Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


包丁の保管と包丁刺し

結婚した当初は、ミソノの包丁がたったひとつだったのに、あれから30数年もたつと、包丁も数が増えてきます。
買ったのは、ミソノと、野良鍛冶・田むらさんが切れなくなったヤスリをひっぱたいてt作ってくれた「アジ切り」くらいで、他はほとんどがいただきものです(包丁は捨てにくいらしく、引っ越しの手伝いをしたりすると自然と集まってきます)。
数が増え、いままでのような平置きでの収納ではスペースを取ってしまうので、包丁を研いだついでに、包丁を収納するための包丁刺しを作ってみました。
刃先を硬いものになるべく当てないことが、刃を長持ちさせる秘訣のように思います。

材料はその辺にアルモンデ。

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⇧(抗菌作用を期待して)杉の木っ端と、蕎麦屋のなかしまさんからいただいたゴムの薄板。

杉の木っ端は長さ12センチに切り揃え、ゴムは幅12.5ミリで都こんぶのように切りました。

 

これを、重ねてクランプし、ドリルで道穴を開けた後、コーススレッドを打ちます。

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⇧横着してドリルであける道穴をあけずにコーススレッドをねじ込んだら、杉板は見事に割れました。コーススレッドの軸径よりも少し小さなキリで道穴をしっかり開けましょう。

 

で、完成。
汚れたら簡単に分解できるように、ふたつに分けて作りました。

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⇧この刺さっている包丁が、結婚した時に悩みに悩み、迷いに迷って買ったミソノの包丁。一本しかないのだから使用頻度が高く錆びることはないだろうと、研ぎやすさ最優先でスウェーデン鋼の鉄の包丁を選んだのでした。片刃です。30年以上たって、だいぶ刃の幅が狭くなってきましたが、でも気を入れて研げば、よく切れます。

結婚した頃は錆びなどなかったコクヨの緑色の工具箱(産業用工具箱を台所のワークトップを載せる台に流用しています)の引き出しにこんな感じにセットしました。

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質実剛健、ガッシリした柄の「アジ切り」(奥から三本目)が、野良鍛冶・田むらの包丁です。
ありがたいことに刺し身包丁やパン切り包丁(イエローナイフではないのだけれど)などもいつしか集まってきました。ウチでは、猟師の方からいただいた鹿の解体なんかも、普通の包丁でやります(刃先に脂が固まるので、刃が鋭利であることより、刃物がたくさんあることの方が有利のように思うので)。
パン切り包丁はミツバチの巣のフタを切る時などにも使っています。
どうしても使わない包丁は、グラインダーで途中で切断し、スクレッパーに改造したり……。

いつの日か、自分で刃物を打ってみたい、などとも思っていて、温風の出ない壊れたヘアドライヤーや、古いオースチン・ヒーレー・スプライトの板バネなどもストックしてあったりもするのですが(古いクルマのものの方が歩留まりの悪い精錬をしているので鋼の質がいい、との噂を信じている)、そんなことができるのはいつの日になることやら。

立春を過ぎ、アオゲラが突付いたカエデの木から樹液がではじめたというのに、この冬完成させるはずだった農作業小屋もまだできていないし、今年の冬には必ず屋根をかけようと思っていた外台所もまだ手付かずのまま。自給知足などと言ってタルタル教を装いながらも、その実、やりたいことばかりがどんどん増えてしまいモアモア教にすっかりからめとられているのでした。







春を感じるペンペン草の餃子。

外はまだまだ八ヶ岳おろしが吹いていますが、温室の中では順調に、植物たちが育っています。
指先ほどの小さな苗だったレタスもこの通り。
でも、タネを蒔いたわけでもないのに、その周囲には雑草たちも目立ち始めました。

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⇧ところで、今回の主役はこのレタス、ではなく、その周囲に勝手に生えてきたこの雑草たち。

「たぶん、アレだろうなぁ」と思いつつ、継続して観察していたのですが、早めに育った株に花がつき、温室内に勝手に生えてきた多く雑草たちがアレであることを確認。
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そう、春の七草のひとつ、ナズナこと、ペンペン草です。

 

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⇧こちらは、ニンジンを種まきしたスペースなのですが、ニンジンよりも後から生えてきたナズナの方が旺盛に育ってしまって、草取りが必要になってきてしまったのでした。

でも、ただ、引っこ抜いて捨ててしまうのはモッタイナイ。ということで抜いたものを集め、刻んで餃子の具に入れてみました(緑色のものはすべてナズナでかなり大量)。

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ちょうど、タカキビもダップしたところだったので、それも入れてナズナ&雑穀入り餃子に。
そういえば、きょうの折々のうた坂口恭平も言っていたなぁ。
「料理はあれこれ決めつけない。いつもどこかで緩んでいる。だから偶然が巻き起こる」と。
ということで、温室に勝手に生えてきた雑草たちを、餃子の皮で包んで焼きます。

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フライパンにぎっしり並べ、ひとつのかたまりにして空中に放り投げ、裏表ひっくり返しながら焼くと……。

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ひと足早い春の香りの餃子。本場中国では餃子(水餃子?)にナズナを入れることが多い、との話を以前聞いたのですが、なるほど、ナズナと餃子は相性バツグン。納得!
今回はナズナの味と香りを大切にしたかったので(まだ育っていないということもあって)ニラは入れなかったのですが、ペンペン草餃子は、ニラなしのほうがナズナの独特の美味しさが引き立っていいのかもなぁ、と思いました。
春を感じるナズナの餃子、おすすめです。

伐採木の片付けと「こん棒」

今年は雪が少ないので助かっているのですが、それでもときどき雪の予報があり、ヒヤヒヤしながらも、雪が積もってしまうとやりにくい作業を優先して日々を過ごしています。
取り急ぎ、やっておきたいのは晩秋の新月に葉枯らしで倒しておいたクヌギの片付け。

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⇧さてここで、突然ですが質問です。クヌギは落葉樹でしょうか? それとも常緑樹でしょうか?
一般に図鑑などにはクヌギもカシワも落葉樹とされていますが、このふたつのナラ科植物は常緑ではないけれど、必ずしも落葉樹でもなく、風当たりの弱いところでは春近くまで茶色の葉をつけていたりします。そんなわけで、建物の南側のひだまりに、冬は葉が落ちるから……と思ってクヌギやカシワを植栽すると、貴重な冬の日差しが遮られてしまう必要があります。造園の現場をあまり知らない建築系の設計士のみなさん、ご注意ですぞ(笑)。
そんなこともあって、秋に伐ったクヌギはそのまま次の夏くらいまで葉をつけている(クヌギ以外の落葉樹でも葉のある時期に伐ると秋や翌春になっても落葉しません)ので、葉枯らしが容易だったりします。でも、雪が積もってしまうと葉が濡れてしまい水分が抜けにくくなってしまうのでできれば雪が積もる前に屋根下に取り込みたいのでした。

ところで、薪を作るのにできるだけ化石燃料は使いたくない、ということで、最近はこれを便利に使っています。

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⇧ラチェット式の太枝切り。使い方にコツがありますが、しっかり深く開いてくわえるとラチェット機能により直径5センチくらいの枝でも切ることができたりします。

そしてもうひとつ、これも意外や便利。「こん棒!」。

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⇧普通、幹に付いた細い枝を落とすにはナタを使いますが、写真の長さくらいの「こん棒」があるとナタに代わりになります。というかナタよりも使いやすかったりします。幹についた細枝の付け根付近を、こん棒でうまく叩くと面白いように枝を払うことができるのです。ナタと違って刃物ではないので誤って人に当たっても痛いくらいでそれほど問題ないので、その分、ナタよりも大胆に振り回すことができて作業効率がいい感じがします。しかもナタのように切り口が鋭利でないし、付け根から細枝を落とすことができます。
ナタで作業をする場合も、意外と刃のついていないミネ側の方が使いやすかったりするのですが、それの応用編とも言えそうです。

長さ3mくらいに切った細い幹の場合は、左手で幹を立たせた状態で持ち、こん棒で上から下にガンガン叩き、細枝を落としていくと効率的だったりします

その場で簡単に調達できるのも「こん棒」の魅力。クヌギやカシなど重くて丈夫な枝がいいのですが、そうした樹種がなくても長さや太さで重さの加減は調整可能だったりします。

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⇧横に倒した太い幹から出ている細枝も、こんな感じでガンガン落としていきます。太くて落ちないものだけ、太枝切りやチェンソーを使います。こうしたときのチェーンソーはやっぱり電動のコードレスが便利。しかも、太陽光で充電すれば、化石燃料を使わずに済みます。

 

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⇧幹は太さによって薪用、粗朶(そだ)用、シイタケのほだ木用など用途によって長さを変えて玉切りにし、軽トラに集めます。粗朶用の細い枝はまとめてテーブルソーで切るのが効率がいいので、できるだけ長い状態で切ります。
そう! なんだかなんでも効率優先なのです。自給的な暮らしは何をやるにも時間がかかるので、余裕を持って楽しくやっていくためには意外かもしれませんが、効率を考える必要があり、ちょっと悲しいことではあるけれど、効率を最優先する必要があるのでした。

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⇧小枝たちはフェンスに沿って積み重ね、畑を囲うヘッヂにしています。獣の侵入を防ぐことができると同時に、数年たつとすっかり乾き、手で折ることができ、焚き付けになります。

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⇧こちらはシイタケのほだ木用。90センチ前後に切り、植菌まで地面に付かないように少し浮かせた状態で保管します。

そして細枝は、2~3mくらいの長い状態で運び出し、テーブルソーで玉切りに。

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⇧テーブルソーの足にレンガなどを噛まし、テーブルを少し斜めにしておくと切断された薪が自動的に一輪車に転がるという寸法。ここでも効率優先なのでした。

でも、効率を優先した上で、できることなら美しくも暮らしたい……。たとえば薪棚をきれいに美しく見せるためのコツは、細い枝もなるべく玉切りにして、ていねいにストックすることかなぁ、と思っています。その上で効率を追求すると、テーブルソーが必需品になるのでした。

ということでやっとどうにかすべての薪棚が、ほぼ満杯になりました。

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⇧このくらいの量を収納できる薪棚がこの他に、あと10箇所くらいあります。
そのくらいあると母の家と2件で、3年くらいのローテーションで薪を使うことができます。特にクヌギは、あまり細かく割らず、屋根下でしっかり乾かしてあげると火持ちがよく火力も強い、素晴らしい薪になります。
薪は軒の深い薪棚で保管し、とにかく濡らさないこと。水分含有量が10%違うだけで、その水分を蒸発させるのに燃焼エネルギーが使われてしまうので、暖かさが格段に違ってくるのでした。
そしてもうひとつ大切なことは燃やし方。燃やし方でも薪の消費量や暖かさ、火持ちの良さが大きく違ってきます。そのあたりの話もまた、暖かくなってしまう前に書き留めておきたいと思います。

廃タイヤによる土留め、と、蓄熱効果

昨春、積んだ廃タイヤによる土留が意外な効果を生んでいます。
厳冬期にもかかわらずタイヤの間に植えたハーブたちが、かろうじてだけど生き残ってくれているのでした。

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⇧これはコリアンダー。寒さに強いのは強いのですが、他の場所のものは紅葉してしまっているのですが、タイヤの隙間、タイヤ垣パクチーは緑色で傷みも少ないのでした。

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⇧こちらは(クリーピング)タイム。
周囲のリッピア(ヒメイワダレソウ)は、枯れ葉色になってしまっていますが、タイヤの間に植えたタイムは路地でも、この寒さでも(今年は暖冬だけど)紅葉しつつも元気なのでした。

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⇧これはラムズイヤー。今の時期、ここまで持ちこたえていてくれれば、春、暖かくなることにはかなりの勢いで繁茂しそうです。
周囲のリッピアも、表面に出ているところは枯れていますが、タイヤ内の土に根を下ろしているものの根っこは、枯死していなくて地温があると再び、復活してくれる可能性があります。

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⇧そしてこちらは、畦板(畦畔ブロック)の小端済みの目地に植えたタイム。これもやはり元気。
たとえ廃物利用であっても、タイヤやコンクリートは蓄熱効果に優れ、こうした蓄熱材が寒冷地の宿根植物を助けている、ということを目で実感することができる厳冬期の虫草農園なのでした。

「廃タイヤを使った土留め」の施工に関してはこちらを参考にしてください。










新月伐採 大失敗!

明日5日の午前6時過ぎが新月
そんなわけで、今シーズンの最後の冬期・新月伐採は、きょう4日の昼間しか残されていないのでした。
そんなこともあって、ちょっと焦っていたのかなぁ。
松、桑、コナラ、モミと倒し、桐の大木までを、午前中に伐りたいという焦りがあったのはたしか。

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⇧鳥がタネを運んできたのでしょうか。最初は隣の桜の木より小さかったのに、あれよあれよという間に、あっという間に大木になってしまったのでした。

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⇧途中の枝を落とすなどして、重心を倒したい方向に変更し、1本目は無事、成功。

そして問題は2本目でした。
焦っていたので写真はないのですが、ほぼ重心は真ん中だったので、ツルをしっかり残せば大丈夫だろう……と、安易に受け口を作り、追い口を切り始めたら、風に煽られ追い口を切っていたチェーンソーのバーが挟まれて動かなくなってしまったのでした。
娘に、絡んでいた極太のツルウメモドキを引っ張って木を支えてもらって置いて、クサビとハンマーを取りに行っていたそのときに、突然の突風。
間一髪、娘は下敷きにならずにすんだのですが、木は反対側に倒れてしまい、梅(南高梅)と、桜(駿河台匂い)の上に倒れてしまうと共に、挟まれていたチェーンソーが倒れた木の下敷きになってしまったのでした。

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⇧下敷きになり土にめり込んでしまったハスクバーナーのチェーンソー。
ハスクを救出するため、慌ててマキタのコードレスで幹を分断しようとしたら、今度はこちらも挟まれてしまうという大失態。

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⇧大木の場合は裏切り(この場合は上から)をしてから切らず、下から一気に追い込むか、裏切る場合もV字に受け口のように裏切らないと挟まれることを学習したのでした。

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⇧完璧に挟まれてしまったマキタのコードレス。仕方なしに手ノコでV字を切り、そこにクサビを打ち込んで外しました。

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⇧Before(伐採前)

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⇧After(伐採後)。これで畑の日当たりも確保できました。
チェーンソー(ハスク)は幸いなことに、変形してしまったガイドをテキトーに鈑金したらどうにか使用に耐えられるくらいには復活し、全損は免れました(その後、なぜかエンジンOFFがデコンプでしかできなくなりました)。

伐採は思わぬ危険と隣合わせの作業。「慌てず焦らず、しっかり準備をしてから追い口を刻む」ということを心に誓った一日でした。










 

2019 税金万引き政権との付き合い方

なるべくお金に頼らず、そのへんにあるものでなんとか切り抜ける暮らしは、ストレスが少なくて毎日がとっても楽しいのだけれど、でも一方で、何をするにもとても手間のかかる暮らし方だったりもします。
なのでどうも、年がら年中バタバタ……充実しているのでした。

 

特に昨年末は充実していました。
ありがたいことに、シカ(立派なオスの成獣)が一頭やってきたかと思えば、家の近くでお蔵の解体があり、これもありがたいことに古材などをいろいろいただけることになり、シカを解体&料理しつつ、大掃除や畑の片付けをし、女性陣はお正月の料理をしつつ、男はゴボウを掘り上げる(ためにユンボの修理を)し、いただいたビニールハウス内に野菜やハーブを移植しつつは、シカ肉をスモークし、寒さと格闘しながらいただいてきた古材を洗い、それらをJRコンテナに片付けつつ、餅つきをしたり薪の準備をしてお正月に備え、ついには寒さでエンジンがかからなくなってしまった天ぷら廃油セレナの電装系を修理するという……、1日が30時間くらいあっても足りないくらいに充実した日々を過ごすことができました。
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⇧天ぷら廃油と軽油との切り替えは、切替バルブのハンドルに付けた緑のヒモを引っ張るという方式。ローテクなので故障は少ないのですが、でも冬は家に到着する少し手前から切り替えておかないと、次に始動する時、エンジンがかからなくなってしまったりするのでした。


そんなわけで、せめてもお正月の三が日くらいは、ゆっくり、のんびりしよう! ということになり、この3日間は、

①チェーンソーや薪割機、それに電動工具や農機具などの使用禁止。
②汚れても気にならない普段着や長靴、作業用手袋の着用禁止
③そしてなるべく朝から、お酒を飲むこと!(これがまた辛いのです!)
こうした厳しい規則で縛った上で、田舎暮らしの醍醐味と言われている「スローライフとやらを実践してみよう!」ということになったのでした。

まずは形から。
年末、ありがたいことに郵便屋さんがお飾りを届けてくれたので、それを玄関に飾りました。これで一気に、わが家もお正月らしくなりました! 豐さん、ありがとー。

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元旦の朝は、お節やお雑煮をいただきました。
まずは年末に杵と臼でついたお餅を薪ストーブのオキで焼きます。

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⇧汁に溶けたオコゲが美味しいのでお雑煮用には少し焦がし気味にするのがコツ。

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⇧畑の一等地に温存しておいた小松菜&野良坊を取ってきて、青菜として添え、いただきもののユズを散らします。

ユンボのエンジンが掛かり、年末にどうにか掘り上げに成功したゴボウ。掘り上げてみたら、抱き合うようにして複雑に絡みついていたあのゴボウが、しおらしくお節料理になりました。

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⇧掘り上げた直後のお姿。朝鮮人参ではなく、これでもゴボウです!

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⇧料理されたあとのお姿。今年はなんと、お正月にひと枝だけど、路地の梅がほころんだのでした。

年末にはシカ(オスの成獣)の命をいただき、テリーヌを作り、お節に添えました。

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⇧これが……、

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⇧こうなるまでには、やはりかなりの手間、それと心の動きがあります。


お腹がいっぱいになったら、腹ごなしに初詣へ。
今年も虫たちと仲良く過ごせるようにと、虫が神様として祀られている大滝神社に行ってきました。

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中央本線の下をくぐるトンネルを抜けたその先に、大滝神社はあります。このトンネル、天井は素焼きのレンガのドームなのですが、灰かぶりになったものなのか、光沢があるものがいくつかあって、それらが光を反射しなんとも綺麗で幻想的なトンネルだったりします。

大滝神社、現在の本殿の裏山の中腹には、大きな石があってその石の上に石碑があります。

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⇧石段の先、黒い巨像のようにも見えるものが、大きな石とその上に載る石碑。

石碑部分を拡大すると、

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⇧「蠶影大神」と書かれています。
「蠶」は「蚕」の旧字で「サン」「こ」「かいこ」などと呼ぶそうで、ここの場合は、「こかげおおかみ」と読むそうです。

虫や草が主役である「虫草農園」家族の初詣には、虫を神様とするこの神社が最適! ということで、(このあたりには他にも素敵なマイナーな神社がたくさんあるのですが)このところはこの神社に来ることが多くなっています。

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⇧大滝神社は名前の通り、豊かな湧水のある神社で、1日に2万2000トンもの湧水を吐出しているとのこと。

余談ですが、この湧水の背景の森にメガソーラーができてしまうという計画があったりもします。太陽光発電はその他の発電方法に比べると、環境負荷が小さくとても優れた発電方法だと思うのですが、だからといって湧水の涵養林である(可能性のある)森を伐採してそこにパネルを置くことにはとても賛成できません。日本の場合は太陽光発電を普及させるための法律「FIT」に問題があったように思います。太陽光発電のような発電方法は地産地消が一番。カリフォルニアのように、新築住宅の屋根には必ず発電パネルを乗せる、といった法律だったらよかったのになぁ……。


そうそう、正月らしいおめでたい色だからと、初詣にはオフクロの運転で、オフクロの電気自動車で行ってきました。

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⇧今年は七回目の年女(84)だというのに、パソコンもスマートフォンも、そして電気自動車も便利に使っていて、しかもウチのクルマたちが不調のときにはクルマも貸してくれたり、頼りになるありがたい存在だったりします。


孫との間で、まさにこのCMのような光景が展開されていたりします。ホント、電気自動車と暮らす生活は楽しい。しかもこれを買った頃はEVの中古車が底値で、車両価格30万円台で購入できたりもしました。16KWhもの動くリチウム電池がこの値段で手に入ったのだからホントありがたいことです。



敷地内に新しく建てたオフクロの家の屋根には4KWのソーラーパネルが載っています。そのため現状でも電気自動車2台(i-MiEVと軽トラMiEV)と家庭で使う電気の分くらいは発電してくれていて、トータルの発電量としては消費量よりも多いのですが、でも、太陽光パネルに太陽光があたらない夜は、東電からの電気を使っていることになってしまいます。

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なんともそれがシャクなので、今年は中古パネルと型遅れの格安パワコンを使って、電力会社から切り離された設備での電気自動車の充電ができるシステムを構築したいと思っています。

天ぷら「廃油」は限られた量しかないので、それを使ってクルマを動かすには残念ながら限られた量のクルマでしかできません。

けれども、車庫の屋根に中古ソーラーパネルを貼って、その電気だけで電気自動車を走らせることができるようになれば、地球上のかなりの量の化石燃料が削減可能で、しかも一度そのシステムを構築してしまえばそれ以降、自動車の燃料代にお金がかからなくなるのです。
過疎化が進みこのところの田舎では、畑や田んぼや家を格安でお借りすることができるのですが、田舎で暮らす上でのネックは、公共交通機関が未発達なことで、その田舎で快適に暮らす上で自動車の燃料代がかからない、というのはかなりのアドバンテージになります。

ありがたいことに現代のような平和で技術革新が進んだ時代に生まれることができて、これだけ優れた技術がたくさんあって、世の中にはすでにモノがたくさんあり、まだ使えるものが捨てられてしまうくらいにあふれているのだから、これからは、それらをもっとうまく使っていきたい。そしてそれがでれば、ヒトはもっと簡単に幸せに暮らせるように思うのです。すべての人がそうした暮らしを望むとは思わないけれども、個人レベルや家族レベルでお金にそれほど頼らない暮らし=お金をそれほど稼がなくてもいい暮らし、をする人ももう少し増えた方がいいのではないかと。

「税金 万引き家族」のような人たちが権力を持ってしまっているいまの日本の社会での市民的不服従は、お金をできるだけ使わないこと、あるいは、お金を介さないこと。
そしてそのポイントは「モノを断捨らないでもすむ生活環境」と「中古品の活用」じゃないかなぁ、などと思っています。

「中古品」はすごいですよ。ユニクロでもジーユーでもパタゴニアでも、古着屋さんで気に入ったものを手に入れればよくて、すでにこの世にあるものなわけだからエネルギーペイバックタイムはゼロなのです。

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⇧いま田舎には、田んぼや畑だけではなくて、ちょっと時代遅れの(だけどまだまだ使える)農業機械がたくさん余っています。たとえ、ひと昔まえの機械であっても、それしかなかった頃は、最高に便利な機械だったわけで、知足を心得ていれば、それらをうまく使うことで、お金をかけず効率よく食料を自給することが可能だったりします。


なるべくお金に頼らない、家族が力を合わせて自分たちでつくる暮らしは、やりたいこと、やらなければいけないことが目白押しで、たしかに毎日忙しいのだけれども、でも「足るを知る」をモットーとすることで、無理のない範囲でできる楽しい暮らし方になるように思います。そのことをしみじみと感じることができたのが今回のお正月でした。
ということで、今年はできれば、こうしたビンボーだけれども楽しい暮らし方を紹介する機会をもっと増やしていきたいとも思っています。

あー、なんだか無性に、丸のことインパクトドライバーが使いたくなってきました。貧乏ヒマなし、だけれども、お金を必死に稼がないでも、なんとかどうにかなる貧乏暮らしは、その楽しさを一度知ってしまうと抜け出すことができなくなります。
とはいえ、お金をまったく必要としない厳格な自給自足はきつくて楽しくないので、長続きもしなかったりします。そんなわけでお金もちょっとは必要。ということで、今年も「ビルダーズハウス」&「虫草農園」も、(たまには)よろしくお願いしまーす。

 

天ぷら廃油セレナの燃料フィルターの交換

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どうもなんとなく調子が悪くて、寒さのせいで燃料である天ぷら廃油の粘度が高くなってしまっていいるから……、と思っていたのですが、燃料フィルターを点検したら原因が判明。

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⇧天ぷら廃油は自作の濾過装置で天かすなどを除去し使用しているのですが、今回はフィルターのろ紙が詰まっているだけでなく、ろ紙の外側3分の1くらいのところまでゴミが溜まってしまっていました。

高圧エアをウチ側から吹き込むなどし、普段はろ紙を掃除して再使用しているのですが、ここまで酷い場合はろ紙(フィルターカートリッジ)を交換したほうが良さそうです。

使用しているフィルター本体は、オンダ製作所のOF100SVCという型番のフィルター。上部にバルブが付いていて、掃除やカートリッヂの交換の際、配管内にエアが入りにくく助かります。
また、透明のケースの取り外しもロゼットになっている部分を手で回すだけで、脱着が容易で気に入っています。

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そして今回は、冬期であることなどから、ろ紙タイプ(品番OF5903)ではなく、ステンレスメッシュ(100番)のタイプのカートリッヂ(品番OF5903A)を使ってみることにしました。

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ただ、これが正解であるのかどうは分かりません。

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⇧濾過面積はろ紙タイプの方が大きく、ろ過の細度もろ紙のほうが良い可能性があります。
作業自体は簡単、天ぷら廃油がこぼれてもいいように、プラスチックのケースで受け、灰色のリングの部分を緩めて透明のケースを下に抜き、透明ケースを掃除後、カートリッヂを入れ替え、透明ケース内をきれいな天ぷら廃油で満たしセットすれば完了。

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透明ケースを外したら中はこんな感じでした。

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⇧なにかの拍子で天かすが入ってしまった感じです。

そして再び、リアシート脇のポケットにセット。

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⇧このポケットには12Vの温熱ヒーター(OLのひざ掛け用)がセットされていて、この部分で天ぷら廃油が白泥してしまった場合は、そのヒーターを入れるのですが、今年は暖冬で今シーズンはまだ温熱ヒーターは使用していません。

フィルターの清掃&交換の際は、なるべく配管内に空気を入れないように注意しながら作業を行うのですが、それでも少しは空気が入ってしまうので、エア抜きが必要。エンジンの調子を見ながら、軽油と天ぷら廃油とを切り替えながら配管内のエアを押し出し、アイドリングが安定してくれれば作業完了です。

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⇧セレナもジープ同様、天ぷら廃油と軽油の切り替えは、三方弁のハンドルに緑のヒモをセットし、エンジンルームをあけなくても、ヒモで切り替えられるようになっています。