Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


「車庫の屋根に載せた中古ソーラーパネルで中古電気自動車を充電し走らせる方法」を紹介したドゥーパの8月号発売になりました。

「車庫の屋根に中古のソーラーパネルを貼って(中継用にバッテリーや専用のインバーターを介すことなく)パワコンの停電モードを(インバーターとして)使って中古の電気自動車を充電し走らせる方法」を紹介したドゥーパ8月号が発売になりました。

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⇧本文ネームも虫屋として、自然の生態系への想いを込めて書きました。良かったら読んでくださいねー。


技術的な話も比較的詳しく紹介しているので、興味のある人はぜひ本屋さんで探していただけるとうれしいです。
雑誌の場合、記事は買取りで、印税のように売れ行きに応じてギャラをいただけるわけではないのだけれど、いま紙媒体はどこもかなり厳しい状況。ドゥーパは大手出版社から離れ、DIYを盛り上げようと少ない人数で一生懸命つくっています。もしも面白そうと思ったら買ってあげてくださいね。

ここではページスペースの関係で、雑誌では書ききれなかったことを補足として紹介しようと思います。

あ、そうだ。その前にひとつだけ訂正。

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上の文章の最初の部分。
「パワコンを停電モードで使う」というのところキャプションで「車庫の屋根にはソーラーパネルが載っていて東電の送電網につないで使っています」とあるのですが、正しくは車庫の屋根にソーラーパネルが載っていますが、東電の送電網にはつながっていません」です。大事なところなのに間違えてしまいました。スミマセン。


ではさっそく、記事の補足です。

■中古電気自動車の選び方について■
家庭用の太陽光発電のための蓄電池も普及し始めていはいますが、高性能なリチウムイオン電池であること、そして容量で比較すると、家庭用蓄電池を購入するよりも中古の電気自動車を手に入れた方が、はるかに割安感があります。しかも走ることもできる電池なのです。選ぶためのポイントがいくつかあるのでそれを紹介します。
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ひとつは、中古ゆえになるべく消耗していないものを選ぶこと。
走行距離がひとつの目安になりますが、もうひとつ、満充電にしたときの航続距離というのも目安になります。満充電時の航続距離が何キロを表示するか?です。
たとえば三菱の軽自動車の場合、1KWhで10㎞くらい走れるので、かなり大雑把な目安ではありますが、たとえば満充電時の航続距離が100㎞だっととすると電池は10KWhくらいの容量が残っている、と目星をつけることができます。

もうひとつは、電池の種類による性能の違いがあります。三菱の軽電気自動車の場合、多くはリチウムエナジージャパン製のリチウムイオン電池16 kWhが採用されているのですが、中には廉価版と称して東芝製のSCiBの10.5 kWhが載っているモデルがあります。新車時は容量の大きな16kWhの電池のモデルのほうが高く、満充電時の航続距離も長かったのですが、東芝SCiB電池(10.5 kWh)の方がサイクル特性の優れ、中古車の場合はこちらの方がバッテリーが劣化していないことが多かったりします(初期のモデルだと容量の小さいSCiBバッテリーの方が満充電時の航続距離が長かったりすることがあります)。

■使用できる充電ケーブルに関して■

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雑誌内でも、トヨタプリウス(プラグインハイブリッド)用のケーブルを使用することで晴れ時々の曇の際も、発電電力が戻れば自動的に再起動してくれると紹介しているのですが、残念ながらこのケーブルは初期のi-MiEVには使えません。使えるか使えないかの見分け方は、充電ケーブルの途中にコントロールボックスと呼ばれる箱があるかないかで箱のないコードだけの充電ケーブルのタイプにはトヨタのケーブルが使用できず(もしかしたら車両側のファームウエアを書き換えることで使えるかもしれませんが)、その場合はケーブルにより1500W以上の発電出力が必要になり普通のパワコンで厳しいように思われます(スミマセン、そこまでは実験ができていません)。

また、三菱純正のコントロールボックスのある充電ケーブルの場合、(少なくとも私が持っているものは)雲が出てパネルに日が当たらなくなってしまうと「フォルト」が点灯してしまい、その後は電力が回復しても(トヨタのケーブルと異なり)、自動で復帰はしてくれません(晴れ時々くもりに対応できません)。

もうひとつ、最近人気の中国製の高性能充電ケーブル(充電電流値の選択が可能で、充電時間や充電電力量などの表示がありしかも2万円台)でもいま実験中なのですが、残念ながら初期型i-MiEVには使用できませんでした(軽トラや軽バンには使用可能でしたが、晴れ時々曇りに対応しているかは長雨のためまだ再現実験ができていません)。


■電気自動車から家への給電に必要なオスオスコードについて■
三菱の電気自動車の場合、パワーボックスと呼ばれるインバーターを使うことで、太陽光で発電&充電した電気自動車の駆動用バッテリーを、夜間や災害時の電源として、交流100Vで1500Wまで使用することが可能です。
で、そのとき(ブレーカーを落とした上で)どこか手近なコンセントとパワーボックスをオスオスのコードで接続すると、その回路内にある家庭内の他のコンセントも使えるようになります。
たとえば停電中も冷蔵庫を稼働させておきたいということであれば、冷蔵庫と同じ配線内にあるどこか適当なつなぎやすいコンセントにオスオスで電気を供給すればいいのです。
ただし気をつけなければいけないのは、オスオスのコードの金属部分にはときに電気が流れている可能性がある、ということ。
そのためにウチではこんなオスオスコードを作って停電時などに使っています。

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⇧100均で売っている1500Wまで対応可能なスイッチ付きタップにコードをはずれないように接続。

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⇧反対側のコード端にカバー付き(履きつぶした長靴で作った)のオスのプラグを接続。
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配線の接続にあたってはスイッチの部分を必ずオフの状態で接続し、配線をすべて終えてからスイッチを入れることでオスプラグの金属むき出し部での感電予防とする、という仕組み。ルールを決めるなどすれば、そのほかにもいろいろ考えられそうです……。

とりあえず、連載ページの補足は以上です。

Facebookで、「EV for Earth(電気自動車をうまく使って地球にやさしい暮らしをしたい)」というグループページを作って関連情報の共有をしています。

https://www.facebook.com/groups/988136371334346/

化石燃料を使わずに電気自動車を動かく方法、みなさんからの情報も募集し、今後も書き足していこうと思っています。よろしくお願いしまーす。

■追加情報■2020年7月18日
EV for Earthのコメントで城代さんから、ひとつの発電機(またはEV)から、(単相3線式の)家庭のすべてのコンセントを使える方法をとてもていねいに分かりやすくご教授いただきました。以下にコピペします。<以下転載>

オスオスコードを使うのは慎重にしないととても危ないけど、宅内照明が使用できるから非常に便利ですね。
できれば2か3.5sqのケーブルを使って自作した方がいいと思います。
市販の1500W対応の延長コード、器具コードなどは1.25sqがほとんどだと思います。10A以上で長時間使うと、かなり熱を持ちます。
また、入力するコンセントはできれば専用回路のコンセントを選べば、必ず2.0mm(3.1sq相当)以上の太さの宅内配線が、送りでは無く直接接続されているから安心です。メインブレーカーと200V回路を切るだけで、宅内の電気系統の片側(分電盤の上か下)全ての器具が使えます。ただし、使用する電力は1500W以下になるよう注意。
さらに、同じ電源から分電盤の反対側の系統にもオスオスコードで給電したら、200V回路以外は全て使用できますが、**電気の相を間違うとショートする**から単相3線式を確実に理解して、慎重な確認が必要です。
最近の住宅では、電灯(照明)のみが別回路になっている事が増えているみたいですが、多くの住宅では部屋ごとに分かれていることがほとんどです。だから冷蔵庫と照明のみでも多くの回路に電気を送らなければ使えないので、分電盤の上下に電気を送る必要がでてきます。

そして家庭用コンセントの中性線の見分け方と、上下2系統へのつなぎ方に関して。

単相3線の相構成は交流ですがイメージとして(ご存じとは思いますが)
+100V:0V(中性線 電柱で接地されている):ー100V
実際は+-は不明だけど、中性線に対して反対側の電圧の意
200Vはこの両端を使っています。
一般の分電盤は上下の2列にブレーカーが並んでいます。200Vは上下のどちらに取り付けられていても同じですが、100Vは上段と下段でそれぞれ+100Vと中性線、-100Vと中性線につながっています。中性線は共用で、個々のブレーカーも中性線は遮断しないものがあります。2P1E、3P2Eと表記されていたら該当します。
通常100Vのコンセントは左側が中性線で少し長穴になっています。右側が+100Vあるいはー100Vですが、見た目では区別できませんし、テスターを使ってもAC100Vしかわかりません。
判別は分電盤の上下のどのブレーカにつながってるかで確認します。また異なるコンセントの右側どうしの電圧を測定して、0Vに近い場合は同相、200V前後なら異相ということはわかります。
さて、つぎにEVのAC出力や100V発電機のコンセントを考えます。それぞれの極の実際の電位は機器の設置状況により異なると思いますが、線間は100Vです。
注意が必要なのは、発電機のコンセントのどちらか片側の極と分電盤のコンセント中性線側を常に同じにすることです。オスオスコードを2本使うばあい、反対に接続すると中性線側でショートします。オスオスコードに極性を明示すると間違いにくくなります。
正しく接続されたら、分電盤の電位は+100V:0V:+100Vになります。この場合200Vのコンセントは電位差が無いから使えません。
もう一点、発電機(EV)が「正しく」接地されていると、上記の中性線が切断されないブレーカー(主が3P2E)の分電盤の場合、電柱の接地線に漏電する可能性もありますね。これは実際に起こるかなんとも判りませんが・・・
話がまとまりませんが、こんな説明で分りますか?

ということでした。城代さん、ていねいで分かりやすい説明、ありがとうございました。

2020年7月19日追記
発電機コンセント口から3本のラインを出せばいいということですね。そしてその内の1本を中性線、残りを上側、下側のそれぞれの極性のある回路につなげばいいでしょうか?」ちょっと的はずれな私の受け答えに対して城代さんから再びアドバイスをいただいたので追記します。

オスオスコードを2本使う方が簡単です。発電機に2つの出力があれば(おそらく内部結線は同じ)、それぞれから宅内の相が異なるコンセントに給電。出力が1つの場合や2つの時でも1本で一旦宅内のコンセントに送り、宅内のコンセントから別相のコンセントへの送りでもいいです。
どんなときでも、極性の確認は大事ですが、コンセントの左側を白、右側を黒線に統一したら大丈夫です。
ブレーカーの件は、実際問題になった経験、話は聞きません。
田舎で発電機を持っている人は、停電用にオスオスコードを自作っている人が多いです。2本使う人は少ないですが・・・
通常、発電機を使うときに接地工事をしてから使う人は、ほとんどいないからかもしれません。つまり、発電機やEVが地面と絶縁状態なら、宅内につないだ時点で、中性線の電位に0Vになります。発電機単独の出力の対地電圧を測って0V:100Vとか50V:50Vとかで一定なら接地が効いてると推測できます。
そもそも、オスオスコードの商品が市販されていないのは、使い方を誤ると危険だからでしょう、慎重な作業大切ですね。

わたなべコメント返信
三菱のパワーボックスはなぜかAC出力口が1個だけなのですが、その場合も2個口のタップでふたつに変換してからオスオスを2本使うほうが良さそうです。

蛇との遭遇(写真なしだけど一応検索可能な記録として)

■きょう2020年6月30日の出来事■
かみさんが作業場で出荷作業をしていたら、PORメタルレディの取説フォルダーの引き出しの中にヘビを発見。大蛇と言ってもいいのではないかというくらい、全長2mオーバーのぶっといアオダイショウでした。
壁との隙間に逃げ込もうとしたので胴体を鷲掴みにしての引っ張り合いとなったのですが力が強く、胴体がブチ切れてしまうのではないかと心配になったほどでした。
一度は取り逃がしたのですが、その後、どうにか頭と胴体を押さえることができて、近くの林まで運んで退去いただきました。どうも作業場にネズミが居着いてしまったようで、それを食べてきてくれた模様。このところなんだか1階の作業場、生臭いよね、って家族で言っていたところでした。

散らかり放題にしておいたのがいけないと、一大決心のもと、ネズミの巣の材料として集めてきたらしい発泡スチロールの破片やウエスなどの片付けをしていたらまたまた引き出しの中から至近距離で2匹目を発見。こちらも大型で、逃げられないように首元を力いっぱい抑えておきたいところなのだけれど、強過ぎるとケガをしてしまい死んでしまうことがあるので力加減が必要なのですが、かと言って緩いとスルリと抜け出し反撃されるおそれもあり、そのあたりの力加減が難しい。でもどうにか2頭ともほぼ無傷でときどきこちらを振り返りながら逃げていきました。ヘビのお礼参り、じゃなかった恩返し、あるのだろうか?

■思ったこと■
○ゴムの厚手の手袋をすると手に臭いがつかないし、少し安心。
○しっぽを握ることができても相手につかまるものがある場合、引っ張り出すのはなかなか厳しい。
○広い場所の場合は裏返しにした竹の熊手のようなもので全体を押さえてから、首根っこをつかむのが正解だと思う。
○今回はせまかったのでトングを使ったが、右手に持ったトングで首をはさむと、その後、左手で首をつかむことになり、トングのつかんでいる位置によっては咬まれる。
○狭い場所の場合は力強くつかんでもヘビが傷つかないように緩衝材を巻いた剛性のあるトングで強くつかんだあと左手に持ち替え、右手で首を掴むというのが良さそう。
○余裕があったら個体に識別マークを付けたい(何がいいのだろうか?)

大きなヘビに興味がる人はこちらのブログもどうぞ。

キジとアオダイショウ - Blog「自給知足がおもしろい」

通路に出たこぼれ種発芽の作物たちは移植するのが正解!

今年は乗用草刈機の通れる幅でウネをつくったのでまっすぐのウネを作った畑は比較的楽に管理ができています。

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左寄りにあるのはゴミとして捨てられていた廃材で作った生ゴミコンポスト

問題は、こぼれ種を尊重してしまった畑。直線のウネばかりでは美しくない……などという天の邪鬼な思いから、こぼれ種発芽の作物を群落状に残してみたのですが、これが曲者。春先は良かったのですが、気温が上がり植物たちの成長が活発になると草刈り機はおろか人が踏むこむことも難しい畑?となってしまったのでした。ただし、フキだけはそれほど背も高くならず、他の植物も混ざりにくいので群落での栽培に適していると思います。

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⇧もし夏草が混じってしまいフキが負けそうになったら、上手いタイミングに根本から刈ると、他の草たちよりもフキは再萌芽性が強く成長も早いのでフキだけの群落を作ることができます。

来年のための備忘録として、書き記しておくのですが、邪魔になりそうな通路や道に出てしまったこぼれ種の作物は早めに直線の畝上に移植しておくのがよさそうです。

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道路上に出たライ麦は道路脇に一列に移植してみたところ、バインダーでの収穫もしやすそうでなかなかいい感じに生えています。
自家採種さえもしない、花を咲かせタネができてこぼれるまでそのまま放置する「ぐうたら・こぼれ種農法」これからもノウハウを探っていきたいと思います。

タモギタケが発生! 美味しい上に、アンチエイジング効果もあるらしい。

ミズキの樹液に朱色のコロニーをつくるファフィア酵母とか、あるいは落ち葉の間から顔を出したムラサキシメジとか、菌類には、自然の色とは思えないような派手な発色のものがいるけれども、この時期に発生してくれるタモギタケもそのひとつ。茶色が基調の雑木林の林床にレモンイエローのキノコが発光しているかのような鮮やかさでその存在を主張しています。

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タモギタケ 幼菌

梅雨時は湿度が高くきのこの発生には有利にも思えるけれども、意外とキノコは少なくて、キノコが大好きなわが家にとって、この時期発生してくれるタモギタケとアラゲキクラゲは(植菌時に)外せないキノコだったりします。

 


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⇧今年は梅雨らしい梅雨なので、アラゲキクラゲが巨大化してくれました。

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タモギタケ成菌 気温の高い時期なのでアッという間に大きくなります。

原木栽培のタモギタケは、香りも強く、一番のオススメはお椀。汁物でしょうか。
バター醤油炒めにする家中に幸せな香りが充満します。

しかもタモギタケには、コプリーヌことササクレトヨタケと同様、抗酸化物質であるエルゴチオネインが多く含まれていることが知られています。アンチエイジング効果や老化防止効果があるとのこと。

中国では「楡黄蘑」と呼ばれ珍重されているタモギタケ。中国語の通り、ニレ科の木を原木として使用するとよく発生してくれます。ニレやケヤキトチノキユリノキの伐採木が手に入ったときにはオススメのキノコです。





 

刈草を使った腐葉土のつくり方。

刈り草を集めて作る腐葉土づくりと、生ゴミを発酵させてつくる生ゴミ堆肥とは分けて考える、というのがいいように思っています。
刈り草だけの発酵であれば、水分量もそれほどあがらないので、嫌な臭いが出たり、ミズアブの幼虫(=ウジ虫)が発生したりするということも少ないと思います。

ということで、刈った草や抜いた草を使って腐葉土を簡単につくる方法の紹介です。
などというほど、たいした方法ではなくて超簡単。地面にただ棒を突き刺すだけ。そしてそこに刈り草を積み重ねていきます。強いてコツがあるとすれば、空気が入りやすいように少し高めに積み重ねるということ(好気性微生物が活動しやすくしてあげます)。
そのため、センターに棒があると積み重ねやすく、高く積んでも風に飛ばされにくくなります。

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↑ちょっと分かりにくいかもしれませんが、これで高さは1mくらいはあります。

刈った草や抜いた草を熊手で集めて、棒にからめて積み重ねます。ウチでは細めな割に丈夫なので、ビニールハウスなどに使われている一番細いパイプ(外径19φ)を使っていますが、トマトなどのイボ支柱でもいいと思います。土が硬い場合は叩ける丈夫なものがいいかも。

上の写真のように、ただこのままでもいいのですが、背の高い雑草があれば、円錐形(上から見ると放射状)に屋根のように重ねると簡単な雨よけになります。多少は水分があったほうが腐葉土化しやすいのですが、水分が多すぎると内部が腐敗して臭いが出たりすることがあるので、いい加減に雨水がしみ込む雨よけが必要で、季節によってはこんなくらいがちょうど良かったりします。

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↑水が外周に滴りやすいようにオオブタクサを円錐形に被せたところ。雨の少ない時期はこれだけでも十分だったりもします。

でも雨が多い時期は、ライ麦の藁束など背の高い草の束があればこんな感じに円錐形に屋根状にしてあげると中に水分が入りにくくなります。

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ススキでやれば、まさに「茅葺き」。

で、これらはその後どうなるかと言うと、こんな感じになります。

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⇧一番奥の円錐形が、今年、積んでいる刈草堆肥。
真ん中の土が露出しているのは、去年積んだ刈り草。
そして一番手前の波板の下にあるのが(すでにだいぶ使ってしまったけれど)、3年くらい前に積んでいた完熟腐葉土腐葉土になってからも雨ざらしだと、普通の土になってしまうのが早いので、波板をかけて置くと3年くらいは腐葉土の状態が保たれます。

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よく見ると、カブトムシの幼虫の糞がたくさん!

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カブトムシの幼虫の糞は、団粒構造なので水はけがよく、しかも粒自体は保水性があります。ミミズたちの糞も、用土としてはいい感じです。つまりこうしてできた腐葉土はポット苗などの鉢植え用土に最適。

ただしこれをそのままタネまき用土として使用すると、さまざまな草のタネが芽生えてしまいます。タネまきして発芽したときにどれが目的の双葉だか分からなくなってしまう場合は、黒のシートと透明のビニールとの間に腐葉土をはさみ太陽熱で温度を上げてタネを殺してから使用したり、あるいは焚き火のときにドラム缶のフタで焼いたり、はたまた覆土や上部の土だけ市販のタネまき用土を使用するなどの方法で使っています。

この時期、やらなければいけない農作業が山積みなので、手軽にできる方法としてオススメです。

■追記■2020年9月3日
畑にモラン、登場。
身長2mオーバー。

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③水稲の栽培(毎年更新) 育苗から田植えまでの覚書

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八ヶ岳と鎮守の森に見守られながら、今年もどうにか田植えを終えることができました。このあと補植と(終わりのない)草取りが待ち構えているのですが、田植えが終わるとなんとなくひと安心。
田植えは一年に一回なわけですが、最近は1年たつといろいろなことをすっかり忘れてしまってしまっていることも多く、覚書として来年のためブログに箇条書きで書き留めておくことにします。
「①稲の栽培の備忘録(毎年更新)浸種から催芽まで」はこちら

●2条植えの歩行型田植え機は、曲がりやすいのだけれど、トラクターで代(しろ)かきした方向と直行する方向で田植え機を走らせると曲がりにくい(たぶんトラクターの轍に車輪が入ることがなくなるからだと推測)。

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⇧トラクターによる代かきは写真の左右方向に、そして田植えは上下方向にしました。

●苗箱はなぜか、コメリの格安の稚苗用(たしかひとつ98円)が他と比べてどの品種でも成長が良かった。中苗用苗箱よりも節伸びもせずいい感じ。稚苗用なので、穴が小さく、穴の数も少ないのだけれど、もしかしたら床土の肥料分が潅水によって流れ出にくいなどの要因があったのかもしれない。
床土も市販のものの場合はやっぱりコメリがよかった。グラスウールの肥料の入ったマットなど(いただきものではあるけど)も試したが、違いが確認できるくらいに成長が良くなかった(古かったからかもしれない)。あ、これらは、種籾の播種は、稚苗用としては一番少ないくらいの量での話です。

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●苗の水やりは、朝あるいは夕方などと一定の決まりをつくらずに床土の様子を見て、乾いていたり気温が高かったら(昼間でも1日に2回でも)あげる,というのがいいように思う。ただし、(いつも湿潤ではなく)乾き気味の時間もつくるというのが大切なようにも思いました。

●田植え機をUターンさせるときの変速モードは、「移動」ではなく「植付」でOK。走行モード「植付」でも油圧モードを「植付」にしない限り、苗取りはされない。(移動でやってしまったので、Uターンがかなり大変だった)。去年は「植付」でやっていたのだと思うのだけれど、そのことをすっかり忘れていて糸魚川から薪割り機を届けてくださった五十嵐商店(農機具店)の社長が教えてくれた。
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⇧「移動」は高速、「植付」は低速の意味で、変速モードが「植付」であっても、苗が送られて植え付けられることはない。五十嵐さん曰く、「これは表示がオカシイですよ」とのことでした(「低速(植付)」として欲しかった。

●最後の外周は、田んぼの縁に沿って外側から2周し、中との接点は補植で調整するというのが正解(田植えのプロである小野田さんもそうされていた)。

●四角い田んぼを丸く耕し、角は田植え機が植付状態でカーブできるくらいのアールにしておくと、バインダーでの稲刈りの際、四隅を手刈りせずに済む。
田起こしや代かきの際も、ロータリーを上げることなくカーブすることができれば、田んぼの四隅が高くなることも防げる(でも高くなったら、レーキで均すのもそんなに大変ではないことが判明)。

●曲がらないためにはやっぱり、田植え機の先端部に目印があると便利(自作する) 。

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⇧木の棒で作った目安の棒が付いているのが分かるでしょうか?(隣の畝のラインをトレースする目印をつくりセットしておく)。


●外周2周分の目安は、棒を立てるくらいで十分。ヒモを引いたりそんなにカッチリやらなくても、どうせカッチリできないのだから、この部分は手作業でリカバリーすればいい(中山間地の大きくない田んぼの場合です)。

 

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●苗箱あたりの種籾の播種量が少ないので、苗取り量の調整は、少し多めでいい感じ。上の写真の位置で2~4本くらい植え付けられていた。苗取り量が少ないと寝も傷んでしまうのか? その後、葉が丸まってしまうものが多かった。


●田植え機に苗をセットする際、水で濡れている方が滑りが良くなる。乾いている場合は水をかけるといい。新しく追加した苗箱との継ぎ目をしっかり密着させることで、田植えの際の欠株を防げてその方が捕植するよりはるかに楽(時間的な余裕があれば補植も楽しいけど)。

●田植え作業終了後は、田植え機を水洗いし、可動部に浸透性の油スプレー(ノックスドール700)を吹き、燃料フィルターのコックを閉じ、保管庫(JRコンテナ)内でエンジンを全開にしてエンストするまでキャブ内の燃料を消費させる。最後にフロート室のドレンを引っ張る。エンストさせていてもキャブのフロート室内には若干ガソリンが残ることが分かった(これが蒸発してガム状物質によりキャブレタートラブルが起こる可能性はある)。

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⇧クボタの歩行型田植え機には、キャブのフロート室内の燃料を抜くためのノブが付いている。これを引っ張るだけでフロート室内の燃料を抜くことができるという親切設計。JRコンテナ内での保管であれば、燃料タンクの燃料までは抜かなくても大丈夫のようでした。

●同じ日に播種した場合、ハッピーチルドレン(バスバティ系香米)は成長が早く、コシヒカリと黒米は普通。モチ(ココノエモチ)は成長が少し遅い(節間が詰まり徒長しにくい)。同じ田んぼに同じ日に田植えする場合、播種日を調整するという方法もありそう。

●補植用の苗は、田んぼの外周を歩きながら、適所に適量を投げ込んでおくといい(したて投げで投げるときれいに根側から着地する)。

②水稲栽培の備忘録(毎年更新) (選別脱粒→催芽→播種→出芽→緑化)

①稲の栽培備忘録(毎年情報追加のこと) 浸種から催芽まで タネもみを何グラム水に浸けるか?」の続きです。最初から読みたい方はこちらをクリックして下さい。

量は少しなのですが、広島の秦さんからいただいたハッピーチルドレンという名前のバスマティ系香米を栽培しています。
ハッピーチルドレンは秦さんが、つくった品種。まだ形質固定がしっかりされていないので、千歯扱きを使って穂についているモミの状態を見ながら脱粒をしました。

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ハッピーチルドレンは福岡正信さんのハッピーヒルと、香り米の交雑種。ハッピーヒルの子どもたちということで「ハッピーチルドレン」と名付けられたのでした。
広島から白州に渡ってきて、4~5世代目だと思うのですが、収穫したお米はこんな感じです。長粒系、短粒系、色の濃いもの薄いもの、いろいろな形質のお米が混ざっていてこのまま食べても美味しいのですが、品種固定をするため、穂を選んで播種しています。

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これらすべてがハッピーチルドレンなわけですが、ウチではその中から、色の濃いきつね色をしたものを選り分けています。
(広島の秦さんは、どのタイプを残しているのだろう? もしかしたら広島のハッピーチルドレンと山梨のハッピーチルドレンとは違ったものになっている可能性があります)。

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手前が子孫を残す方の穂。奥は美味しくいただきます。

その後、温湯消毒。
種モミをお湯に漬けることで、いもち病、ばか苗病、立枯れ細菌病などの種菌を殺すことができると言われています。農薬を使うよりも効率もいい、との説も。

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種モミを入れたときに急激に温度が下がらないように、大鍋をかまどにセットし、温湯消毒を行いました。

一般に60度で10分、58度では15分などと言われていますが、今回は平均して59度くらいだったので、12分くらい漬けこみました。ただしモチ米(ココノエモチ)は、温湯に弱いとのことなので10分できりあげました。
このとき注意したいのは温度計の精度。
温度計は意外と誤差が大きく(特にバイメタルや放射温度計)、最低でも二種類の温度計をセットし、併用するのが良さそうです。

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温湯消毒が終わったら、次は水に種モミを浸け込みます。10度以上、13度未満の温度の水に7日~9日間、浸種します。このあたりのデータについて詳しくはこちらを参考にしてください。
いつもは玄関に置いているのですが、今年は暖かく13度近くあったので、半地下の作業場で浸種を行いました。

4月16日、7日間の浸種を終え、催芽に移りました。
催芽というのは、種モミに暖かな温度刺激を与えることで、発芽に向けて一斉に目を覚まさせる作業。手植えのときは半月から一ヶ月くらいかかって植えていたので、成長の早いものから植えることができたのですが、田植え機での田植えでは、一日で田植えが終わってしまうので、芽の出方を揃えておく必要があるのです。

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催芽は、コールマンのクーラーボックスの中に熱帯魚用のヒーターをセットし行いました。水温を30~32度に保ち、20時間行うとちょうどいい状態になるといいます。いまどきの熱帯魚用ヒータは1500円くらいのものでも、サーモスタッド付きで温度設定ができて優秀です。

30度前後のぬるま湯に20時間前後浸けると、種モミは鳩胸状に膨らみ、ほんの僅か、白い芽(たぶん根)が出てきます。

白い根が0.5ミリくらい見えたら播種のベストタイミング。そのため20時間後が夜中にならないようにタイミングを見計らって催芽を始める必要があります。

●2021年4月22日追記
12度近辺8日間の浸種を終えたので、きょうから催芽に入りました。

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午後17時30分から催芽を開始。20時間後は翌日の午後13時30分頃になるように調整。
例年通りコールマンのスチールベルトを使い、熱帯魚用のサーモスイッチ付きヒーターで水温を30~32度の間に管理しました。
無線式の温度計のセットし、スチールベルトをいちいち開けなくても内部の水温を知ることができるようにセット。

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熱帯魚用のサーモスイッチ付きヒーターの設定は30度では高すぎで、24度くらいでちょうどいい感じ。ときどき、種モミをもちあげ、酸素補給&ヒーターからの距離が均一になるように調整しています。


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催芽が終わったら苗箱に土を入れ、冠水した後、タネを蒔きます。

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この日は、ミツバチの採蜜などとも重なり、大忙し。
今年は苗箱で22枚、播種しました。ウチは自給用のため1反ちょっとで、一箇所あたりの植え付け本数も少ないので、苗箱の枚数は少ないのですが本格的な農家は数百枚播種、などというところもあります。


その後、床暖房のある、母の家に苗箱を移動。苗箱と苗箱の間にスペーサーとして木をはさみながら積み重ねて加温します。

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下からは床暖房、上からは電気アンカ+サーモスタットの組み合わせで加温しました。

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キャンプ用の断熱シートで覆い、温度をできるだけ一定にして出芽を促します。25度~30度くらいがいいとのことで、適温を保つことができると2日半(60時間)くらいで1センチ程度目が顔を出すと言われています。今年は、なぜかなかなか温度が上がらず、最初の日は20度弱で少し低めでした。

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そして3日後、上の箱はまだあまり芽がでていませんが、下の方はかなり出ていたので、これで終了。
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土も市販のものやガケ土、コンポストで作った自作倍淀などいろいろに変えて実験をしています。上の写真では右が市販の床土で左は自作品。
ちょっと失敗だったのは、途中で、上下を組み替えることをサボったこと。上の方はまだまばらなのですが、下の方はかなりしっかり出芽していました。

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これくらいに出揃ったら、積み重ねを解除し、苗箱を地上に並べます。去年までは路地にビニールトンネルだったのですが、昨年、ビニールハウスをいただいたので、今年からはハウスの中で育苗。

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それまでは暗闇で育ていたので、一気に、強い光に当てると生育障害がでることがあるとのことで、圃場にあった緑のメッシュを掛けることにしました。
ということで、やっとどうにか、出芽までたどりつくことができました。ほっ。
でも実は去年は、このあと、苗を強い日差しで焼いてしまい、大失敗しているので、このあとも気を抜けないのですが……。

ということで、お米づくりは、手間はかかるけれども、なんとか身のまわりにあるものを駆使すればお金はあまりかかかりません。2年目からは、タネも買う必要はなく、前年に収穫したお米がそのまま来年のタネになります。
家族が1年間食べる分のお米+醸す分のお米、それに豆があってそれらをうまく醸せば、ご飯とお味噌汁をいただくことができるのです。
そしてなにより、お米づくりは楽しい! 日本の地方はいま、高齢化が進んでいて休耕田や耕作放棄地が増えています。いまは「大変」なときですが、大変は「大きく変わる」とき。自分が食べるお米を自分でつくるこの楽しさをもっとたくさんの人が味わうことができるような世の中になると、いいなぁ。

お米づくりに関して、この先の作業は、また少し季節が進んだらアップしたいと思います。

■プール育苗■
2020年頃からハウス内でプール育苗をしています。

水位:苗が水没しない程度に床土の上まで水をいれます。こうすることで苗立枯病やもみ枯細菌病などの発生も減らすことができます。ホップの研究者でもある岩舘康哉さんのツイッターより