小麦の刈り取りとハサガケの備忘録

「今晩から雨」との天気予報を見て、急きょ、麦の刈取りをしました。

 パンやうどん、それにお醤油を自給する上で、欠かせない小麦ですが、でも、麦の栽培には博打的な要素があります。というのも、日本の場合、刈り取り時期がちょうど梅雨時に重なり、下手をすると収穫前にカビてしまったり、発酵してしまったり、ひどい時には穂発芽してしまったり……。
 麦栽培の教本にも、天候とタイミングによって10年に一度くらいは、全滅があるものと覚悟しておいた方がいい、などと過激なことが書かれていたりもします。そんなわけでプロの農家があまり手を出したがらないのが麦。でも、自給的な農の場合は、その点、少し気楽だったりするのですが……。
 このところ物覚えが悪く、1年に1回の農作業では、失敗してから初めて「そういえば去年も同じ失敗をしたよなぁ」などと思い出す始末。そんなわけで我が家のやり方の紹介がてら、忘れないようにポイントを記録しておくことにします。

 刈取りにはバインダーという機械を使っています(上の写真の青い機械です)。バインダーは刈取りと同時に麦を束ねてヒモで縛ってくれるというとても優秀な機械です。しかもお米と共用で使用可能で、いまはコンバインが主流なのでこの手の機械の中古品は格安で分けていただくことができたりします。
 バインダーをうまく使いこなすことができれば手刈りの10倍以上のスピードで作業を行うことができます。でも結束ミスが多かったり、詰まらせたりしてしまうと、手作業のほうが早いんじゃないか?などと思えてきたりしてしまうのも農業機械だったりもします。
 ポイントのひとつは給油ではないかと思っています。

 悪魔の結束ミス(ひどい時にはせっかく育った麦がグチャグチャにされてしまう)は、うまく茎が切断できず、根っこを引き入れてしまったときなどに起こりがちです。そのためにも刈り刃への給油は不可欠。ウチでは、天ぷら廃油(賞味期限切れのバージンオイル)をペットボトルのスプレーに入れ、水鉄砲状態にして刈り刃やチェーンの部分に定期的に吹きかけています(レバー操作でこうした給油機能のあるバインダーもあるようです)。
 もうひとつ、雑草を多く引き込んでしまうことでも結束ミスは起こりがちです。

 これには上の写真のように、ハンドルに体重をかけ、フロントを雑草の高さよりも上げ気味にして刈ることである程度対処できます。

↑その上で、刈り取りは半時計まわりに、そしてバインダーの爪先は左寄せでギリギリ麦だけを刈る位置で刈り取りします。
 こうすることで、次の列を刈る際、雑草が大量に残ってしまうのですが、その部分は、自走式芝刈機を使って雑草を刈り、粉砕します。

↑次に刈り取る列の麦の際ギリギリのところを芝刈機で刈り、バインダーが極力雑草を拾わないようにします。

↑二台の機械がこんな感じで行き来します。

 もうひとつ、品種の異なる麦は、成熟具合が異なることがあるので、無理して一度に刈り取らないということも隠れたコツかもしれません。今回、ライ麦はまだ成熟していないので次の晴れ間まで待つことにしました。未熟な麦は実が未熟なだけでなく、茎も水分量が多いので切断されにくく、結束ミスにつながることがあるように思われます。
 こんな感じで作業を進めた結果、今回は結束ミス、わずかに2回。それも初期に気がついたので大事にはいたらず、機械から出して手で束ね直すだけでことなきを得ました。
 その後、刈り取った麦は軽トラに積み込み、ハサガケの場所まで運びます。

↑現地で降ろししやすいように、麦の束を回転させ、ヒモで束ねた側を手前にして積載します。
 そして屋根下にハサガケ。これで今後、雨が降ってもカビや穂発芽の心配はなくなります。このあと、1〜2週間ほど乾燥させてハーベスタという機械(これももちろん中古)を使って脱穀
 脱穀後もシートに広げ、土用の強い日差しでカンカンに乾燥させます。その後、製粉機で粉砕し、フルイ機でフスマを分離。これでやっと小麦粉の状態。麦は刈り取り後もかなり手間がかかります。
 粒のまま炊いて食べることのできるお米がいかに優秀か、時間させられます。

 日は暮れ、家の中の灯りが暖かそうに感じられる頃、やっとうどうにかハサガケが終ったのでした。ほっ。