Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


マイタケの植菌とマイタケ染めの備忘録

 いー加減とテキトーをモットーとしているわれわれ家族には「リベンジ」なんて言葉は似合わないのだけれど、でも、このところあまりにもコテンパンにやられっぱなしなわけでして……、そんなわけで今回は珍しくちょこっと「リベンジ!?」に挑戦? 
何にコテンパンかというと、マイタケの原木栽培なのでした。雑菌が床に滑り落ちるようにスベスベの上着を着て、頭にはバンダナを巻き、体は中と外からアルコール消毒を行うなど、久しぶりに気を入れて植菌作業をやってみることにしたのでした。

 とは言ってもそれでもかなりテキトー。「マイタケ植菌用の無菌室」なるものが市販されていて、プロはそうしたものを使うらしいのですが、もちろん我が家はそんなものは使いません。失敗の原因は実はほかのところにあるのではないか?と勝手に解釈してしまっていて……秋にきのこの周囲で舞い踊る姿を夢見ながら、今年も懲りずにマイタケの植菌をしたのでした。
 数年前にやったときはまあまあだったのですが、かなり気を抜いてやったおととしは、2〜3株しかでず、さらに昨年はあれだけ手をかけたのになんと1株のみ。仮伏せ中にほとんどの原木が青カビに醸されてしまったのでした。


 備忘録を兼ねて今年の植菌作業を紹介します。まずは玉切りにした原木を、24時間ほど水に浸けます。去年は原木の水分含有量が少なかったようにも思われたので、ここはしっかりやります。

↑玉切りは浸水の直前に行い、ドラム缶の中で浮いてきてしまわないように、オモシにレンガを載せすべての原木を水の中に沈めました。今回使った原木は(伐ってすぐの)クヌギと(昨秋伐採した)コナラ。20個植菌の予定で7列3段組み(7×3=21ですが1個は予備)。
 浸水後24時間経過したら、ドラム缶の下から火を点けて、中の水を沸騰させます。朝の9時から夕方5時過ぎまで連続7時間、他の菌を打ちながらこの日は火を焚き続けました。

↑そして夕方になりドラム缶のフタを開けたところ。湯気が立ちのぼり、中は見えないけれども、原木を引き上げてみると木のタンニンとドラム缶の酸化鉄(サビ)が反応し、原木は真っ黒になっていました。これが原木殺菌の目安、という人もいるようだけど、色づきは酸化鉄の量によるように思われます。
 そしてこの後、袋詰作業に移ります。この部分で雑菌が混入してしまうのではないか?と、去年はあらかじめ耐熱袋に入れた原木を(煮沸ではなく)蒸すという手法で念入りに30時間以上蒸したのですが、それでもどうもうまくいきませんでした。というか壊滅的でした。去年の様子はこちら
 そこで今年は基本に戻り、原木煮沸後、耐熱のビニール袋に入れることにしたのですが、煮沸され熱々の状態の原木をビニール袋にいれることにしました。というのも、一番のポイントは原木の水分含有量ではないかと思っていて、去年の蒸し焼きの失敗は水分が少な過ぎたためではないかと推測しているのでした。

↑てなわけで、湯気がもうもうと立ちのぼり中が見えないドラム缶の中の熱湯の中から玉切りにした原木を拾い上げます。湯気で中が見えないという厳しい状況の中で熱々の原木を拾い上げるのですが、いろいろ試した結果、一番使いやすいのは(木工用の)「キリ」でした。キリの先端でお湯の中を探り、そこに木があることを確認した上で、キリを「ズン!」と突き刺します。ナラ科の原木は意外と重いのですが、キリによる突き刺しは意外と強固で思いのほか、はずれることもなく、原木をもちあげることができました。とは言え、落ちた場合は熱湯が跳ね返ってくるわけで、眼鏡やマスクなどがあった方がいいように思われます(写真では樹皮に挿していますが、木口がBetter)。

↑急いで袋に入れ、口を折り返し、洗濯ばさみで仮止めします。
 そしてその後、原木の温度が20度以下に下がったら植菌。なのですが、外気温は氷点下なのに原木の温度は以外に下がらず、夜中になっても50度を越えてしまっていたので、作業は翌日に。
 庭にあるJRコンテナから屋根裏部屋まで原木20個を運び上げ、発酵食好きの我が家の中では比較的菌が少ないと思われる屋根裏部屋で植菌作業を行うことにしました。息を殺し、無駄な動きをできるだけ少なくしつつ……、このときは真剣だったので、写真を撮る余裕はありませんでした。

↑消毒したレードルに軽くいっぱいオガ金を取り、それを袋の中の原木の木口に載せます。4分の1くらいは原木側面にこぼし、密閉後、底側の木口にオガ金をまわしました。今年は小麦のフスマなどの培地増量剤は入れませんでした。原木を殺菌しても小麦ふすまなどに雑菌が付いていては元も子もないからです。写真は袋の密閉が終わり、袋の外からオガ菌を原木に密着させているところ。

↑マイタケの場合は、オガ菌ポットの入口付近は雑菌に汚染されている可能性が高いので、容器ごと切り取って上の部分は捨てるのがいいそうです。いちおう、その通りにやったけど、捨てるのはモッタイナイので、1個余分にあった原木に普通のビニール袋を使って植菌してみました。

↑左が呼吸穴のある専用耐熱ビニール袋、右は普通のビニール袋にオガ菌ポットのフタをはさんで作った簡易袋。

↑あとは青カビが出ないことを祈ります。
 かなり手間のかかるマイタケの植菌作業ではあるのですが、副産物による楽しみもあります。原木はクヌギとコナラでホワイトオークなわけでそれを煮出した液にはタンニンが多く抽出され、サビたドラム缶で煮込むことでタンニンの鉄媒染液ができるのでした。

↑ドラム缶の中に、染めたいモノをつっこみかき混ぜます。

↑気が向いたらかき混ぜながら、1〜3日ほど放置。写真は毛糸の帽子、かなり濃く染まりました。これにお酢をいれたら浸透性木材媒染塗料になる?

↑厚手の木綿のシャツがこんな色に染まりました。自然のもので染めると不思議と、自然な色になるんだよねぇ。