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一年に一回のことで、忘れてしまうので覚え書き。
ところで、虫草農園で使っているトラクターは、約50年前の2駆のトラクターでジャイロや水平機能などのついていないものなので、高性能なトラクターやドライブハローを使用している場合はこんな小技は必要はないのかも。
●代掻きを初めてしまうと、水が濁るので、どこまで掻いたか分からなくなってしまうので、最初に耕す方向と直交するように3~4本走り、水面よりも土が出たラインをつくっておくと、ひとつ置き耕転のときの目安を付けやすく、またまっすぐに耕転しやすく曲がりにくい。ただし、水上にスズメノテッポウの穂先が全面に出ている場合は、それが目安になるので直交の目安走行は不要。また、代掻き用のドライブハロー(トラクターの輪距よりも幅がかなり広いもの)がある場合も、こんな面倒なことをする必要はないと思われる。
●直交したラインをつくるとき、田んぼの中の低いところからロータリーを回し始め、高いところでロータリーを上げると、凸凹を少し修正できる。田んぼに入る前によく観察しておき、なにかで目安をつくっておいてもいいかも。
●回数は、最初できるだけ早め(できれば冬期湛水)で土や水が溶けたら、一度行い、その後、田植えの直前に一度の二度が理想的かも。このところは、三回やってしまっていて、田んぼに棲む生物たちには迷惑なことと思う。最後のときには、発芽している雑草たちを浮かすためにできれば深水で代掻きする。
その後、排水口手前に寒冷紗をして、浮いた雑草やタネを受けるようにして水は流してしまう。もしくは、風で吹き溜まったところを、魚取り網や目の細かな熊手で捕獲し陸揚げ。その方が、水に溶け出している肥料分を流さずに棲むような気がするけど、それだと水の引きの悪い田んぼだと、代掻き後すぐに田植えができない。
●除草剤を使用する田んぼの場合は、土を落ち着かせるとの名目で、最後の代掻きから数日のインターバルをとってから、田植えをすることを推奨しているが、除草剤を使用しない無農薬田んぼの場合は、最後の代掻き後、できるだけ早く田植えをしたほうがよいように思う。そのためには、水の出口にネット(寒冷紗)を掛け、雑草や雑草のタネを流さないようにしながら、水を抜き、できるだけ早く田植えする(苗の成長から逆算する)。ただ、このとき、せっかく増えてきた浮草が雑草たちに混じってしまうことと、養分が溶け出した田んぼの(臭い)水を流してしまうことが肥効の面でどう影響しているのかは今後の課題。
●いずれにしても、雑草たちの発芽が遅い寒冷地の場合は、焦って田植えを早くしないことがポイントのひとつのように思う。つまりは浸種やタネまきのタイミングをできるだけ遅くすること。それにより田植えを5月下旬以降にして、最後に深水で代かきし、すぐに苗を植える、というのが良さそう。ただしその場合、育苗に失敗は許されないので失敗の少ないプール育苗がいいように思う。
●ターンは無理して急カーブせず、外周を(二周ではなく)三周した方が、ターンによる凸凹が少なくなるので正解だと思う。
●外周を回るときは、一番外側からまわると、その内側をまわるときも位置取りしやすい。外周の土手際をトラクターの後輪でしっかり踏んでから、ロータリーを掛けると、それによって水持ちが良くなるようなきがする。
●ギアケースのない右側で外周をまわるわけだけど、年代物のトラクターゆえ、ベアリングケースを傷つけないように注意する。特に、畦畔ブロックにこすれるとすぐに破損し、この部分、17800円もする。
●水面から出たスズメノテッポウなどの細胞内に卵を産むイトトンボたちのために、スズメノテッポウを故意に少し残してあげるのも生物多様性ということでは良さそう。
●寒い時期の代掻きでは、天ぷら廃油に少し灯油を混ぜたほうが燃料フィルターが詰まりにくい(燃料フィルターを暖めるのも良さそう)。
⬆田植え直前の最終代掻きの終わった無農薬田んぼ。浮いた草やヒエのタネたちが風に流されて、岸近くにやってきたら、目の細かなネットですくいます。
⬆でも、よく見たら、ワニがいた。
こんなことにならないように、ていねいに代掻きしましょう!