残念ながら現状ではペットボトルのリサイクルは、エネルギー収支でいうとマイナスで、リサイクルさせるくらいなら、可燃材として燃やしてしまったほうがいい(環境にやさしい)との試算もあったりします。
そしていま、ベトナムで注目されているのが、このCM。ベトナムに行くと実感させられるのですが、彼らは米国のことを少しオツムが軽い国、として、軽視しているようなところがあります。コカ・コーラもその分、本気になって考えたのでしょう。
なかなかやるぜ、コカコーラという感じ。
リサイクルではなくリユース。
我が家でもペットボトルをできるだけリユースして使っています(富士見のAコープのペットボトルの回収ボックスの前で、大五郎のペットボトルを狙っている人がいたとしたらそれは……)。
↑大五郎の4リットルペットボトルに、マッコリのペットボトルがピッタリ合います。マッコリのペットボトルは口の部分が細くて長いので農機具のエンジンオイル給油口など、大きな口にもフィット。
↑マッコリのPETで作った漏斗は、こんな風に保管します。虫が入ったりゴミがつかないようにフタを作り、取り外ししやすいように配線コードの半端材でループ状の取っ手を作ります。また、漏斗は写真のようにカルディでもらった紙コップに立てておきます(カルディでくれる紙コップはもちろん、丸亀製麺で食事をした際の紙コップも捨てずに持ち帰りましょう!)。こうして漏斗は立てて保管すると最後の一滴までオイルを紙コップに受けることが出来ます。天ぷら廃油を燃料として使っている人は、これを再濾過して燃料と使用可能ですし、エンジンオイルの場合は、きしんだドアの潤滑用の油に使います(CRC556のような浸透性潤滑剤をドアの蝶番などの潤滑にスプレーする人が多いのですが、浸透性潤滑剤の多くは溶剤分が蒸発するとかえって潤滑性を失ってしまいます。長く潤滑が必要な場合はグリースのような粘度と純度の高い油が適しています。また浸透性の油でもノックスドール700のような無溶剤タイプは揮発することなく長く潤滑剤や防錆剤として使用することが出来たりします。
↑こちらは燃料として使っている天ぷら廃油の残り油。いただいてきた廃油の容器の下の方に淀んでいる部分です。天カスなどが大量に含まれているのですが、この部分も洗って使える部分は使っています。不純物の多い油は写真のように水(またはお湯)を混ぜてペットボトルの中でシェイクします。これは油が水に混ざらないことを応用した洗浄方法。汚れ(の一部)が水に溶け出し、その後しばらく放置すると油と水は分離し、上澄みの油は比較的きれいな状態になります。また、下に残ったヘドロや汚れた油もゴミにはせず、堆肥に混ぜると発酵熱をあげることが出来ます。
菜種でも、ヒマワリでも、エゴマでも、フラックスでもいい……植物から育てて自分で油を絞ってみると、それがとても貴重なものであることが実感できます。
↑これは定番。霧吹きボトルの口を取り付けることで、ペットボトルは霧吹きとして使用できます。石窯でパンを焼くときの霧吹き用、あるいは、エンジンがどうしてもかからない時のキツケ用にエアクリーナー部から吸気ポートに向けて吹き込むとディーゼルの場合はたいてい初爆を起こすことが出来ます。
↑大五郎のペットボトルには、オイルジョッキのノズルがぴったり。こうしてノズルをつければ、ペットボトルはオイルジョッキに早変わり。ペットボトルの漏斗と組み合わせ、4サイクルエンジンのオイル交換のほか、我が家では農機具の燃料給油のときなどにも活躍しています。
↑でも、チェーンソーの燃料の給油やチェーンオイルの給油には、耐油性の紙パックの方が、口が細く出せて使いやすかったりします(写真の右)。赤いプラスチックのキャップのところからではなく、クリップを外して紙パックの角を細くして給油します。
写真左の大きめの紙パックはこの中に、溶剤が入っていて、油性塗料を使ったあとのハケが針金で吊るされています。こうするとハケが固まらず、ハケも使い捨てしなくても済みます。
紙パックは上の部分を開いて使用し、使わない時には畳んでクリップで留めておくと便利です。
でも一番大切なのは、ペットボトルや紙パックをリユースしてみることで、使い捨てされているもののことを考え、手軽だからといって安易に使い捨て商品を買わない、ということなのかもしれません。
たぶんベトナム人はそのあたりをしっかり心得ていて、コカコーラの国にやられてしまわない自信と強かさを持っていたりします。
はて、日本でももしこれを売り出したらどうなるのか? コカコーラにしてやられてしまわないように気をつけないとね。