Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


(ぬかるんだ田んぼでの)稲刈りの備忘録

羽根先の赤紋が美しいミヤマアカネがすっかり成熟色になったというのに、まだ、わが家は稲刈りができていませんでした。

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田んぼの水が引かないのです。この状態だと、稲刈り機(バインダー)が使えず、稲刈り機を使わない手刈りだと、機械でやれば1時間で終わってしまうところを、家族総出で1日がかりになってしまうのでした。
数日前、水がだいぶ引いてきたかなぁ、と思ったところで、台風24号の直撃を受け、再び元の水田に戻ってしまったのでした。
で、いくらなんでも、そろそろマズイよなぁ、ということでお米の水分量を測ってみると……。平均で13、0%。おいしい新米は、精米前の状態で15%くらいと言われています。そのあたりの詳しい話は、こちらをどうぞ。

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これはさすがにマズイ! ということになって、急きょ、手刈りで稲刈りをすることにしたのでした。

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幸いなことに、今年は圃場整備があって、お借りできたのは2畝の小さな田んぼだけ。
とはいえ、下は水をしっかりたたえたままの田んぼ。刈った稲を地面に置くこともできないので、一輪車を入れてそこに刈った稲を置くことに。

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しかしこれがかなり大変。足元がぬかっていて足を取られる上に、ハッピーチルドレンは背丈が高いので、刈った稲の穂先を水に付けないように高い位置で保持しなければいけません。
こんな感じで稲を保持し、

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こんな感じで、後屈して、アクロバットのような稲刈りになりました(足が抜けないのです)。

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ただ、今回、ちょっとだけど、いいこともありました。
水分量13%なので、そのままハサガケなしで脱穀ができそうなのです。
手刈りでの稲刈りで、なにが大変なのかというと、ヒモやワラで刈った稲を束ねることなのでした。
ハサガケをせず、刈ってそのまま脱穀ということであれば、稲を束ねる必要がないのです。かなりの省力化が図れます。
しかもこのところは台風が異常に多いので、ハサガケをしなくていい、というのは、精神衛生上もありがたいことなのでした。

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稲刈り機と違って、脱穀機(ハーベスタ)はクローラー(キャタビラ)なのでぬかった田んぼでもどうにか入ることができました。とはいえ、カーブを曲がろうとするとスタックするというかなりキワドイ状況ではありましたが。

実は去年もこれと似た状況の田んぼが一部あって、刈り取ったあとでハサガケせずにすぐに脱穀してしまったりもしたのですが、そこまで待っても、特に味が落ちる、あるいは胴割れするという感じはありませんでした(どちらかというと水分量計を購入する以前の方が、ハサガケで乾燥させすぎてしまい食味を落としてしまっていることがありました)。食味が落ちたりどう割れしてしまうギリギリのところが13%だったのかもしれませんが。

ということで、どうしても田んぼの水が引かず、手刈りで稲刈りをしなければいけなそうな状況になってしまった場合、ハサガケなしで脱穀ができるくらいまで待ってしまう、という方法もあるかと思います。

とはいえ、ハサガケせずに脱穀をする場合、穂の水分用は少ないけれど、葉や茎はまだ緑色で水分を多く含んでいるので、脱穀機がつまりやすく、いくつかのポイントを押さえながら作業をする必要があります。
以下に備忘録として、箇条書きにしておきます。
●藁が排出されたあとすぐにエンジンを止めずに、機械内からモミがほとんどでなくなるのを待ってから止める(特に、燃料切れでエンストしたときの再始動時は要注意)。

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⇧燃料切れでエンストした場合に詰まりやすいのはこの部分。エンストでファンが止まり、途中まで吹き上げられていたお米がこの部分に堆積してしまって詰まるようです。

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⇧フタを開け、溜まってしまっているお米を取り出し、もう一度、入り口に戻します。

●それでも詰まりやすい場合は、エンジンの回転数を一般的な米脱穀の値よりも高くする(麦側に寄せる)。

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ハーベスタには穀物に応じたエンジン回転数の目安を知ることのできる回転計が付いています。詰まりやすいお米の場合は少し回転を高めにセットするといい感じです。


脱穀機の音に常に注意をしていて、ちょっとでも変な音がしたらすぐに稲の投入をやめて、各部を点検する(特に回転ドラム裏の点検窓を必ずチェックする)。

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⇧葉や茎の水分が多いと、この部分に粉砕されたワラが溜まりやすいです。なんとなく脱穀機の回転が重そうだなぁ、と思ったら、この部分を確認するといいように思います。この窓から手を突っ込んで取れるだけ取り、残りは下側の点検窓に落として掃除します。


●一度に多くの稲を入れずに、なるべく少なめに均等に入れる(稲を結束していないときの方が有利)。
ハーベスタ袋のモミが増えると、重さで逆側のクローラーが浮き、スタックしやすい。
●ぬかるみがひどい場合、ハーベスタクローラーはなるべく切り株を踏みながら走るように運転する。
脱穀後にも水分量を測ってみて、高い場合は、麦のようにモミを天日干しして調整する。
●……(他にも思い出したら書き足します)

西の空が染まりだした頃、どうにか稲刈り&脱穀を終えることができたのでした。家族全員ヘトヘトになったので、きょうは久しぶりに外食。龍淵にラーメンを食べに行ったのでした。

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2021年9月30日追記
■ぬかるんだ田んぼでの刈取機(=バインダー)の操作方法■
板を敷くのも効果はあるけどかなり大変。めり込んだ板を拾いあげ、穂を汚さないように次の畝間に置くのがかなり大変。
どちらかというと、二人がかりで、ひとりがバインダーをロープで引っ張り(駆動力を加える)、もうひとりはバインダーのハンドルを上に持ち上げ(タイヤにかかる重量を減らし)ながら運転する、という方がいい感じでした。

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⇧こんな感じ(ひとりはカメラマンをやっているのでバインダー側に人がいませんが)。ロープは長いほうが土手から引っ張れるのでいいようでした。

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⇧効果はあるけど、なかなか大変。へばります。