Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


「山のフカヒレ」こと、ムキタケの原木栽培

今年はじめて打った、ムキタケがありがたくも発生してくれました。

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ムキタケは「山のフカヒレ」などとも言われています。

名前の通り、表面の皮をむいてからいただくことが多く、皮を向いたあとの肉はゼラチン質で、独特の旨味もあり、まさに山のフカヒレ
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⇧きのこには珍しいトロ~リとしたゼラチン質で、中華系のダシがよくあいます。

 

オガ菌ベースでいろいろやってみましたが、樹種を選べば、長木でも短木でも出ました。

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⇧こちらは短木栽培。オガ菌にチェーンソーで切ったときのチップと米ぬかを混ぜたものを短木2つでサンドイッチし、合わせ目にビニールラップを巻いて刈り伏せしました。

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⇧こちらは長木栽培。ほだ木に穴をあけ、そこにオガ菌をかさ増しせずに打ちました。どちらも今年の早春に打ったのですが、秋には発生してくれました。

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⇧ただ、樹種によってはまったく発生する気配のないものもあり(もしかしたら醸すのに時間がかかっているだけで来年出るかもしれないのだけれど)、クルミはいい感じですぐに出てくれたのですが、コナラやクヌギは少なくとも一年目の秋には出ませんでした。
クルミの大木が手に入ったようなときには、ムキタケの植菌、良さそうです。



 

晩秋のパクチー親子カレー?

なんどか霜が降り、路地モノのパクチーが紅葉し始めました。

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霜げてしまう前に、美味しくいただきたい……と思い
パクチーをたくさん盛ったカレーを食べておきたいなぁ、などと思いながらパクチーを収穫していたところ、軽トラがやってきて、猟師の友だちがシカの後ろ足を2本も置いていってくれたのでした。

ということでカレーは鹿カレー。
我が家の自慢は、タネから育てた自家製コリアンダーを挽きたての状態でたっぷり使えること。

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市販のコリアンダーホールよりも粒は小さめなのですが、
よく乾燥させたものを、ミルで挽いた挽きたてを使ってカレーをつくると、
コリアンダーのオレンジのような爽やかな匂いが香り立つのでした。

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⇧香辛料専用のミルが欲しい、とヤフオクでアラートを掛けておいたところ、程度の良さそうな中古品が格安で出品され、ありがたいことに格安で手に入れることができたのでした。

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⇧写真では匂いを伝えられないのが残念。粉挽きが楽しくなるような幸せな香りが周囲に充満します。

レシピは娘が南インドの料理学校で教わってきたマトンカレーのマトンを鹿肉に変えてアレンジしたもの。

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パクチー同様、霜に当たり、美味しさを増した晩秋のトマトがたっぷり入ります。

 

ライスは広島の秦さんからタネを分けいていただいた長粒バスマティ系の香り米であるハッピーチルドレン。

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品種改良を重ねた現代の流通米と違い、刈り時の判定が難しかったり、脱穀前に脱粒してしまいがちだったりで、面積あたりの収量はあまり多くないのですが、香辛料たっぷりのインドカレーにはこの香り米がかかせません。

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紅葉したパクチーと共に、親子丼ならぬ、パクチーの葉とタネがたっぷり入ったカレー、もうこれで冬がやってきても悔いはない、というくらい美味しさで、自然の恵みに感謝し、ありがたくいただきました。

(足場の必要な)外装・補修作業はひとまず終了!

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足場に囲まれた姿がしっかり板についてしまった我が家。


巨大なジャングルジムに囲われているようで、台風のときもちょっと安心だったのですが、しかし、いつまでもお足場を借りたままにしておくわけにはいきません。
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10月29日が足場解体の予定日で、前の晩までギリギリ、ヘッドライトを灯してこちらでやる作業(塗装やコーキングなど)を行い、やっとどうにか残っていた作業が終了させることができました。

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足場の上でヘッドライトでの作業だと、下がよく見えないので、高所作業でも恐怖感はなくなることを発見。でもホントはかなり危ない!


でも、予定日の朝、起きたら雨。

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さすがにきょうは足場屋さん、来ないだろう……と思って、雨でたくさん顔を出したきのこたちの収穫&出荷作業などをやっていたら、大型トラックのディーゼル音が!
てっぺん付近は晴れた日でも怖いのに、鋼板もパイプもツルツル滑る雨の日、しかも自分が乗っている足場を外し、あの重い足場板(大きなモノは10kgあるそうです)を両手離しで運びながらの作業。雨の中だったのに、あの量の足場を4人で1日で撤去してくれました。

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夕方近くになって雨は上がり、霧に覆われはじめた頃、半年以上、足場に覆われていた家は元の姿に。

きのうまでは巨大なジャングルジムに覆われていた姿を毎日見ていたので、すっかりそれに目が慣れてしまっていて、取り払われたその姿は、霧の中、なんだか寒そうでもありました。
しばらくすると霧も晴れ、いつにない夕焼けで空が染まりました。周囲の空気が赤くなると共に、ようやく家としての落ち着きを取り戻したようでもありました。

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事故もなく、どうにかここまで作業ができて良かった! 


作業をしてくださった職人のみなさま、ありがとうございました!
これからも大切に使いたいと思います。

あると便利! 軽トラ用プラットホーム

高さ60~70センチ前後でどうせ土留めをつくるんだったら、軽トラ用のプラットホームを兼ねたものを作っておくと便利です。

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生コンを練って擁壁を組んでもいいけど、コンクリート「ガラ」の小端積みなどでも作れます。
ウチでは圃場整備の工事現場で邪魔者とされていた間知ブロックと畦板をいただいてきて作りました。

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⇧間知ブロックはひとつが約40kgちょっと。一度に欲張って積みすぎると、ヒトも軽トラも壊れます。
で、出来上がったものはこんな感じ。目地にモルタルは流さず土極め。

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⇧間知ブロックの場合、三段くらいで積むと、軽トラ用のプラットフォームとしてはちょうどいい感じです。

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⇧アオリを道板に使う作戦。


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⇧アオリの板厚分、畦板をオフセットするといい感じ。
荷台のオーバーハング分を見越して、ちょうどいい位置に車止めを付けておく積み下ろし時の作業性があがります。

軽トラ用プラットフォーム、あるとやっぱりすごく便利です。

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おかげで、どうにかきょう無事に、お米の脱穀ができました!



キノコの本伏せと備忘録

本当は梅雨明けまでにやらなければいけなかったのに、いま頃になってキノコたちの本伏せをやっていて、やっとどうにか終わりました。山ではもう、秋のきのこが出始めています。でもまあどうにか、まだ菌はほだ木の中で生きていてくれたようでした。

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菌作業をする早春は比較的時間的な余裕があるのでついつい欲張ってしまい、こんなにたくさん、ほだ木を作ってしまっていたのでした。その結果、本伏せの場所を作るだけでもひと苦労。これではぜんぜん「知足」ではないですね。

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⇧最初に本伏せしたのは、マイタケ。
ドラム缶で煮込んだ原木に植菌をし、その後、呼吸できるビニール袋に入れて菌を蔓延させたのち、土の中に埋め込みます。詳しくはこちらを御覧ください。

原木栽培のマイタケは舞い踊りだしたくなるくらいに香り高く美味しいのだけれど、でも手間もかなりかかります。しかも手間をかけてていねいにやったつもりでも、マイタケ菌は弱く、他の菌に侵されてしまうことも多く、マイタケの原木栽培は難易度が高かったりします。

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⇧白と黄色の菌が蔓延しているこれらはまあまあうまくいった方。途中まではうまくいっていたのに、夏の温度が高すぎたのか、今年は半分くらい失敗でした。

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⇧緑色の菌がでてしまっているこちらは失敗作。でももしかしたら中ではまだマイタケ菌が生き残っていて、復活していくるかも知れないので、いちおうこちらも埋めてみました。

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⇧穴を掘るにあたって今回は、小型の耕運機(ホンダのサラダ)を使いました。林の中ではユンボやトラクターよりも小回りがきくし、サラダで表面を掘り起こしてからだと、スコップが入りやすく、その後、ジョレンで土を掻き出す、というのが効率的でした。

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⇧マイタケは比較的穴を深く掘り、ほだ木全体を土の中に埋めてしまいます。

手間はものすごくかかるのですが、うまくすると、こんなことも起こります。

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マイタケ以外のキノコは、ビニール袋をせずに林の中に仮伏せしました。

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⇧黒い遮光シートを被せ、時々散水して、原木内に菌を蔓延させます。

シイタケ以外は短木栽培という方法で植菌していて、合いマークをつけたのち15~20センチくらいに玉切りにした原木の間に米ぬかやチェーンソーチップを混ぜたオガ菌をサンドイッチし、合わせめ部分にラップを巻いて2個1セットで仮伏せします。
詳しくは、こちらを参考にしてください。

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⇧これはヒラタケ。原木はクルミで、白くなっている辺材部分には菌がまわっているけど、芯材は菌に侵されにくいことがわかります。

今回は仮伏せの時、(ビニールシートの上にのせた)木のスノコの上に保管したものと、地面の上に敷いたビニールシートの上に置いたもの、それに地面に直接置いたものなど何種類かで違いがあるか試してみました。その結果……。

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⇧土の上に直接、置いたものはどうも雑菌が入りやすい感じで、木のスノコの上にのせたものは、スノコの側にも菌が浸潤していることもあり、ビニールシートに直接おいたものよりも菌がいい感じでまわっていたようでした(木のスノコ側にも菌がまわっている感じです。キノコが出たりして?)

ビニールシートを置いたあと、木のスノコを置いているのですが、次回は直接、土の上に木のスノコや廃材の構造用合板などでも試してみようかと思います。

また菌の種類によって、同じやり方で植菌し、似たような環境に仮伏せしてもかなり違いが見られました。

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⇧これはタモギタケ。ラップを巻いた部分全体に菌がまわっているものがいくつかあり、もしかしたら全体にラップを巻いてしまったほうがいいのかもしれません。
また樹種によっても、タモギタケの場合、サクラ(写真の中央)は菌のまわりがあまりよくなく、ケヤキやニレ(写真の左右の細めの丸太)が良さそうでした。
菌の種類によっても違いがあり、ムキタケはもしかしたらラップを巻かないほうがいい可能性があるのではないかというくらいに、原木がボソボソしてしまっていました。それがムキタケに侵された正しい状態、というのであればいいのですが。

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⇧こちらは今年始めて打ったヌメリスギタケ。どの樹種が調子がいいか見るため、サクラやコナラ、クヌギなどに植えてみました。

マイタケとクリタケ、それとシイタケ以外のほだ木は、ほぼ同じ本伏せ方法。木口が出た状態で、本伏せします。

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⇧写真はヒラタケ。どのくらい埋めるかは、その土地の湿度などで変えるといいと言われています。だいたい3分の1~3分の2くらい埋まる感じで本伏せしました。
耕運機で耕転したあと、ジョレンで土を掻き出し、ほだ木をセットした後、剣スコで目地に土を入れる、という要領です。

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⇧ところどころに、収穫の際の足を置くためのスペースを作ります。これがないと収穫のとき、足の踏み場がなく困ってしまうのでした。

 

一方、シイタケは、単管パイプで背の低い鳥居を作り、そこにもたせかけています(ほだ木が密過ぎて単管パイプは見えないけど)。

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⇧毎年、少しずつ増やしてきたのですが、かなりの数になってしまいました。

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⇧散水は、とりあえずはスプリンクラー。空中湿度の高い状態を保つことがキノコのためにはいいので、時間ができたら、ミストノズルに変更しようと思っています。

そして散水をはじめて数日後……。

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ここまで遅くなってしまっては水を撒いても今年は出てくれないかもなぁ、と半分諦めていたのですが、なんとこんな時期なのにエノキダケが発生(本来は冬、雪の下で発生します)。
さっそくお味噌汁に入れていただきました。ダシの効いた、でも、とても優しい味のお味噌汁でした。原木の伐採からはじまり、作業は大変だけど、なぜかキノコは癒やされます。

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そしてキクラゲもツボミがふきだしました。菌にはホント、不思議な魅力があって、知らぬ間にズッポリはまってしまいます。侵されてしまったのだろうか?

 

中部横断道、八ヶ岳南麓ルートの環境影響評価の方法書に対する意見書

中部横断道八ヶ岳南麓ルートの環境影響評価の方法書が出され、それに対する意見書の締切が迫っています。
2019年9月17日17時15分まで。

宛先は、山梨県県土整備部都市計画課
toshikeiass@pref.yamanashi.lg.jp

現状で高速道路に近い信号のないインターチェンジタイプのフリーウエイがあるわけで、せめてもそれをうまく利用するなどしてこれ以上、道路を増やしてほしくない、と私は思っています。

とりあえず、虫好きとして、私はこんな意見書を出してみました。
記録として残しておきたいと思います。

①氏名と住所
わたなべあきひこ 〒408山梨県北杜市白州町……

②意見書の提出の対象である方法書の名称
「(仮称)韮崎都市計画道路1・4・1号双葉・韮崎・清里幹線、環境影響評価方法書」

③環境の保全に関する意見
こどもの頃から虫が好きで、虫好きたちのあこがれの地とも言えるこの地域に23年前に移り住むことができました。全国の虫好き(虫屋)の間で、北杜市という名前はそれほど知られていませんが、日野春という地名は知らない人がいないのではないかというほどに、この地域は虫の種類、そして個体数が多いという全国的にも珍しい虫好きにとってのあこがれの地域であり、この地域に新しくできるという高速道路に関して虫好きとして強い危機感を持っています。

ひとつは、この地域が日本で最も生息密度の高いと言われているオオムラサキという蝶についての影響です。
この蝶のオスはテリトリー意識が強く、自分の縄張りに他の動物や鳥などが入ってくると追い払うことが知られています。自分の体よりも大きなツバメでさえ、テリトリー内に入ってくると排除しようと体当たり、もしくは追尾します。
この習性によりオオムラサキは新しく道路ができると、生息数を減らしてしまいます。

フォッサマグマの最西、七里岩をつづれ折れで登るループ橋が開通して以来、道路の周辺、小淵沢・白州のオオムラサキは生息数を減らしてしまいました。最盛期にこの道路を走ると多くのオオムラサキが道路上に死んでいて、近くに住む虫好きとして、いたたまれないような悲しさを感じています。

これまで観察したところでは、最盛期には一日に十頭以上のオオムラサキが自分のテリトリーに入ってきた自動車に対して体当りしてしまい、道路上に死んでいたりしました。周辺の住民の方に聞き取り調査をしてもらえば、多くの人がそのことに気が付いていると思います。新しい道路が開通することで、この地域が未来に誇ることのできる掛け替えのない資産である国蝶オオムラサキの生息数を減らしてしまうことにならないかとても心配です。

もうひとつ、危惧しているのは、タガメと水棲昆虫に関してです。現在すでに絶滅危惧種として知られているタガメですが、タガメが生息数を極端に減らした背景には道路の新設による影響が大きいと言われています。

タガメは走光性(光に集まる性質)が強く、特に動く強い光に反応しやすいと言われています。そのために夜間の自動車のヘッドライトに反応してしまい、交通事故で全国的にその数を減らし、隣県長野県ではすでに絶滅してしまったのではないか?と言われるほどにその数を減らしてしまっています。

タガメオオムラサキ、その他にも、オオクワガタやゴマシジミヒメギフチョウゲンジボタルなどなど、ヒトが農的な暮らしを続けてきた期間が長いこの地域には、ヒトともに暮らすことが遺伝子に刷り込まれた、俗に言うヒトと共に里山に暮らす里山生物がたくさん生息している全国でも珍しい地域です。
そしてこうした、ヒトとの暮らしとリンクした里山に暮らす生物たちの多様性がいま、全国的に失われつつあり、地方が全国的に過疎化する中、農的な暮らしをするヒトが多いこの地域ならではの希少生物が失われることのないように十分に調査してほしいと思っています。

「どうしても必要な道路である」、というのであれば、少なくともこれらの多くの里山に暮らす生物たちに与える影響をしっかりと調査し、極力影響の出ない方法を探り、未来に向けて本当にこの道路が必要かどうか、改めて精査し、場合によっては作らない、という決断も選択肢のひとつに加えてほしいと願っています。

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エネルギー自給自走号に乗って、山口から宮木先生いらっしゃる。

はるばる山口からの旅の途中、宮木先生が我が家に寄ってくれたのでした。

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しかもソーラーパネルを載せた、自給自走の電動軽トラで。


いやぁ、こんな物理の先生と学生時代に出会っていたら、物理のことをもっと好きになっていただろうなぁ。
宮木さんと出会った学生たちは、幸せものです。


これまではネット上でのお付き合いだったのですが、実際にお会いしてみたらモノ凄いパワフルな熱血漢!

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⇧竹炭で作ったキャパシターに電気が貯まることを実演するため、食事のテーブルで発電機のハンドルを回し始めた宮木先生。いやぁ、面白かった。



圧巻は、尾白の湯の露天風呂でした。
22年もたつのにウチのお風呂はいまだに建設途上なので、近くの温泉に行くことになったのです。
クルマはもちろんEV。やっと走るようになったけど、でもまだフロントガラスは割れたままの我がポンコツi-MiEVでお連れしたのですが、ウチでも(燃料)自給自走カーを作ろう!という計画があって、その道すがらは質問攻め。

あっという間に尾白の湯に着き、露天風呂にでもゆったり浸かっていただこうと思ったのですが、でも、このお湯にはどうもストロンチウムが含まれるらしい、ということから放射線の話しが始まってしまったのでした。

 

「太陽からの紫外線も放射線も赤外線も、すべて電磁波(つまりは「波」)なわけです」
夏休み最後の日曜日で、渋滞を避けるためゆっくり温泉に入り、食事をしてから夜遅くに東京に帰る人も多く、尾白の湯の露天風呂は足を伸ばすとさわってしまうほどの満員状態。そんなみんなが注目する中で講義は熱く始まったのでした。

「波はね、媒体(伝えるもの例えば地球の場合は空気ですが)がなければ伝わらないのです!」

アゴまでお湯に浸かり、目を閉じ、でもときどき目を開いてはこちらをチラッと見る人の目などいっこうに気にすることなく、宮木さんは、茶色く濁った尾白の露天風呂のお湯の表面を叩きます。
「ほらね、こうして波が波紋となって次々に同心円状に伝わっていくでしょ!」
目をつぶっていたその人の口元にもその波は伝わり、鼻にも波は押し寄せ思わずむせてしまったのだけれど、宮木先生はそんなことにもまったく気が付くことなく話を進めます。
「ここにはこんなふうに茶色い水があるから、波はこうして伝わるわけです」。

「ところがですね、宇宙空間には何もないと言われているわけです。
そこをどうやって紫外線が伝わってくるのか? ねっ、不思議でしょ!」
この調子でその場にいた見ず知らずの人たちが引き込まれるようにして面白い話が続いたのですが、少ない脳みそをフル回転させていた私は完全にのぼせてしまいました。の時間にしたら15分くらいだったのだけれど、もしかしたらランダムに飛んでいたであろうストロンチウムに打たれたのかも知れません。
その間、途中で入ってきた人はいたけど、途中で出た人は誰もいなかったような。
私たちよりも前から浸かっていた人も何人かいたわけで大丈夫だったかなぁ? ちょっと心配、でも久しぶりに脳みそが沸騰しそうな楽しい時間でした。

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⇧途中で、引いていたトレーラーが故障してしまい、電トラ一台だけになってしまったけれども、それでも無事、ほぼ時間通りに到着した宮木自給自走電トラ。

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⇧今回屋根の上に載せてきたのは、125Wパネル4枚。この他にもトレーラーや展開式で停車時には125W×6直×6並列、なんと合計4500出力で電気を自給できるというシステムなのでした。

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⇧充電方法は、大型のチャージコントローラーで、中継用のリチウムイオン電池(鉛蓄電池に比べて同じ容量であれば20倍の放電率←これ放電率ではなく充放電速度でした。文末、訂正あり)に電気を蓄え(写真真ん中上のビニール袋に入った水色の物体)、そこから単相200Vで最大5000W出力可能な大容量インバーター(写真左上の水色/グレーの機械)で200V3000Wを出力させて三菱純正の充電ケーブル(200V15A)で200V充電する、というもの。また、走行中も中継用バッテリーがあるのでそこに蓄電が可能、というリッチなシステムでした。
一方、ウチで考えていたのは、100V6Aから充電できるというトヨタの緩速充電ケーブルを流用し、パワコンの停電時の自立運転モードを流用するというショボいプラン。まずは車庫の上にパネルを並べ、それで充電できるか試してみようと思っています。

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⇧MAX4800Wという巨大なMPPTタイプのチャージコントローラー。

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インバーターも200V5000Wという大容量の正弦波インバーター。昔に較べて安くなったらしいのですが、それでも……。

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⇧トレーラーが来れなかったので今回は少ないパネルでのデモンストレーションでしたが、それでもチャージランプが点灯。中継用に十分なバッテリーを積んでいるので少ない量のパネルでも一旦そこに蓄え、クルマの駆動用バッテリーにそこから充電することも可能だったりします。また中継用リチウムイオンは18650(普通は3.7V)の13直(48.1V)ではなく、14直51.8Vで組んでいるとのこと。48Vを超えてしまうけれども48Vシステム用にはこれがベストマッチとのことでした。

■追記■この記事を読んだ宮木さんからfacebookにコメントをいただいたので、ここにも付け足しておきます。

正確に伝える為に付け足しコメントです。
・『…波はね、媒体(伝えるもの例えば地球の場合は空気ですが)がなければ伝わらないのです!…』
→ これは、地球上で伝わる“音”の話しだったから正確には、「音波は空気を媒質として伝わる縦波です。」
くれぐれも地球上では、“電磁波”が空気を媒質とすると誤解しないように。
それで改めて太陽からの電磁波は、真空の宇宙を何を媒質にして伝わってきているのか?という問いをしたのです。この機会にじっくりと考えてみて下さい。

・『…中継用のリチウムイオン電池(鉛蓄電池に比べて同じ容量であれば20倍の放電率)に電気…』
→ 放電率の話しなら全体の容量に対して、鉛蓄電池100%→50%までの放電で、リチウム蓄電池なら100%→20%までは使えるよという話しでした。だから20倍の放電率ではありません。あえて言うと、20倍の充放電速度で出し入れ可能です。
鉛が1/20Cで、リチウムが1C充放電が可能と言う話しだったから、同じ容量の電池でも単位時間当たりに充放電できる電力量が、リチウムが20倍ですと言う話しをしたのです。