Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


ただ積み上げるだけという「いい加減なコンポスト」

ついに地面からフキノトウが顔を出し始めました。
春の予感はやっぱり嬉しいもので、心はウキウキときめくのですが、その一方で農閑期にやろうと思っていたことが思いのほかできていないくて、まずいなぁという焦る思いも入り乱れ、鼻水と共に複雑な面持ちで日々を過ごしています。
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今年は雪がほとんど積もらなかったので、枯れ草たちがペシャンコにならず、まだ立ち上がった状態のまま。このまま春を迎えそうで、ちょっと困っています。
というのもミツバチたちにとって、冬を迎える前の最後の吸蜜植物がアメリカセンダングサだったりもして、おかげでアメリカセンダングサを昨秋は極力残し、刈らなかったので、タネたちがいまかいまかと、ヒトが通るのを待ち構えているという状況。

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⇧とても美しいのだけれど、ひっつかれたまま洗濯してしまうと、下着にまで針が刺さってしまったりして不快なので、洗濯前には取り除く必要があり毎日のことだとちょっと面倒だったりします。


仕方がないので、大鎌で刈り取って処理することにしました、といってもモッタイナイので、それらの枯れ草も堆肥として活用するのですが。

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⇧刈った草はまとめ、転がすようにして畑の真ん中あたりに集めます。

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⇧集まったらできるだけ上に積み上げます。
必ずしも畑の真ん中でなくてもいいのですが、畑の真ん中だと、あとで堆肥になったとき撒くのが楽ちんだったりします。そう、虫草農園は「ぐうたら」と「モッタイナイ」が基本。いかにしてアルモンデ、手抜きをするかを最優先しています。

そして、積上げる際のポイントがコレ。

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⇧真ん中に鉄の棒を刺します。これに絡げるようにして積み上げると、狭い場所に高く積めるし、風が吹いても飛んでいきません。雨が多くて水分が染み込みすぎる場合は、藁束を上にかけると、藁葺き屋根になり、適度に雨も染み込んでいいかんじ。
分解を早めたり、肥料効果を高めたりしたい場合は、窒素分の多いもの(鶏糞など)を添加します。

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⇧こちらは果樹の根本に積んだ例。少しこなれてきたら天地返しをすると共に、場所を移動すると、雑草による草止めマルチにもなったりします。


こちらは数年前に積んだところ。

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⇧もう土に近い状態なので肥料分が流出してしまうとモッタイナイので、波板を被せてあります。

で、この波板を取って、ちょっと掘ってみると……。

じゃーん! こんなのがたくさん。
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⇧はてさて、これはなんでしょう?

虫嫌いな人は、この先、要注意です。

いちおう警告しましたからね。


いいですね。

 

 

じゃーん。

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⇧丸々と太ったカブトムシの幼虫。
触ると、「ギュッ」と体を固くするのがカワイイ!

さきほどの黒いタブレットはカブトムシの幼虫の糞で、この黒いタブレットは水分をふくみやすい上、団粒構造で、肥料分もあって、最高品質の鉢植え用土になります。

 

こちらは果樹の苗木と苗木の間に積んでいる堆肥。オートマチックに施肥もできるという寸法。

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⇧天地返しし、真ん中に穴をあけ、そこに新たに枯れ草を投入したところ。このあと、枯れ草の上に堆肥を被せます。
普段はシート(奥の黒いもの)を被せているのですが、このところは乾燥気味で水分が少なめなので、ひと雨当てる予定。潅水も雨にお願いするという「ぐうたら」ぶりなのでした。


「ぐうたらな堆肥作り」や「いー加減なコンポスト」に興味がある方は、こちらのページをご覧ください。







信州・蓼科「親湯温泉」のこと。

我が家にとってここは、秘密の温泉宿なのです。
だから本当は、あんまり大々的には紹介したくなかったのです。

でも、先日初めて知ったのですが、ディズニーランドの入場料が大人ひとり7400円とのこと。人によっては遊園地というのも面白いところなんだろうなぁ、とは思うけれども、まさかこんなに高価だったとは知りませんでした。人を呼ぶための広報にお金をたくさん使っている、というところがどんどん儲かってしまう、というのはなんだかなぁ、と思ってしまったのでした。

(歳のせいかもしれませんが)同じくらいのお金を払うんだったら私たち家族の場合は「温泉宿」の方がいいなぁ、と思うと同時に、せめても似たような考えの人たち間でこうした楽しみ方を共有したいと思い、勝手に広報したくなり、紹介させてもらうことにしました。
だから今回の記事は、親湯温泉に対しての熱い思い入れたっぷりですが、ペイドパブではありません、いちおう念のため。

ということでさっそくですが、これが親湯温泉のロビーです。
どうですか? 

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⇧写真はごくほんの一部で、この数倍の面積と本があります。蔵書の数は3万冊以上、とのことでした。ゆったりとしたソファーの他に、外の景色を楽しみながら執筆作業のできるような素敵な机なども用意されています。
チェックインは15時からですが、少し前に行って、部屋の用意ができるまで、ここでくつろがせてもらうのがオススメです。


ウエルカムドリングとして、美味しいスパークリングワインや生ビールなどをいただくことができます。ゆったりとした雰囲気のBGMと共に、もうそれだけで、体の疲れは緩み、贅沢な時間を堪能することができます。
というのも、ここは信州・蓼科の奥なのですが、ウチからだと(下道で)ちょうど1時間で行ける距離だったりします。午前中、目一杯、土方仕事や農作業で筋肉を酷使し、お昼も家で食べ、食器も洗ってから、さあ~出発。それでもチェックインタイム前に到着できるのでした。

今回、泊めていただいたのは、こんな部屋でした。
障子が三方にあって、その縁取り越しに見える雪景色が素敵でした。

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オフシーズンの平日であり、家族4人で一番安い部屋を予約したのですが、アップグレードしてくれた可能性があります、が、特にそうしたアナウンスはありませんでした。そのあたりも奥ゆかしくてなんだか、上質、という感じ。

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寝室はこんな感じでした。やっぱり本がたくさんあります。
我が家は田舎の家なので、都会と違って間取りに比較的余裕があるほうで、オマチのシティホテルとかに泊まると、狭苦しく感じてしまうことがあるのですがここは違います。

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⇧大正時代創業の老舗宿でもあり、ロビーのソファーもそうですが、調度品のひとつひとつが古くて質のいいものが多く、それらと現代風のオシャレな洗面台がいい感じでマッチしていました。
トイレは、至れり尽くせりの最新式。
部屋にお風呂(ユニットバス)も付いていたのですが、入りませんでした。ここは温泉で、素晴らしい露天風呂があるのです。
まずは食事の前に、ひと風呂。

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⇧この写真は親湯温泉の公式HPからお借りしたものですが、ちょうど雪景色の時期でもあり、まさにこんな感じでした。湯船の横に置いてある薪を浮かべると、針葉樹のいい香りが増します。

露天風呂もいくつかあり、翌日の朝、食事の前に入ったお風呂はこんな感じでした(この写真も親湯温泉公式HPより)。

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⇧こちらのお風呂は、こじんまりとしたヒノキ(もしかしたらヒバ?)の香りの木のお風呂。宿泊者はあらかじめ時間を予約して、30分間貸切りでつかうことができます。

そして親湯温泉のもうひとつの楽しみが食事なのです。
見てください、この満面の笑みを。

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⇧でも、これ朝食。

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こんな感じのシンプルな個室でゆったりと食事ができます。

実は、親湯温泉にたどりつく前、バイキングスタイルの温泉ホテルにいくつか泊まっています。好きなものを自分で選んで食べられるというのはいいのだけれど、飲み放題などというコースも併設されていることが多くお客さんの中には酔っぱらいもいたりして、残念ながらゆっくり食事を楽しむ、という感じではありませんでした。
ビュッフェスタイルながらも、ライブキッチンも充実していて料理も意外と美味しくて、温泉も充実していて、料金も安かったところ(たとえば石和のホテル新光)なんかもあったのですが、それでもやはり落ち着いて食事や会話を楽しむという雰囲気ではありませんでした。そのあたりのことも考えて、親湯温泉は個室にこだわったのではないかと思われます。

ではざっくり、夕食を紹介します。予約時に創作料理のコースと、山の幸のコースの二種類から選べるのですが、今回は創作料理のコース(蓼科キュイジーヌ)にしました。
まずは前菜の前菜? アミューズ・ブーシュから。

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⇧左上からフグとマグロとエビのスモーク(なるほどねー、山の奥で食べる海の幸なので燻製にするというこだわり)。
右はカモのロティ、オレンジ添えと、馬のタンのバルサミコ風味(馬の舌を生まれて初めて食べました)。
小鉢はつぶ貝と「お醤油のゼリー」(絶品でした)。
そしてその左が、ヤリイカと赤えび(上にのっていたのはサクランボのソース?)

 

前菜は、

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ホタテの貝柱のグラタン(ワインがすすみます)。

 

スープは、

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大好きな、オニオングラタンスープ。

 

魚料理は、

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寒ブリのナージュ仕立て。オリーブオイルのジュレ
(ニンジンの素揚げ?が絶妙でした)。

肉料理は、

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蓼科牛のソテー。シャリアピンソースと安曇野のきざみわさびの二種類でいただくことができます。時期外れのはずのトマトは、グラッシェしてありました。

そして最後に、蓼科スープカレー(匂いに誘われスプーンを手にしてしまい、写真を撮り忘れました)。
これは、おかわりができるらしいのですが、お腹いっぱいでおかわりはできませんでした。

続いて朝食。
朝食時はサラダバーがあって、サラダはビュッフェスタイルでした。

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採れたての美味しい野菜が食べたくて農的な暮らしをしているわけで、ハーブやサラダだけは負けない自信があるのですが、クラッシュアイスの上に置かれたシャキシャキの野菜たち、そして自家製のドレッシングたち、さすがはホテル、という気配りと美味しさでした。

そしてこちらが朝食(これが夕食でもいいくらい)。

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鯛の塩麹締めや野沢菜の炒めもの、ホタテの揚げ物、キノコの味噌和えや、だし巻き卵それに信州ならではの漬物各種などなど、ご飯がすすんでしまって困りました。ご飯は曲げ輪っぱのおひつに入っていました。
信州のお味噌を使った根菜のお味噌汁も美味しかったのだけれど、湧水豆腐の湯豆腐が最高でした。豆乳がたっぷりで、食べてるそばからユバができて本当に美味しかった。希少で高価な食材を使うよりも、アルモンヲ美味しく食べてもらおうというこうしたアイデア、素晴らしいと思いました。

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ロビーには、3万冊の蔵書と共にさまざまなソファーが置かれていて、薪ストーブ(正確にはバイオマスペレットストーブでした)が静かに燃え、夕食の後、宿泊している人たちがロビーに集まってきてそれぞれにくつろいでいるホテルというのは珍しいし、食事にも手が尽くしてあって美味しいしアイデアに満ちているし、働く人たちもとてもいい感じで、私たちにとっては最高に素敵な温泉宿だったりします。

あ、そうそう、宿のお値段を書くのを忘れていました。今回は2月の平日だったのですが、旅行会社のクーポンや予約と同時にお金に換金できるポイントなどを駆使したところ、1泊朝夕2食付きで大人ひとり7000円弱(税&サービス料込)でした(正規料金でも7560円)。
しかもウチからだと、高速代もクルマの燃料代もかかりません(天ぷら廃油なので)。

それでも、なるべくお金によらない暮らしをしていて、お金稼ぎに熱心でない我が家にとっては、大きな出費であることに違いはないのですが……、でも、約1時間のドライブで異次元とも言える素敵な空間にたどり着くことができて、家族で美味しい食事もいただくことができ、素晴らしい温泉にも3~4回も入ることができて、素敵なソファーに沈みこみゆったりと本も読む時間も堪能できる……、家にいるとやることややりたいことばかりが思い浮かんでしまい落ち着けない我が家にとって、これは最高の贅沢なのだけれども、一方で、蓼科や八ヶ岳にやってきても、遊ぶところがぜんぜんなくてつまらなくないですか? っていう人がいたり、パチンコ屋さんが繁盛していたり、人も遊び方もいろいろ多様性があることがいいことなのかもしれません。

包丁の保管と包丁刺し

結婚した当初は、ミソノの包丁がたったひとつだったのに、あれから30数年もたつと、包丁も数が増えてきます。
買ったのは、ミソノと、野良鍛冶・田むらさんが切れなくなったヤスリをひっぱたいてt作ってくれた「アジ切り」くらいで、他はほとんどがいただきものです(包丁は捨てにくいらしく、引っ越しの手伝いをしたりすると自然と集まってきます)。
数が増え、いままでのような平置きでの収納ではスペースを取ってしまうので、包丁を研いだついでに、包丁を収納するための包丁刺しを作ってみました。
刃先を硬いものになるべく当てないことが、刃を長持ちさせる秘訣のように思います。

材料はその辺にアルモンデ。

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⇧(抗菌作用を期待して)杉の木っ端と、蕎麦屋のなかしまさんからいただいたゴムの薄板。

杉の木っ端は長さ12センチに切り揃え、ゴムは幅12.5ミリで都こんぶのように切りました。

 

これを、重ねてクランプし、ドリルで道穴を開けた後、コーススレッドを打ちます。

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⇧横着してドリルであける道穴をあけずにコーススレッドをねじ込んだら、杉板は見事に割れました。コーススレッドの軸径よりも少し小さなキリで道穴をしっかり開けましょう。

 

で、完成。
汚れたら簡単に分解できるように、ふたつに分けて作りました。

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⇧この刺さっている包丁が、結婚した時に悩みに悩み、迷いに迷って買ったミソノの包丁。一本しかないのだから使用頻度が高く錆びることはないだろうと、研ぎやすさ最優先でスウェーデン鋼の鉄の包丁を選んだのでした。片刃です。30年以上たって、だいぶ刃の幅が狭くなってきましたが、でも気を入れて研げば、よく切れます。

結婚した頃は錆びなどなかったコクヨの緑色の工具箱(産業用工具箱を台所のワークトップを載せる台に流用しています)の引き出しにこんな感じにセットしました。

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質実剛健、ガッシリした柄の「アジ切り」(奥から三本目)が、野良鍛冶・田むらの包丁です。
ありがたいことに刺し身包丁やパン切り包丁(イエローナイフではないのだけれど)などもいつしか集まってきました。ウチでは、猟師の方からいただいた鹿の解体なんかも、普通の包丁でやります(刃先に脂が固まるので、刃が鋭利であることより、刃物がたくさんあることの方が有利のように思うので)。
パン切り包丁はミツバチの巣のフタを切る時などにも使っています。
どうしても使わない包丁は、グラインダーで途中で切断し、スクレッパーに改造したり……。

いつの日か、自分で刃物を打ってみたい、などとも思っていて、温風の出ない壊れたヘアドライヤーや、古いオースチン・ヒーレー・スプライトの板バネなどもストックしてあったりもするのですが(古いクルマのものの方が歩留まりの悪い精錬をしているので鋼の質がいい、との噂を信じている)、そんなことができるのはいつの日になることやら。

立春を過ぎ、アオゲラが突付いたカエデの木から樹液がではじめたというのに、この冬完成させるはずだった農作業小屋もまだできていないし、今年の冬には必ず屋根をかけようと思っていた外台所もまだ手付かずのまま。自給知足などと言ってタルタル教を装いながらも、その実、やりたいことばかりがどんどん増えてしまいモアモア教にすっかりからめとられているのでした。







春を感じるペンペン草の餃子。

外はまだまだ八ヶ岳おろしが吹いていますが、温室の中では順調に、植物たちが育っています。
指先ほどの小さな苗だったレタスもこの通り。
でも、タネを蒔いたわけでもないのに、その周囲には雑草たちも目立ち始めました。

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⇧ところで、今回の主役はこのレタス、ではなく、その周囲に勝手に生えてきたこの雑草たち。

「たぶん、アレだろうなぁ」と思いつつ、継続して観察していたのですが、早めに育った株に花がつき、温室内に勝手に生えてきた多く雑草たちがアレであることを確認。
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そう、春の七草のひとつ、ナズナこと、ペンペン草です。

 

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⇧こちらは、ニンジンを種まきしたスペースなのですが、ニンジンよりも後から生えてきたナズナの方が旺盛に育ってしまって、草取りが必要になってきてしまったのでした。

でも、ただ、引っこ抜いて捨ててしまうのはモッタイナイ。ということで抜いたものを集め、刻んで餃子の具に入れてみました(緑色のものはすべてナズナでかなり大量)。

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ちょうど、タカキビもダップしたところだったので、それも入れてナズナ&雑穀入り餃子に。
そういえば、きょうの折々のうた坂口恭平も言っていたなぁ。
「料理はあれこれ決めつけない。いつもどこかで緩んでいる。だから偶然が巻き起こる」と。
ということで、温室に勝手に生えてきた雑草たちを、餃子の皮で包んで焼きます。

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フライパンにぎっしり並べ、ひとつのかたまりにして空中に放り投げ、裏表ひっくり返しながら焼くと……。

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ひと足早い春の香りの餃子。本場中国では餃子(水餃子?)にナズナを入れることが多い、との話を以前聞いたのですが、なるほど、ナズナと餃子は相性バツグン。納得!
今回はナズナの味と香りを大切にしたかったので(まだ育っていないということもあって)ニラは入れなかったのですが、ペンペン草餃子は、ニラなしのほうがナズナの独特の美味しさが引き立っていいのかもなぁ、と思いました。
春を感じるナズナの餃子、おすすめです。

伐採木の片付けと「こん棒」

今年は雪が少ないので助かっているのですが、それでもときどき雪の予報があり、ヒヤヒヤしながらも、雪が積もってしまうとやりにくい作業を優先して日々を過ごしています。
取り急ぎ、やっておきたいのは晩秋の新月に葉枯らしで倒しておいたクヌギの片付け。

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⇧さてここで、突然ですが質問です。クヌギは落葉樹でしょうか? それとも常緑樹でしょうか?
一般に図鑑などにはクヌギもカシワも落葉樹とされていますが、このふたつのナラ科植物は常緑ではないけれど、必ずしも落葉樹でもなく、風当たりの弱いところでは春近くまで茶色の葉をつけていたりします。そんなわけで、建物の南側のひだまりに、冬は葉が落ちるから……と思ってクヌギやカシワを植栽すると、貴重な冬の日差しが遮られてしまう必要があります。造園の現場をあまり知らない建築系の設計士のみなさん、ご注意ですぞ(笑)。
そんなこともあって、秋に伐ったクヌギはそのまま次の夏くらいまで葉をつけている(クヌギ以外の落葉樹でも葉のある時期に伐ると秋や翌春になっても落葉しません)ので、葉枯らしが容易だったりします。でも、雪が積もってしまうと葉が濡れてしまい水分が抜けにくくなってしまうのでできれば雪が積もる前に屋根下に取り込みたいのでした。

ところで、薪を作るのにできるだけ化石燃料は使いたくない、ということで、最近はこれを便利に使っています。

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⇧ラチェット式の太枝切り。使い方にコツがありますが、しっかり深く開いてくわえるとラチェット機能により直径5センチくらいの枝でも切ることができたりします。

そしてもうひとつ、これも意外や便利。「こん棒!」。

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⇧普通、幹に付いた細い枝を落とすにはナタを使いますが、写真の長さくらいの「こん棒」があるとナタに代わりになります。というかナタよりも使いやすかったりします。幹についた細枝の付け根付近を、こん棒でうまく叩くと面白いように枝を払うことができるのです。ナタと違って刃物ではないので誤って人に当たっても痛いくらいでそれほど問題ないので、その分、ナタよりも大胆に振り回すことができて作業効率がいい感じがします。しかもナタのように切り口が鋭利でないし、付け根から細枝を落とすことができます。
ナタで作業をする場合も、意外と刃のついていないミネ側の方が使いやすかったりするのですが、それの応用編とも言えそうです。

長さ3mくらいに切った細い幹の場合は、左手で幹を立たせた状態で持ち、こん棒で上から下にガンガン叩き、細枝を落としていくと効率的だったりします

その場で簡単に調達できるのも「こん棒」の魅力。クヌギやカシなど重くて丈夫な枝がいいのですが、そうした樹種がなくても長さや太さで重さの加減は調整可能だったりします。

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⇧横に倒した太い幹から出ている細枝も、こんな感じでガンガン落としていきます。太くて落ちないものだけ、太枝切りやチェンソーを使います。こうしたときのチェーンソーはやっぱり電動のコードレスが便利。しかも、太陽光で充電すれば、化石燃料を使わずに済みます。

 

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⇧幹は太さによって薪用、粗朶(そだ)用、シイタケのほだ木用など用途によって長さを変えて玉切りにし、軽トラに集めます。粗朶用の細い枝はまとめてテーブルソーで切るのが効率がいいので、できるだけ長い状態で切ります。
そう! なんだかなんでも効率優先なのです。自給的な暮らしは何をやるにも時間がかかるので、余裕を持って楽しくやっていくためには意外かもしれませんが、効率を考える必要があり、ちょっと悲しいことではあるけれど、効率を最優先する必要があるのでした。

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⇧小枝たちはフェンスに沿って積み重ね、畑を囲うヘッヂにしています。獣の侵入を防ぐことができると同時に、数年たつとすっかり乾き、手で折ることができ、焚き付けになります。

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⇧こちらはシイタケのほだ木用。90センチ前後に切り、植菌まで地面に付かないように少し浮かせた状態で保管します。

そして細枝は、2~3mくらいの長い状態で運び出し、テーブルソーで玉切りに。

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⇧テーブルソーの足にレンガなどを噛まし、テーブルを少し斜めにしておくと切断された薪が自動的に一輪車に転がるという寸法。ここでも効率優先なのでした。

でも、効率を優先した上で、できることなら美しくも暮らしたい……。たとえば薪棚をきれいに美しく見せるためのコツは、細い枝もなるべく玉切りにして、ていねいにストックすることかなぁ、と思っています。その上で効率を追求すると、テーブルソーが必需品になるのでした。

ということでやっとどうにかすべての薪棚が、ほぼ満杯になりました。

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⇧このくらいの量を収納できる薪棚がこの他に、あと10箇所くらいあります。
そのくらいあると母の家と2件で、3年くらいのローテーションで薪を使うことができます。特にクヌギは、あまり細かく割らず、屋根下でしっかり乾かしてあげると火持ちがよく火力も強い、素晴らしい薪になります。
薪は軒の深い薪棚で保管し、とにかく濡らさないこと。水分含有量が10%違うだけで、その水分を蒸発させるのに燃焼エネルギーが使われてしまうので、暖かさが格段に違ってくるのでした。
そしてもうひとつ大切なことは燃やし方。燃やし方でも薪の消費量や暖かさ、火持ちの良さが大きく違ってきます。そのあたりの話もまた、暖かくなってしまう前に書き留めておきたいと思います。

廃タイヤによる土留め、と、蓄熱効果

昨春、積んだ廃タイヤによる土留が意外な効果を生んでいます。
厳冬期にもかかわらずタイヤの間に植えたハーブたちが、かろうじてだけど生き残ってくれているのでした。

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⇧これはコリアンダー。寒さに強いのは強いのですが、他の場所のものは紅葉してしまっているのですが、タイヤの隙間、タイヤ垣パクチーは緑色で傷みも少ないのでした。

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⇧こちらは(クリーピング)タイム。
周囲のリッピア(ヒメイワダレソウ)は、枯れ葉色になってしまっていますが、タイヤの間に植えたタイムは路地でも、この寒さでも(今年は暖冬だけど)紅葉しつつも元気なのでした。

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⇧これはラムズイヤー。今の時期、ここまで持ちこたえていてくれれば、春、暖かくなることにはかなりの勢いで繁茂しそうです。
周囲のリッピアも、表面に出ているところは枯れていますが、タイヤ内の土に根を下ろしているものの根っこは、枯死していなくて地温があると再び、復活してくれる可能性があります。

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⇧そしてこちらは、畦板(畦畔ブロック)の小端済みの目地に植えたタイム。これもやはり元気。
たとえ廃物利用であっても、タイヤやコンクリートは蓄熱効果に優れ、こうした蓄熱材が寒冷地の宿根植物を助けている、ということを目で実感することができる厳冬期の虫草農園なのでした。

「廃タイヤを使った土留め」の施工に関してはこちらを参考にしてください。










新月伐採 大失敗!

明日5日の午前6時過ぎが新月
そんなわけで、今シーズンの最後の冬期・新月伐採は、きょう4日の昼間しか残されていないのでした。
そんなこともあって、ちょっと焦っていたのかなぁ。
松、桑、コナラ、モミと倒し、桐の大木までを、午前中に伐りたいという焦りがあったのはたしか。

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⇧鳥がタネを運んできたのでしょうか。最初は隣の桜の木より小さかったのに、あれよあれよという間に、あっという間に大木になってしまったのでした。

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⇧途中の枝を落とすなどして、重心を倒したい方向に変更し、1本目は無事、成功。

そして問題は2本目でした。
焦っていたので写真はないのですが、ほぼ重心は真ん中だったので、ツルをしっかり残せば大丈夫だろう……と、安易に受け口を作り、追い口を切り始めたら、風に煽られ追い口を切っていたチェーンソーのバーが挟まれて動かなくなってしまったのでした。
娘に、絡んでいた極太のツルウメモドキを引っ張って木を支えてもらって置いて、クサビとハンマーを取りに行っていたそのときに、突然の突風。
間一髪、娘は下敷きにならずにすんだのですが、木は反対側に倒れてしまい、梅(南高梅)と、桜(駿河台匂い)の上に倒れてしまうと共に、挟まれていたチェーンソーが倒れた木の下敷きになってしまったのでした。

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⇧下敷きになり土にめり込んでしまったハスクバーナーのチェーンソー。
ハスクを救出するため、慌ててマキタのコードレスで幹を分断しようとしたら、今度はこちらも挟まれてしまうという大失態。

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⇧大木の場合は裏切り(この場合は上から)をしてから切らず、下から一気に追い込むか、裏切る場合もV字に受け口のように裏切らないと挟まれることを学習したのでした。

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⇧完璧に挟まれてしまったマキタのコードレス。仕方なしに手ノコでV字を切り、そこにクサビを打ち込んで外しました。

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⇧Before(伐採前)

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⇧After(伐採後)。これで畑の日当たりも確保できました。
チェーンソー(ハスク)は幸いなことに、変形してしまったガイドをテキトーに鈑金したらどうにか使用に耐えられるくらいには復活し、全損は免れました(その後、なぜかエンジンOFFがデコンプでしかできなくなりました)。

伐採は思わぬ危険と隣合わせの作業。「慌てず焦らず、しっかり準備をしてから追い口を刻む」ということを心に誓った一日でした。