Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


電気自動車の充電に太陽光発電が使える一番簡単な方法を探る。

「電気自動車の充電に太陽光発電が使える一番簡単な方法」というのを模索していたのですが、それはこの方法かもしれない、というのがひとつ見つかったので紹介します。

材料させ揃えておけば施工は半日~1日でOK。充電ケーブルなどをお持ちであれば、ソーラーパネルなどの材料を新品で揃えたとしても3万円以下から始めることができそうです(とはいえ3万円のシステムでは太陽光発電100%ではなく満充電まで時間もかかってしまうのですが)。

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電気自動車をすでにお持ちの方で、手持ちのソーラーパネルで充電しよう思ったことのある方はお気づきのことと思いますが、電気自動車の駆動用電池を太陽光発電で充電するというのは、意外と難しかったりします。
スマートフォンやマキタの電動工具用充電池などを太陽光で充電するのは簡単なのですが、残念ながら電気自動車はそんなに簡単にはいかないのです。
マキタなどの充電池を太陽光発電で充電する方法に関してはこちら↓を参考にしてください。

musikusanouen.hatenadiary.jp


電気自動車を太陽光発電で充電しようという場合、問題点はふたつあります。
(いま私が知る限り)最も小さな電力で充電できる充電ケーブルはトヨタハイブリッド車用(100V6A・詳しくはこちら)で、それを使ったとしても、最低でも600W以上の電力を安定して供給し続けないと、充電することができないのです。
変換ロスなどもあるので、それには1000W程度のソーラーパネル+パワコン(の停電コンセント)、もしくはソーラーパネル+100V600W以上を(ある程度の時間)出力できる蓄電池+インバーター、などが必要になってしまいます。設備も大掛かりで費用も嵩んでしまうのでした。

 

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もうひとつは「晴れ時々曇り」問題。
充電するときがいつも雲ひとつない「快晴」の日であればいいのですが、「きょうは晴れて気持ちのいい日だね」というくらいの日でも実際には「晴れ時々曇り」であることが多く、一瞬でも太陽に雲がかかってしまうと発電はストップしてしまいます。
道具の組み合わせによっては、その後、自動リセットされることもできたりはするのですが、それでもインターバルタイムがセットできない場合、リレー接点などを傷めてしまう可能性があります。
(パワコンの停電モードを使った電気自動車用太陽光発電についてはこちらブログを参考にしてください)。


とはいえ実際には電気自動車は、下り坂での回生発電などで小さな電力であっても、充電できる仕組みを内蔵しているわけで、「100Wくらいのソーラーパネルからユーザーが手軽に充電できるジャックをぜひ設けて欲しい」と、ことあるごとに声をあげているのですが、どこのメーカーも採用してくれません。いまや自動車メーカーは、株主の顔色を伺い利益をあがることが最優先で「電気自動車を使うことで地球環境をよくして行こう!」などとは、もしかしたら本心からは思っていないのかもしれません。
メーカーが考えている以上にEVユーザーの意識は高いです。太陽光パネルをつなぐことのできるジャックを回生発電の経路から分岐するというこてで特許を出願し、市販車に付けたりしたらそれは多くのEVユーザーに喜ばれることだし、売れるだろうから儲かるとも思うんだけどなぁ。

 

話が逸れました。スミマセン。
そんなわけで現在市販されている電気自動車を、太陽光発電を使って充電使用するのはかなりの覚悟と費用とある程度の技術が必要なのでした。でもここで紹介する方法であれば、かなり簡単。
ポイントとなるのは、グリッド・タイ・インバーター(GTIと略す人もいるようです)というちょっと変わったインバーターを使うことです。

グリッド・タイ・インバーターは、英語で書くと「Grid-Tie-Inverter」。送電網(Grid)につなぐ(Tie)ことのできる直流交流変換器(Inverter)です。この機械はかなり賢くて、送電線を通して電力会社(ウチの場合は東電)から送られてくる電気の電圧を監視しています。そして、それよりも少し高い電圧で太陽光発電でつくった電気を家の中の回路に正弦波の交流で流してくれるというもの。
たとえば東電から交流105ボルトという圧力で電気が家の中に入って来ているのが分かったら、太陽光発電でつくった(直流の)電気を交流107ボルトくらいの圧力で家の中に向けて流すことで、太陽光発電でつくった電気を(家の中で)優先して使える、という賢いインバーターなのです。

今回使用したグリッド・タイ・インバーターはほぼこれと同じタイプ。


私が買ったときは最大許容出力が500Wでもう少し高かったのですが、いまは600Wで1万4149円だそうです。
写真のものは最大60V出力のソーラーパネルをつなぐことが可能。600W出力のグリッドタイインバーターで、もっと安いものもあったりするようなのですが、ソーラーパネル側の許容電圧が低く、電圧の高いソーラーパネルをつなげなかったり(あるいは並列でつなぐ必要があったり)するので、太陽光発電の大きさをある程度確保したいというひとは、そのあたりにはちょっと注意が必要かもしれません。

このグリッドタイインバーターに今回は、以下のソーラーパネルを組み合わせました。

www.solar-off.com
開放電圧49Vの単結晶445Wのソーラーパネルで、お値段は税込み送料込みで2万4200円でした。実はこれ、ミニキャブ・ミーブ(軽バン)の屋根の上に乗せて使おうと思って買ったもの。軽バンの屋根に載せるにはこのサイズくらいがギリギリなのですが、しかし最大445Wでは電力が足りずオフグリッドでは(サブバッテリーを使わないと)充電できなかったのです。

そしてそこに組み合わせることにしたのが、グリッド・タイ・インバーターでした。
オフ・グリッドではなく、グリッド・タイになってしまうのですが、これだと445Wでも電気自動車が充電できます(100%太陽光というわけではないのですが)。

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⇧当初はこのグレーのミニキャブ・ミーブの屋根に右の軽トラ荷台の445Wパネルを載せ、パタパタと左右に3枚展開、なども考えていたのですが、企画としては面白そうだけど、実用性や安全性に問題がありそうに思えたのでした。

ところで、グリッドタイインバーターを使用する場合に、ひとつ気になることに逆潮流の問題があります。グリッドタイインバーター側からの出力が大きく、家庭内で使う電気の量が少ないと、余った電気が送電網側に流れ出てしまう可能性があるのでした。
そのために、グリッドタイインバーターを日本で使う場合は、(CTセンサーを使うなどして)逆潮流を起こさないような仕組みを組み込んだりしている方もいるようです。
ただ、今回のようなシステムで電気自動車を充電しようという場合、グリッドタイインバーターにはスイッチがあるので、通電可能な充電ケーブルのアンペアよりも少ない量のソーラーパネルをセットし、電気自動車を充電するときだけ、手動でグリッドタイインバーターのスイッチをオンにし、太陽光+商用電源で充電するという使い方であれば逆潮流は防ぐことができます。


ところで、グリッドタイインバーターはかなり安くなってきていて、最初に3万円未満でも可能、と書きましたが、安価であることを追求する場合、こんな組み合わせがあります。
グリッドタイインバーターはたとえばこれを選びます。なんと9999円(←amazon時価なのでときどき値段が変わりますが)



それにこの1万2650円の220Wパネルを組み合わせます。

www.solar-off.com220Wのソーラーパネルが、送料&税込みで1万2650円というのは、10年前から太陽光発電をやっていた人たちからすると驚異的な値段だったりします。
この220W、1万2650円のソーラーパネルは開放電圧が31.5Vなので、9999円の600Wグリッドタイインバーターの許容最高開放電圧32Vにギリギリ収まります。
合わせて2万3000円弱。
とりあえずはこのあたりからはじめて、パネルを(並列で)少しずつ増やすことで太陽光の割合を増やしていく、というのもいいかもしれません(将来、増設を考えるのであれば、グリッドタイインバーターは許容電力の大きなものを選んだほうがいいかもしれません)。

ウチで手に入れた445Wのパネルは、廃車の軽トラの荷台に取り付けました。

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TOP側は、軽トラの鳥居にアングル材を固定し、それに蝶板で固定。
季節によってパネルの角度を変えやすい仕様です。

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⇧取り付けやすさ優先で、ミニのように蝶板はアウターヒンジ。先に蝶板でパネルとアングルを固定し、最後に軽トラの鳥居にアングルを固定するという順番で施工すると、取り付けやすいと思います。

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⇧グリッドタイインバーターはパネルの下に置きました。

はたしてこれで太陽光はどのくらい使えているのか?
簡易電力計を使って測定してみました。
まずは、グリッドタイインバーターのスイッチを切った状態(太陽光のアシストなしの状態)で送電網(東電)からの電力を測定。
充電ケーブルは三菱純正(矢崎の)100V用。箱の裏には100V10Aと記載されています。
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828Wでした。

そしてこの状態でグリッドタイインバーターのスイッチをONにして、太陽光パネルを家庭内回線に接続してみます。
1月下旬なので南中高度は低く、それに追従できるほどパネルは切り立ってはいませんが、天気は晴れ。

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573Wでした。
828W-573W=255W。
445Wのパネルですが、グリッドタイインバーターを使って家庭内回線に流した場合は、この程度のアシスト電力になるようです。
もっと、パネルを増やした場合や、南中高度が上がってきたとき、どの程度の変化があるのか? 楽しみに測定を続けたいと思いました。
今回は100V用のグリッドタイインバーターを使用しましたが、Aliexpressなどを見ると、200V用で大きな出力に対応できるものもあるようです。

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電気自動車をなるべく太陽光発電で充電するということを考える時、この手のグリッドタイインバーターを使う方法もありそうです。

また、パワコンの停電モード流用と違い、この方法のいいところは、状況に合わせて、充電電流値を自由に選べる点。

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⇧中国製の高性能なこの手の充電ケーブルは、100Vでも200Vでもひとつの充電ケーブルでどちらも使え(プラグはアダプターで変更)、8A~16Aまでボタンを押すことで任意の電流値を選ぶことができます。

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⇧これは200V、16Aで充電中のデータ。バッテリー温度22度Cで、モードは16Aモード。充電経過時間は2分24秒で、これまでの充電電力量は0.088KWh。現在14.3A2.9kWで充電中という細かなデータを知ることができます。

これにより、同じアイミーブの駆動用電池でも、GSユアサのものと東芝のものとで、充電効率が大きく違うということなども分かってしまいました……。

また、最初期型のアイミーブのように、充電ボックスなしの充電ケーブルでしか充電できないタイプ(つまりは100Vの場合15Aになってしまうもの)でも、グリッドタイインバーターを使った充電方法であれば、比較的少ない費用で太陽光発電で充電できます。
ひと昔前までは、太陽光による充電方法に費用を掛けても、賦課金なしではそれを回収するのが厳しかったりしたのですが、いまは器具の値段もさがり、たとえばそれらに中古のソーラーパネルなどを組み合わせることで、比較的手軽に再生可能エネルギーで電気自動車を走らせることができるようになってきているように思います。

2022年4月6日 追加情報
従来型のグリッドタイインバーターの場合、電気自動車の充電や、消費電力の大きな電化製品や工具などを使用する際にオンにし、逆潮流させないように使用する必要がありました。でも、最近はリミッター付きというものが中国では開発されていて、電力会社からの電線にクランプ式センサーをはさむことで、逆潮流を自動的に?抑えてくれるものもあるようです。
以下のタイプがそれかなぁ?と思われます。しかもこのタイプ、バッテリーもつなぐことが可能で、グリッドタイインバーターも5つまで接続可能で制御してくれて、パネルからの最大許容電圧も高いので直列での接続が可能そうです。

ja.aliexpress.com