Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


おせちと黒染め

ありがたいことに、今年もとびきり美味しいおせちをいただくことができました。

今年のヒット作は、栗きんとんに代わる「ゆで栗のシロップ漬け」(写真の左上)。これがまた美味しかった!
その日に落ちた栗をすぐにゆで、それをオリゴ糖のシロップに漬け込んでおくだけ。
保存性も良くて、お正月にいただいたら、栗が天津甘栗のように実がギュッと締まっていて、つややかで、甘さも上品で、栗がたくさん収穫できた時にはオススメです。
 そして、黒豆。見事にサビがのった番線(太い針金)のおかげで、今年も真っ黒で美味しい黒豆ができました。

↑これが今回使った雨ざらしの番線(の廃材)。工房「藁」の杉山さんが、足場丸太を組む際に使用した番線の使い終わったものをいただき、それをモビールに見立てて雨ざらしにしておいたのでした。
 ワビサビを通り越し、サビサビになった番線ですが、それを、重曹がほんのわずかに入った砂糖水に黒豆と共に漬け込み、それを3日間ほど、薪ストーブの上に放置すると、こんな風に、見事に黒染めされた番線(と、おまけに黒豆の煮物)ができあがります。
 黒豆には、アントシアニンカテキンなどが多く含まれていて、それらのタンニンがサビた鉄(酸化鉄)と反応して、鉄と豆の両方に不溶性の黒い皮膜ができるということのようです。昔の人は鉄や歯を黒く染めるために、アリマキが作る虫こぶ(五倍子)を利用していたりもしました。

↑ちなみにこの黒豆が入っている器は、ガラスを粉にして、それを石膏型に入れて焼いて作ったパート・ド・ヴェール(さとみさん作)。鉱物資源を新しく発掘しなくても、今あるものをうまく使いまわすことで、結構楽しめたりもします。
 ということで、黒染めされた番線でちょっとイタズラしてみました。
適当な長さに切って、木の枝を通し、両端をプライヤーで曲げ、ハンマーで打って鎚跡を付けます。

素材の組み合わせとして「木と鉄」というのが好きです。
お金を使わず「そこらに落ちているもので遊ぶ」というのはもっと好きです。