Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


早春の林からメイプルシロップとウォルナッツシロップを!

窓の外、ちょうど目につくところにカエデの木があるのですが、2月の新月を過ぎる頃、カエデの幹を叩きにアオゲラがやってきます。そしてその穴から樹液が流れ出し、その樹液を吸いにメジロがやってきます。

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人もそのオコボレを頂戴しちょこっと舐めさせてもらうことがあるのですが、ほんのりと甘くて、ふーむ、これを集めて煮詰めたのがメープルシロップなんだなぁ、などとイメージを膨らませていました。
 それにしても、カエデもアオゲラメジロも、月と太陽と地球が一直線上に重なるときの引力の違いの差を感じることができる、ということなのだろうか? 凄いなぁ。

 2月の新月が来るのを待って、カエデの樹液を集めみることにしました(もっと早くから始めていれば、新月を過ぎた次の日から、本当に樹液の量が増えるのか?検証できたのに……残念!)。
 そしていま、樹液シロップづくりにドップリとハマっています。

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⇧なぜかありがたいことに、虫草農園にはカエデの林があったりします。これみんなカエデ。イロハやデショウジョウ(ノムラかも?)、ハウチワなどの種類があるのですが、これまでの感じからすると、樹液の量は、樹種よりも木の幹の太さや土壌の水分の多さに依存しているように思われます。
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 ⇧こちらは、キツツキがあけた穴から流れ出るメイプルウォーター。指にとって舐めてみるとほんのりと甘さが感じられます。概して、キツツキが穴をあけたカエデやクルミは樹液の出がいいように思われます。どの木が樹液を出したがっているか、分かるのだろうか?

 

 ところで、どうやって樹液を採取するか? タケノコニップルを流用したり、金属製のパイプを差し込んでみたり、いくつか試してみたのですが、「幹にドリルで穴をあけ、そこに直接ホースを差し込む」というシンプルな方法が一番いいようでした。

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⇧ゴミや雨が入らないように、一升瓶の頭にいちおう傘を被せてあります。

■樹液採取の方法■
ちょっと可哀想で、木にはたいへん申し訳ないことなのですが、まずは生きた木にドリルで穴をあけます。この時期、カエデの他にも、オニグルミ、スズカケノキ(プラタナス)、あるいは白樺などのカンバ類(キシリトール)、などから樹液が採取できます(白樺はカエデやクルミよりも少し時期としては遅めとも言われていますが)。

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⇧ホースを密着させるため穴は、使用するホースの外径よりも若干小さめのキリであけるのがいいようでした(外径10ミリのホースに9ミリの穴をあけ突っ込んでいます)。また、朝はまだこのあたり氷点下まで下がるので、早めに日が当たって凍った樹液を溶かしてくれるように東に面した幹に穴をあけることにしました(糖度は少ないのでシャーベット状に凍ります)。
 それと、上の写真のように、水平ではなく、少し斜め上に向けてあけるのがいいようです。

 樹液は根から道管を通って吸い上げられ、道管は辺材(=白太)部分に多いことが知られています。そこで同じ木でいくつか穴のあけ方を変えてみて、どこから一番たくさん出てくるか試してみました。
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⇧たくさんチューブをつながれ、ちょっと可哀想だけど、この木は今年伐って、ヒラタケやエノキタケを植えます。日当たりがいい場合、クルミもひこばえが出て切り株は再生されることがあります。
 さて、どんな穴のあけ方が良かったかというと、予想に反して、辺材だけに貫通するようにオフセットして穴をあけるよりも、芯材(幹の中心)に向けて開ける方が樹液の出はいいようでした。中心に向けて、そしてなおかつ少し斜め上方に向け、クルミのように芯材がある木は芯材に届く手前くらいの深さであけるのがいいように思われました。直径30センチくらいの太めの木で3センチくらいであけています。

 接続するホースは、あまり細いと表面張力が働いて、樹液が流れにくくなってしまうので、木には可愛そうなのですが、ちょっと太めで外径10ミリのホースを使用することにしました。穴とホースのスキマから樹液がこぼれてしまうとモッタイナイので、あける穴はホースの外径よりも少し細い9ミリのドリル刃を使ってあけ、そこにホースをピッチリねじ込みます。

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 ⇧この写真では、樹皮の裂け目に穴をあけホースを挿していますが、オニグルミのように樹皮の厚い木では、なるべく樹液を漏らさないためには、裂け目よりもコルク質の樹皮を貫通するように穴をあけた方がいいようでした。

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⇧ビン内が正圧になってしまうと、樹液は流れ出にくくなってしまうので、ペットボトルの場合はホースを通す穴の他に、キャップにエア抜きの穴をあけています。このくらいのサイズの穴であれば、表面張力が働くので雨も入りにくいと思われます(雨が入ってもまあ、このあたりの雨だったら、その後、煮込むわけでそれほど問題なさそうですが)。

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⇧一升瓶を使う場合はこんな感じで、ゴミ&雨よけのキャップを作りました。ホースを通すキャップの穴もホース外径よりも少し細くすると抜けにくく雨も入りにくくなります(ただし今の時期、一升瓶は氷結に要注意です)。

■細い木からの採取方法■

樹液を採取するには、太い木がいいのですが、太い木がない場合でも樹液の採取は可能です。メイプルシロップの本場カナダで、単位面積あたりの収量をあげるやり方として注目されている方法で、細枝を切断し、そこにホースをつなぎ、負圧をかけて収穫する方法です。太い木に穴をあけた場合と比べると、一箇所あたりの収量は少ないのですが、細い木からも収穫できるので圃場面積あたりでの収量では優れているとのこと。

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⇧枝のサイズにあった太めのホースを使用し、ホースの内径よりも少し太めの部分で枝を切断し、そこにホースを接続します。枝の先端を少し面取りしてあげるとホースを挿入しやすくなります。カナダでは樹液が漏れないようにその上からホースバンドで縛っているようでしたが、うまくサイズを選べば、ホースバンドなしでも樹液は漏れませんでした。

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⇧負圧を維持するため、ペットボトルのキャップとホース接続部にはシリコンのコーキング剤でシールをしました。

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⇧負圧をかけるためペットボトルをつぶした状態でキャップを締めます。負圧を得るためペットボトルが少し潰れているのが分かるでしょうか?

■樹液の採取■
樹液の採取には蓋付きのこんなポットがあると便利です。

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⇧大量の収穫があった場合でも、片手でポットを持てるように取っ手にヒモを結び、持ち手を付けました(ヒモは切れたスターターロープ←こんなものまで捨てずに取ってある、で、黒いグリップは廃車から外した燃料ホースです)。

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⇧フタはお皿にもなるので、外したホースに落ち葉などを付着させずに置くことができます。このクルミの大木は、ヒトだけでなく、キツツキやメジロ、それにリスやノネズミにとっても大切な木。みんなでシェアして大切にいただきます。フタのすぐ脇にある穴の空いたクルミの殻はこのあたりにノネズミが棲んでいる証拠。

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⇧ヒトが夜、ベッドでパンケーキを食べる夢を見ている間も、カエデやクルミの木はポタン、ポタンと樹液を垂らし続けてくれます。

 

■シロップづくり■
 集めた樹液は、薪ストーブの上で煮詰めます。

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⇧多い日は3リットル以上の樹液が収穫できるので、ストーブの上には鍋が林立。いつになく、薪もリッチに焚いています。

メイプルウォーターやウォルナッツウォーターは40分の1くらいに煮詰めると、糖度が66度くらいになり、メイプルシロップやウォルナッツシロップになると言われています。4リットルで約100cc。スズカケノキやカンバ類はさらに樹液の糖度が低いので、さらに煮詰める必要があるそうです。

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⇧こちらはもうすぐ、シロップになりそうなメイプルウォーター。煮詰めると褐色に色が付き、部屋に幸せな香りが漂います。

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⇧そしてこちらは、10分の1くらいに煮詰まったウォルナッツウォーター。オニグルミの樹液は煮詰めると、表面に透明の膜のようなものができます。膜ができると蒸発しにくくなるのでときどきスプーンでかき混ぜ、膜を溶かし込んでいます(もちろんそのついでに味見もしています)。

 

 そして完成したメイプルシロップ。

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まさに森の恵み、木の汗と涙の結晶。
気品ある香りのメイプルシロップに対して、ウォルナッツシロップは、ほんのりとナッツの香りがしてこちらもまた絶妙な甘味料、いや甘美料。

毎日、少しずつ量が増えていくのも楽しみのひとつ(食べなければ、ですが)。
早春のこの時期ならではの気品に満ちた甘みと、部屋中を幸せな香りと暖かさで満たしてくれる、早春らしく心をウキウキさせてくれる楽しみなのでした。

2019年のメイプルシロップ採取に関してはこちらから。

musikusanouen.hatenadiary.jp

 

 

反対側に倒れたがっている木の倒し方

もうすぐ2月の新月。2月の新月を過ぎた次の日から、森の木々たちは一気に水を吸い上げ始めるような感じがしています。カエデやクルミの木の幹をキツツキが叩き、小さな穴をあけるのですが、新月を過ぎたその翌日からその穴から樹液を流れ始めるのです。それを目当てにアオゲラのまわりにメジロが集まってきて、その姿がなんともかわいいのでした。そうそう今年はメイプルシロップの採取も試してみたいなぁ。

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そんなわけで新月まであと数日、いつになく真剣に木を伐っています。
とはいえ、木はいつもどの木も簡単に倒すことができる、というわけではありません。
たとえば、このウワミズザクラ。
どう見ても画面左側に倒れたがっています。

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でもこの木の倒れたがっている方角にはビニール車庫があって、その中には、いとしの淑女(フェアレディ)がひっそりと眠っていたりします。

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↑雪の中でも静かにたたずむ淑女さま。そして、右後ろの黒い幹の木が今回伐るウワミズザクラ。

で、こんなときはどうするか? 一番いいのはフェアレディを移動させ、パイプ車庫もいったん片付けてしまうのが一番確実で間違いないのですが、わが家の淑女は、もう10年以上もお不動様なのです。
あるいは、高所伐採の達人であれば、伐る木をロープで確保しながら上から順番に刻んでいくなんてこともできるのでしょうが、若い頃ならいざしらず、体重80kgのいまとなっては木の上で自分の体を自分で確保することもままならない状況。なにか別の方法を考えなければなりません。
ユンボなどの重機で反対側に押しながら強引に伐る、という荒っぽい方法もあることはあるのですが、伐採を侮ってはいけません。以下の動画を見てからは、あまり荒っぽい方法はやりたくないな……という思いを強くしたのでした(ちょっと強烈なので気の弱い人は見ないほうがいいかも)。


TOP FAILS 🔥 KOMPILACJA NIEUDANYCH WYCINEK DRZEW Nikomu nie życzymy takich komplikacji D

そんなわけで今回は、木の様子を見定め、かなり慎重に伐りました。

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まずは外側の枝をできるだけ高い位置で伐ることに。
木の上の方、たとえば全長の半分の高さの位置で伐ることができれば、そこが蝶つがいになって、ぶら下がるような形で周囲の影響を最小限に伐ることができます。
ただし、その場合、切られた木は蝶つがいの位置を起点に振り子のように振れて暴れる可能性があり、それによって脚立を倒されてしまった、人に体当りして来たりすることもあるので注意が必要です。
そこで一気に切り落とさず、人が木から降りた状態で折る方法を試してみました。
まずは切る位置よりもさらに上方にロープを掛けます。
こんな方法もあり、オススメですが、今回は小枝が多かったので12尺(3.6m)の脚立の上から長い竿を使ってロープを掛けました。できるだけ高い位置に掛けたほうが有利です。

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赤い矢印の位置にあるのがロープ。
その後、倒す木の高さの半分くらいのところにある幹に切り込みを入れます。

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↑刃を挟まれないように、赤の矢印、青の矢印の順で切り込みを入れます。ただし青は切り過ぎず、幹が確保された状態を保っておくことが大切。
その後、人は木の上から退避し、下からロープを引っ張って切込みを入れた部分で幹を折る、という作戦です。
脚立から人が降りてからロープを力いっぱい引っ張り、幹を折ります。

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大成功! 
日々の絶え間ない努力で、体重を80kgに増やしておいた甲斐がありました。

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↑左側に張り出していた枝を落とすことができたのでだいぶスッキリ。
でもまだ、重心は左側に傾いています。

でもまあ、これくらいだったらロープで引っ張れば、反対側に倒せるのではないかと、とりあえずロープを掛けて引いてみることにしました。この場合も、できるだけ上部にロープをかけることと有利に引っ張れます。

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↑いつもはクルマで引っ張るのですが、ちょうどいいところにハリエンジュの木がポツンと1本生えていたのでその木に手伝ってもらうことにしました。

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↑伐る木に受け口を切ったあと、980円のハンドウインチを使って引っ張ります。
ハンドウインチは引きしろが少ないので、できるだけ張った状態でセットする必要があり、そうしたとき、任意の位置でフックを掛けられるチェーン(金属の鎖)を併用すると便利です。

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↑受け口を切った後、追い口を少し切ってはレバーで引き、左側に倒れていた木を少しずつ起こしていきます。

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うまく倒れてくれました。ほっ。

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冬の新月近くに倒した桜の木は、ナメコの菌を売ったり、枝でハンガーや棚受けなどを作ったり、薄く輪切りにしてしてボタンや鍋敷きを作ったりして、大切に使う予定です。
そしてこの場所には、単管パイプを使った廃材置き場を作る予定。廃材を上手に使うには、それらを使いやすいように整理して収納できる廃材棚が必要、ということにいまさらながら気がついたのでした。

冬のきのこ、天白・花どんこと原木エノキタケ

今年はまだ雪のない白州なのですが、「明日の午後から雪」との天気予報。
雪が降るまえに、原木上で大切に自然乾燥させていた花どんこを収穫しておかなければ……と、久しぶりにきのこの林に入ったのでした。
そしたらうれしい光景が! 

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短木栽培している原木から、エノキタケがたくさん出ていたのでした。
スーパーなどで売っているエノキタケは白いもやしのようなきのこですが、路地で原木で育てると茶色い立派なきのこになります。

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落ち葉の下、日の当たらないところには、スーパーで売っているようなエノキタケも隠れていました。残念ながらこのもやし状ののエノキは、水に入れてもヌメリはほとんどでませんが、路地で原木栽培されたエノキタケは、水に入れるとナメコのようなヌメリが出て、でもナメコとはまた違った独特のうま味の強い出汁がでるのでした。

元来エノキは冬、雪が積もるとその水分で、雪の下で成長するきのこなので、明日の雪に期待して小さいのは残し、少なめに収穫。

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それでもかなりの量になりました。自然の恵み、ありがたや。
酒の肴には空炒めがオススメです(水洗い後、空鍋で軽く炒めて、醤油、お酒で味付けし、冷やしてから大根おろしと共にいただきます。炒めすぎないのがコツ)。

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↑空炒め。炒めるとエノキからトロリとした液がたっぷりと出てきて、こんな感じ。トロトロになります(このトロトロ感、写真をクリックしてアップで見ると分かるかなぁ)。
でも、やっぱり、エノキはお吸い物が王道。お味噌汁もまた捨てがたい……。

何日か前、春のような暖かな雨が降ったからでしょうか? エノキだけでなくツヤツヤのヒラタケも出ていました。

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アラゲキクラゲも原木上で自然乾燥。

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いつでも使いたいときに水で戻せば、歯ごたえのいい美味しいキノコになってくれるので、アラゲキクラゲは置き場所を取らない良質な保存食だったりもします。

で、肝心のどんこシイタケ。

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「どんこ」は漢字だと「冬菇」。
晩秋から冬にかけて、原木上でゆっくりと大きくなった肉厚で丸みのあるシイタケのことをいいます。
一度乾燥し、再び成長して表面がひび割れたような状態のどんこのことを特に「花どんこ」あるいは「花割れどんこ」などと呼ばれて珍重されています。フカヒレよりも高い値段で高級料亭などに買い取られる、とのこと。でもまあ、乾燥したシイタケは軽いからなぁ。

さらに、ひび割れ後の成長がよくて白い部分の大きな花どんこのことを、天白花どんこと呼び、特に珍重されているそうです。

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↑これはその天白花どんこがさらにもう一度ひび割れして、白い部分が新たに追加されたもの。今年の冬は、厳冬期になぜか暖かい雨が降った日があったので、こんなスペシャルな天白花どんこができたものと思われます。

きのこの原木栽培はたしかに手間がかかります。ホダ木となる木を伐って、葉枯らしで乾燥させ、玉切した後、穴をあけて植菌し、仮ぶせしたり、本ぶせ後も空中湿度を保つような冠水方法を考えたり、たしかに手間だけど、でもやっぱりきのこの原木栽培は楽しくて美味しくて、やめられないなぁ。

なくて、七草?

氷点下の朝が続いています。
周囲に緑色のものはほとんどなくなり、畑も林も、真っ茶色。
そんな中、壷田和宏
さんの土鍋で、ヨンパチをコトコトと55分。
 
すぐに見つかると思ったナズナがなかなか見つからず、寒い中、ちょっと苦労したけど、その分、体に沁みわたる美味しさでした。

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シンプルな料理の方が素材(今回はお米とお塩)の美味しさが分かる、ということを実感。
ここではキャビアやトリュフは採れないけれど、美味しいお水とお塩とお米があります。もしかしたらその方が幸せかもなぁ。

ことしも3万円ビジネス、始動!?

正月休み、時間に余裕ができたので、道の駅のPOPを作りました。
薪をただ玉切りするだけではモッタイナイから、「チェーンソーくず」までも名前を変えて売ってしまおう、というたくらみです。

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端材で箱を作り、自作の「お酢+サビ鉄」塗料で黒染め塗装。
樹種はクルミ(ウォルナッツ)、カエデ(メイプル)、クヌギ&コナラ(ホワイトオーク)の三種類。それぞれの樹種のプレートは、それぞれの樹種の枝でできているんだけど、そんなこと誰も気が付かないですね(笑)。

でも実際、これらでスモークをすると、安いチーズが美味しいスモークチーズに化けるし、イノシシのチャーシューやシカのじゃーキーなどにも少しスモーク臭を足すとより美味しくなったりします。

ひと袋、200円で白州・道の駅できょうから販売。はたしてこんなもの、売れるのだろうか?

2018年お正月のお節料理の備忘録

あけましておめでとうございます。

初詣は、昨年と同じく虫が神様である大滝神社に行ってきました。去年の初詣には居た大事な家族が一匹いないことに、少し寂しさを感じながらの初詣でした。

元旦の朝は、娘がアルバイトだったので、朝食はお雑煮だけ。娘とは小淵沢で待ち合わせをして初詣に行き、夜にゆっくりと家族でおせち料理をいただきました。なにを作って何を食べたか、忘れないウチに記録しておくことにします。
ことしのおせちもいつもながら、いろいろな方からのありがたいいただきものたくさんのおせちでした。

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↑樋口さんからいただいたシャキシャキのレンコンで作った根菜のマリネ。
内山さんからいただいた生で食べてもとっても美味しいキンカンの甘露煮。
沙羅作、海老松風(左端)。
百恵さんからいただいた紅玉と梅の花型に抜いたニンジンのカスで作ったゼリー寄せ。
裏の林からいただいてきた無農薬栗(つまりは虫食い栗100%)の芋抜き(栗だけの)栗きんとん。

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↑さとみさん作、お豆腐とニンジンと鶏の胸肉のテリーヌ。
家にたくさんあるサビクギと共に煮込んでまっくろに煮えた黒豆。
イワシの小魚でつくった田作りアーモンド添え。
内山さんにいただいた柚子たっぷりのなます。

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↑噛みしめるとじゅわーっと美味しい汁がにじみ出てくる種菌から育てたドンコしいたけ入りの煮しめ。でも年末に、ごぼうを掘ることができず、こんにゃく芋も大きくなってきたのだけれど、時間切れでこんにゃくを作ることはできませんでした。
 以前はいろいろなものをできるだけ自給しよう!などと頑張っていたけれども、最近はかなりいい加減。「足るを知る」といえば聞こえはいいのですが、グータラ度が年々あがってきている、とも言えそうです。
 でも、文明はこんなにも進化したのだから、そんなにいつも忙しくしてないで、ヒトはもう少しグータラに生きてもいいような気もするのです。今年の抱負はそのあたりかなぁ、あんまり頑張りすぎない……って、以前からそんなに頑張ってたわけじゃないじゃん、っていう声が聞こえてきそうですが。
 ことしもどうぞ、よろしくお願いいたします。

寒い日の体の暖めかた。

寒い日は、体を中から暖めるのが正解!
とはいえ、アルコール燃料に頼るのは経済的でないし、昼間からだと着実にアル中への道を歩むことになります。
で、田舎暮らしの場合、普通は冬、体を暖めるために薪割りをします。
楽しいし、氷点下の日でもポカポカしてくるし、ついつい食べすぎてしまう冬場のダイエットにもなるし、いいことづくめなのですが、でもまだ、季節としてはちょっと早い。
薪割りは厳冬期用のウォームアップにとっておき、土が凍る前のこの時期のウォームアップにオススメなのは「穴掘り」です。

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↑穴はこんな感じで、入り口は狭めに、中を広めに掘ります。

きょうはこんな穴を10個ほど掘りました。
なんのための穴か? というと、これは、生ゴミ堆肥を活けるための穴です。土が凍りだす前にひと冬分の穴を掘っておく必要があるのです。

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↑あまり深く掘っても、分解されにくくなってしまうので、深さは50センチ前後。写真の穴は、来春、ウネとして使う位置に掘りました。
ここに生ゴミバケツに貯めておいた生ゴミを投入します。

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生ゴミバケツでのプレ発酵は、嫌気発酵がいいので、嫌気性微生物が活性化するためのエサとして米ぬかをまぜ、なおかつ、なるべく空気に触れないようにゴミの上に梱包用のラップ(荷物をくるむために送られてきたものを捨てずにとっておく)を落としぶたのように敷き詰めています。

そして穴に生ゴミを投入。

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(食事中の方ゴメンナサイ )。

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土をさらっとかけ、その土を混ぜるようにしてスコップで撹拌。

その後、埋め戻します。

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最後に、生ゴミが大好きな連中(デッカイのから小さいのまで、この地域にはいろいろいます)に掘り起こされないように、鉄筋メッシュを3分の1くらいに切ったものを少し埋まるくらいの感じで載せておきます。

これでひと穴完成。

日にちを記載したラベルを立ておいたりすると、どのくらいの日数でどんな風になるか、観察できて楽しめます。

果樹の周囲にも寒肥として穴が掘れるうちに掘っておきました。

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ついでにもうひとつ。
これは生ゴミ穴の変形バージョン。

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一斗缶の上蓋、底面共に切り取り、筒状になった一斗缶を半分くらい地面に埋めます。
中はこんな感じ。

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加湿になり缶の中がアメリカミズアブのウジ虫でいっぱいにならないように、モミガラを多めにいれてあります。

土が凍りだす前、こんなこととか(金属加工用の万力を据えるためのスタッド打ち)……、

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こんなこと(小屋の基礎となる凍結深度よりも深い束(ツカ)を打つための穴掘り)なんかを、あわててやっています。

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土工事さえ終わっていれば、あとは土が凍ってからでもゆっくりじっくりできる……なんて思って油断していると、そのうち薪割りや菌打ちに追われ、気がつくと、菜の花が咲きだしていたりするから今年は気をつけないとなぁ。