
できるだけ未熟な有機物が土中にない状態をつくること、これが無農薬&無化学肥料で稲を育てる際のポイントだと言われています(土の中に未熟な有機物があるとなぜか雑草が増殖しやすいらしい)。
それには,、(分解しやすいように)藁は切ってあげた方が良いと思われ、昨日、藁切り機と共に田んぼに藁切りに行ってきました。

⬆️濡れた藁の方が分解は早そうなのですが、藁が濡れているとローラーにかかった際、藁から腐敗臭の強い腐った水が絞り出されると同時に撒き散らされ、それを全身に浴びながらの作業になります。帰ってすぐにお風呂に入ったのだけれど、どこまにまだ臭いの分子がこびりついているのか、まだたまにあの懐かしい臭いがするのでした。
そしてなにより、藁切り機の調子がどうもよろしくない。
雨で田んぼには水が溜まっていて、藁が濡れていたのでカスが固体化しやすく詰まりやすい、ということもあったのですが、詰まってしまってローラーが回らなくなってしまうことが多くて、時間はかかるし、詰まった藁の除去は危険な作業だったりもします(テンショナークラッチは二重に切ってはいるけどエンジンは止めていない……)。
そんなわけで、藁切り機の整備と修理をすることになったのでした(朝からはじめて結局、1日かかってしまった……)。なんとか、調子良くなったのですが、今度似た症状がでる頃には、すっかり忘れてしまっているだろうからそのための備忘録、覚え書きです。

掃除をするため、とりあえずばらせるカバーはすべて外しました。

大径のプーリーを外さないと外れないカバーがあり、しかしそのカバーを外さないと作業がしにくいのでプーリーを外しました。プーリーはスパナサイズ19ミリのボルトで止まっているのですが、それを緩めただけでは外れず、バールを宛てハンマーで叩きながら外しました。でもこんな場合、プーリーの外周付近を叩かないこと。この手のプーリーは鋳物なのであっさり割れます。穴径の近くにバールをあてて位置を変えながら叩きました(叩いたりせずプーラーを使うのが本式かとは思いますが)。

ローラーを回転させるベルトは、テンショナーにより4段階で調整できるのですが、一番テンションが掛かる4つ目の刻みにシフトしてもローラーがまわらないことが多々ありました。ローラーを回転させているベルトが伸びてしまったことが原因のようです。そこでプーリー間の距離を広くしてテンションがよりかかるように調整することにしました。

ベルトの張りを調整するため回転刃の軸受をうしろにセットしました。17ミリの取り付けボルトを緩めたあと、10ミリのスパナふたつで回転軸を移動してベルトの張りを調整。左右二箇所あります。ただし、この部分を変更してしまうと、切り刃のクリアランスが広がってしまうので、そちらの調整も必要になります。

どうせ切り刃のクリアランスを調整するのであれば、刃も研いでしまおう(刃を研いだらクリアランスの調整が必要)ということでグラインダーで研磨。ホントは外してダイヤモンド砥石などで手研磨するというのが正解かと思われます。

⬆️刃のクリアランスの調整はこの部分で行います。
でも、ブログにアップするにあたって写真をよく見たら、どうもこんな面倒なことをせずとも、テンショナーのロッドの部分でも調整が可能だったのかも。

上の写真の矢印の部分がどうも長孔になっていて、ロッドの角度を変更してベルトの張り具合を調整できる可能性があり。

もうひとつ、不調の原因と思われたのは、ローラーの噛み合い調整。藁束が厚めのときにはそれに合わせて、噛み合いが広がる仕組みなのだがどうもこれがうまく機能していない様子。藁のカスがたくさん挟まっていたのでそれらを取り除き、給油したらスムーズに動くようになりました。

この手の古い農機には、フタ付きのオイルポットがついています。フタを開けてそこから潤滑油を給油する仕組み、ローラー用ベアリングの左右にありました。その他、回転に伴う異音は、切り刃と共に回転するブレードを固定するステーが折れてしまったことによるものであることが判明。折れてしまった部分を溶接したら音はなくなりました。
溶接機を引っ張り出したついでに、たまっていた溶接モノを、溶接修理。気がついたら日は暮れはじめ、藁切り機の整備に、ほぼ一日かかってしまったのでした。
ところで、藁切りカッターの修理について、備忘録を兼ね、以前にもブログを書いていたことをすっかり忘れてしまっていて、また同じようなことを書いてしまいました。備忘録を書いたことを忘れてしまうというのは、なんとも致命的だなぁ……。
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