Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


春の香草たっぷりのゴマだれ塩焼きそば虫草農園風。

一週間に一回だけだけど、食事当番がまわってきます。
で、きょうのお昼がその日でした。
前日、道の駅に売れ残り品の引き揚げに行ったついでに、明日のメニューを考えながら隣のスーパーで食材を物色。
メニューを考えるのも、毎日三食だと、ホント大変だと思うのですが、たまにだと、これが結構、楽しかったりします。今回は焼きそばにすることにしました。

それに合わせた残りの食材も同様。調理する直前に畑や林をうろついて、楽しみながらテキトーに調達します。


今回の収穫はこんな感じ。

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⇧メインは、ハウスの中で大きくなって邪魔モノになり始めた野良坊と、柔らかそうなキャベツ(の外葉)。それにふきのとう、カンゾウルッコラパクチー、ネギ坊主、フキノトウ、そして行者ニンニク。


林からは、肉厚な花割れどんこシイタケと、アラゲキクラゲ。これらのキノコは秋にも採れるけど、実はシイタケとキクラゲは、どちらかというと春きのこなのでした。

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⇧肉厚の原木シイタケはアワビのような食感と旨味があったりします。

そしてこれらに組み合わせるのは、マルちゃんの塩ゴマだれ焼きそば。

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⇧塩ダレは春季限定だそうで、安いし、三食入りだし、結構、気に入っています(普段の食事では取れないアミノ酸系の旨味もタップリ!)。

 

香草たちは、混ぜて炒めてしまうと味も混ざってしまうので、ベトナムのフォーのように薬味として別のお皿に切り、分けておきます。

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⇧左手前から右まわりにルッコラ、ふきのとう、パクチー、そしてネギ坊主のミジン切り。そのとき、家の周りで手に入るもので十分だと思います。

調理は簡単。
焼きそばの麺をほぐさずに、油を引いたフライパンいれて、しばらくそのまま焼いて、わざと焦げた麺を作るという裏技もあるのですが、今回はシンプルに、ごま油に行者ニンニクを入れ、それで豚肉の切り落としを炒め、その後、キノコ。少しして大量のキャベツと野良坊、最後にお水と麺を入れ、蒸し焼きにする方法でつくりました。


感じとしては塩ゴマ味の中華風パスタのような感じのものができあがりました。

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⇧そしてこれが最初の頃の状態。

お腹が空いていることもあって、ちょっと量が足りなかったくらいに美味しかった!

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⇧そして途中から、香草の薬味を入れるとこんな感じになります。
どちらかというと香草たっぷりフレッシュサラダの中に麺がときどき混じっている、という感じ。
香草がこれではちょっとキツすぎる、という人はマヨネーズをたして、油でコーティングしてもいいかも。レモンやライムをかけても美味しそう。
春、そこらに生えている野菜とキノコ、そして香草系の野草でつくる塩焼きそば、オススメです!

見える収納の魔力? 道具にも住所を! 壁面収納のススメ

こどもの頃から「忘れもの」が多かったのですが、悲しいかな、歳を取ると、それにさらに「もの忘れ」が加わる、ということに気が付きました(そのうちそれも忘れるかも知れませんが)。


さっきまで使っていたはずの老眼鏡がどうしても見あたらず、困り果て、頭を抱え、ふとオデコに手を当てたらそこにあった、……というのはまだまし。

老眼鏡を(目に)かけているのに、老眼鏡をしばらくの間、探してしまったというときには、いろいろな意味で愕然とさせられました。

 

はてさてそんなわけで、モノづくりは好きなのですが、このところはどちらかというと、モノを作っている時間よりもモノや道具を探している時間のほうが長いのではないか? というくらい探しものをしている時間が長く、どうしたものかとひとり悩んでいたら、先輩から素晴らしい助言いただきました。

 

臼井健二さんいわく、
「探しものの時間を少なくするコツは、モノや道具に住所を与えること!」
つまりは帰る場所をちゃんとにつくってあげること、なのだそうです。
なるほど、なるほど。
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ということで、見せる収納、壁面収納というのを実践してみることにしました。

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⇧これがそのための壁面。雨が吹きかけないように軒を深めにしています。


このあたりは、標高があって紫外線が強いので野ざらしの材木は、白っぽく、場合によってはシルバー系の光沢をもった感じに日焼けしてくれます。
その白系の色と、自家製の浸透性媒染型塗料の茶色系の色とのコントラストがなんとなくシックな感じがあって良さそうなので、収納壁もその線で行くことにしました。

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⇧野路板やホームセンターなどからタダでいただいてきた木製パレットを物置小屋の屋根に並べて白州の紫外線にさらします。まださらして間もないパレット(奥から2枚目)との色の違いが分かるでしょうか?

ひと夏さらすと、かなりいい感じになるのですが、春から秋は農作業が忙しいので、モノづくり系の作業を主に行う(ことにしている)冬まで、そのままさらしておきました。
ところがそれにより、困ったことが起きてしまったのでした。

このあたりには、ホソミオツネントンボというイトトンボが住んでいるのですが、どうも波板と材木との微妙な隙間がお気に入りのようで、ホソミオツネンと思われるトンボたちがたくさん、このスキマを越冬場所として使っていたのでした。
ホソミオツネンは、カメムシテントウムシなどと違い、越冬仲間が肌を寄せ合って寒さを凌ぐ集団越冬タイプではないので、それぞれが離れて点々と止まっているのですが、どうもこの「ガルバニウム波板の上の材木」という条件が気に入って集まってしまっているようなのです。一般的には雑木林のひこばえなどに擬態して冬を越すと言われているのですが、とはいえ雑木林で冬越し中のホソミオツネンを探すのはかなり大変。それを考えると冬越し中のホソミオツネンがこんなにたくさんここにいることは特筆に値することのようにも思えます。

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⇧板をそーっと持ち上げると、こんな感じで板側に何頭ものがへばりついているのでした。ところでこのホソミオツネントンボというトンボ、越冬中のこの時期は木と同系色の地味な保護色となっているのですが、春になって成熟するとこんなに鮮やかな色になります。

お休み中のトンボには申し訳ないことをしたのだけれど、一頭ずつそーっと別の場所に移動してもらい、収納壁の製作をはじめたのでした。
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⇧壁板は、縦張りにするか横張りにするかでちょっと迷ったのですが。間柱に直接壁板を固定できるというメリットを優先させて横張りに。継ぎ目は角をサンダーで落とし、固定するネジは隠さず、鍋ネジで露出させることにしました。
端が反った感じよりも真ん中が膨らんでいる方が好きなので、壁の表面側に木裏を使っています。

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⇧紫外線にさらされた感じに統一感が出るように時間をかけて貼っていたら、材が収縮してしまいスキマが空いてしまったりもしました。向こう側が透けてしまうのはなんかちょっとカッコ悪いので……。

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仕方がなしに、雨ざらしで表面が剥がれてしまった合板の表面材を木工用ボンドでスキマに帯状に貼り付けることにしました。桟木を打つ方法もあったのだけれども、もしかしたらこちらも壁面収納面に使うかもしれず、凸凹させたくない、という事情がありました。

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⇧木工用ボンドだけでは硬化するまでに剥がれてくるので、タッカーを併用。

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⇧その結果、裏側はこんな感じになりました。こちら側には将来的には鉢上げなどの農作業用のカウンターと棚ができる予定です。

施工と順番が前後しますが、収納壁の束石(つかいし)は、そこらの河原から拾ってきた御影石の小石で石積みしてみました。

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⇧芋掘り用のハサミ型スコップでまずは凍結深度(約40cm)まで、直径約20cmほどの穴を掘ります。その後、その真ん中に柱の芯材となる単管パイプを叩き込み、生コンが土ににじみ込んでしまわないようにビニールで遮断し、打ったコンクリート基礎の地上部を小石で石積みするとこんな感じの束石ができます。

裏から見るとこんな感じ。

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⇧柱の内部が単管パイプなのが分かるでしょうか?
単管パイプは将来は4面を木で囲われてしまうので芯が単管であることは分からなくなる予定です。

一方で、壁にぶら下げる道具たちも、少し手入れをし、化粧直ししてあげることにしました。

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⇧折れてしまった爪を部品取り用にとってある壊れた熊手から移植。
そして浸透性媒染型塗料を塗布。

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⇧スコップやフォーク、それに半月クワなど、木製の部分のあるものは、タンニンの鉄媒染色である焦げ茶系に統一して塗装することにしました。

どこに何を吊るすか、道具を集めてレイアウトを決めます。

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で、こんな感じになりました!

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⇧使いやすさ優先で、使用頻度の高いものをなるべく手前に持ってくることにしました。


フックは、なるべく壁と同色にすることで道具を目立たせることを基調に、主には木材で作り、一部ボルトなどを使ってフックを作りました。

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使用頻度の高い「土削り」は、家族3人用をそれぞれに壁にセット。「そこに自分のがなかったからと他人のを借りてはいけない」という虫草農園の憲法第九条で厳格に管理されることになりました。

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⇧土かんなは、金属の柄の部分を木のスキマに挿した後、ストンと落とすと固定されます。

剪定ばさみはこんな感じ。

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⇧柄の形に合わせて作ったので、これも板に添わせてから落とすだけで固定できます。

 

カマもひとり2本、自分の穴があり、そこに愛用カマを挿します。錆びているのも一目瞭然。知らんぷりして口笛など吹きながら、隣の人のと差し替えることも禁止されています。

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こちらはハンマーを吊るすための台。
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ハンマーはヘッドが重いので、壁側に少し起こして傾けてやると、落ちにくくなり、安全に固定できます。

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⇧こんな感じ。農作業では案外、ハンマーをよく使います。働きの悪い農奴の頭をコツンと叩いたり(ウソです)。

穴のあるものは、シンプルにボルトをナット2個で固定。

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⇧長めのボルトを使用し、板の手前と奥、それぞれにワッシャーとナットを入れ、板を2つのナットで締め込むことで固定します。この方法だと薄板にもかなりしっかり固定することができます。

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⇧裏から見るとこんな感じ。板が割れないように大きめのワッシャーを使用するのがコツ。表側にもストッパーとなるナット&ワッシャーが仕込んであります。

 

スコップ(ショベル)はカップ型の受けを木で作りました。
カップ型の受けに、鍋ネジを3本打つと、ちょっとシュールな顔になります。

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⇧そしてこのスコップ、実はかなりのお気に入りの道具でもあります。いつかまたそのあたりも紹介したいと思います。

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おかげで、このところ農作業に関しては、道具を探している時間がかなり少なくなったように感じます。

よく使う道具は、厳選して気に入ったものを選び、そしてそれらが気持ちよく収納されていると、そこから道具を手に取るだけでもなんとなくうれしくて、やる内容は以前と変わらないのに不思議なことに作業自体も、いままでよりも楽しく感じられてしまったりするのでした。

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 オススメです。見える収納。

きのこ散水用配管と水抜き

今年の冬は暖かく、林の中でいつもの年よりも早めにシイタケのツボミが顔を出し始めました。

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ありがたいことに土も溶け始めたので、このタイミングできのこ散水用の配管を土中に埋設することに。
これまではミストシャワーやスプリンクラーをホースで引きまわしていたのですが、ホースだと草と一緒に刈払機で刈ってしまったり、軽トラで踏んでカプラーを割ってしまったり、それにホースよりも塩ビパイプの方がメートルあたりの単価もはるかに安く、しかも土中に埋めた塩ビパイプは、塩ビのホースよりもはるかに長持ちするのでした。

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本当なら凍結深度(このあたりは約40cm)よりも深く掘って埋設すればいいのですが、林の中は木の根が縦横無尽に走っていて手掘りは大変だし、かといってユンボを入れるのも可愛そうなので、ホンの10センチほどの深さに手掘りで埋設。そのかわりにすべての配管には水勾配を付け、一番低い位置のバルブを開けることで、水抜きができるようにしました。

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邪魔にならなそうなところにバルブとワンタッチカプラーを出します。

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これでいちいち遠くからホースを引きまわす必要もなくなり、シメシメと思っていたのですが、このところは寒のもどりで、朝は再び氷点下になる日が続き、水抜きをするのが面倒になっていたのでした。

そしてある日の夜、林まで行ってすべてのバルブをあけ、圃場の水抜きバルブをひらくのが面倒で、「そうだ! 水を流しっぱなしにすれば管は凍らないじゃない!」ということで朝までスプリンクラーを作動させたのでした。

そして翌朝、ブラインドをあけたら、窓の外には、こんな景色が!

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せっかく大きくなっていたシイタケも、こんなありさま。

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りんご飴、ならぬ、シイタケのアイスキャンディーは、はたして美味しいのか……。

しかたないので今晩も、水抜きに行ってきまーす。

寒冷地で、冬もフレッシュサラダを自給する方法を探る

畑を7反(2000坪以上)もやっているというのに、冬は野菜をスーパーから買わなければいけない……、というのはなんとも悔しいのです。
そんなわけでこれまではビニールトンネルを駆使して、どうにか冬も自家製野菜のフレッシュサラダをいただけるようには暮らしてきました。


そんな折、ありがたいことに、近くの方から(撤去を条件に)ビニールハウスをいただけることになったのでした。

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これで冬もフレッシュサラダを食べることができる……と喜んでいたのですが、ビニールハウスは真冬の朝、意外と温度が下がることが発覚。

ハウス内の気温は外気とほぼ同じで、氷点下8度の朝は、ハウス内も氷点下7度にまで下がってしまうのでした。

でもまあこれ、考えてみれば当然のことではあります。断熱材なしで外と内があんなに薄いビニール1枚で隔てられているだけなわけですから。

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でも、せっかくハウスをいただいたというのに、このまま引き下がるのは悔しいので、冬の朝、ハウス内の温度を下げない方法はないものだろうか? とはいえ、できれば化石燃料は使いたくない、という前提の元、いくつか試してみることにしました。


まず最初に試してみたのは、蓄熱効果の高い素材をハウス内に置いて昼間、そこにできるだけ昼の温度を蓄熱しておいてその予熱で最低気温をできるだけあげる、という作戦です。
蓄熱効果が高い比熱の大きな物質で手軽に手に入るものとして「水」と「石」があります。

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⇧一斗缶の一面を黒く塗装し、その面で太陽熱の吸収を高めた上で中に水を入れ、そこに昼間の太陽熱を蓄熱しようという作戦。水に触れていない部分の黒く塗られた一斗缶表面は手で触れなくなるくらいに熱くなります。

それと同時に、

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田んぼの改修工事の際にいただいてきた畦板(畦畔ブロック)を随所に敷き、石に昼間の太陽熱を蓄熱しようという作戦。これは管理用の踏み石としても便利でした。

はたまた……、

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廃タイヤの中に落ち葉や鶏糞、米ぬかや生ゴミなどを入れ、発酵させることで発酵熱で暖房しようという装置。

このタイヤのコンポストもなかなか良さそうだったのですが……、

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でも最終的には、ハウス内で大々的に堆肥を作るというのが効率がいいことが分かり、タイヤを使わず、もっと大量に堆肥を作ることになりました。

また、タイヤに土の詰まったものは蓄熱体としても優秀であることが分かり、タイヤを積み上げ、ロックガーデン風のスペースも作ってみることにしました。

まずは仮組み。

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⇧タイヤを少しずらして組むことで、ロックガーデンのようなものができないものか、いろいろ組み合わせ中。タイヤをずらして積むと、上の段のタイヤの底を下のタイヤでふさぎきれない場合があるのですが、その場合は石でフタをしたり肥料袋などでふさぐことで上の段のタイヤの中の土をこぼさずに積み重ねることができることが分かり、タイヤ積みの自由度があがりました。

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⇧廃タイヤは側面にまでしっかり土を入れると安定します。しっかり詰めて積み重ねれば土留めなどにも使えます(詳しくはこちらを参考にして下さい)。
Earthshipなどではハンマーで叩いていたりするようですが、この程度の積み上げだったら、長靴のつま先を使うのが正解。土をトーキックで中に詰め込み積み上げました。

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⇧とりあえずこんな感じになりました。

で、いまはこんな感じになっています。

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⇧将来的にはタイヤウォールの部分はリッピアなどの地被でカバーしたいと思っています。

石垣いちごならぬ廃タイヤいちごも花をつけてくれました。

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そしてなぜかコプリーヌこと、ササクレトヨタケも。

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シイタケのほだ木を入れてみたら、真冬だというのに、こんなに発生。ハウス内は湿度が高いのでキノコの発生には適しているようです。

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また、北側の妻面には、太陽光や赤外線のリフレクター効果を狙い、ビニールの内側にアルミの反射シート(100円ショップで2m×1mが108円)を貼り、光量の確保(屋根以外のビニールは中古で透明度が悪いので)と温度低下を抑えるようにしています。
発泡断熱材の付いた反射シートですが、ビニペット用レールにビニールと共に一緒に挟み込むことができ便利でした。

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⇧ビニールハウスにビニールを貼るためのビニペット&レールと言うシステム、なかなか優秀でいろいろ使いみちがありそうです。


蓄熱体であるタイヤを使ったテーブルも設置してみました。厳冬期でも、日が当たっていればハウスの中はポカポカ。

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⇧晴れた日曜日には昼間からビールを飲みながら……、といきたかったのですが、結局はそんな余裕もなく春が近づいてきてしまいました。

それでもハウス内の気温は厳冬期、氷点下になってしまうのですが、さまざまな蓄熱対策が功を奏したのか、ハウス外のように地面が凍りつくということはなく、そのおかげで今年の冬はさまざまな野菜たちをいただくことができました。

畑で凍えたいた苗たちをとりあえず移植。
植え始めたときは、こんな感じだったのですが、

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いまはこんな感じ。

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ところで、虫草農園の野菜はなぜか長持ちするのが特徴で、晩秋、霜が降りる前に路地で収穫したトマトが2月まで腐らず、カビも生えず、食べることができたりします。
また、秋に収穫したカボチャも冬至どころか、いまもまだ問題なく食べることができたりします。あるいは有機肥料をたっぷりすき込んだ畑では、路地でもパクチーやネギ、キャベツやレタスなどがどうにか寒さに耐えていて、冬はそれらをいただいていたりもします。
そんなわけで、意外と冬はまだ野菜があるのですが、一番厳しいのはこれからの時期。畑からの収穫物は5月にならないとないし、山菜が採れ始めるまでの今の時期が野菜不足になりがちだったのですが、ハウスをいただいたおかげで今年は3月4月にもフレッシュサラダをふんだんにいただくことができそうです。

芳村さーん、ありがとうございました! 大切に使わせていただきまーす。

うまくすると薪の消費量が半分になる薪ストーブの焚き方

今の時期だとカエデの樹液をを煮詰めたり、台所にお湯を供給したり、大活躍中の薪ストーブなのですが、薪の燃やし方にはちょっとしたコツがあって、それを知ると、消費する薪の量を半分くらい節約できたりします。
また、薪ストーブだけでなく、キャンプなどで使うカマドでの煮炊きでも同様。燃費も良くなるし、火持ちも良くなります。ぜひ、試してみてください。

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ところで、自動車のエンジンの場合「エンジンの燃焼効率がいい」ということと「エンジンがかかりやすい」ということとは、相反関係にあります。
一般に燃焼室がコンパクトで圧縮比が高い方が、燃焼効率には優れているのですが、圧縮比の高いエンジンは寒い朝、あるいはバッテリーが弱っていたりするとセルモーターが回りにくくエンジンがかかりにくかったりします。

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⇧左手で圧縮を抜くためのデコンプレバーを握りながら、右手のヒジを固定して体重を載せ、圧縮の高く、かかりにくい天ぷら廃油ディーゼルエンジンのクランク棒を回す娘。


で、エンジンの燃焼と似たことが薪ストーブの燃焼にも言えそうなのです。
学校のキャンプ教室などで教わる「焚き火への火をつけ方」は、まず、キャンプファイヤーのように薪を組み、その一番下に丸めた新聞紙を置き、その周囲に焚き付け用の細い枝をのせ、一番下の新聞紙に火をつけるという方法ではないでしょうか?
この方法、(風のある野外でも)火が付きやすいというメリットはあるのですが、残念ながら、このつけ方だと不完全燃焼を起こしている部分が多く、目にしみる煙も多く、燃焼効率も燃費も悪く、薪の持つエネルギーを十分に活かすことのできていない着火方法なのでした。

燃費の良い薪の燃やし方の基本は「上から下へ」です。
これは韓国の自作ストーブの見せびらかし大会「私はストーブだ!」の講演でソンウォンさんから教えていただきました。点火の方法に少しコツが必要ですが、これだと燃費もよく、煙も少なく、火持ちも良くなります。
正確に言うと、「上から下へ」ではなく「排気口側に近い方から火を付け、だんだんと吸気口側に延焼させていく」ということになります。
「排気側に近い方に火を付け、火が徐々に吸気口側に移動していく」と聞いてピンときた方がいたとしたらそれは鋭い! そう、ロケットストーブやベースバーニングストーブのあの燃やし方と一緒なのでした。


文章だけだと分かりにくいので、わが家で毎朝やっている作業を写真とともに順番に解説させていただきます。


■薪の持つエネルギーを最大限引き出す薪の組み方と火の付け方■

まず、前日の残りであるオキを灰の中から救出します。薪を置くのに邪魔にならないところに移動します。量が多いときは大きめの十能のようなものに移し、いったんストーブの外に出すこともあります。

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⇧これをやらないと下から火がついてしまうのと、これをやればマッチやライターは必要ありません。

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次に、ストーブの燃焼室内に、まず太めの薪を並べます。

そしてさらにその上に、一段目よりも少し細い薪を載せます。

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⇧縦横交互に積んでいますが、二段目も一段目と揃えて横に並べてもかまいません。

 

さらにその上に、細めの粗朶(そだ)を重ねます。

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⇧一番下に太い薪、その後だんだん上に載せる粗朶を細くしていきます。

 

最初によけておいたオキを組んだ薪の一番上に載せます。オキがない場合は、スターターを使って火をつけます(後述)。

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⇧オキは分散させず、なるべくまとめておくと熾り(おこり)やすくなります。

 

オキが熾るまでの間、ガラスの掃除をします。濡らしたウエスに灰をつけ、とりあえずは濡れた灰をガラス面全体に分散させるように置き、その後、それをコンパウンドのようにして少し力を入れてこすります(この方法はウチのお隣でやはり薪ストーブを焚く小説家、樋口明雄さんに教えていただきました)。

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⇧濡れた灰は強アルカリなので、頑固な汚れも比較的簡単に落ちます。

最後の仕上げは新聞紙。

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⇧新聞紙に印刷されているインクの成分が油を分解し、ガラスにツヤを与える、と言われています。

 
そうこうするうちに、上に載せたオキが熾(お)きて来るので、そのタイミングでひと息、火吹き竹で風を送ると、ゴーという音共に炎が立ちあがります。

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⇧火吹き竹は節を抜き、出口側の節に3ミリ程度の穴をあけます。これは「高速で移動する流体の周囲には負圧が発生する」というベルヌーイの定理。細くても流速のある空気の動きがあると、その周囲の空気も引き込まれ、周囲の空気を巻き込み大量の空気を送るこむことができるのです(フイゴやウチワの比ではないので、木炭を熾すときなどもぜひ使ってみてください)。出口が絞られているので、ひと吹きで長い時間、風を送ることができます。酸欠や酸素過多で頭が痛くなったりもしません。

 

こんな感じで火が安定したOK。 

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⇧しばらくは吸気口を全開にして、燃やします。

 オキが残っていたとはいえ、ストーブ本体は冷えているので、燃焼室が高温になるまではエア全開で燃やします。

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⇧ウチは煙突のパイプに温度計を設置していて、煙突の温度が100度Cになるまで全開で焚きます。

ストーブ本体が温まり、排気管の温度が100度を超えたら、吸入口を絞ります。

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⇧こののストーブは、燃焼室の上に、小さな穴がたくさん空いたパイプが仕込まれていて、そこから二次燃焼用の空気が供給され、吸気口を全閉にしても、高温のパイプで加熱された二次空気が薪から霧化したガスと混ざり、燃焼してくれます。

二次燃焼のシステムがないストーブの場合は、ストーブ本体&燃焼室の温度が下がらないくらいに燃焼をコントロールし、吸気口の開度を調整してください。

二次燃焼システムがあるストーブの場合は、燃焼室の温度が高温になっていれば、その後は、一次空気の吸気口をかなり絞った状態でもストーブは温度を保ったまま、燃焼してくれます。

 

ポイントは、下の方に太めの薪を組み、上にいくに従って細くしていき、できるだけ上(排気口に近い位置)から燃やす、ということ。

下から焚いてしまうと、上にのっている薪は加熱され、それによってバイオガス(未燃焼ガス)がでるけれども、それを燃えることができずに排気されてしまい、それが煙道で冷えれば煙突内壁でタールになってしまい、薪から気化したせっかくのバイオガスを未燃焼のまま排出してしまい、タールを煙突でつくることになってしまっている、ということだと思われます。

また、二次燃焼システムのある薪ストーブでは、できるだけ二次燃焼用の空気の吐出口近くに着火用の炎を用意してあげることもポイントのように思います。そのためには二次燃焼付近にときどき、火持ちの良い薪を火種として一本、供給してあげるといい感じで二次燃焼してくれます。

長時間燃やしたいという場合は、下の太い薪に燃え移る前に、タキツケか、それよりも少し太いくらいの燃えやすい枝を追加すると、下の太い薪から出るバイオガスも燃焼しつつ燃えるので、タキツケほどの細い枝なのに火持ちがしたりします。

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⇧二次燃焼はガスが燃えるので、青白い炎で燃えます。パイプに二次燃焼用空気口があいているのが分かるでしょうか?

■オキがない場合のスターターを使った火の付け方■
この焚き方で焚くと、火持ちがよく、たいてい朝までオキが残っているので、スターターをほとんど使わないのですが、それでも留守にしていたときなど、火が完全に落ちてしまうこともあります。
そんなときに備えて、スターターをつくっておくことをオススメします。スターターの材料は新聞紙や段ボール紙でもいいのですが、火持ちの良いスターターを用意しておくと、時間的な余裕ができて容易に着火することができます。

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⇧ウチで使っているスターターは、チェーンソーのカス(自動カンナの短いカンナクズでもOK・ただし長いカンナクズは使いにくい)に、天ぷら廃油と少量の灯油を染み込ませたもの。天ぷら廃油を添加することで火持ちがよく、灯油臭さも驚くほど少なくなります。これを缶に入れておいて使っています。

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⇧お気に入りのSOTOのライター(ガス充填可能)で点火。

スターターに火が付いたら、火の上に細い枝を重ねていき、火を大きくしていきます。

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⇧この際、慌ててたくさん細枝をくべると、空気の入りが悪くなってしまうので、火の様子を見ながら、火の上に重ねていきます。
火が安定したら、燃焼室の温度が上がるまで、吸気口は全開で焚き、温度が十分にあがり、一次空気を全開で入れなくても薪が加熱されてガスが発生し、それが燃えるようになればOKです。

今年は特に暖かい冬だった、ということもあるけれども、おかげで薪はかなり節約できました。この焚き方を始めた年は、その前年の半分くらいの消費量で済んだのですが、今年はそれよりもかなり少ないので、3分の1くらいだったかもしれません。

燃焼効率がいいからか、ススやタールの溜まりも少なく、煙突掃除もここ3年くらいしていません。薪ストーブを使わる方は、ぜひ試してみてください。

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メイプルシロップ2019

今年も、アオゲラがカエデの木を突つき、そのキズ痕から樹液が流れ、メジロがやってくる季節になりました。

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⇧いろんなビンで集めているけど、メイプルシロップを集めるビンにはなぜかゴードンが似合います。

 

きょうからは、10本体制で、カエデたちから樹液をいただいています。

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⇧ありがたいことにこれぜーんぶ、カエデ。

 

メープルシロップやウォルナッツシロップの採取の仕方などについては、昨年のこのページを参考にしてください。

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樹液のそのものは「ほんのりわずかに甘い?」という感じなのですが、薪ストーブの上で煮詰め、体積が約40分の1になると、こんな感じになります。

 

ハチミツ用に手に入れた糖度計があるので、測ってみたら糖度は約75度でした。

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これでカエデの木3本からの2日分。

本物のメイプルシロップが高価なこともうなずけます。
早春の林の甘露、ありがたくいただいています。

 

廃材で作る、上広がりの収納棚

近くを通るだけで、木の枝が落ちてきたり、これはどうにかしなければ……、ということで時間を見つけては作っていた作業場の収納棚が、やっとこさ、ほぼ完成。

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材料は、朽ちたパレットや古民家の解体材などなど。
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⇧材料が足りなくなり、二枚重ねで継ぎはぎしたり……。

廃材の釘抜きから始めたので思いのほか時間がかかってしまいました。

本当はこの中に収める引き出しも、木や一斗缶で作りたかったのだけれど、
ハチの巣箱もそろそろ作り始めないといけないし、
きのこの菌打ちも、それにまだお醤油も絞れてないし……
ということで、今回は時間切れ。
引き出しは市販のプラケースになってしまいそうです。

 

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⇧廃パレットには見たことのない木目の南洋材らしきが使われていたり、帯ノコではなく丸ノコで製材されたらしき板があったり、そんなことにいちいち感心しているからね、時間、かかります。

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⇧人の頭よりも上の空間も有効利用したい、ということで、上広がりの棚になりました。

 

さて、これだけモノを整理して収納できるようになれば、果たして、モノを探している時間が少なくなるのだろうか? 結果をまた報告します。