思った方向に木を伐り倒すために便利な道具

 19日の新月に向けて、相変わらず、伐採&剪定を楽しんでいます。で、伐採の際、使ってみてとても便利で紹介したくなるような道具があるので、今回はそれを紹介させていただきます。
 そしてこれがそれ。なんだか分かりますか? 
 本物はツリークライミングなどで使われる道具なのですが、それを真似して、家にある材料で作ってみました。木の枝にロープを掛けるための道糸を、投げるための道具なのですが、これがあれば、木登りすることなく、ロープをかなり高い枝にかけることができるのです。

 ベースは蛍光色の水糸です。これの片側は、娘が保育園の頃使っていた幼稚園バッグに繋がれています。この保育園バッグちょっと加工がされていて、縁の部分に針金を入れ、写真のように口をぱっくり開いた状態で固定できるようにちょっと改良しました。
 蛍光色の水糸のもう一方の端にはオモリがついています。ツリークライミングの世界ではスローパウチと呼ばれ、市販されてもいるようなのですが、これは娘が乳幼児だった頃の靴下の中にボルト&ナットを仕込んで作ってみました。ホンモノはここで紹介しています。
 どんなときに使うか?というと、こんなときに使います。

 背の高い木が家の近くにあって、それを伐採しようと思うのだけれど、家の方に倒れてもらっては困る、こんなときに使います。
 オモリの部分にキーホルダー用のリングが付いていて、この道具はこんな風に持ちます。

 で、オモリを股の間でこんな風にしてブラリ、ブラリと前後に振って……。

 見定めた枝、目掛けて投げます。

 大成功、見事に狙った枝にからみました。この投げ方、少し慣れてくると、思った以上に狙ったところにオモリを投げることができます。

 木の枝にからんだら、その状態で一度、オモリを地上に落下させ、オモリにロープをくくりつけて、蛍光塗料の糸を引っ張り、ロープを引き上げていきます。今回は水糸用のロープを使用しましたが、乱暴に引っ張ると途中で切れてしまいそうで、もう少し太め直径2〜3ミリくらいのロープのほうが良さそうな感じでした。

 今回は赤の矢印の位置にロープを掛けることが出来ました。しかも一発で。テコの原理で、作用点は高いほど安心で少ない力で引き寄せることができます。

 ロープはまっすぐ引くと、木が引き手の方に倒れてきて危険なので、立木を利用して、角度を変えます。

 角度を変えたら、ロープの端をジムニーの牽引フックにつなぎ、引っ張ります。ひとりが追い口を切りながら、もうひとりがジムニーを運転し、倒れ始めたら一気にバックして、木を引き倒します。チルホールやハンドウインチだと、木が倒れ始めたときに倒れる速度に合わせて一気にたぐり寄せることができないので、引き綱がたわみがちで途中から予想外の方向に倒れてしまう、などいうこともあったりします。
その点、クルマの場合は、木が倒れる速度よりも早くロープを引くことができるので、途中からあらぬ方向に倒れてしまうというトラブルを防ぐことができます。

 今回のこの木は大事を取って、一度に元から切らず、3回に分けて、切り倒しました。被害もなく、希望通りの方向に倒すことが出来ました。

↑今回伐ったこの木は、クリの木なのですが、10年くらいまえにかなりバッサリ伐ったのですが、それでもあっという間に家の屋根を越えるくらいに大きく成長してしまったのでした。

 そしてこちらはエノキ。オオムラサキは幼虫越冬で、根本の落ち葉の下にいます。そこを踏まないように、そして、越冬から覚めた幼虫がすぐに葉を食べられるように、できるだけ枝先(の芽)が残る状態で伐採しました(カッコ悪いけど今年は我慢)。木に登っての高い位置での伐採で、木の上だと逃げ場がないので、確実に思った方向に倒す必要があり、こんなときにも重宝します。

 しかし、それにしてもエノキに付く虫たちは不思議です。オオムラサキゴマダラチョウは落ち葉の下で幼虫越冬(鱗翅目の越冬形態としてはかなり珍しい)だし、テングチョウやヒオドシチョウは成虫越冬(こちらも少ない)なので、冬に枝を強剪定されてしまっても、被害を最小限に留めることができます。
 エノキは一里塚に植えられることが多かったと言われていて、ひょっとすると、冬に木を伐採するという人の暮らし方に沿ってこの木を食樹とする昆虫たちは、遺伝子レベルで淘汰による変化を受けているのではないか? などと思ってしまうのでした。
 遠い外国から化石燃料や材木が運ばれるようになったごく最近こそ、里山の木々は燃料や材として伐採されることが少なくなっていますが、それ以前、少なくとも数千年年くらいは、ヒトは里山の木を伐採しながら暮らしてきました、そして、生物たちもそれに沿って遺伝子を(淘汰により)変化させてきたのではないか? などと空想し、オオムラサキが滑空する江戸時代の一里塚を夢想するのでした。