それだけ自然が豊か、ということなのかもしれません。この地域には自家栽培の農園レストランのさらに上を行く、狩猟採集によって料理を提供してくれるお店や料理人がいたりします。
先日、エコアートプロジェクトのときにいただいた「ゆめげん工房」のイワナ丼もそのひとつ。釣師であり料理人でもある「ゆめげん(You may gain)」のケンさんが、釣った天然の岩魚をスモークしたのち炊いて、それにサンショ、ミツバなどの山の幸をふんだんに盛り付けたイワナ丼です。じっくり時間をかけて炊いてあるので、骨まで美味しくいただくことができました。香りのいいおこげの混ざったご飯にイワナの出汁がしっかりでている「(煮)ツメ」がかかっていて、これがまた美味しいかったなぁ。
と、安易に書いてしまったのですが、昨日のダイアローグカフェのときにケンさんにお会いしたので聞いたら、もっとずっと複雑なことが判明しました。釣った魚をまず一夜干しして、その後、炭火で白焼きし(これによってスモーク臭がついていたのですね)、次に笹の葉と番茶で一日煮込み、その後、お醤油を加えて二日煮込んだもの、だそうです。もの凄く手間がかかっている、だからこそおいしいのですね。
写真を撮り忘れたけど、素朴屋さんのヨモギパン(自家製コムギ使用だと思う)も、ヨモギに負けない田舎パンならでは美味しさでした。イベントでこうした本物の美味しいモノが食べられる、というのもこのあたりで行われるイベントの特徴かもしれません。
↑ゆめげんのおふたり。ゆうこさん、前日は日本の伝統衣装=きもの姿(写真撮り忘れた)も素敵でした。フィリピンの山岳少数民族の子達に見せてあげようという配慮がまた素敵でした。
↑石窯持参のピザ屋さんも。石窯でこがしたオニオングラタンスープがまた、美味しかった。おきを内部に残した状態で焼くスタイルの石窯で、タッパが高いのだけれど、中の薪がよく燃えていて上火の効きのいい石窯のようでした。
↑フィリピン山岳民族の彼ら彼女らは、お米の脱穀(モミスリ)から始めます。
↑ひと組の「きね」と「うす」で、脱穀から製粉までをこなしてしまいます。脱穀の時には先の尖った方を使い、お米をつぶさず擦って、モミを外すと同時にお米を磨きます。
↑その後、風選。唐箕ではなく、これがフィリピン箕。吹いてくる自然の風をうまく使ってきれいに、みごとに風選していました。
↑さらに、一部はそれをさらに突いて粉にします。そしてこのときはキネの平らな方を使います。すると見事に今度は粉になるのでした。キネの両端を用途に合わせて使い分けるという素晴らしい技術と知恵。ちょっと鳥肌が立ちました。
彼女たちものりがいいけど、くじらぐもの愛称「ヒメ(八ヶ岳山岳少数民族のお姫様?)」ものりがよくて素敵!
↑粉になったらそれを練って「ぬかくど」で焼きます。
↑これが完成品。サトウキビを煮詰めた甘くて香ばしいタレをつけていただきます。素朴だけど素材の味が生きていてこれまた本物の味がしました。
フィリピンも山岳地域(今回来てくれたのはルソン島北部のコーディリエラ地方)には(世界遺産の)棚田が広がっていて、古くからお米の文化が根付いている、とのことでした。フィリピンにもモミガラを燃料としたかまどはないか?と尋ねたら、モミガラはないけど、似たような仕組みでソーダストを燃料とするものがある、とのことでした。
Kenさんの岩魚丼のレシピ、Kenさんご自身がワラピオのブログで紹介してくれているので、リンクさせていただきます。こうして映像で見るとやっぱりすごく手が込んでいるんだなぁ、と、あらためて感動したのでした。
http://ameblo.jp/warapiyo-syokudo/entry-11517572836.html