ミズキの樹液に朱色のコロニーをつくるファフィア酵母とか、あるいは落ち葉の間から顔を出したムラサキシメジとか、菌類には、自然の色とは思えないような派手な発色のものがいるけれども、この時期に発生してくれるタモギタケもそのひとつ。茶色が基調の雑木林の林床にレモンイエローのキノコが発光しているかのような鮮やかさでその存在を主張しています。
梅雨時は湿度が高くきのこの発生には有利にも思えるけれども、意外とキノコは少なくて、キノコが大好きなわが家にとって、この時期発生してくれるタモギタケとアラゲキクラゲは(植菌時に)外せないキノコだったりします。
⇧今年は梅雨らしい梅雨なので、アラゲキクラゲが巨大化してくれました。
原木栽培のタモギタケは、香りも強く、一番のオススメはお椀。汁物でしょうか。
バター醤油炒めにする家中に幸せな香りが充満します。
しかもタモギタケには、コプリーヌことササクレヒトヨタケと同様、抗酸化物質であるエルゴチオネインが多く含まれていることが知られています。アンチエイジング効果や老化防止効果があるとのこと。
中国では「楡黄蘑」と呼ばれ珍重されているタモギタケ。中国語の通り、ニレ科の木を原木として使用するとよく発生してくれます。ニレやケヤキ、トチノキやユリノキの伐採木が手に入ったときにはオススメのキノコです。