Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


廃タイヤを使った土留めは露天積みのできるアースバッグ?

種モミを温湯消毒し、きのうから水に浸け始めました。
いよいよ始まりました。

実は農作業が始まる前、冬の内にやっておきたかったこと、というのがいくつかあったのですが、なかなか思うようには進みまないものです。
もっとも「土工事」の類は、土が凍っている間はできないので、できる期間は限られてくるのですが。

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「隣地との間の土留」もそのひとつ。
傾斜地であり、お隣は大型の農業機械で大規模に耕転を行うので、土がだんだん低い方に流れてしまっていたのでした。

当初、土留は、近くで田んぼの圃場整備が行われていて、そこで廃棄物として出る畦板をいただき、それを小端積みにして土留を行う予定でした。

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⇧これが、畦板(あぜいた=ケイハンブロック)の小端積み。

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⇧小端積みであれば、割れた畦畔ブロックも、有効に使うことが出来ます。延板同様、小端積みは十字目地をできるだけ作らないことがコツ。
昔、造園をやっていた頃、小端積みのロックガーデンが好きで、いろいろな材料を使って小端積みを行いました。丹波石のようなさまざまなサイズが手に入る素材の場合は大小、大きさに変化をつけるといい感じに仕上がります。
また、以前、廃アスファルトを使った小端積みなんかもやったことがありました。当初は良かったのですが、夏になって気温が上がったら、端部が垂れてきてしまって廃アスファルトの小端積みは失敗でした。
ということでできれば、畦畔ブロックの小端積みで行きたかったのですが、残念ながら思ったほどには材料が集めることが出来ず、途中で予定を変更しなければならなくなったのでした。
で、畦板に小端積みの代わりに当初考えていたのは、コンクリートガラの小端積みでした。これも面白そうとは思ったのですが、これも材料が簡単には手に入らず、悩んだ末に廃タイヤを小端積みにして土留にしてみることにしました。

廃タイヤであれば、手に入れるのは容易。しかもゴミとして捨てられているものを有効活用できる、という点にも興味がそそられたのでした。


ところで廃タイヤの小端積みは、タオス(北米)のEarthshipなどでも行われていて、使えるという実績はあります。でも、写真では見たことがあったんですが、自分でやってみるのは初めて。試行錯誤しながらの施工になりました。

まず最初やったのは、この方法。タイヤの中に土を入れるのが難しそうなので、タイヤウォール部分(タイヤの側面)を切りとり、土を入れやすく加工してから積んでみました。
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大きめのカッターを使い、なんどがなぞるようにして切り込みを入れていくとタイヤの側面は(接地面と異なり金属ワイヤーなどが入っていないので)比較的簡単に切り取ることが出来ます。コツはカッターの刃が挟まれないように、切断面を広げながら、そして刃を斜めにスライドさせながら切ること。たくさん切ってみると、同じサイズのタイヤでもメーカーによって、ゴムの厚みがかなり違うなどがの発見がありました。

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ただ、このやりかた、土は入れやすいのですが、タイヤの剛性は損なわれてしまいます。

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⇧特に直射日光を浴び、温度が上がるとゴムはダレてきてこんな感じになってしまいました。ただし、タイヤウォールを切って、廃タイヤを利用する方法は他にもいろいろあるので、機会があったら別に紹介したいと思います。

とりあえず今回は作戦変更。タイヤの側面を切り取らなくても土を入れやすい扁平率の低いタイヤをなるべく集め、側面は切らずに積んでみることにしました。
するとこれがなかなかいい感じ。必ずしも扁平タイヤにこだわる必要もなく、土留めに使えそうなので、少し詳しく紹介したいと思います。

■一段目のタイヤの設置■
土を掘って、まず一段目のタイヤをセットします。

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⇧このときタイヤが接地する地面は地平線に水平ではなく、土手側に傾斜させるといいようです。

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⇧こんな感じ。

タイヤをセットするスペースができたら、そこにタイヤを置きます。隣のタイヤと同じサイズのタイヤがベターですが、なかなかいつもそういうわけにはいかないので、そのあたりは土を持ったり掘ったりして調整しました。

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■タイヤに土を入れます■
土はいっぺんに全量入れるよりも、一度目は軽く7分目くらいまでにして、その状態で一度踏み固めるというのが良さそうでした。

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⇧最初はこのくらい土を入れます。

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⇧そして、タイヤの中に長靴を突っ込んでタイヤ内側を中心に踏み固めます。

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⇧しっかり踏み固めたら、さらにスコップ2~3杯、土を入れます。そして踏み固めます。

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⇧最初のときのように踏み固めることはできないので、片側の長靴をタイヤ内に突っ込み、タイヤウォールを左足で上に持ち上げた状態にして、右足の長靴でトーキックをするようにしてタイヤ内に土を押し込め突き固めます。長靴でのトーキックが最大のポイントかなぁ。ハンマーを使ったりスコップやクワなどいろいろな方法でやってみたのですが、長靴でトーキックが一番いい感じでした。慣れてくるとかなりしっかりタイヤ内に土を入れることが出来ます。また、必ずしも扁平タイヤである必要もなさそうです。

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⇧土をさらに入れ、最後もトーキック。手で入れたりもしましたがトーキックが一番のようでした。

■二段目を重ねる■
次に二段目のタイヤを重ねます。半分ずつ重なり合うように交互に組みます。しかしそうなると下の写真のように穴ができます。
この穴に土を注ぎ込み、下から埋めてしまう方法もあるのですが、それだと下の土がなくなると、タイヤ内の土も穴から流れ出てしまいそうので、この穴はコンクリート片で塞ぐことにしました。

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とはいっても、こんな感じ。ただ穴の上にコンクリート片を置くだけ。かなりいい加減です。

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⇧写真左側は穴を塞ぐためのコンクリート片、そして右側はタイヤがずれないようにコンクリート片をタテに挿すようにしてみました。

145~165くらいの幅のタイヤを積んだので、2段で30センチくらいの土留になります。
今回は2段でしたが、土を詰めたタイヤは案外剛性があり重いのとゴムのおかげでズレにくく、もう少し積み上げてもいけそうです。
ただし高く積む場合は、ズレて崩れないように鉄筋を入れたコンクリートを併用したり、単管パイプを刺したりすると良さそうです。
廃タイヤ積みのいいところは、雨にぬれても大丈夫なところで、防水性のあるアースバッグとも言えそうな感じで、もっと高く積んでみたくなりました。

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こんな感じで、矢羽根積みする方法もありそうです。

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ただ、見栄えがあまり良くないのが欠点か? 
今回は仕上げとして、下段のタイヤの側面が見えるスペースには植物を植えてみることにしました。

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⇧ここに植えたのはカモミールツルニチニチソウやアイビーなどのつる植物も良さそうです。

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⇧寒い時、体を温めるにはちょうどいい肉体労働。ヒマを見つけては、こんな感じで作業を進めています。土も大量に必要で、重労働ではありますが、成果が目に見える建設的な作業なので楽しい作業だったりもします。

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⇧土留が必要な総距離は約50m。まだあと残り半分くらいあるのに、近所のタイヤ屋さんの廃タイヤはなくなってしまいました(全部で200個くらいのタイヤが必要そう…)。
ということで、お近くの方で、12インチ80~14インチ55くらいの軽または小型車用廃タイヤ(ホイールなし)をお持ちで処分にお困りの方、無料で引き取らせていただきます(タイヤショップなどにお願いすると処分代として250円~500円くらいかかるそうです)。同時に、(2面の水平がでている)コンクリートガラ(畦板のように薄くなくても可)も募集中です。よろしくお願いしまーす。

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