Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


外国製の蛇口のいい加減修理と洗面台

「いつの日か家を建てることがあったら、この蛇口を使おう!」と決めていた、お気に入りのデザインの蛇口があったのでした。約20年前、念願叶い、家を建てることになり、その蛇口を使って洗面台を製作。

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ところがその蛇口がこのところ不調で、水が止まらなくなってしまったのでした。
この蛇口はかなり前にアメリカに行ったときに向こうのホームセンターで買ったものなので規格が日本のものと異なり、しかもアメリカの場合はこの部分の規格がいろいろあるようなのです。ネット上で探したのだけれど純正部品が見つからず困っていたのでした。でもまあ、壊れてしまったのは水の方だけで、お湯の方はとりあえず使えるので、水の元栓を締めてしまうことでどうにか使っていたのでした。

ところが最近になって、水側の元栓を締めておいても、お湯を使うと水側の蛇口基部から水漏れが起こってしまうようになり、さすがにこれには困り果て、合いそうなものをいくつか米国の通販ショップから取り寄せてみたのでした。

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⇧写真の右の部品が壊れてしまった部品。セラミックバルブカートリッヂと呼ばれる部品で、真ちゅうのケース部分が腐食し欠けてしまっていました。
左のふたつはもしかしたら使えるかも?と、アメリカから取り寄せた違うメーカーのカートリッヂ。フォーセットにハマる部分のネジサイズは同じだったのですが、台座が少し小さく、またハンドルがハマる部分のセレーションもかなり小さくそのままでは流用できないことが判明。ハンドルを固定するためのネジのサイズも異なっていました。

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⇧こんな感じでカートリッヂはフォーセットにハマっています(こちらはお湯側)。

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⇧台座の大きさの違いは、太く大きなOリングを抱き合わせることで、どうにかこの部分からの漏れは止めることができるようでした。

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⇧ハンドル取り付けネジのサイズはインチなのでインチ用のダイスでネジを切り、合うボルトを作ってしまうことにしました。お湯側が壊れたときのためにサイズを記しておくと、KOHLERのウォーターカートリッヂの取り付けボルトはインチ規格で、流用したのはミリ規格のM4ボルトにインチ用のピッチ32のダイスで雄ネジを切ったボルトでピッタリでした。

そして問題は、セレーションのサイズの違い。流用するKOHLERのウォーターカートリッヂの方がかなり小さいのです。
ところでKOHLERのカートリッヂには、違うサイズのセレーションに合わせた樹脂製のカラーが付属しています。残念ながらこのカラーも、わが家の蛇口の純正カートリッヂ(のセレーション)には合わなかったのですが、このカラーを下の写真のように割り、その破片をスペーサーとしてKOHLERのセレーションに瞬間接着剤で仮止めし、その状態で強引に押し込むことでどうにかいまは使えています。

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⇧隙間にエポキシ接着剤を流し込もうかとも思ったのですが、それだと外せなくなる可能性もあり、とりあえずはそこまでやらなくても、KOHLERのカラーの破片をスペーサーとして貼り、強引に押し込むことでハンドルは操作できるようになったのでした。

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⇧ようやく復活した洗面台。とはいえ、20年もたつのにまだ未完成で、左側の物入れはまだできていないし、シンク下のゴミ箱も将来的にはペダル開閉式を考えています(いつになることやら)。

ところでこの洗面台、ワークトップはウッド。いまでこそ木製のワークトップもときどき見かけますが、当時は水まわりを木で作ったりしたらすぐに腐ってしまう、と言われたものでした。そこで念のため、POR15という水の遮断性の高い塗料をニスのような感じで上塗りしたのですが、20年間、ほぼ毎日使っているのですがとりあえず木でも問題なしです。POR15ではなく、天ぷら廃油によるオイルフィニッシュでもOKだったかも。

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システムキッチンもそうですが、水まわりを市販の出来あいのもので揃えると大変高価。でも、木だったら素人にも作りやすいし、木で作っても全然問題ありませんでした(昔は風呂桶なんかも木だったわけだし)。しかも、こうした機能部分は生活しながら自分で使いやすいように作ると便利だし、作っていてもとても楽しかったりします。

ところで上のワークトップですが、4枚のツーバイエイト(2✕8材)を重ねて作ったかのように見えますが、実は材をケチって、下の二枚は突板仕様。

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⇧丸鋸で薄くスライスして、側面だけを枠につけただけで、実際にはツーバイエイトは2枚しか使っていなかったりします。
また、洗面台の引き出しは、デンタルリンスのボトルやブラシやハサミ、チューブなどが縦に収納できる深い引き出しが便利で、深い引き出しには引き出し用の金属製のスライドレールを使うと重くてもスムーズに引き出すことができて便利だったりします。当時はこうした材料は日本では手に入れにくく、アメリカに行ったときに持って帰っていたりしたのですが、最近はamazonでも手に入り、ポチると翌日には届いてしまったりするようです。

下の引き出しは、底の部分に車輪を付け、床を転がる方式。この方式は便利でわが家では古新聞入れとか色々な引き出し(の最下部)に使っています。

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⇧バケツが入れられると便利かなぁ、と思って20年前に作ったのですが、いまは湿布薬が入っていました。

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⇧車輪には、戸車を使っています。普通のキャスターよりも安いし、埋め込む分、木を彫り込む必要がありますが、その分小さなスペースに大径の車輪を仕込むことができて動きがスムーズだったりします。


かなりいい加減なやりかただけどとりあえず、水漏れも直ったし、朝、気持ちよく、井戸水で顔を洗える日々が復活したのでした。……なんて思っていたらその翌朝、今度は井戸のポンプが止まらなくなる、というトラブル発生。というわけで修理人生、爆走中。ホントは修理ではなくて、新しく作ってみたいものがたくさんあるんだけどなぁ……。

JRコンテナ設置の覚書き。

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久しぶりに三平方の定理を使いました。
さすがに因数分解は使わないけれど、小屋を自分で建てたり自給的な暮らしだと、三平方の定理はときどき使います。

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直角三角形の斜辺の2乗は、残りの2辺の2乗の和と等しいというもの。床に敷き詰められたタイルを見ていたピタゴラスがこの定理を思いついたことからピタゴラスの定理などとも呼ばれているのですが、いやぁ、ピタゴラス、凄いなぁ。

ところで、今回はJRの廃コンテナの話です。このところ大人気で、JR貨物にお願いしておいてもなかなか順番が回ってこなくて、1年くらいたった忘れた頃にある日突然「お待たせしました。入荷しました」と連絡が入ったりします。
そんなわけで連絡があると、そこから慌てて、整地の作業がはじまります。
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JRの中古コンテナのいいところは、廃コンテナといえども丈夫で密閉度の高いこと。トラック用のアルミコンテナは軽いけれども(凍結で?)雨漏りするようになってしまったりネズミが穴をあけたり、物置きとしては耐久性の点で劣るように思います。
小麦やお米を保管しておいても(屋根なしだと夏の暑さは問題ですが)、頑強で密閉できるのでネズミの被害がありません。それに、この中に入れておくとガソリンの劣化も食い止められるのか、久しぶりにエンジンをかける古い農機具も一発でエンジンが掛かったりするのでした。

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⇧窒息死の恐れがあるので、人を閉じ込めないようにとの注意書きがあるほどの密閉度です。そしてさらには二段、三段重ねても、転がってもヘッチャラな頑丈さ!

丈夫で壊れず人気があるので、もし要らなくなった場合も購入したときとほぼ同じ価格で売れたりもするのも魅力のようです。また、JRの前、国鉄の頃のコンテナは扉面にもリムがあり、さらに丈夫でプレミアが付いていたりします。

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まずはサイズを備忘録として記録しておきます。
今回、譲っていただいたのは一般的な12フィートの鉄道輸送用コンテナ。届いたのは19Dというタイプで、長手方向が両開きのタイプでした。この他にも一般的には19Gと呼ばれるタイプで長手と長手から見て右側の妻面が開くタイプ、それに高さが約10センチ高い20D(両開き)、20E(長手と妻面)などがあります。
外寸は長手方向の幅が3715ミリ、妻面の幅が2450ミリ、高さは2500ミリ(内寸はタイプによって少し異なりますが19DでL3647✕W2275✕h2252ミリ)です。
問題は、設置部分のサイズですが、長手方向にはかなり余裕があって、約 ミリ。幅は ミリの補強されたフラットな部分があります。

■設置場所の(かなりいい加減な)作り方■

まず、一番低いと思われるところの塚石をセットします。
前からこれは良さそう、と思ってストックしておいた「間知(けんち)ブロック」を2個組み合わせて使いました。

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⇧工事現場からいただいた間知ブロックが多めにあったので、向きを替え2個平行にセットしました。土が凍り始めるギリギリのタイミングでした。

次に、この塚石を基点に他の塚石の位置を決めます。
長手方向は3715ミリ、妻面側は2450ミリ、基点からそれぞれの長さをマークしつないだだけでは平行四辺形になってしまう可能性があります。
コンテナを置く場合には角度が「直角」である必要があるわけで、ここでピタゴラスさんに登場いただきます。

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⇧基点から斜めにメジャーを当て、ピタゴラスの定理で導き出した斜辺の長さの位置に、コンパスで描くように円弧状の印をつけます。

円弧(斜辺)の長さは、ピタゴラスの定理a2b2c2」から
(3715✕3715)+(2450✕2450)=19803725≒44502 (←19803725の平方根が4450の意)
平方根(√)の計算は、ネット上の計算サイトが便利です。たとえばこことか。
ということで、4450ミリで円弧を描き、3715ミリまたは2450ミリとの交点に塚石の角を置けば平行四辺形ではなく、長方形で塚石を置くことができるわけです。

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ピタゴラスの定理より、a2b2c2 で塚石をセットするとオレンジの角は直角になるのでした。コンテナの設置はかなりいい加減でいいけど、小屋を立てるときの基礎などでは正確にやっておくと後の作業が楽になります(目見当で、いい加減、テキトーでやるのも楽しくて美しいけれども……)。

そしてもうひとつ大切なのは、塚石の上面の高さの調整。そしてそれには新兵器導入。
レーザー光で水平線を表示できるという水平器を手に入れました。

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⇧こんな感じで水平&垂直の十字ラインをレーザー光で投影してくれます。

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⇧これに、三脚と100円ショップで買ったマグネット付きトレイを組み合わせると……。

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⇧レーザーレベラーの完成。百均のマグネットトレイは意外と精巧で、歪みはほとんどなく、一度セットしてしまえば、どの方角に水平器を置いても水平を保つことができました(回転式のレベラーよりも簡単かも?)
しかもこのレーザー光を投射できる水平器はなんとありがたいことに、送料込みで1000円未満で購入できるのです(最近は値上がりしてしまい2000円弱になってしまいました)。



そして迎えた当日の朝。

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⇧気温が下がり、霜が降りて、地面はガチガチ。
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⇧コンテナの下も有効に使いたいのでなるべくフラットに均し、霜柱の上にシートを敷いてみました。

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⇧送料を節約するため、大型車で2台いっぺんに運んでもらったのですが、大型車はデカイ! 広いと思っていた家の前の道路でしたが、コーナーは曲がるのはギリギリで、誘導しながらもヒヤヒヤものでした。

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⇧天高く、コンテナ舞う初冬。

どこかに勘違いがある可能性もあるわけで、それは実際にあてがってみるまで分からないわけで、ドキドキしましたが……、

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⇧計算通り、ピッタリ!

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⇧傾斜地なので、上側は工事現場からいただいてきたコンクリートガラを塚石としました。
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⇧トラックの運転手さんに聞いたら、空のJRコンテナは「だいたい1.5トンくらいかなぁ」とのことでした。

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どうにか無事、二台のコンテナをセットすることができました。
コンテナとコンテナの間には屋根をかけ、将来的には側面にも下屋を掛け、薪棚などを作る予定。

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いつになることかわからないけれども、将来的には、色ももう少しお洒落な感じに塗装したいと思っています。

 






天ぷら廃油かまどで、ミツバチの巣からミツロウをいただく。

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アフリカが好きでアフリカの支援をしている友だちから、アフリカでは自然巣を採ってそこから蜜を採っていて巣は捨ててしまっているようなので、その巣カスからミツロウ(蜜蝋)をしぼり、支援につなげることはできないだろうか?……という相談を受け、ミツロウの採取の方法の問い合わせをもらったので、ウチで行っている方法を記しておきます(支援につなげるなにかいいアイデアがあったらよろしくお願いします)。

虫草農園では昔ながらの重箱式という方法でニホンミツバチを飼っています。

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重箱の一番上の箱に蜜を貯蔵するニホンミツバチの性質から、蜜が溜まったら重箱の一番上を巣箱から切り離し、それを底上げした大型タッパウエアの中に入れて蜜を自然落下させていただいています。

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⇧この中に箱ごと巣を入れ巣のフタをパン切り包丁で切って、蜜を垂れ流す、という方法です。

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⇧金属のネットの上に100均で買った洗濯ネットを載せ、巣のカスなどが落ちないようにして、日向に置き、太陽熱で温度をあげてハチミツを自然落下させています。

その後、残った巣クズからミツロウを採取します。

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⇧2~3日ほどかけてハチミツを自然落下させた後、残った巣を箱から外し、洗濯ネットに入れます。
次に、ステンの寸動鍋(小)の上部に寸動鍋の内径にピッタリのステンレスのザル(これも100均で購入)を載せ、そこに洗濯ネットに入れた巣をセットします。

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⇧結露が入らないように寸動鍋(小)は事務用品のクリップでフタをして、水を入れたステンの寸動鍋(大)の中に浮かべます。当初は上の写真のように浮かべていたのですが、それだと中の鍋が斜めになってしまい、フタが斜めだと結露が寸動鍋(小)の中に入ってしまうことがあるので、寸動鍋(大)の底に素焼きの植木鉢を置いて、その上に寸動鍋(小)をセットするようにしたら改善できました。

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⇧鍋のセットができたら火にかけます。薪を使うのはモッタイナイので、自動車の燃料に使えないようなゲル化してしまった天ぷら廃油を燃料にしてみたりもしました。
今回使ったのスペシャルアイテムは、ゴミ屋さんからいただいてきたアルミのケーキ型(真ん中が抜けている)。

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⇧粗朶(そだ)を種火として、熱で気化した天ぷら廃油が、上昇気流によりケーキ型の真ん中の穴と一斗缶の側面から入ってきた空気で燃えるという電気を使わないナチュラルアスピレーションタイプ(自然吸気型)の天ぷら廃油ストーブ。

火力も強くいい感じ!

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と思っていたら、ちょっと火力強すぎ。
正確に言うと、火力が強く流速が早いとベルヌーイの定理(流体の周囲に負圧が生じる)で内部に空気が供給されるのですが、常にある程度の流速(上昇気流)がないと燃焼のための空気を引っ張れないので、常に全開バリバリ状態。
で、その結果……、

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⇧アルミのケーキ型が溶けてしまいました。
この形状、燃焼炎の真ん中付近にも空気が供給できていいと思ったんだけどなぁ……。

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⇧とまあ、そんなこともあって、いつもの省エネかまどに落ち着き、朝から夕方まで巣クズを蒸すと、

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⇧洗濯ネットの中の巣クズはこんな感じになり、

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⇧翌日、温度が下がるとこんな感じにミツロウが上澄みに固形化し、その下には加熱蜜が採れるのでした。
温度管理などはあまり必要ではなくて、火にかけて放置しておくだけで、比較的キレイなミツロウが採取できる、というのがこの方法のメリットなのでした(ただし空焚きにならないように外側の寸胴鍋の水は時々点検する必要があります)。

糸魚川のスーパー「サンエー」恐るべし!

今年はまだ雪も少ないみたいだし、タイヤ交換もオイル交換もしたし、ろ過済み天ぷら廃油も一斗缶にふた缶(40リットル)あるし、12月も中旬以降はなんだか慌ただしいし……、つまりは「今しかない!」 ということで、行ってきました、日本海、石ころ&流木拾い&魚食いツアー。
いやぁ、素晴らしかった。石ころ&流木ひろい、楽しかったなぁ!。

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ファオッサマグナの西端、糸魚川富士川構造線に沿って、我が家からまっすぐ北上。大糸線に沿ってヒスイが隆起した姫川のある谷には高速道路がないので、行き交うクルマの数も少なく、燃料代フリーの天ぷら廃油カーにとっては最高に快適なルートなのでした。
今回の最大の収穫は、糸魚川の地元の方たちから愛されているスーパー「サンエー」を教えてもらったこと。

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⇧こちらがハイクオリティ・フード・フォー・ユーのスーパー「サンエー」。地元の糸魚川市民から愛されている地魚豊富な素晴らしいスーパーなのです。クーラーボックス必携です。

このスーパーに行って山梨では普段、目にすることがない地魚を仕入れてくるだけでも、海なし県に住む住人にとっては最高のドライブでした(東京の魚市場を通さないからか、山梨のスーパーの魚よりも賞味期限が1~2日くらい長かったりするのは驚きでした)。

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⇧右はシロエビで、左の赤い小魚はヒメジ、糸魚川ではトチウオと呼ばれています。小さな魚なのですが、これが驚くくらいに美味しかった!
南蛮漬けや、一夜干しなども美味しいらしいのですが、一番のおすすめということでフライにしてみました。
小さな魚だけどしっかしした鱗があり中骨も硬いので、鱗を落としたり手開きにして中骨を取り除くなど、手間はかかるのですが、それだけの価値があるくらいにエビに似たしっかりした味があって美味しかったなぁ。もっとたくさん買ってくればよかったと思わされるくらいに美味しい小魚でした。

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⇧鱗を落として、内臓を取り、爪で削ぎながら手開きにして、二度揚げしてみたら、魚というよりもエビに似た味、そしてシコシコ感と独特の旨味でとても美味しくいただいてしまいました。

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⇧こちらは小型のイカと、Fのさかなでも取り上げられていたメギス。
イカは、バターソテーで、メギスはツミレでいただきました。ちらっと写っている右の魚はカレイで4尾で150円。これは薪ストーブで塩焼きでいただきました。

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⇧「ブラック焼きそば」も受けはいいのかもしれないけれど、海の幸に恵まれた日本海ならではの、こういう上品な味をもっと売り出したらいいのになぁ。新鮮な白身で作るツミレ汁、しみじみ、美味しかった! 山に暮らすものからすると羨ましいくらい……。

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⇧こちらは能生産のカニ。「子伏せ」ということは子持ちのメス? ということは、内子や外子を身や蟹味噌と一緒に甲羅に盛り込めば香箱? 他があまりにも安いので、1パイ380円がなんとなく高く感じられてしまって買ってこなかったのが、なんとも心の残りなのでした。



 

今回は一泊二日の旅でした。お世話になった宿は、「クルー」という名のペンション。釣り船をもち、魚料理を満喫できるご家族で迎えてくれるアットホームなペンションでした。糸魚川に住む友人に、美味しい魚を食べたいとの希望を伝え、教えていただきました。五十嵐さん、ありがとうございました。

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⇧海まで徒歩1分のペンション・クルー周辺の町並み。スーパー「サンエー」を教えてもらったのもクルーのご家族から。ほかにも、ガラス石やヒスイ拾いの秘密の場所も教えていもらえます。

お刺身や焼きものはもちろん、素潜りで採ってきてくれた貝(アワビやサザエ)まで。海なし県に住む者にとっては、こんな美味しい貝は何年ぶり?というくらいの美味しいペンションの食事でした。朝食にメギスの焼きものがでてきたのにも感激(そういえば昔、富山の友だちに「お前ら本当に魚に飢えてるなぁ」って言われたなぁ)。
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⇧2016年に悲しくも大火に襲われてしまった糸魚川ですが、ペンション・クルーの周辺には、板塀や板壁の古い木造民家が多く、古き佳き町並みが残っていました。この家は波打ち際まで10mくらい。家の手前にある水色のものは舟です。

 

宿も魚づくしだったにもかかわらず、お昼も、糸魚川市内の漁師のお店(「傅兵」)でいただきました。

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⇧こちらは傳兵さんの「海鮮ちらし定食」。
カニとエビとイクラとサザエ……、ぎゃお!と吠えつつ、あれ、だけどお刺身がないのか……、と思ったのですが、なんとなんと、カニやエビの下からお刺身たちが現れるというハプニング。参りました。
そしてこちらは、糸魚川名物のタラ汁定食。

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⇧一人前なのになんとなんと文化鍋で出てくるのです。大きめの魚であるタラが丸々一匹入っているのではないかという分量。生臭さのような臭いがまったくなくて、頭や卵嚢からいい味が出ていて、隠し味でエビも入っていて、タラ汁がこんなに美味しいなんて、見直しました。

高速道路がないので時間はかかるけど、渋滞どころか行き交うクルマもほとんどなく(しかもウチの場合は、天ぷら廃油カーだから往復の交通費はタダで)、さらに道すがらには、古材を使った内装で、かまど炊きのご飯を提供してくれるという道の駅があったり(「道の駅おたり」)、あるいはいい感じの古道具屋さんがあったり……、名高い観光地ではない日本の地方都市を楽しむ旅、あなどれません!

軒先にオレンジ色のすだれがかかる秋の日、地球に穴を掘りました。

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軒先にオレンジ色のすだれのかかる、カッキリと晴れた秋の日、仕事の合間に時間を見つけては、ビニールハウスの建て込みをやりました。

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頼みの綱であるエンジン・アースオーガーのスターターコイルが壊れたり、パイプを組む順番を間違えたり、いろいろあったけれど、ふと周囲を見渡せばどこも素晴らしい景色。こんな景色の中で家族で作業ができる幸せを噛み締めながらの作業でした。

これがアースオーガー。地球穴掘り機です。

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新品なのに、刃も付いて1万4200円送料込と、日本製の刃の値段にも満たない破格値。なのですが、そこはさすがに格安ドラゴンツール、馬鹿にすると馬鹿にされます。使う人のスキルが試される楽しい製品なのでした。
まず驚いたのは新品なのにエンジンがかからないこと。燃料はシリンダーに行っているようなので、点火系を確認してみると、メインスイッチへの配線が外れていました。
しかしそれでもどうもかかりそうでかからない……回転をあげようとスロットルレバーを握るのですが異様に軽いので探ってみたらアクセルワイヤーが両端ともにつながっていませんでした。
はたまた、ようやくエンジンが掛かったと思ったら、今度はドリル刃の受けに溶接のバリがでていてドリル刃がセットできず、仕方なしにシャフトの先端部を削って処置。
他にもいくつかトラブルがあり、それらを解決してようやく使えるようになったと思う間もなく、スターターロープが戻らなくなってしまったのでした。なかなか手ごわいのです。

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まあ、リコイルスターターのトラブルは日本製の農機具などでもあることがあるのですが、このドラゴンツールが凄いのは、リコイルスターターが分解して修理できる構造になっていないこと。スプリングではなく、プラスチックの部品側が壊れてしまっていて修理不能なのでした。
仕方なしに、クランク軸と同軸にあるシャフトをちょこと改造し、コードレスドライバーをセルモーターのようにして使ってエンジンを始動する仕組みに改造。おかげで力のない人でも簡単にエンジンが掛けられる地球穴掘り機になったのでした。

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つづく。



100円ショップの鉢の小改造。

まだどうにか緑を保っている虫草畑ですが、なんどか霜がおり、ハキダメギクなどは早くも黒くシモゲはじめました。
食べられる植物を中心に家の中に取り込む季節なのですが、カレープランツ、マルンガイ、ローズマリー、チア、カルダモン、レモングラスなどなど、たくさんあって、それだけでもひと仕事なのでした。

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⇧真ん中あたりの朱色の花がナスタチウムです。

晴れた日には風と直射日光に当ててあげたいので、室内からテラスに鉢物の出し入れをするのですが、そんなとき、取っ手があるととっても便利なのです(すみません、オッサンだから勘弁してね)。

というわけで、100円ショップで買った鉢をちょこっと小改造して使っています。
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⇧こんな感じ。

改造は簡単。鉢の側面に穴をあけ、太めの針金に通し、それをU字型に曲げて鉢に固定するだけ。

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手の当たる部分には、廃車から外したテキトーなホースを通しておくと、持ったときにいい感じになります。

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で、さっそく、畑から、ナスタチウムを鉢上げしました。

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このモノ余りの時代に、たとえ100円であっても買っていけない! 廃材を使ってなんとかしたい……、という方には、廃タイヤと廃ファンベルトを使る方法をオススメします。廃材を使って作る取っ手付き植木鉢の作り方は以前に紹介しています。気になる方はこちらを見てください。

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白州、台ケ原宿と七里岩

「家にこもって虫や菌類と話をしているだけだとボケるよ。たまにはヒトとも話をしたほうがいいと思う」と娘に言われ、道の駅の出荷のついでに、家族に連れ出され何年かぶりに台ケ原宿市に出かけたのでした。
でも、それにしても、わたしにとっては、人が多過ぎ……。
ちょっと古道具をのぞいたくらいで、人混みから早く脱出したくなってしまい、クルマのカギを娘に渡し、ひと足先に歩いて帰ることにしたのでした。
ところが、メインストリートの喧騒からちょっと外れ、歩いてみてみると、この地域ならでは魅力がたくさん見えてきて、案外楽しかったのでちょこっと紹介させてもらいたいと思います。

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⇧いつも気になりながらも、クルマですっと通り過ぎてしまっていたこの建物。いまは廃業してしまったとのことですが、かつてはここにお米を持ち込むと、数日後それに米麹をつけて返してくれたという麹のタネ付け屋さん。そうした仕事が仕事として成り立っていた、ということがまた素晴らしいと思うのです。土壁、瓦棒葺きの建物で、煙突(かまどか?)がいくつかあるという不思議な佇まいでした。

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⇧台ケ原宿を抜けたところにある土手。なんの変哲もないように見えるこの土手。でもこれがまた素晴らしいのです。
以前、このブログでも草刈りではなく「草残し」のことを紹介しましたが、まさにこの土手がそうでした。
上の方にある刈り込まれたサツキのような丸い植物はナンテンハギ。
そしてカラマツソウやホタルブクロ、ツリガネニンジンなどの野草(=雑草で普通は刈られてします)が刈られずに残されていたのでした。

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⇧玉造りのようにして刈り残されていたナンテンハギ。花も美しいし、食べられる雑草なので残す人もいる、とは聞いていたのですが、ウチ以外の土手で初めて見ました。ナンテンハギはアサマシジミの食草でもあります。

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⇧ほぼ一面がワラビで覆われている土手。やってみると分かるのですが、この状態に管理するにはかなり手が入っているはずです(ウチはいつも途中であきらめアメリカセンダングサの草原になってしまいます)。

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⇧このあたりは一面、ムスカリ&ニラ。ムスカリとニラは相性が良いのだろうか? ウチでもさっそく真似させてもらおう!

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⇧鋼板の手鈑金によるサイディング?が貼られたタイニーハウス?

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⇧鋼板の端を折込み、山と谷を組み合わせある様子。
ウチにもこの手の亜鉛引の古い波板や鋼板があって、案外人気があって、亜鉛の華が咲いた鋼板を集めているモノ好きもいたりします。
そういえば以前に、simplifeの(竹内)友一さんがロードムービーの旅の出発数日前にやってきて、スパンクル模様の出た古いトタン板や生コンの付着したパネコートなんかを嬉しそうにもらっていってくれたよなぁなんて、思いながら写真を撮っていたら、車通りのほとんどない道なのに遠くから古いディーゼル車の音がして、なんとあろうことか走ってきたのは友一さんでした。そんなこともあるんですねぇ。

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⇧さらにもう少し歩くと、ぶどう棚の下にいくつかの祠(ほこら)が。
見てください、この切石積みの美しさを!

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⇧思わず、ため息が出るくらいの美しさなのでした。

ところで、この地域には国道20号線と並行して、七里岩(しちりいわ)と呼ばれる総延長30㎞(七里)にも及ぶ断崖絶壁が韮崎市から長野県の富士見町まで続いています。
ユーラシアプレートと北米プレートの境目である活断層から始まった富士川(=釜無川)の流れが、次第に東へと大地を侵食していったのですが、約20年前に発生したと言われている八ヶ岳の山体崩壊によりできた溶岩流に出会い、溶岩流は侵食されにくく、河川による侵食崖としてできたのがこの七里岩だと言われています。

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⇧手前の橋が釜無川を渡る橋で、その東詰めには、七里岩の断崖絶壁が広がっているのでした。

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⇧もう少し近づいてみると、こんな感じ。
よく見ると、ところどころに白いものがあります。
そしてさらに近づいてみると、
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⇧白いものはどうやら鳥の糞、のようでした。
そしてさらにアップにすると……

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⇧長年蓄積されたその糞を栄養としているのか? 植物がそだっていました。

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⇧地層が大きく歪んでいるところもありました。活断層なのだろうか?

そんなこんなで岸壁に見とれている内に、家族の買い物も終わったようで、家まで歩くこともなく、途中で娘にピックアップしてもらうことができました。
ついでだからと、橋の袂にあるフランクで食事。
手づくりソーセージのお店で、ランチはソーセージかハムの定食。
肉類も美味しいけれど、付け合せのザワークラフトやジャーマンポテトも厳選された味。
ついうっかり、写真を取り忘れてしまったのですが、いつ行っても、大満足のレストランなのでした。