Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


アイミーブi-MiEV、駆動用バッテリーの交換2「部品取り車からバッテリーを降ろす」

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『アイミーブi-MiEV、駆動用バッテリーの交換1「突然死』からの続きです。
最初にお断りですが、アイミーブの駆動用電池は電圧330V、しかも放電効率に優れたリチウム電池なので、大電流をドカンと流すことができます。そして電気は目に見えません。ここで紹介する作業は、誤った作業をすると感電死の危険性がある作業です。
また、環境性能に優れているといわれる電気自動車も長く使うことができてこそ、10年で廃車にしてしまっては逆に環境への負荷が大きくなってしまい、そうしたことへの対応策のひとつとして紹介しているもので、このブログに書かれていたことにたとえ誤りがあり、それが原因で事故が起こってしまったとしても申し訳ないのですが、当方では責任を取ることはできません。この先を読み進む方は、そのことをご了承いただいた上でお願いします(優れたジャーナリストであり、尊敬する後藤健二さんのあの事件以降、安易に「自己責任」ということばを使いたくないのでちょっとまわりくどい表記になってしまいました)。

ある日突然、動かなくなってしまったアイミーブ三菱自動車のCEOにも直訴したのですが、修理には新品の駆動用電池の交換しかない、それには110万円かかる、とのことでした。わが家の経済状態では、40万円で買った中古車に110万円は掛けられません。そこで家にあった部品取り用アイミーブ(事故でフロントガラスが割れてしまった)から電池を外し、それに載せ替えてもらうことにしたのでした。

しかしそれらの作業をすべて三菱のディーラーにおまかせでお願いすると、取り外しと取り付けで工賃がニ倍かかってしまうとのことでした。さらに部品取り車をディーラーまでなんとかし運ばなくてはいけないのでそれに必要なレッカー代などもかかってしまいます。

そこで、部品取り車からの中古電池の取り外しはこちらで行い、それをディーラーに運び、載せ替え&点検検査をしてもらうことにしました。駆動用バッテリーだけであればレッカーは不要で軽トラで三菱のディーラーまで運び込むことができます。


アイミーブ・駆動用バッテリーの外し方■
冒頭にも書きましたが、電気は目に見えず、しかも自動車を動かすことのができるほどの電池は、誤って感電すると即死もありえます。侮らない方がいいです。

 

電気自動車には、12Vの補機用バッテリー(普通の自動車用バッテリー)と、高電圧大容量(アイミーブの場合約330V)の駆動用バッテリーが載っています。今回取り外すのは、上の写真にある駆動用バッテリー。大きくて重いです。ひとりでの作業は危険でもあり、見てみたいという友だちがいたので手伝ってました(岡さんありがとう!)。
また、解体屋さんに向けて? 三菱からバッテリーの取り外し方法を紹介するサイトがあり、こちらも参考にさせてもらいました(年式により異なるのか、少し違いがありました)。

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1 まずは駆動用バッテリーを空にする
普通は、キーを捻って電源を入れ、ヒーター(エアコン)を最高温度に設定して駆動用バッテリーを消耗させ、空(から)にします。
ところがウチにあったアイミーブにはネズミが侵入してしまっていて配線をかじってしまっていたようで、キーをひねると「READY」は点灯するのですが、エアコンは入らなくなってしまっていました。そこで仕方なしにクルマを走らせ、亀のマークが点灯し、バッテリーレベルゲージ、航続距離共にゼロになるまで家の前の道を行ったり来たりしました。
その後、ヘッドライトをハイビームでつけっぱなしにして(ヘッドライトは点いた)、補機用バッテリーの電圧を落とし、駆動用バッテリーをさらに消耗させました。

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2、パワースイッチ(=キー)を戻し電源を切り、補機用バッテリーのマイナス端子を外します。
パワーユニット構成部品の故障の原因となるため、パワースイッチ(=キー)をOFFにしてから、補機用バッテリーのターミナルを外すまで、1分以上時間をあけるように、とのこと。これは駆動用バッテリーの取り外しに限らず、どんな場合でも、あるいはアイミーブに限らず、電気自動車全般に言えそうです。

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⇧部品取り車は災害用の電源だったので動かす機会はほとんどなく、そのためバッテリーのマイナスターミナルにカットオフスイッチを付けていました。そのため、補機バッテリーからの電源は簡単に遮断できるのですが、1分のインターバルを置いてからバッテリーカットオフスイッチをOFFにしました。

3、助手席を外す(サービスプラグを外す準備)。
駆動用バッテリーを中間で遮断するためのサービスプラグは、助手席下付近に付いています。助手席をはずさなくてもリッドを開けることはなんとか可能そうでしたが、せまいところでの作業は危険なので安全を期して、助手席は外しました。

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⇧シートはボルト4本で外れました。

4、サービスプラグのレバー引き上げ

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⇧助手席下のカーペットをはぐると、金属メッキのリッドがでてきます。すでにここにもネズミの糞。
まずはこれを開けるのですが、ここから先の作業は、絶縁グローブをした方がいいと言われています。

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amazonから手に入れた直流750Vまでで使えるという絶縁グローブ。「しぼりがあるからしっかりフィット」との売り文句でしたが、しぼりがあることで脱ぐのがちょっと大変でした。

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⇧リッドをあけるとオレンジ色のプラスチックのレバーがでてきます。これがサービスプラグ。

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⇧レバーをひきあげるとこんな具合に引き抜くことができます。
三菱のマニュアルによると「サービスプラグのレバー引き上げ途中は通電状態にあるので、中途半端な引き上げは危険で、サービスプラグの取り外しは必ず一挙に行うこと」とあります。

また、インバーター内の平滑コンデンサーの電圧を十分に下げる必要があるため、補機用バッテリーのマイナス端子を切り離してから5分間はサービスプラグを抜かないこと、とも記載されています。
抜いた後はビニールテープで封をしてモノが入らないようにしておきます。

5,クルマをジャッキアップし、車体底面のカバーを外します

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車体の下に潜って取り付けボルトを片っ端から緩め、車体底面カバーを外します。

6,電気が遮断されていることの確認
駆動用バッテリー底にある駆動用ケーブルのワークホールのリッド(2つあるアルミのプレートの運転席側)を外します(必ず絶縁グローブを付けること)。

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⇧運転席側にあるアルミのプレートが駆動用ケーブルの取り付けリッドで、助手席側のアルミリッドが急速充電用ワークホールのリッド。

太いケーブルの刺さる端子があるのでそれぞれにテスターのプラスとマイナスをつなぎ、電圧がゼロボルトであることを確認します。
同じく、助手席側のワークホールリッド(急速充電用)を外し、こちらも電圧ゼロであることを確認します。
これらの最終端末にはリレースイッチがあって、補機用バッテリーが遮断されているので、通常は電磁石スイッチがオフになっているはずで、もしも電圧があった場合は、リレーなどが壊れている可能性があり、作業は辞めたほうがいいと思います。

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⇧滅多に使うことのない直流600Vのモード。ちょっとドキドキしましたが、ゼロボルトでした。

7,駆動用ケーブルと充電用ケーブルを外します。
リッドの中のプラスとマイナスの端子ボルト2個と、リッドの外にあるケーブルの取り付けボルト2個を外し、駆動用ケーブル(オレンジ色の太いケーブル)を外します。

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⇧外した後、ビニール手袋の指先を被せておきました(あまり意味はありません)。

同様にして助手席側の急速充電用ケーブルも外します。

8、残りの細い配線を外す
フロント側に2箇所、リヤに1箇所だったと思うのですが、駆動用バッテリーにつながっている細い配線類のコネクターをすべて外します。


9,バッテーリを載せる台車の準備
リフト台車はパンダジャッキとキャスターを組み合わせて自作しようと思っていたのですが、以前、購入した油圧式のリフト台車があることを思い出し、それを使いました。
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これは腰を痛めてしまったときに父の介護用に購入したもので、車椅子からベッドに移るときに失敗して床に腰が落ちてしまった場合、これにお尻を載せることができれば、(女性でも)手動の油圧リフトでベッドの高さまで引き上げられるということで購入したもの。介護用品にも似たものはあるのですがなぜかベラボーに高価だったので、倉庫などで使われている汎用の油圧台車(底床タイプ)を流用。介護者の腰の負担を軽減できるのでオススメです。

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⇧ハンドルが邪魔して中に入れなかったのですが、よく見たらハンドルははずせる構造でした。

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⇧リフト台車の荷台に3寸柱の古材をふたつ載せ、そこに降ろすことにしました。

10、取り付けボルトを外す

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台車を車体の底に入れ、リフトさせてバッテリー底面に軽く接触させたところで、バッテリーの取り付けボルトを緩めます。
スパナサイズ17のM12の細目ネジ10本が主な取り付けボルトで、真中付近を残すようにして外側から外しました。
三菱のマニュアルにはこの10本ボルトで外れることになっていたのですが、外れませんでした。この車両が極初期型だったためかもしれません。10本M12Vの他に、車体の後方側にスパナサイズ12のM8ボルトが6本あり(テンションロッドと干渉するステーもありそれもはずした)、それらを外したらようやく降りてくれました。
しかし実はその後が大変でした。
4柱リフトがあるわけではないので、ジャッキであげてリジットラックにセットし作業をしていたのですが、思いのほかバッテリーは厚みがあり(上部に冷却のためのファンが付いていた)、ロッパーパネルが邪魔して車体底から外に出せなかったのでした。
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⇧バッテリーの上にファンが付いているので360ミリ以上厚みがありました。台車の上にセットした木材をもう少し細くする、あるいは大きめのリジットラックを用意するなどの対策がそうです。

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フロントタイヤを外し、その間隙を縫うようにしてやっとどうにか取り出すことに成功。

 

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その後、バッテリーは軽トラに載せられ三菱に運ばれました。
そして一週間後、
トラブルなしでめでたく中古バッテリーへの換装修理完了。
故障してしまったバッテリーと共にオフクロの愛車アイミーブは戻ってきたのでした。

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中古バッテリーを外して持ち込んだことで、今回の修理で掛かった費用は税込みで7万4470円(部品代込)とリーズナブルな値段でした。
とはいえ、無農薬(&ビニールマルチ不使用&化石燃料もできるだけ使わない)で育てた農産物を売って1万円を稼ぐのはなかなか大変。わが家にとってはかなり痛い出費だったのですが、それをリカバリーするためにも壊れた方の駆動用バッテリーもなんとか再利用したいと思っています。
このあとは、
アイミーブのバッテリーの交換3「故障した駆動用バッテリーユニットの分解」に続きます。そしてこの先、リチウム電池のマネージメントはまったくの未知の世界。詳しい皆様、助けていただけるとありがたいです。よろしくお願いします。

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