転がり落ちてしまうという大失態。
 頭から土を被ってしまったくらいで幸いにもケガはなく、サクラの方も枝が少し折れたくらいだったので助かりました。
 百姓は体が資本。ケガや病気には十分な注意が必要です。出社時間も退社時間もなく、通勤時間もない自由業は気楽な商売ですが、有給休暇も労災や保証もないので、体や精神が健康であることがとても大切だったりします。
 障害物がなくなったので、いよいよ井戸水の配管にアクセス。土の中の配管を壊してしまうとヤッカイなので、ユンボから降り、この先は手掘りです。
 地表から60センチほど掘り進んだところで井戸からの配管を発見。でもこのパイプ、呼び径「13(ミリ)」でも、「16」でもなく、もっと太い「20」でした。13だったらひと通りのジョイントをストックしてあり、16→13の変換アダプターもあったのですが、20はエルボくらいしかありません。万事休す。
 いつもだったらネットで取り寄せるのですが、年内になんとか終わらせたかったので、隣町にある長野県富士見町のホームセンターへ(往復で25㎞以上もあるのですが、ここが一番近いのです)。
 年末12月30日のホームセンターは駐車場が満杯なくらいの大混雑でした。こんなにたくさんのヒトを見るのは久しぶり。みんな、なんとか年内に作業を終わらせようと、ホームセンターにやってきた者同士のように見えて、なんだか妙に嬉しくなってしまったのでした。

小粒ながらもこんなにたくさん、サクランボが実っていた頃もありました。ハクビシンがネットを食い破るまでは。

まずはテラスの解体から。 サクラの木を移植するのに邪魔になりそうなあたりの天板を外したところ。 天板は傷んでいたけど、POR15を塗布しておいた中の桟は比較的いい状態でした。 移植後の蒸散を少なくするため枝もかなりバッサリ落としました。

テラスの桟をユンボが使えるところまで切断。独立基礎をユンボで撤去します。 まずはボイド管の基礎ふたつを撤去します。基礎のひとつは、サクラの木の根本すぐのところにあり、根がまとわりついてちょっと難儀しました。

あらかた外周をユンボで掘ったあと、手掘りで根を切り根鉢を残します。 左の奥側には井戸からの水道管が埋まっているので、奥はかなり慎重に根を切りました。

スコップで根を切りながら掘り進むためには、グラインダーに研磨用砥石を付けスコップに刃を付けます。 こうした根堀り作業用スコップとしては、金象の鋼つき造園用ショベルが秀逸。刃先にはS50C鋼材が使用されている上、熱処理がされているのでグライダーで研ぐだけで切れ味のいい刃をつけることができます。 ただし鋼に刃をつけたスコップは足の指も簡単に切断できるので、刃先が物にあたって着地点がズレてしまったりしないように十分注意が必要です。

ついでにお気に入りのコードレスグライダーを紹介します。 今回使用したのは右端のオレンジのグラインダー。 マキタ互換のドラゴンツールですが、オレンジのモデルは回転数の選択ができ、刃物研ぎなど低回転での作業をする際に便利だったりします。 値段も4000円前後と格安(ですが、新品当初からガラガラちょっと気になる音はしています。 コードレスグラインダーはとても便利で、研磨砥石、切断砥石、木工用研削歯、刃物研ぎ用ダイヤモンド砥石などをそれぞれ装着し使っています。

刃付きのスコップで根を切り、根回しなしにもかかわらず、なんとか根鉢を残して掘り上げることができました。

軽トラのダンプ機能を使って、あらかじめ掘っておいた穴に、スライドさせながらズリ落とす作戦で、頭側を軽トラの鳥居にロープでしばり、頭から落ちないようにしていたのですが、最後のところでロープを外したら、根がアオリに引っかかり、頭側から転倒するように落ちてしまいました(人と共に)。

軽トラを植穴ギリギリまで寄せて、リフトダンプ機能を使い、ボールヒッチにロープを掛け、引き起こしました(あやうく軽トラまで倒れるところでした)。 その後、根穴に一昼夜水をいれ、水極めで埋め戻し。うまくついてくれるといいのだけれど……。

サクラの木がいなくなったので、井戸のパイプを探りつつ、独立基礎を新たな位置に埋め戻します。

ボイド管部分が折れてしまったので、コンクリートを練って接合。夜は氷点下でしたがなんとか固まりました。

やっと見つかった井戸の配管。地上から60センチ以上の深さに埋設されていました。ところがサイズが予想外に太く、手持ちの配管材料では対応できず、万事休す。

ホームセンターに20→13の変換アダプターを買いに走りました。 なんとかフーチンをギリギリよけた場所に井戸の単独配管が完成。 公共の上水道と違って井戸や湧き水使用のいいところは自分で工事ができること。メンテナンスも自分でやらなければいけない、とも言えますが。

井戸のポンプを駆動し、不凍栓をあけ、恐る恐る蛇口をひらいたら、水が出てきました。
蛇口をひねると水が出る、という当たり前なことへの感動。
この感動はインフラの整った地域に住んでいる人たちにはわからないだろうなぁ。そこらを走りまわりたくなるような喜びだったりします。

■お知らせ■
実は……、拙著「自給知足な暮らし方」ですが、納戸の床が抜けそうなくらいまだ(1000冊以上)在庫があります(にもかかわらず出版社は重版をしたので「虫草農園」の在庫は売れなくなり、ちょっと困っています)。自分で言うのもなんですが、116ページ全ページカラーで、貧乏くさいけれどもかなり面白いノウハウがギッシリ詰め込めこまれたいい本だと思います。出版社経由でamazonなどからも手に入りますが、もしもよろしければ、虫草農園のSTORESからお買い求めいただけるとありがたいです。(あんまり安くできなくて申し訳ないのですが)業販も承っています。よろしくお願いします。

musikusa.stores.jp