稲刈りと脱穀の備忘録

 きのう、やっと田んぼにワラをまくことができて、これで田んぼ仕事はひと区切りがつきました。
書きたいことはたくさんあるのに、それ以上にやりたいことがたくさんあって、二か月近くもブログの更新が滞ってしまいました。もしも、楽しみにして見に来てくれていた人がいたら、ゴメンナサイ。

 やっとどうにか、田んぼ仕事もひと段落し、大麦、小麦、ライ麦の播種が終わりました。いまは発芽率が悪かったスペルトを撒き直しているところ(試してみたところ温湯消毒しなかったら芽が出揃ったので、スペルトは温湯消毒に弱い可能性あり)。こうした作業は一年に一回の作業で、去年と同じ失敗をしてみてはじめて、そういえば去年も同じ失敗をしたなぁ、と思い出すという情けなさ。そんなこともあって、忘れない内にできるだけブログに書き留めておくのがいいようです。
上の写真を見ると、快晴の中で順調に稲刈りを終え、脱穀を行っているようにも見えますが、実は角度を変えて写すと下の写真のような感じ。片や脱穀をしているというのに、まだ刈り取りされていない稲(写真の奥)もあったりします。

 今年は稲刈りの頃に、長雨が降ってしまい、刈りたくても刈れないというジレンマに悩まされたのでした。
田んぼというのは面白いもので、普段、水をたたえているときには、どうもその下の土には水はしみ込みにくいようで、稲刈りのために田んぼの水を抜き、その状態=土が露出した状態で長雨に降られると水は田んぼの土の中にしみ込んでいく、ような感じがあります。普段のように水抜きして一週間晴れたりときどき降ったりだったら、これほどまでにぬかるんでしまうことはないのだけれど……。
 というわけで、今年は田んぼの半分がこんな状態でした。

普通、ここまでぬかるんでいた場合は、バインダーを使った刈り取りはやらないのではないかと思うのですが、かなり強引な方法を駆使すると、このくらいまでならどうにかできます。

コツのひとつは、Uターンはハマりやすいので、田んぼの中では行わず、ウネに上がってから行うこと。

また、ひとりで頑張らずに二人がかりでやること。バインダーの先にロープを付けてひとりが引っ張り、もうひとりがバインダーのフロントをリフトさせながらハンドルを腰に当て押しながら進みます。ふたりでやることでどうにか動くけれども、バインダーの刈り刃は土を切ることになり、機械はかなり傷むように思います。

こんなまでしてバインダーで脱穀を行う必要があるのかどうか? タイミングをうまく見計らって行えば、手刈りも侮れず、うまく使い分けるのがいいように思いました。
というのも、バインダーで刈る最大のメリットは、機械の名前の通り、バインディングつまり束ねて結いてくれこと。束にすることでハサガケが可能になるわけです。
逆に言うと、手刈りの弱点は束ねて縛るのに時間がかかること。カマで刈り取るだけであれば、手刈りでもそれほど時間はかからず、しかも束ねてないほうがハーベスタにかけた際のロス(束の中に埋もれてしまい脱穀できていない)も少なかったりします(手刈りで刈った稲は、向きを揃えて一輪車に重ねていくのがいいように思いました)。

そしてそのタイミングを的確に教えてくれるのがコレ。お米の水分量を測る測定器なのでした。この水分量計、もみでも、玄米でも、白米でも、さらには麦というモードもあって、それぞれの状態での水分量が測定可能で数値をデジタル表示してくれるのです。麦の製粉&テンパリングもこの測定器を手に入れたことで、見違えるように良くなったのだけれどそのあたりの話はまた別の機会に紹介したいと思います。

で、お米の水分量の測定ですが、使い方は簡単。付属のお皿に適当な量の検体をセットします。

その後、規定の位置までダイヤルをまわし、測定ボタンを押すと……。

こんな風に、水分量を表示してくれるのでした。

そして、美味しいお米を収穫するためには、この水分量がかなり大切。
新米を美味しくいただくための水分量の目安は精米機などに掛けられるギリギリと言われる15%前後と言われています。さらには、近所に住むお米づくりの名人である小野田さんは新米の今の時期は乾燥機を16%にセットしているそうで「16%が一番うまい!」とおっしゃいます。
逆に言うと、お米を美味しくなくしてしまう一番の原因はたぶん過乾燥。こんなに手間ひまかけ、天日干ししたり、無農薬で作っているというのに、どうしてウチの新米はそんなに美味しくないのだろう? と悩んでいた時期があって、その原因はハサ掛けのし過ぎによる過乾燥だったのでした。
水分測定を頻繁に行うことができて、胴割れをしないギリギリのタイミングで刈ることができればハサ掛けはたぶん必要なく、ハサ掛けなしでも噛んだ瞬間に思わずニコリとしてしまうような美味しいお米が収穫できます。そして、ハサ掛けをしないでいいのであれば、刈り取った稲わらを束ねる必要もないのです。
このことが分かっていれば、(自給的な田んぼの場合)長雨が続いて機械を田んぼに入れることができなかったとしても、それほどヤキモキすることもなくなります。水分量が15%を切りそうになるまで田んぼに機械を入れることができなかったとしても、その場合は手刈りで刈りその場でハーベスタ脱穀をしてしまい、長期保存をするお米だけは麦のようにシートに広げて天日干しをする、という方法があるのです。
脱穀を行い、もみすり、そして精米をした今年の新米。

透明度があって、まるで宝石のように愛おしいお米たち。
噛めば噛むほどに甘みがでて、田舎暮らしの先輩である高木さんが言われる「冷酒のアテになるくらい美味しいご飯」を今年も堪能しています。