ニホンミツバチの採蜜(垂れ蜜と加熱蜜)

きょうは、久しぶりに日が出たので、焚付用に栗のイガを干しました。こうして一斗缶を半割にした手箕にいれてストックし乾かしておくと、一気にストーブに流し込むことができて便利なのでした。f:id:musikusanouen:20181018234244j:plain
⇧真ん中は垂れ蜜採取中のタッパ。
スノコとネットを敷いたタッパウエアの中に蜜蓋を切った巣を重箱ごと入れ、その状態で日に当て温度をあげることで蜜がフリーランで流れでてくる、という手抜き採蜜です。

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⇧この上に、洗濯用ネットを敷き、その上に重箱(巣箱)をのせました。

結果、重箱ひと箱で、垂れ蜜が3リットルちょっと垂れてくれました。
その後、ネットを敷いたザルの上で巣を蒸し、蜜蝋との分離で取れた加熱蜜が1リットル弱とれました。
さっそく味わってみたら、それぞれに味が違っていて驚かされました。
垂れ蜜は、香り高く澄んだ甘さ。一方、巣を加熱して取れた蜜は、複雑で濃厚な味。薬効はこちらの方が高いそうです。
糖度は垂れ蜜が74度。加熱蜜は70度くらいでした(加熱蜜には蒸したときの蒸気が結露し混ざった可能性があります)。
この糖度だと、糖度圧迫が効かず、気温が高い時期には発酵が始まってしまうので、糖度を80度近辺まで上げる必要がありそうです。
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ところで、1頭のニホンミツバチが一生かかって集めることのできる蜜の量は、ティースプーン一杯ほどとのこと。働き者の虫草農園メインスタッフさんたちに感謝しながら大切にいただこうと思います。

隠蔽(いんぺい)擬態

 

先日、浄化槽のエアポンプの修理をしていたときのことです。
ポンプを持ち上げたようとポンプに両手をかけて数センチ持ち上げたその瞬間、なにかゆっくり動くものが目に入ったのでした。ポンプのすぐ脇にマムシがいたのでした。両手がふさがっているので、棒を手にすることもできず、マムシを刺激しないように、そして素手を噛まれないように慎重にゆっくりとポンプを持ち上げ、後ろ伝いにどうにかその場を離れることができました。マムシは温度にも反応するらしいので、危ないところでした。
こんなことが起きないように、自然の豊かなところでは、目や鼻や耳を研ぎ澄ましながら行動する必要があります。

そんなわけで突然ですが、問題です。
下の写真の中に生きものが隠れています。見つかりますか?

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虫好きの人は案外簡単に見つかるかもなぁ。

じゃあ、見つからなかった人に、ヒントです。
下の写真にも同じ虫が写っています。

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⇧たぶん、こっちの写真の方が見つけやすいですね。

では正解……。







最初の写真は、ほぼ真ん中あたりにチョウがいます。

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⇧写真の真ん中あたり、緑の葉っぱに上向きに止まっています。これなら分かりますね。でも、なかなか見事な保護色。

ふたつめの写真も、真ん中あたりの少し右側にチョウがいます。

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⇧地面に止まっています。


この蝶は、南方系の蝶で、クロコノマチョウと呼ばれています。

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⇧緑の中だと返って目立つのですが、人や鳥を見つけると、地面近くの落ち葉にまみれて止まります。
たしかにこのあたりに止まったはずなのに……と思って探してもなかなか見つからず、どこかに飛んでいってしまったのかも、と思ってそこに分け入ると、足元から飛び立つ、ということが多かったりします。

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⇧実はこのクロコノマチョウも、完熟ハネダシいちじくの虫食堂にやってきた一員でした。

でもまさか、標高750mの寒冷地、白州(山梨北杜市)で見ることができるようになるとは、思いもしなかったなぁ。
私が持っている図鑑(1975年発行)では、伊豆半島が北限になっていました。東京で見つかることもあるがそれは偶蝶で、土着は伊豆までと記載されています。

五感を研ぎ澄ませても、アベレージでの気温の上昇は分かりにくいのですが、五感を研ぎ澄ませ、まわりの生きものを観察すると、地球温暖化の兆しは随所に見られます。
国道沿いに北上しているアオマツムシは、ついに白州のサントリー蒸留所付近までやっていました。
白州の家の中にゴキブリがやってくる日もそう遠くはなさそうです。




ハーベスタを使ったタカキビの脱穀&ダップ

稲の脱穀が終わり、ハーベスタの掃除する前に、ちょっと試してみたいことがあったのでした。
タカキビをお米用のハーベスタ脱穀できないだろうか? ということ。
自給用に栽培されたタカキビは、洗濯板のようなものにこすりつけるようにして脱穀する、ということが多いようです。

というわけでとりあえず、ダメ元で少し試してみることに。

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案外いい感じで、脱穀できそうです。
ハーベスタ袋の中はこんな感じ。

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黒いもの殻付きのものと茶色い向けたものとが混ざっているのですが、

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手にとってよく見てみると、黒いものの多くはダップ殻(モミガラ)で、中身は入っていないものが多く、もう一度、唐箕がけしてあげれば分離できそう。

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脱穀後のタカキビの茎は、そのまま束ねるだけでホウキになります。
ニホンミツバチの蜜源植物でもあり、虫草農園にはあっていそう。タネを分けてくださった秦さん、ありがとうございます。




いー加減な稲刈りの備忘録

羽根先の赤紋が美しいミヤマアカネがすっかり成熟色になったというのに、まだ、わが家は稲刈りができていませんでした。

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田んぼの水が引かないのです。この状態だと、稲刈り機(バインダー)が使えず、稲刈り機を使わない手刈りだと、機械でやれば1時間で終わってしまうところを、家族総出で1日がかりになってしまうのでした。
数日前、水がだいぶ引いてきたかなぁ、と思ったところで、台風24号の直撃を受け、再び元の水田に戻ってしまったのでした。
で、いくらなんでも、そろそろマズイよなぁ、ということでお米の水分量を測ってみると……。平均で13、0%。おいしい新米は、精米前の状態で15%くらいと言われています。そのあたりの詳しい話は、こちらをどうぞ。

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これはさすがにマズイ! ということになって、急きょ、手刈りで稲刈りをすることにしたのでした。

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幸いなことに、今年は圃場整備があって、お借りできたのは2畝の小さな田んぼだけ。
とはいえ、下は水をしっかりたたえたままの田んぼ。刈った稲を地面に置くこともできないので、一輪車を入れてそこに刈った稲を置くことに。

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しかしこれがかなり大変。足元がぬかっていて足を取られる上に、ハッピーチルドレンは背丈が高いので、刈った稲の穂先を水に付けないように高い位置で保持しなければいけません。
こんな感じで稲を保持し、

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こんな感じで、後屈して、アクロバットのような稲刈りになりました(足が抜けないのです)。

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ただ、今回、ちょっとだけど、いいこともありました。
水分量13%なので、そのままハサガケなしで脱穀ができそうなのです。
手刈りでの稲刈りで、なにが大変なのかというと、ヒモやワラで刈った稲を束ねることなのでした。
ハサガケをせず、刈ってそのまま脱穀ということであれば、稲を束ねる必要がないのです。かなりの省力化が図れます。
しかもこのところは台風が異常に多いので、ハサガケをしなくていい、というのは、精神衛生上もありがたいことなのでした。

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稲刈り機と違って、脱穀機(ハーベスタ)はクローラー(キャタビラ)なのでぬかった田んぼでもどうにか入ることができました。とはいえ、カーブを曲がろうとするとスタックするというかなりキワドイ状況ではありましたが。

実は去年もこれと似た状況の田んぼが一部あって、刈り取ったあとでハサガケせずにすぐに脱穀してしまったりもしたのですが、そこまで待っても、特に味が落ちる、という感じはしませんでした(どちらかというと水分量計を購入する以前の方が、ハサガケで乾燥させすぎてしまい食味を落としてしまっていることがありました)。

ということで、どうしても田んぼの水が引かず、手刈りで稲刈りをしなければいけなそうな状況になってしまった場合、ハサガケなしで脱穀ができるくらいまで待ってしまう、という方法もあるかと思います。

とはいえ、ハサガケせずに脱穀をする場合、穂の水分用は少ないけれど、葉や茎はまだ緑色で水分を多く含んでいるので、脱穀機がつまりやすく、いくつかのポイントを押さえながら作業をする必要があります。
以下に備忘録として、箇条書きにしておきます。
●藁が排出されたあとすぐにエンジンを止めずに、機械内からモミがほとんどでなくなるのを待ってから止める(特に、燃料切れでエンストしたときの再始動時は要注意)。

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⇧燃料切れでエンストした場合に詰まりやすいのはこの部分。エンストでファンが止まり、途中まで吹き上げられていたお米がこの部分に堆積してしまって詰まるようです。

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⇧フタを開け、溜まってしまっているお米を取り出し、もう一度、入り口に戻します。

●それでも詰まりやすい場合は、エンジンの回転数を一般的な米脱穀の値よりも高くする(麦側に寄せる)。

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ハーベスタには穀物に応じたエンジン回転数の目安を知ることのできる回転計が付いています。詰まりやすいお米の場合は少し回転を高めにセットするといい感じです。


脱穀機の音に常に注意をしていて、ちょっとでも変な音がしたらすぐに稲の投入をやめて、各部を点検する(特に回転ドラム裏の点検窓を必ずチェックする)。

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⇧葉や茎の水分が多いと、この部分に粉砕されたワラが溜まりやすいです。なんとなく脱穀機の回転が重そうだなぁ、と思ったら、この部分を確認するといいように思います。この窓から手を突っ込んで取れるだけ取り、残りは下側の点検窓に落として掃除します。


●一度に多くの稲を入れずに、なるべく少なめに均等に入れる(稲を結束していないときの方が有利)。
ハーベスタ袋のモミが増えると、重さで逆側のクローラーが浮き、スタックしやすい。
●ぬかるみがひどい場合、ハーベスタクローラーはなるべく切り株を踏みながら走るように運転する。
脱穀後にも水分量を測ってみて、高い場合は、麦のようにモミを天日干しして調整する。
●……(他にも思い出したら書き足します)

西の空が染まりだした頃、どうにか稲刈り&脱穀を終えることができたのでした。家族全員ヘトヘトになったので、きょうは久しぶりに外食。龍淵にラーメンを食べに行ったのでした。

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ミツバチの給餌とイチジクに集まる虫たち

きょうも雨……。
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雨が多くて少し気をもんでいます。

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ひとつは台風のこと。

きのう、久しぶりに晴れたので、「さあ、稲刈り」と思ったのですが、それまでの雨で田んぼがぬかるんでいて、さらには台風24号が近づいているのでハサガケしたウシが台風で倒れてしまう心配もあり(コンバインだったら、そんな心配も必要ないわけですが)、「稲刈りは台風通過後だね!」と家族で決めたのですが、日本を縦断しそうな24号を追いかけるかのように、熱帯低気圧bが発生した模様。ははは、困った、困った。

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もうひとつは、ミツバチのこと。
こう雨が続くと、吸蜜ができず、お腹をすかせていると思うのです。
砂糖水をつくってそれを給餌する方法もあることはあるのですが、師匠のひとりである重田さんは、これまで給餌をしたことがないけど、それでうまくいっているよ、とのことだし、もうひとりの師匠である上原さんは、他の群れのハチがやって来ない夜だけ巣箱の中に砂糖水を入れるようにしている、とのことでした、が、それでも特有の匂いがあるのか、昼間、巣門のあたりでミツバチ同士でケンカしていることがあるから注意したほうがいい、と教えてくれました。

雨の中、羽根を濡らしながらも健気(けなげ)に蜜を集めに出かけている外勤バチたちのことを思うと、給餌したくもなるのですが、そのあたりの判断はなんとも悩ましいところです。

と思っていたところ、意外な方法が見つかりました。
ショウジョウバエを呼んでしまうので、傷み始めたイチジクを窓の外に置いておいたのですが、それにたくさんのミツバチが来ていたのです。

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イチジクは「無花果」と書きますが、花がないわけではなくて花は花嚢(かのう)と呼ばれる果実のようなものの内側にあります。原種のイチジクは本来、外界と接しない状態で花を咲かせるという珍しい植物で、虫媒花ではあるのですが、その受粉には「空飛ぶ花粉」とも言われるイチジクコバチという面白い生態のハチが関連しています、が、そのあたりの話をしていると、きょうのブログはそれで終わってしまいそうなので、話を戻します。
ということで、イチジクの果実と思っているものは実は肥大した花(のようなもの)のわけで、そこにある甘い汁は曲解すれば花の蜜、とも言えないこともない?

どういうわけか、これまで来ているミツバチは、いまのところニホンミツバチだけです。すぐ近くのコスモスにはたくさんのセイヨウミツバチが来ているのですが、なぜかイチジクには来ません。逆にニホンミツバチはコスモスで見かけることはありません(いまのところ)。
洋バチは見向きもしないレタスの新芽をニホンミツバチだけが食べることが知られていたり、このあたりの嗜好性、種によってかなりの指向性があるようです。

この方法だったら盗蜜で巣を襲われることもなさそうだし、雨の日も濡れずにゆっくり吸蜜できるしなかなか良さそう、に思えたのですが、残念ながらそんなに都合良くはいきませんでした。

少ししたらスズメバチたちがイチジクを発見し、やってくるようになってしまったのです。

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⇧最初にやってきたのは、キイロスズメバチ。全体に黄色いのが特徴。雑食性で花の蜜も吸いますが、ミツバチの成虫なども食べます。

そして次に現れたのは、コガタスズメバチ

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⇧おしりの先端が黄色いことと、腹部のふたつ目の黒縞が他の黒縞より太いのが特徴で、この部分でオオスズメバチ(ふたつ目の黒縞が糸のように細い個体が多い)と区別できます。個体によって大きめのコガタスズメバチと小ぶりのオオスズメバチでは大きさはあまり変わらないので、この部分で見分けるのが一番確実のように思います(最近Tomaさんに教えていただきました、ありがとう)。
上の写真でも分かるように、背後(はいご)にいるのはニホンミツバチ。キイロと違って、コガタスズメバチニホンミツバチは比較的仲がいい感じ。油断しすぎると食べられてしまうこともあるようなのですが、一般にコガタやオオスズメバチは、キイロと違い、ニホンミツバチの成虫を捕食することは少なく、食べる場合は巣箱に入って蜜と共に幼虫たちを襲うようです。


そのうち「お姫さま」もやってきました。

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⇧日本に棲むスズメバチの中で最も美しいから「姫」。
ヒメスズメバチのことを勝手にそう思っています。
個体変異や地理的変異の多い種類ですが、対馬に棲む個体以外は、腹部後端が黒いのが特徴。また「姫」は体長があるので目立つのですが、スズメバチ愛好者の誰もが認める最もおとなしいスズメバチでもあります。腹部の文様にはチャイロスズメバチと同様、赤褐色の部分があり、黄色の部分とのコントラストが美しいスズメバチです。


ついでに書くと、チャイロスズメバチは、これもまた変わった生態のスズメバチで、托卵をします。冬眠からゆっくりと目覚め、ひと足さきに巣作りを始めているキイロスズメバチの巣がある程度大きくなって、働き蜂たちが増えてきたところで、キイロの女王を殺し、代わりに自分がその巣で卵を生み、キイロの働き蜂たちに自分の子どもたちを育てさせる、というヒト社会では考えられないような社会性をもったハチだったりします。
今年はチャイロもときどき姿を見せてくれていて、ウチから少し離れたところに巣があったりもするのですが、いまのところイチジクには関心がない様子。

というわけで、台風に備えて家の周囲の点検などをしなければいかないのですが、ついついイチジクに集まってくる虫たちに目を奪われ、見入ってしまうのでした。

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⇧こちらはクロヒカゲ。案外、勇猛で、羽根をばたつかせてはスズメバチを威嚇したりしていました。

動画も撮ってみました。
まずは、ニアミスでヤバイ場面。



そしてこちらは、キイロとコガタのバトル。
実はよく見ると、ニホンミツバチも加勢をしているように見えます。



ということで、虫たちを見ていると、時間はどんどん過ぎていき、台風もどんどん近づいてきました。さっきより雨が少し強くなってきたなぁ。大きな被害がないといいのだけれど……。

■追記■
このブログを書いた翌日(2018年10月1日)、台風一過の晴天のもと、
うれしいことがふたつありました。
ひとつは、現政権があらゆる権力を使って民意を押しつぶそうとしたにもかかわらず、多くの沖縄の人たちにデニーさんが支持された、ということ。
そしてもうひとつは、イチジクにキベリが来ました!

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フォー・ガー サイゴンスタイル?

道の駅に出荷しているハーブサラダが売れ残ってしまったので、ミントやパクチー、それにドクダミの生葉などを追加して、久しぶりにフォー・ガー(ベトナム鶏そば)をいただきました。

以前、我々が現地で食べたことがあるのは、サイゴン(現ホーチミン市)のフォーガー。ドンコイ通り沿いのちょっと寂れた安ホテルに泊まっていたのですが、格安ホテルにもかかわらず、宿泊客はフォーの朝食を毎朝タダでいただくことができ、おかがで、すっかりフォーにハマってしまったのでした。

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サイゴンスタイル?は、麺のドンブリの他に、サイドディッシュのような形で香草サラダがたっぷり付きます。

それらを好みで麺の上にのせ、香草たっぷりのサラダ感覚で、ニョクナム風味の鳥スープで米粉の麺と共にいただきます。

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ドクダミやミントはこれを他の野菜と一緒に初めて食べると、パクチー以上に強烈なハーブなのですが、ところがこれ、何度かいただくと、逆にクセになる風味で、フォーのときには欠かせない香草になってしまうのでした。
味や香りは、かつてそれを食べた場所のことを思い出させてくれることがあるようで、昭和の食堂的な雰囲気のあった安ホテルの朝食風景を不意に思い出し、あのときのあの時間に無性に戻りたくなるのでした。

白州町鳥原、石尊神社のお祭り

この地に移り住んで20年ちょっと、これまで地元である白州鳥原区のお祭りを見たことがありませんでした。この時期、さまざまなイベントが重なってしまうという事情もあったりで(今回も「わとわまつり」と重なっていたりで)、今回、初めて見せていただきました。


石尊神社という名前の立派な木立ちに囲まれた神社が集落の最上部にあります。樹齢300年に達すると言われる立派な松並木(市の天然記念物)の参道を登ると、深い木立ちの中にポッカリと現れるひだまりがあって、そこに土俵がつくられています。その土俵で相撲が奉納されるという、ちょっとエキサイティングな面もあり、とてもいい雰囲気の感動的なお祭りでした。

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⇧なぜこんなに幅の広い階段になっているのか?この日はじめて判明。幅の広い階段は相撲を見るための観客席だったのでした。江戸時代後期には多くの人が訪れ、賑わったとのこと。

 
奉納相撲がはじまる前、少し時間があったのでまずは本殿にお参りすることにしました。
幅の広い階段状の観客席の先は、幅のせまい石段による急登。
登るのも大変ですが、これをつくったひとたちのことを考えると「登るのが大変」などとは言っていられません。登るのが大変なほどの石段がつくられていることに感銘しながら登りました。何段あるのか数えて見ればよかった(100段以上であることは確実です)。

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しかもこの石段、ひとつひとつが手刻みで成形されたものなのです。

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⇧ノミの痕にコケがのって、歴史が感じられる美しい表情をみせていました。

これは階段の中央にある手すり。これもまた美しい造形!

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石段の途中には、ところどころに自然石から掘られたお地蔵様がいたりします。

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あるいは、この世のものとは思えないような、美しいキノコとコケが生えた斜面があったり。

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そしてようやく、階上へ。
そこはそれまで登ってきた急峻な斜面とは対象的な思いがけない空間になっています。
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石尊神社と言われるだけあって、石像も多く建っていました。
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時代ののった御影石でつくられていると思われる石像たち。このあたりの山の石は多くが御影石で、砂は白く、白州(はくしゅう)の語源もこのあたりにありそうです。また御影石は水の浄化作用が強く、この地域の水は清らかで柔らかいことから、いまやウイスキーやミネラルウォーター、それに濃縮果汁を薄めてつくるジュース工場などが林立しています。

水がおいしいのは、石のおかげでもあり、水がおいしければあらゆる食べものも美味しくなり、食べものがおいしければ人は幸せなわけで、石を尊ぶ気持ちはこのあたりから生まれたのかもしれません。

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⇧自然石の粗さと彫刻の精巧さのコントラストが魅力的な石像が迎えてくれます。

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⇧欄干の金物の装飾や造形もいい感じでした。
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⇧拝殿は縦に長く、渡り廊下のような先に本殿が安置されています。

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⇧途中の天井は格天井で、見事な天井画が。

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⇧そしてこけら葺きの本殿。石尊神社は1398年の創建とのことです。

奉納相撲は午後1時すぎから始まりました。

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⇧艶やかな衣装の呼び出しと行司が場を盛り上げます。

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⇧終始にこやかな行司さんは、Facebook友達でもある長治さんでした。
判定が微妙なときには、お客さんたちに「いまどっちが勝った?」と聞くのがなんともいい感じ。お客さんたちは何度も見たいので多くの場合、「ドウタイ、取り直し!」と応えたりします。

そしてこの奉納相撲はなんと、江戸時代の後期(1829年)から続いているとのこと。

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⇧奥は「達磨富士」という四股名で、地域通貨などを一緒にやっている友達。繊細で大胆な素晴らしい焼きものをつくる陶芸家です。
友達が土俵にあがると、見ているこちらまで思わず力が入ってしまい息を止めて力んでしまうのでした。

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⇧なぜこれほどまでに手に汗を握るのか? 知り合いが多いということもあるけど、テレビなどで見る土俵と違ってここの土俵は余白がほとんどなく、土俵を割ると同時に力士は土俵から転がり落ちるのです。しかも高さがかなり高く、ヒヤヒヤするのでした。

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⇧今回、三人抜きで勝ったのは、手前のダイスケさん。素晴らしい運動神経の持ち主であると同時に猟師でもあり、わが家で解体するシカの多くは、ダイスケさんか、ダイスケさんのお父さんからのいただきものだったりします。

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⇧途中、赤ちゃんの邪気祓いの儀式も行われました。
これがまた、凄くよかった!

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⇧お相撲さんに抱っこされると無病息災に育つという言い伝えがあります。
深い木立の中で、光り輝くような光景でした。

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邪気祓いをしてもらう赤ちゃんには女の子もいるし、長い伝統があるお祭りですが、ここの土俵には女の子もあがれます。
いやぁ、本当に素晴らしかったなぁ。