Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


女王バチと共に、冒険の旅に出る働きバチたちは誰が決めるのだろうか?

春爛漫。虫草農園の虫たちはいま、元気に活動を始めています。
ニホンミツバチはきょうで、三群目が分蜂しました。
そしてきょうも蜂球ができたのは、エノキの幹。
ヒトが作った蜂球トラップには目もくれません。

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⇧不織布とシュロ縄で作った蜂球トラップ(分蜂板)で休憩中のカメノコテントウ。
(蜂球トラップのトトカルチョの記事はこちら)

ということで、脚立に登り、エノキの幹の蜂球を観察していたら、そのすぐ横をオオムラサキの越冬幼虫が通り抜けていったのでした。

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あわててカメラを取りに行ったのですが、幼虫の歩く速度は案外速く、戻ってきたらだいぶ上の方の枝まで移動していました。


越冬から覚めてエノキの幹を元気に歩くオオムラサキの幼虫

 

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⇧そのすぐ横では、成虫で越冬したテングチョウがエノキの若葉に卵を産んでいました。

ところで、ミツバチのその年、最初の分蜂は、母女王が娘たちに住み慣れた巣箱をあけわたし、ある程度の数の働き蜂たちを引き連れて外の世界に出ていきます。その時の人選、というか、母女王との冒険的な運命を共にする蜂たちはどうやって選ばれているのか? ということに興味をもっていたのでした。
年功序列? 生まれた順なのだろうか……?
で、なんとなく感覚的にきょう思ったのは、その日の働き蜂たちの気分のような気がしたのでした。ヒトが「女王」をイメージする場合、権力者のようなイメージを持ってしまいますが、それはヒトの世界の場合の話で、ミツバチの場合は「卵を産むことに特化した個体」という見方もできます。女王が人選を決めている、というのはヒトの場合から類推した勝手な想像で、ミツバチの場合は女王の意志はそこには働いていない可能性があります。

 

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⇧前回の分蜂では、取りこぼしのないようにできるだけ多くのハチを取り込もうと思って、エノキの幹をシリコンの縁で舐めるようにして蜂球を掻き取ったのですが、それによって蜂球を支えていた一番上の樹皮に取り付いていたハチ(かなりの力がかかっていたはず)の(一部の)体が引きちぎれてしまったのでした。その失敗の反省もあって今回は、取りこぼしが多くてもいいからハチの損傷のできるだけ少ない方法でネット(100均の扇風機カバーの不織布)に取り込むことを第一目標に作業を行いました。

三回分蜂した中で、きょうの蜂球が一番大きく、多くの働き蜂が参加していました。風はあったのですが、きのうよりはマシだし、ここ数日の中ではきょうが一番、分蜂日和だったように思えたのです。そのために、お供のハチも多かった?
(前回の分蜂の様子はこちらから)。

やはり今回は、取りこぼしが多く、取り込み後もエノキのわきの下には、取りこぼされた働き蜂たちが戻って集まってきました。

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⇧取りこぼしの働き蜂たち。取り込みの際、新しい巣の捜索に行っていたハチたちもいそうです。

これらの取りこぼしハチたちの一部は、女王のフェロモンに呼ばれたのか今回取り込んだネットの周囲に集まってきたのですが、それは一部で、よくよく観察してみると多くは元の巣箱に戻ったようでした。
なんとなくですが、「きょうの女王による分蜂」ということにそれほど重きを置いていなかったのではないか、という感じがしたのでした。

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⇧100均で買ったネット(扇風機の冬の間のホコリカバー)をこれまでよりも短くしてみました。蜂球がネット内に落ちる際の距離を短くすることで、押しつぶされてしまうハチを少なくするためです。

夕方、ネットから巣箱に取り込みました。

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夜になって、巣箱に底板を入れると同時に、巣箱の内部を撮影してみました。

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⇧隅で蜂球をつくって固まっていました。
話しかけると、蜂球全体で「ほわぁー」という感じで、音をたてて反応します。アナグマの威嚇音とちょっと似た感じです。

夜、エノキのわきの下を見に行ったら、取りこぼしのハチたちは一頭もいませんでした。

代わりに、エノキの梢で、風もないのにナナフシモドキの幼虫が揺れていました。

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ニホンミツバチの巣箱づくり(ワンバイ材を使った重箱タイプ)

ニホンミツバチの飼育にはたくさんの面白いことがあるのですが、そのひとつに巣箱づくりがあります。外来種である洋バチと違ってニホンミツバチは、昔から日本の自然の中で暮らしてきたわけで、住み慣れた環境下でかなり自由奔放に暮らしています。
つまりは、巣箱やその周囲の環境などが気に入らないと、簡単に家出してしまうのです。
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「飼育」とは言うけれど、実はヒトとハチとの関係は、借家の家主と店子(たなこ)のような間柄で、家を提供する代わりに家賃としてハチミツをいただく、という関係だったりもします。
そんなわけで、ハチに気に入ってもらえるように試行錯誤しながら、分蜂に備えて新居を作っているのですが、ある程度、形が定まってきたので、備忘録として記録しておこうと思います。

 

 


まずは巣門の形ですが、いくつか作って使い比べてみたところ、こんな形で落ち着きそうです。

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⇧一般的には、蝶番(ちょうつがい)を使った開閉式が多いのですが、扉が箱についたままだと内部の撮影の際などに不便だったいるすこと、それとハチを蝶番の部分で挟んで殺してしまう(それによって攻撃フェロモンが分泌されてしまう)ことがあるので、取り外し式になりました。蝶番を買わないで済むというメリットもあります(もっとも蝶番も金属の薄板や革などを使ってつくることもできるわけですが)。

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⇧とびらの受けは2本のネジで受けます。よっぽどトロいハチでない限り、とびらをゆっくり閉じることでこのネジとの間にはさまれてしまうことはないと思われます。

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⇧とびらは、木片(濃い茶色の板)で受けるのですが、とびらを周囲の門構えよりも少し出っ張らせておくと木片で受けたとき、ガタツキがありません。以前は扉側に受けをつくっていたのですが、写真のようなタイプのほうが扱いやすいように思います。

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⇧木片は反対側にもストッパーをつくっておくと、とびらのスムーズな開閉が可能です(さもないと開けるとき邪魔になりました)。

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ひとつ前のブログでも紹介しましたが、女王バチの逃避防止に、中国製167円(国際送料込)のスリットなどが使えるようにしてあります。

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⇧手前の扉をひらくことで、サイズの異なる二種類のスリットとして使用できます。

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⇧巣の底板は、巣内の温度が高くなる時期に換気を兼ね、開閉できるようにしています。底板の穴には3mmメッシュの金網が貼られています。抜き取った板も捨てずにとっておき、冬季の防寒対策に使っています。

 

重箱のサイズは、最初の群れをいただいた重田師匠のサイズに準拠しています。使用している木材は重箱部が1×6”(ワンバイシックス)で、巣門部分は1×4”(ワンバイフォー)。板厚はいずれも19.5ミリ。内寸235ミリ、外寸274ミリ(長辺274ミリ、短辺235ミリ)の正方形です。
重箱はたくさん作る必要があるので、こんな感じのバカ棒をつくりました。

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⇧これがそのバカ棒で、短い部分が短辺用。長いほうが長辺用です。

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⇧バカ棒は仕上がりサイズの板のサイズで作る方法もありますが、丸ノコの刃の厚み(2ミリ)を加え、仕上がりサイズよりも2ミリ大きくつくると線どおりに切ることができて正確に切断できます。

 

 

巣落ち防止の棒を入れる位置もボール紙でガイドを作り、それを目安にポンチを打ってマークをすると量産には便利です。

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⇧ボール紙を谷折りと山折に折って、その部分をコーナーに合わせ、オートポンチでマークします。

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⇧巣落ち防止棒用の竹ひごは、長めのバーベキュー用竹串などでもいいと思うのですが、竹が近くに生えているので両刃のナタで割ってつくりました。

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⇧巣落ち防止棒は、こんな感じで井桁状に組みます。

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⇧穴からはみ出した竹ひごは、片側のアサリを落としたノコ、または裏にガムテープを一枚貼ったノコで切り落とします。

巣箱作りにあたって一番面倒なのが、巣箱の一番上に乗せるスノコ(この部分にハチが巣を作り始めます)かもしれません。
ひとつの巣箱の中に7枚の巣板を作って欲しいと思っていて、スリット間は10ミリ弱。幅を22ミリ前後でスリットを作っています。スリット間は6ミリがいい、幅をそれに合わせて太くしてあげたほうがいい、などの情報もありますが。いろいろつくってみてそのあたりは検証してみたいと思っています。

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⇧まずはドリルで穴をあけ、それを丸ノコで溝状に拡大していくのですが、その場合も、穴位置をマークするためのガイド板があると作業がはかどります。

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⇧両端にあけた10ミリのドリル穴に沿って、丸ノコで溝を切ります。


ところで友だちの薩美さんから教えていただいたTritonのスーパージョーズというクランプ台、とても便利で重宝しています。

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⇧ワンタッチで開口部が固定できて、締め付ける圧力も任意に調整できます。あぶみのようなところを足で踏むと固定でき、ロックレバー(赤いレバー)を解除してからもう一度踏むと緩むという仕組み。

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⇧トップの黒い部分は反対返しにも取り付けることができて、サブロク板なども固定できます。
また、薪ストーブを使っている人の場合は、玉切り台としてもとても便利。軽トラからの移動にちょうどいい高さで、この高さで玉切りできると腰への負担も少なく、しかも片側を玉切ったことでバランスが悪くなっても倒れにくいというのもありがたかったります。

スノコはこんな感じのものを使っています。

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⇧ガイドのようなもので、これに沿って巣をつくってくれることが多い、というのと同時に、アカリンダニ対策で天井の上(このスノコの上)にダニが嫌いなメントールなどを置き、箱内に充満させる場合の置き場所にもなります。スノコの上に写真のような枠とメッシュ(100均で売っている鉢底メッシュ)を置き、その上にメントールの結晶を薄いお皿に載せ、新居を気に入ってくれた頃にセットします。

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スノコの真ん中あたりには蜜蝋を溶かして付け、巣作りのきっかけのようなものを作ってきたりもしました。この面が天井側、下側になります。

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⇧巣枠式で使われる三角形の角材をタッカーで止めたものなども作ってみました。果たしこれをハチが好むか? 半分だけ取り付けてどちらから巣を作り始めるか観察してみたいと思います。

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⇧あるいはこんな感じ。合板をくり抜くのではなく、無垢材で組み立てるタイプのスノコも作ってみました。これの方がかんたんじゃないかと思ったのですが、ハチがスノコよりも上(メントールを置くスペースに)入ってしまわないようにするには周囲に縁が必要だったり、ちょうどいい幅(22ミリ前後)の板材がないのでそれから作らなければならなかったりで、合板にスリットを開けるほうが簡単は簡単かも。どちらをハチが気に入るかもテストしてみたいと思っています。

そして完成。

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⇧主には、分蜂した蜂球の取り込み用ですが、もしかしたら自然巣の分蜂群が入ってくれる可能性もあるのではないかと期待して、できあがった箱たちはハチが好みそうなところに待ち箱として置いてみることにしました。

 



分蜂しました!

きのう(2019年4月25日)のことです。
道の駅への出荷が終わり、オフクロの家で雑用をしていたら、さとみさんから「始まったみたいよ」と連絡。
時間はたしか11時少し過ぎでした。
今年、初分蜂。
行ってみると、もうすでに蜂球ができていました。

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こんなのをつくったり、
こんなブログも書いて、

musikusanouen.hatenadiary.jp

どの分蜂板に蜂球をつくるのか?楽しみにしていたのですが、
……結果は、この通り。

 

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ハチたちを取り込みやすいように蜂球トラップなるものをいくつか仕掛けたのですが、蜂球ができたのは、近くのエノキの幹。我が家で「エノキのわきの下」と呼ばれている樹皮のゴツゴツした部分でした。

人工的につくった分蜂板(蜂球トラップ)であれば、取り外してひっくり返しにした巣箱で受け、その後、巣箱を180度回転させて戻す、という方法で対処できるのですが、エノキの幹は取り外すことができないので、自作のネットに取り込みハチたちを収集することになります。

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⇧これがそのネット。100均で売っている不織布の扇風機カバーとシリコンの洗濯物バケツで作りました。シリコンの洗濯物バケツは底を抜き、フチの部分をエノキの幹の3次曲線に追従する、というもの。

女王バチは最初から蜂球の中にいるわけではなく、途中で加わるので、蜂球ができてすぐに取り込むのではなく、できるだけ時間をあけたほうがいい、とのことで、脚立に登り、目と鼻の先で蜂球を観察していたのですが、目の前に女王と見られる個体が出現し蜂球の中に入っていきました。
女王を確認したのであわててネットで蜂球を捕まえました(あわてていたのでその瞬間の写真はなしです)。でもあとで考えるとオスバチだったかも。

捕まえた蜂球はこんな感じで逆さ吊りされ、しばらく放置されます(ザルと不織布の間に当初ハチがたくさん入ってしまったので、間に入らないように改良)。

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この場合も、できるだけジラしたほうが、新しい巣箱への入居率がいい、との説があって、巣箱への取り込みは夕方まで待って行いました。

ハチたちは上方に集まって蜂球をつくる性質から、巣箱への取り込みは、巣箱の底側から行います。

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⇧真ん中に四角い穴があり、縁が立ち上がった板を、ちょこっと改造した木工用ワークテーブルにセットします。

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⇧途中をしばってハチが出れないようにしてある不織布ネットをこんな感じにセットします。

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⇧その後、巣箱をセットし、縛っておいたヒモをほどいて開放します。

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⇧するとハチたちは、ぞろぞろと上に登り、箱の中に入り、箱の天井付近で蜂球を作ります。
ハチたちが箱側に入ったら、不織布を外して、底板をつけ、取り込み完了。


予定通りすべて順調にいったかというと、必ずしもそうでもありませんでした。
その日は巣門をフタしておき、翌朝、女王バチだけがでれないように、特殊な巣門を取り付けたのですが、その巣門の間隔が小さすぎたようで途中ではさまってしまう働き蜂が続出。このときのスリットのサイズは3.8ミリだったのですが、それではどうも小さすぎのようでした。

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⇧スリットから頭だけ出したハチたちでスリットは塞がれてしまい、パニックのような感じでした。
なんとも可哀想で仕方なかったので、女王が逃げてしまう可能性はあるのだけれども、手前のアダプターを外し、奥の4.0ミリのスリットだけにしてみました。

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⇧この中国製の巣門のアダプター、二種類のスリットを選ぶことができるのです。しかも日本のアマゾンからポチできて国際送料込で167円でした。


とりあえず、いまのところは、いい感じ。
出ていくだけでなく、帰ってくるハチもいるのできょうのところは逃げていないようです。


中国製女王バチ逃避防止スリットを試してみました。

ブレーキパッドの交換

春になって虫草農園も出荷物が増え、近隣の道の駅三店舗(はくしゅう、こぶちさわ、信州・蔦木宿)に、農産物などを出荷するようになりました。

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都会と違って渋滞はなく、信号も少ないので、思いのほか時間はかからないのですが、それでも一番近い道の駅「信州・蔦木宿(つたぎじゅく)」までは往復約10㎞。でも時間は往復で約15分。一番遠いいのは道の駅こぶちさわで往復20㎞弱。時間は約25分なのでした。
出荷だけでなく売れ残りの回収もあるので、下手をすると一日100㎞近く走ってしまうわけですが、リッター10㎞の燃費のクルマだと、出荷と回収だけで10リットルもの燃料を使ってしまうことになるので、できるだけ燃料代タダの天ぷら廃油カーを出動させています。
でも、それぞれのの道の駅には急速充電器があって、しかも「はくしゅう」と「こぶちさわ」は無料なので電動軽トラでもいいのですが、急速とはいえ充電時間がもったいないのと、家で昼間充電すれば化石燃料を使わず太陽光発電で充電できるので、廃油といういわば「ゴミ」で走ることができるセレナを使うことが多くなっています。

ただ、電動軽トラと異なり天ぷらカーには回生ブレーキはついていないので、アップダウンの大きなワインディングな田舎道ゆえ(一度谷底まで降りてから登る、道の駅こぶちさわは標高990m)、比較的エンブレの効くディーゼル車(圧縮が高い)とはいえ、ブレーキパッドの減りは気になるところなのでした。

そんなある日、道の駅の出荷から帰ってきた娘が「左の前輪になんか虫がいるみたいだよ。キーって鳴くようになってきた……」とのこと。日に日にその音は大きくなっていき、やはりもう限界か……ということで、仕方なしにブレーキパッドをネットで注文したのでした。


実はこれまで旧式の対向ピストンタイプは何度か、バラしたりオーバーホールしたことがあったのですが、今式のフローティングタイプは初めてなのでした。
ということで前置きが長くなってしまいましTが、ブレーキパッド交換の備忘録です。
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⇧まず、フロントをジャッキアップします。油圧ジャッキという代物は「こんなゴムのパッキンでこんなに重たいものを持ち上げて保持して置けるなんていうのは奇跡」とも言える構造。必ずウマ(リジットラック)をかいましょう。
ところで下の写真で、フックにウマを掛けていますが、吹っ飛ぶことがあるのでここは危険との指摘をいただきました。なるほど、です。木などの柔らかなカイモノをしてロアアームの付け根付近がいいのかなぁ。

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⇧次にタイヤを外します。
これがフローティングタイプのブレーキキャリパー。ロータに対してのキャリパーの位置を固定せず、スライドピン上を動くことで、パッドを押すピストンは片側に1個ついているだけなのに両側のパッドでローターを同じ力で締め付けることが可能、という画期的な構造。ローターをはさむ両側にピストンのある対向ピストンしか知らない昭和30年代生まれのオッサンからすると、(ホイールとのクリアランスも稼げるし)かなり画期的な構造だと思うのですが、スピード狂(完全な死語ですね)たちは、なぜか対向ピストンを愛しているようです。

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⇧で、タイヤが外れたら2本あるキャリパー取り付けボルトの下側のボルトを外します(セレナは14ミリでした)。裏側からついているから、表側から見て「の」の字が外れる回転方向です。熱が加わっているボルトやきつくしまっているボルトは一発目を叩くようにして一気に力を加えるのが舐めないポイントです。

下側のボルトを外すと、キャリパーのピストン部分が上に開くのでホースが折れないように気をつけながら上に開きます。
この状態になったら、パッドが外れるので、マイナスドライバーなどでこじって外側にはずします。
その後、パッドと一緒についてきたシムをパッドからはずし、パッドカスなどを掃除した後、シムを新品のパッドに組み直し、摺動部分にブレーキ用グリスを塗って再び組み込みます。今回はブレーキラバーグリスしかなかったので、それを薄く塗って組み込んでしまいましたが、できればキャリパー用の専用品を使ったほうがいいのかもしれません。

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その後、キャリパーのピストン部分を戻すのですが、古いパッドが摩耗していた分、ピストンも内側に出っ張ってしまっていて、そのままでは元の位置に収まらないので、ピストンを戻してあげます。
上の写真のような専用ツールがなぜかウチにはあって、それを使ってもいいのですが、ない場合は、パッドを片側(手前側が便利)だけ付けた状態でパッドとローターの間にバールか大きめのマイナスドライバーを差し込み、ロータとパッド間のクリアランスを広げてあげると、ローターを挟んだ反対側にあるピストンを引っ込めることができます。
そしてこのとき、注意するのはブレーキフルードの量。ピストンを戻すとその分、フルードは増えるので、こぼれないように監視しておく必要があります。

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⇧もしこぼれそうになったら、ウエスなどに染み込ませて量を減らしましょう。今回は手元にウエスがなかったので、ゴミ箱の中にたくさんあった花粉症ティッシュに吸わせました。

ピストン側アッセンが所定の位置に収まり、外した取り付けボルトを組み付けたら、作業は終了。ついでにタイヤを山のあるスタッドレスから山のないスタッドレスに交換し、試走してみて問題がないことを確認します。
今回購入したのは、社外品のアウトレット物でパッド4枚で2,000円弱という破格値でした。


外したパッドを見てみたら、残量ほぼゼロで危険な状態(これはマズイ……これ以上になるとローターが傷ついていしまいます)。

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今回の教訓、「ブレーキパッドの残量はときどき点検すること」。
「音が出てからも、タイヤ交換をするついでになどと言って、作業を先延ばしにしないこと」。
また「長距離ドライブの前などには点検を行い、必要になりそうな場合は早めにパッドを注文をしておいて新品のパッドをクルマにのせておくこと」。
気温が高くなり、作物の出荷は忙しくなってきたのですが、それと同時に、天ぷら廃油の粘度も下がってきて、鳴く虫もいなくなり、オートマの滑りも少なくなりつつあり、気温とともにクルマの調子は徐々に良くなってきてくれています。







ミツバチ分蜂用の蜂球トラップの品評会

ニホンミツバチは、春、新しい女王バチが生まれると同時に、巣分かれによって群れを分け増えていきます。その際、巣箱の近くに「蜂球(ほうきゅう)」と呼ばれる、ハチの塊りをつくります。
これがそれ。

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社会性のあるミツバチは、巣分かれの際、巣の近くに群飛する前の集合場所として蜂球をつくります。新たな巣をどこにつくるか、偵察隊が持ち込んだ数種類の提案の中から引越し先をみんなで吟味し、最終的には多数決で決める、と言われていて、蜂球の状態のときにそれらの判断を行います(このときに行われるハチたちによる意思疎通のダンスも少しずつ解明されてきています)。


ついでに言うと、このときのハチはこれまで集めた蜜を携えて引っ越しするので、お腹の中は蜜で満腹。そのため「蜂球に手を突っ込んでも刺されない」と言われるほどにおとなしく、ヒトを襲うようなことはまずありません。そんなわけで、もし、こうした蜂球を見つけても、引越し先が決まるまでの一時的なものです。なので殺虫剤などを噴射したりしないでいただけるとありがたいです。殺虫剤を吹きかけたりするとさすがに怒って、群れで攻撃してくる可能性もあります。


ミツバチの愛好者にとって、蜂球は宝もの。まさに宝玉だったりします。蜂球を捕まえ、半ば強制的にヒトが用意した巣箱に取り込むことで巣箱を増やします。
蜂球は、元の巣箱の近くで、止まりやすいことからデコボコした木の幹などに作られることが多いのですが、周囲に障害物があってうまく箱に取り込めなかったり、あるいはハシゴを使わないと届かないような高い位置に蜂球ができてしまうこともあり、ハチまかせだと蜂球ができたからと言っても必ずしも巣箱に取り込むことができるとは限らないのです。

そこで登場するのが、蜂球用トラップです。
いかにも蜂球をつくりやすそうな形状や臭いなどを付けた板をあらかじめ用意しておき、そこに蜂球をつくってもらうことでより確実に巣分かれした群れを巣箱に取り込もうというもの。ニホンミツバチ愛好者の間では、秘伝の蜂球トラップなどというものがあったりするようです。

ということでいくつか蜂球トラップをつくってみました。


エントリーナンバー1番 ■合板に金網

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蜂球は持ってみると分かるのですが、中までハチが詰まっているので、思いの外、重いのです。運動会の組体操ではないけれど、よくもまあ、あんな重いものを一番上のハチたちはぶら下げておけるものかと驚きます。
そんなわけで、金属という人工物ではあるけれど「ぶら下がりやすい」ということで金網が意外とミツバチたちに人気がある、との噂があります。
カナケを嫌う場合もありそうなので、いちおう、蜜蝋を溶かして金網に塗ってみました。

巣箱への取り込み方は、底の抜けた巣箱をひっくり返した状態で用意しておき、女王バチが蜂球に加わった頃を見計らって、蜂球トラップを単管パイプからはずし、底なしの逆さにした巣箱(つまりその状態では天井がない状態)に合板のトラップを被せ、その後、トラップを底板として巣箱をひっくり返すという方法。はたしてそんなにうまくいのだろうか?


エントリーナンバー2番 ■無垢板にシュロ縄

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こちらは自然素材系。据え付けも単管パイプではなく、自然の木の枝に取り付けています。周囲にあるクリーム色のものは、100均で買った扇風機用の不織布でできたカバー。ハチたちが蜂球をつくったら、すかさずトラップ上部にある扇風機カバーを広げておろし、蜂球を扇風機カバーの中に閉じ込め、しばらく様子を見て、もし蜂球がそのまま蜂球でありつづければ女王はその中にいるものと判断し、翌日までそのままにしてジラしたのち、巣箱に取り込む、という方法(ジラした方が人工巣箱を気に入ってもらえる可能性が高いとのこと)。もしも女王が入っていない場合は、働き蜂たちは蜂球を崩し、外に出ようとするので、逃してあげると元の巣にもどります。

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⇧このオバQ(なんて言われても多くの人は知らんですね)は、予定していない場所に蜂球ができてしまった際に蜂球を取り込むためのものですが、「無垢板にシュロ縄」も、形としてはこんな感じで蜂球を捕まえます。ハチたちが中に入ったら、下の方のヒモを縛って、ハチたちをしばらく閉じ込め様子をみます。

 

エントリーナンバー3番 ■ドラゴンBeeキャッチャー■

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中国にもニホンミツバチと同じ種類であるトウヨウミツバチが棲んでいるからか中国には専用品があったりします。値段はなんと中国からの国際運賃込みで799円。
広げると、下の写真のようになります。
取説などは一切なしだったのでどうやって使うのかがよくわからない部分もあるのですが、たぶん、こうしてまくしあげてセットしておくのではないかと思われます。
最上部にフックが付いているのですが、そこでぶら下げるのかと思ったのですが、そうすると風でブラブラしてうっとうしいので、板をかまし、固定方法を少し変えました。

 

エントリーナンバー4番 ■エノキのわきの下■

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我が家で勝手にそう呼んでいるだけなのですが、巣箱を置いてある後ろには大きなエノキの木があって、その幹の一部にちょうどわきの下のような部分があり、樹皮がゴツゴツしています。
去年、孫分蜂したハチたちはいずれもここに蜂球を作りました。
実績があるので、ブックメーカー方式の場合、オッズがもっとも高く、配当率は低くなってしまうものと思われます。

巣箱とそれぞれのトラップの位置関係はこんな感じです。

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⇧左端の黒いかたまりが「ドラゴンBeeキャッチャー」で、奥の単管に固定されているのが「合板に金網」、右側の木の枝の板が「無垢板にシュロ縄」で、その枝の根元側、巣箱よりも少し後ろ側に「エノキのわきの下」があります。「エノキのわきの下」だけ巣箱の後ろ側で、ほかは巣箱(巣門)の前側に位置しています。

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ということでサクラも咲きだし、農作業も佳境。いよいよ来週あたりは分蜂も起こりそうです。さて、どのトラップにハマってくれるのでしょうか? 楽しみだなぁ。

簡単便利な包丁差しのつくり方

薪を刻んでいて、ふと思いたち、いい加減につくった包丁差しなのですが、それが案外便利なので、ちょこっと紹介します。

材料はテキトーな丸太。

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今回使ったのはイチイの丸太。
腐りにくく、カビにくいといわれるイチイの丸太があったので、それで何かつくってみたくなり、包丁差しをつくってみたのでした。
だからたまたま丸太だっただけで、角材(できれば抗菌作用のあるヒノキやスギがベターか?)でもかまいません。

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⇧まずは包丁の刃の長さよりも少し長めに丸太を玉切りにします。

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皮をはいでそのままでも良かったのだけれど、電動カンナで少し面をだしてみました。
あとは、そこに3筋、丸ノコで背割りを入れるだけ。

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2~3日すると芯持ちである真ん中の背割りは、割れが開いて来るので刃の厚みのある包丁もさせて便利だったりもします。

水が垂れてもいいように、ウチでは下にお皿を受けて使用しています。

包丁差しはあると、とても便利。
包丁は刃物なので、包丁差しがあるとないとでは危険度も違ってくるように思います。

その気になれば、10分もあれば作れるから、壊れたり汚れたりしたら、新しく作り直すのも簡単。木だけでプラスチックや金物などの余分なものがついていないから、壊れたり汚れたりしたら、薪として燃やしてしまうこともできます。



①稲の無農薬栽培・備忘録(毎年情報追加更新のこと) 浸種から催芽まで タネもみを何グラム水に浸けるか?など

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稲のタネまきのことについて、一年前のことなのに、見事なくらいにいろいろ忘れてしまうので、毎年追記しながら書き留めておくことにしました……。

■いつどれだけの量を温湯消毒し、水に浸けるか。
これが結構、重要。

2024年は、4月20日午前中に約2kgのモミを約9%まで日干しし、その後、60度弱( 59℃前後)、10分で温湯消毒。その後、流水に付けたけど気温が25度もあり、水温は14度だった(15度以下であればOKらしい)。
1枚乾燥重量100g(浸水後135g)✕18枚≒2000g(←乾燥重量)。量は1反18枚換算(虫草農園は2~3本植えなので通常よりも少なめ)。
床土はコメリのもので4袋(そのうち昨年の余りが1袋)用意した。
気温が高く、農業用水の流水も14度近くで浸種の温度が高めなので、6日目の25日午後より31度近辺で約20時間催芽。26日の午前中に苗箱に土を入れ午後、播種。浸水催芽した状態でひと箱135g播種した。

●来年へ向けてもメモ:土は古いものから使ってしまったが、床土には今年のものを使い、肥料分が抜けても問題ない覆土用に昨年のものを使ったほうが良さそう。
モミを入れるネットはふたつに分けたほうが、少ない水量でもしっかり浸かりやすい。特に催芽の際。


↑催芽の後半は、2~3時間で芽が一気にでるので要注意。




2023年は、4月17日に種モミを日干しし(できれば9%まで乾かした方が温湯消毒に耐えやすいとのこと)、翌4月18日午後、温湯消毒(58度15分)。

1枚乾燥重量100g(浸水後135g)✕18枚≒2000g(種モミを日干しした。日干し前の水分量は約14%だった)。量は1反18枚換算(虫草農園はかなり疎で、2~3本植えなので通常よりも少なめです)。

同時に田んぼに水を入れ、水生植物のタネをできるだけ発芽させておく(2023年はフェアリーベッチのアレロパシーを期待し昨年の秋にタネを播いている←でも、フェアリーベッチを育てるには冬期乾燥させる必要があり、アキアカネには厳しい条件になってしまった)。


2022年は4月15日あたりから日干しをして含水率を9%に落とす予定だったのだけれど、雨などによりたしか18日あたりから日干し→浸水→催芽(4月27日に撮影した写真に鳩胸の写真あった)などをはじめたと思われます。周囲よりもかなり遅い感じだったけど、でもそれで、ちょうどよかった感じ。

2021年は4月14日に温湯消毒(作業開始)で、その結果、田植えは5月29日になりました。発芽した雑草を埋め込むための代かきが3回できて初期の除草の助けになり、田植えのタイミングとしては良かったのだけれど、苗が少し大きく育ちすぎな感じもあったのでもう少し遅くしてもいいのかも?
温湯消毒の数日前に、種モミを天日干しして含水量を9%に落としておくといいらしいので、天日干しから始める場合、4月10日過ぎに天日干しからはじめる、というのがいいのかも(天日干しに関しての詳細は下の温湯消毒のところに記載)。

2020年は早過ぎでした。除草剤を使わない無農薬栽培なので、まずは田んぼに水を入れ、雑草たちが芽を出させてから最低一回は、代かきをしておきたい。そのためには、浸種の開始は、焦る気持ちを抑えて、周囲の慣行農法の田んぼよりもかなり遅くしたほうが良さそう(少なくとも2週間くらい)に思われます(発芽率を下げないために浸種の時間をあまり長くしたくないということもあります)。

2019年はこんな感じで早すぎでした。
稲の浸水は4月8日、催芽は15日、17日は軽く干して、翌日18日(満月前日)に種まき後、薪ストーブの周囲で出芽まで養生。出芽後、ビニールハウス内の育苗場に移動させて管理、5月28日に田植え(新月6月3日の5日前)。育苗期間中、成長を遅くさせるため、低温管理で徒長防止。というのが2019年。

■追記■2022年8月16日
参考までに、埼玉の御園さんは、

5月の連休にもみ振りします。
田植えは6月15〜25日くらいですね。
もう36年間ずっと変わらずにやっています。
とのこと。



●注意●一般的な農家よりも播種が遅めなので、タネまき用土(培土)を購入する場合、売り切れてしまっていることがあるので(みなさん、買うのが早い)、3月頃ホームセンターの近くを通るときに買っておくこと。量は1反だと24リットル入り(コメリのコレイチ)だと4袋、前年の残りがあれば3袋。
積み重ねたとき、箱の底で押されてしまったとしても、苗箱の中の土はできるだけたくさん入れたほうが、大きめの苗で植える場合にはいいように思う(暖地は稚苗でもいいが、寒冷地は中苗、もしくは成苗が望ましい--田んぼでの生育期間が短いので--と言われている)。なので最低4袋。また、プール育苗の場合は、液肥を使う方法もある、とのこと--まだ使ったことはないけれど。

水稲のタネ蒔きに当たって、タネもみを何グラム水に浸けるか?

一般的には、1反に3~4kgとのこと。
でも虫草農園は、
①田植え機での田植えで、株間を最大値の25センチにしていること。

②1箇所あたりの本数が2~3本と少なめであること。

③個の多様性を重視するため(と称しているけど本当のところは面倒臭いから)塩水による選別をしないこと、などから、

2019年はとりあえず、一般的な蒔き量の半分の1反あたり2kgでやってみることにしました。虫草農園は稚苗でも大きめにしたいので乾燥重量で一箱100g(浸水後135g)くらいで蒔くのでこれだと一反あたり約20枚(追記2020年 虫草農園の場合はこれではかなり多すぎだった)。

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■面積の換算値:
1反(たん)=10畝(せ)=0.1町(ちょう)=300坪(つぼ)=990㎡(平米)≒約10アール

 

今年お借りできる田んぼは、2か所で、

●(道路の)上の田んぼ 水張り面積280㎡≒0.28反

2000g/反×0.28反=560g よってハッピーチルドレン(長粒の香り米)460g、黒米100gを用意する。

●(道路の)下の田んぼ 水張り面積802㎡≒0.8反

2000g/反×0.8反=1600g よって、コシヒカリを1600g用意する。

↑これでは多かった。

■種モミの温湯消毒■

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⇧種モミの温湯消毒では、種モミを入れたときに温度ができるだけ下がらないように一番大きな寸動ナベで、薪ストーブもしくはかまどでお湯をつくったあと、微調整をガス台を使って行うというのがいい感じ。

ところで温湯消毒ですが、60度だと10分、58度の場合は15分など、少しの温度の差で時間がかなり異なり、そのあたりが微妙なようなのですが、温度計によって表示温度にかなりのバラツキがあることが判明。
(上記は、水稲の場合であり、麦類の場合は、もっと低いので要注意。一例としては、水に15度Cの水に 3時間浸漬後、50℃の温湯に数分浸漬し温めた後、小麦54℃、大麦53℃の湯に5分間浸漬し、その後、直ちに水で冷却する:詳しくは、麦類(小麦、大麦、ライ麦)の温湯消毒・温湯浸漬・温湯浸水法を参照のこと)。

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⇧写真の温度計は59.2度なのですが、放射温度計だと55度前後。また、バイメタルと思われる温度計(下の写真の真ん中)だと70度付近を示していました。

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⇧3種類のうちで真ん中あたりの表示である手前のデジタル棒温度計を採用。でも、ちょっと不安ではあります。

■浸種(種モミを水に浸ける)についての注意事項■
●温度●
・漬ける水は10度以下だと低すぎで、7度以下だと著しく不良(温湯消毒した種もみの場合「積算100℃」は迷信で、低温の場合、発芽不良を起こしがちとのこと)。
・逆に水温13度以上だと高すぎで催芽前に芽が出てしまうものがでて不揃いになってしまう。

●日数●
・6日以下だと吸水不足で出芽が遅れる
・10日以上だと長すぎで発芽力が落ち、死滅する場合もある
よって、最適な浸種は、
11度C~12度Cで、7~9日間
で、我が家の場合は、室内では温度が高すぎで、かと言って、外や作業場では温度が低すぎ、玄関に置くのがちょうどいい感じでした(邪魔だけど、酸欠防止のためのモミを引き上げや水換えを忘れないという点でも良い感じでした)。

(水稲温湯消毒種子、取扱マニュアルより
http://www.kamikawa.pref.hokkaido.lg.jp/ss/nkc/04_sibetu/publication/ontousyoudoku.pdf

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苗箱をいくつ用意したらいいか
乾燥したモミの状態のお米を8日くらい浸種すると、水を吸った分、重くなり、うるち米の場合、1.3~1.4倍になる模様(2017年実測)。
よって、苗箱1枚あたり、稚苗の場合で催芽モミ145g(ウチは植えるのを遅めにするので少なめ)だと、催芽モミ145g÷1.35=乾燥モミ107g
中苗の場合だと、水を吸った催芽モミ110g(中間値)÷1.35=乾燥モミ81g
2019年はコシヒカリの乾燥モミを1600g浸種したので、箱は1600g÷107g/箱≒15箱 
黒米は100gだったので、1箱
ハッピーチルドレンは乾燥460gなので、460g÷107g/箱=4.3箱≒4箱
ということで試してみようと思います。

 

●2020年追記
2畝+8畝=1反で 22箱作ったけれども 補植用を別にとっておいてももう4箱は少なくても問題なさそう。
植付本数が一箇所2~3本のウチの場合、18箱くらいでOKのようだった。
コシヒカリを8畝に植えて、3箱+1箱(補植用)余り
ハッピーは2畝の4分の1+外周2周で4箱中2箱余り、
モチ(ココノエモチ)はひと箱でほぼ全部植え、
黒米は3箱でひと箱余った。

 
●2021年4月追記 「種モミの量と温湯消毒の温度、その前に日干しに関して

    1箱   乾燥重量g 1箱浸水後重量g 2020年播種枚数 2020年使用枚数 2021年播種枚数 2021年 乾燥重量g
コシヒカリ 下の田 100 135 14 11 12 1300
黒米 上の田 100 135 3 2 2 200
ハッピー 上の田 100 135 4 2.5 2 200
もち米 上の田 100 135 1 1 2 200
 合計        22 16.5   18

2021年、コシヒカリは昨年のできが悪くシイナが多かったので、100g追加して温湯消毒した。
2021年、一反に一種類の稲を植えるのであれば、苗場個数18枚でちょうどいい感じだったけれども、種類が多いとちょっと少なすぎな感じ(田植え機の苗取り量を多め→最大で作業・それでも1~4本程度)。
8畝の田んぼの外周を2周するには、苗箱2枚では足りない。3枚は必要。
ということで2021年は8畝側(コシヒカリ)の苗が足りないくらいだった(苗取り本数も少し多かったかも)なので、総計で20枚は必要かと。

■湯温消毒■
2021年は温湯消毒は4月14日に行い、その後、何度か水を替えて地階の作業場に移動(玄関では水温13度Cと高めだったので)。
●温湯消毒に関して、2021年は60度C10分で行ったが、できれば65度Cだとバカ苗病の発症なども抑えられ農薬を使った消毒以上の効果があるが、普通の種モミを65度10分温湯に浸けてしまうと発芽率が低下してしまうとのこと。ところが種モミの含水量を9%くらいまで乾燥させてから温湯消毒すると65度Cでも問題なくなり、発芽率も収量も落ちない、というレポートがネット上にあった。

agri.mynavi.jp

かまどでの温度調整は難しく、来年からは温度が高めに振れてしまっても問題がないように温湯消毒前に種モミを日干し、含水量を9%まで落としてから温湯消毒してみようと思う。


■培土はどのくらい必要か?■
1箱あたりの標準使用量は、床土2.2Lと覆土1.3Lで合わせて3.5Lとのこと。
重量だと床土2.5kg、覆土0.7kg(軽量タイプではないものの場合)
市販の床土を使用する場合、24リットル入り(≒20kg)の場合、
1袋で、覆土込みで6~7箱が目安とのこと。
(ただし1袋30リットルの軽量タイプの場合は、8~9枚が目安になる)。
虫草農園の場合は、育てる苗が20箱なので、20箱÷6.5≒3袋ということで、
前年のあまりがあれば、3袋、なければ、4袋、コメリで買ってくる。

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催芽の準備
催芽はクーラーボックスと熱帯魚用のヒーターを組み合わせて行うと、温度管理が楽で便利。
モミが酸欠にならないように、ときどき袋ごと引き上げて、酸素を供給します。

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⇧黒くて細いナマコのようなものが熱帯魚用のヒーターで、温度設定のボリュームがあって便利。32度にセットしたけれども、それでは少し高くなりすぎるようでした。26度くらいでも水温は30~32度を保てる感じ。

催芽の時間
浸種がうまくいき、催芽を30~32度前後で行うと、20時間程度でモミから突起状の芽が出てきます。なので、あらかじめ時間を読んでから催芽を行うこと。
さもないと、下の写真のようなことになります。

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■追記■
農協などに提出資料用データの覚え書き
全国の10a当たり平年収量は約530kg
虫草農園はほぼ無肥料栽培なので、約6割りの約300kg(30kg袋10袋)で深刻、じゃなくて申告。


■追記■
なんだ、2017年にも浸種や催芽の備忘録を書いているじゃないか!
(備忘録を書いたことを忘れないようにするためにはどうしたらいいのだろう……)。

水稲の育苗の備忘録1 ・虫草農園流(つまり、かなりいい加減)
http://musikusanouen.hatenadiary.jp/entry/20170409/1491752338