2021年11月8日の午後、藁切り機の修理が終わり、周囲の田んぼから遅れに遅れながらも、やっとワラ切りができました(周囲はコンバインなので、稲刈りと同時に藁切りも終わり、すでにどこも耕転済み)。
でも、前回のオイル交換日は11月17日と書かれていたので、今年はそれでもまだ早いのかも知れません(性格的に作業後にオイル交換することはまずないと思うので)。
■故障状況「送りローラーが回転しない」■
以前、送りローラーと刃を駆動しているギアが摩耗し壊れてしまったことがあるのですが、今回も動かなくなってしまったのでした。
送りローラーに動力を伝えているテンションプーリーあたりが怪しいと思って分解したのですが、テンションプーリーは意外としっかり張られていて原因は別の場所のよう。いろいろのぞいてみたら、送りローラーの裏側(底側)に粉砕されて濡れた藁が土と混ざりそれが乾燥&硬化し「強化繊維入り泥」のようになっていて、それがローラーに食い込んでしまっていました。
⇧回転ローラーの裏側にこんなものが詰まっていました。
これを取ったら、見事に回りだしてくれました。ほっ。
使用後は下側からも確認してしっかり掃除をしないといけません。
■切り刃の研磨とクリアランス調整■
この手の機械の切り刃と受け刃のクリアランスは、0.3ミリ前後と言われているのですが、受け刃を掃除するついでに測ってみたら、百均のダイヤモンドヤスリが入ってしまうほどのクリアランスがありました。おそらく正規クリアランスの10倍以上。
これも調整することに。
⇧切刃の取り付けボルトを緩めた後、刃の押し出しを調整するボルトのロックナットを緩めて調整します。
⇧本来は0.3ミリ前後のようですが、ベアリングなどにも型があるので刃と刃が当たってしまうと恐ろしいので、1ミリくらいに調整しました。
ついでなので、切刃も外して研磨(順番としてはこちらを先にやりました)。
グラインダーなどの回転工具を使用するときは軍手は厳禁とケルン師匠に教わったのですが、藁切りカッターなどの農機を使用するときも十分に気をつけてください。マフラーとか、縛っていないロングヘアーとか……事故を想像しただけで血の気が引いてしまいます。
■給油■
古い農機には、グリスニップルではなく、こんな給油ポットが付いていたりします。フタをあけてそこにオイル差しの先端を入れて給油します。分解整備がしやすいように工夫されていたり、使い捨てではなかった頃の古い機械はこうした工夫があるから好きです。電子制御は手に負えないし。
■オイル交換■
ついでにオイル交換。機体の目立つところに日付を入れておくと忘れなくていいです。
前回は2017年でした。ダメじゃん。
藁切機などの小型農機のオイル交換は軽トラの荷台の上でやると腰が楽。
フロントタイヤを2バイ材に載せることでエンジンを少し傾斜させるとオイルは出やすくなります。
⇧こうしたときはタイヤを回して載せると楽ちんだよ。
⇧オイル受けをセットしたら、インパクトレンチを使ってドレンボルトを緩めます。高回転で一気に緩めることができるので手や工具が汚れません。こうしたときボルトを落とさないように、プロは磁石付きのソケットを使うのだろうけど、ボルトの頭にビニールテープを貼ってからソケットを押し込むことでも、ボルトとソケットとのクリアランスがゼロになるのでソケット側にボルトが付いてきます(なければ新聞紙でもOK)。
■藁を積む■
自然農法センターの方から、寒冷地では未熟な藁のすき込みに注意するように、と教えていただいたことがあります(土中でガスが発生しそれが良くないということだったか、なぜかを忘れてしまった……)。
そんなわけで今回は藁切りが遅くなってしまったので、この時点では漉き込まず、切った藁は米ぬかを混ぜながら積み上げ分解を促進させ、春にすき込むことにしました。
刃を研いだおかげか、つまりもなく、作業は進みました。
これでやっと耕転できます。あー、今年もレンゲを蒔けなかったなぁ。