Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


カブとルンバと新聞ストッカー

 我が家の娘の話……ついこの間、生まれたばっかりだったような気がしていたのですが、なんとあろうことか、クルマの免許を取れる年齢に達してしまったのでした。慌てて、草むらからクルマを発掘し、直していたのですが、ついに間に合わず、免許の方が先に取れてしまいました。
 そんなわけで、父親の愛車であるスーパーカブが略奪され、アルバイト先への足として使われております。まるで自分の愛車であるかのように妙に似合ってしまっているところが持ち主としては悔しい……。

 連載ものの仕事が、やっとひと段落し、これまでに溜まったやりたいことの山を少しずつ切り崩しにかかっています。
 まずはルンバ。家の中で犬を飼っているので夏は犬の毛の掃除がたいへん。そこで掃除機が壊れたのを契機に、以前から欲しかったルンバを導入。それをどうにか太陽光で発電した電気で使えないものか?と思っておりました。
 ルンバの入力電流は直流22.5Vで、以前、測定した結果インバーターを使って一度交流に変換するよりも、DCDCコンバーターを使って昇圧させるほうが、ロスが少なかいことが分かっています。そこでまず、それを試してみたのですが、電圧の値をいろいろ替えてみたりもしたのですが、どうしてもうまく充電できません。
 ルンバは電池がなくなると、障害物にぶつかりながらもどうにかして自力で充電器までたどり着き、殊勝にも勝手に充電をはじめてくれるのですが、DCDCコンバーターだと充電を始めて少しすると、声高々に「チェージングエラー、トゥー」というアナウンスが部屋に響き渡るのです(少しでも安く手に入れるため平行輸入ものを購入したのでアナウンスは英語なのです)。これは推測だけど、どうも、ルンバ純正品の交流から直流に変換する変圧器がスイッチングタイプなので、ひょっとするとこれが充電器としての役目を担っているのかもしれません。このあたりの仕組み、ご存知の方がいたら教えていただけるとありがたいです。
 効率は落ちるけれども、仕方なしに、直流をインバーターで一度、交流に変更し、それを再び純正のスイッチング変圧器で直流に変えて使用しています。

↑右端の黒い小さな箱がスイッチングパワーサプライと記載されているルンバ純正の交流→直流・変圧器

↑ついでに、うしろに写っているのは我が家の新聞ストッカー。セルフビルドで内装仕事をしていると、どうせ壁を作るんだったら収納スペースにしてやろう……というスケベ根性が芽生えます。そんなわけでこの部分のカウンターはすべて収納スペースになっています。下段は新聞用、チラシ用、雑誌用などのストッカーで、上は本箱。ストッカーは底の部分に戸車(安くて丈夫)が仕込んであります。戸車は車輪の径が大きい割りに(掘り込むことで)低くセットできるので気に入っています。また写真のようにサイドの部分にスリットを入れておくとヒモを通すときに便利。戸車を使った新聞ストッカーオススメです。

雷の襲来と独立電源

 かなり切羽詰って仕事をしている最中に、八ヶ岳に入道雲がそびえたち、少しすると猛烈なが襲来。どうも近くに落ちたようです。停電にはならなかったけど、家が揺れるほどのが3発くらいありました。
 これはまずい! いまデータが飛んだら悲惨……とばかりパソコン内のデータを守るため、計画停電以来久しぶりに自動車用廃バッテリーを仕事部屋に運び込みました。廃バッテリーにインバーターをつないで独立電源でパソコンを駆動。これなら電線を伝わって雷がパソコンに進入する恐れはありません。さらに無線ランだと、通信回線(ランケーブル)から雷が入ってくることもないし、とりあえずは快適に仕事ができます(あとはやる気の問題……)。
 でもすべてがうまくいったわけではありませんでした。インバーターで一度、交流に変換するよりも、電圧を変圧してそろえ、直接パソコンにつなげる方がロスが少ないことが分かっています。ところがそれに使うためのDCDCコンバーターの先端プラグがデルのパソコンには合わないことが判明。デルに問い合わせたところ、なんとデルのパソコンの直流入力は外径7.4φと極太(inspiron1501=2ピン)で、機種によっては真ん中にもピンがある3端子プラグ(inspiron1564=3ピン)とのことでした(ワザと従来のものと変えているのだろうか?)。
 かなり切羽詰っているというのに、ついついネットをさまよい、デルに対応するプラグ付きのDCDCコンバーターを見つけてポチッ。

 3280円(送料込み)でした。届いたら、消費全力なども測り、使い勝手を報告させていただこうと思います。などと書いているうちに、いまはもう、雨もあがり、遠雷さえも聞こえなくなってしまったのでした。ああぁ。
 

 ついでに私的連絡。アユミちゃん、シホコちゃん、レオンくん、タイガくん、セイヤくん、それにトモちゃんとキクレちゃんも、村松さんちの庭のクヌギの木がスゴイことになっています。カナブンなんかね、逆立ちしてます。楽しみにね!

超小型太陽光発電所「移動可能なポータブルタイプ」ほぼ完成


 やっとどうにか、移動可能な超小型太陽光発電所が形になりました。これがあれば、畑で好きな音楽を聴きながら農作業ができるし、クワやスコップなどの刃物の研ぎにも電動グラインダーが使えたりします。屋根に固定されたソーラーパネルと異なり、日なたを求めて移動……なんて芸当も可能です。交流100ボルト用のインバーターとDCDCコンバーターの両方を備えているので、交流も直流も使用可能。交流は瞬間出力250Wまで、定格出力は200W、USB電源も取れるのでiPodiPad、携帯電話などの充電も可能。さらにはバッテリーが上がってしまったクルマの救出もできたりします。
 よく尋ねられるのは制作にかかった費用。サビだらけのポモナカートモドキをレストアし、バッテリーは、自動車修理工場からいただいてきた廃棄処分品を再生し、製作しているので、パネルやコントローラーなど実際にかかった費用は約1万円ほど。バッテリーやカートなども全部新品で揃えたとしてもたぶん3万円もかからないと思います。

↑左上の小さな黒いボックスがチャージコントローラー。これでソーラーパネルからの電源を調圧し、バッテリーに蓄えます。ソーラーパネルは電池の一種なので、夜、発電していないときの逆流防止、あるいは過充電防止などの機能を備えています。ドイツ製。
 手前の黒い箱はインバーター。これを使って直流12Vのバッテリーの電源を交流100Vに変圧します。USB充電も使用可能。
 バッテリーは自動車用廃バッテリーを再生したものを3個並列で配線して使用。611のパレードの際、小雨パラつく中、半日以上音楽を鳴らし続けましたが、パレード終了後も問題なく電源を供給してくれました。

↑パネルは角度を調整できるようにしたので、配線は伸びたり縮んだりする必要があります。そのため、スパイラルコードが必要なのですが、芯線が金属製のコードは適当な丸棒に巻きつけることでスパイラルコードを自作することができます。

↑バッテリーターミナルの配線には、自動車用のゴムホースの切れ端を流用。ホースの中に芯線をむいたコードを挿入し、その状態でバッテリーターミナルに押し込むだけ。ゴムホースは絶縁体なので、不注意によるショートやアークを防ぐことができます。だめだぁ〜、睡魔に負けます。続きはまた明日……。

iPodとスピーカーをつなげば、電源のない畑でも音楽を聴くことができます。611のパレードでは、キヨシロウを流しながら、約6キロの道のりを練り歩くことができました。

↑ところで上記のスピーカーの入力電流は直流15Vです。タップに差し込むコンセントの部分がACアダプターになっていて、そこで交流100Vを直流15Vに変更しています。つまり、直流12Vのバッテリーからの電源をインバーターで一度、交流100Vに変換し、それを再びACアダプターで直流(15V)に変更している、ということ。ちょっと直流を一度、交流に変換するのはちょっと無駄がありそう……。

↑そしてこちらは、直流の12Vを直流の15Vなどに昇圧可能なDCDCコンバーターと呼ばれる変換機。こちらを使った方がロスが少なく効率が良い可能性があります。

↑どちらが効率がいいか? 電流計で測ってみることにしました。スピーカーのボリュームを変えず、同じ曲を流して測定してみたところ、直流12VのバッテリーからDCDCコンバーターに流れていた電流は0.11アンペアだったのに対し、直流12VからDCACインバーターに流れていた電流は0.58アンペアでした。交流に変換してしまう方が約5倍、効率が悪くなってしまうということです。ノートパソコンや電話機など、多くの電化製品は直流入力なので、これらの電化製品を使う場合は交流に変換せず、DCDCコンバーターを使った方が、効率がよさそうです。(ただし、インバーターから直流に再変換しているのが、トランスタイプのACアダプターなのでこの部分でのロスが大きいことが予想され、この部分にスイッチングタイプのACDC変換機(パソコン用など)を使うとこれほど大きな違いは出ない可能性はあります)。

↑そしてもうひとつ。こちはらチャージコントローラー。ソーラーパネルからの電気を過充電や逆流させず、バッテリーに蓄えるためのコントローラーです。写真のものはドイツ製で3600円ほどしたのですが、その後、もっと安いインドネシア製(1260円)を手に入れ、同じ太陽光の条件でバッテリーへの出力を比べてみたところ、廉価なインドネシア製のものの方が効率がいい(コントローラーから出力される電気量(ワットの値)が大きい)ことが分かりました。その代わりインドネシア製のものは最大許容量が1Aと低く、チャージコントローラーはパネルの大きさに合わせ、容量が必要以上に大きすぎないものを選択するのが正解のようです。一家に一台、大きなシステムを組むのではなく、その都度、電気を使う場所の近くにその使用電力に合わせたパネルと電池を組むというのも案外、良いのかもしれません。

↑シャコ万力にボルト止めした自動車用フォグランプ。取り外し可能なライトであると同時に、廃棄されているバッテリーが再生可能かどうかのテスターでもあります。バッテリーはただ電圧を測るだけでは優劣を知ることは難しく、高負荷をかけたときの電圧の落ち具合を見るのが正解です。このライトを接続した際の電圧を測って、再生可能な廃棄バッテリーを探すわけです。

 というわけで、どうにか超小型ポータブル発電所の1号機は、ほぼ完成しました。今発売中のオールドタイマー誌119号にも4ページに渡って紹介してあります。詳しく知りたい方はそちらもご覧いただけるとありがたいです。

ちょっとうれしい春のニュース

 庭のサクランボの木に、今年も春の使者、ビロードツリアブがやってきてくれる季節になりました。

↑これがビロードツリアブ。毛が長くふかふかしていて、テディベアのぬいぐるみのような姿ですが、ハミングバードのようにホバリングが上手で、あやつり人形のように空中に止まっていることができるので、ビロードツリアブと和名がつきました。しかもこのアブ、ハナバチ系のハチに寄生し、成虫は春のこの時期にだけ出現するという変わった生態のアブなのですが、個体数は案外多くて、この季節、都会でも見かけることがあります。探してみてください。ズングリむっくり、ホバリングの上手なアブで、サクラの他、スミレ、菜の花、オオイヌノフグリなどにもよく来ています。

 そしてとってもうれしかったのは、この虫(↑)と出逢えたこと。昨年はついに一頭もニホンミツバチを見かけることがなかったのですが、今年は早春、この季節から和蜂と思われる固体と出逢うことができました(胸部に近い腹部の二節が黒いのでニホンミツバチではないかと?)。私にとっては、これは、とってもとってもうれしいことだったりします。今年は待ち箱を複数、仕掛けたいと夢を膨らませています。


 というわけで、やっとどうにか仕事がひと段落しました。なんだかどうにも落ち着かず、出稿がギリギリになってしまったのですが、河川の水質検査にもギリギリどうにか間に合いました。

 ところがこれがちょっとドッキリする結果に。周辺の河川の水を採取し調べているのですが、どこの河川もCODの値がいつもよりも一様に高かったのです。ひょっとして放射性物質の影響では?、……とみんなでちょっとドキリ、としたのですが、電気伝導度や硬度などはいつもと変わらなかったので放射性物質ではなくて、もしかしたら花粉の影響かもしれない……ということになりました。いまの季節、この地では、風が吹くと林から煙のように花粉が舞います。あるいはこの季節は微生物たちが一気に目覚めて活動を始めるので(だから味噌の仕込みはサクラが咲くまで、と言われるのでは?)、その影響かもしれません。
 で、次号のオールドタイマー(4月26日発売予定)ですが、超小型太陽光発電所計画ということで、4ページほど書かせてもらっています(内容はほとんど脱原発の話なのですが)。100%独立型ソーラーでまかなうのは大変だけど、電力会社から電気を買う分を少しずつ減らしていこう!という提言です。写真のシステムだとパネルとチャージコントローラーとインバーター、それに直流をそのままパソコンの直流用に変換するコンバーターと合わせても2万円でおつりが来ます。バッテリーは自動車用の廃バッテリーを自分で再生し使っています(一度電解液を出して極板を洗浄し、その後、パルスをかけて充電する)。このあたりが意外と重要で、ここ数年、パネルの性能はあがってきていて値段もかなり安くなってきたのですが、独立型の場合、蓄電池の耐用年数がエネルギー収支を左右するネックになってしまうように思えます。
 それともうひとつ、独立型(オフグリット)で実際にパネルを設置してみると電気を使う(消費する)のが意外と難しかったりします。天気が良くてせっかく発電しているというのに、バッテリーが満充電になってしまっていると、発電した電気を捨てなければいけないのです。毎日、バッテリーが空になるまで使えれば効率はいいのですが、空になるまで使ってしまうとバッテリーを傷めてしまいます。あるいは使いすぎると、翌日雨が降って電気が足りなくなってしまったなどということもあります。そんなわけでいま、バッテリーの電気が少なくなると、商用電源からの電気に自動的に切り替わるスイッチ(その日に発電した分をほぼ使い切ることができるスイッチ?)の試作をしています。とはいっても、簡単なリレースイッチと電圧を比較することのできるコンパレーターを組み合わせるだけで、できそうなのですが……。

 テレビや新聞などが流す情報はあまりに一方的で、このままではネットから情報をとっていない多くの人は騙されてしまう……と、ガッカリさせられることが多いのですが、それでも少しずつですが、明るい話題も見受けられるようになりました。同じ白州町で、東電から電気を買わず自前の独立型太陽光発電だけで暮らしている友人のところでそのシステムの見学会を行ったのですが(このところ見学希望の方が多くてひとりひとりに対応できなくなってしまったのでまとめて案内することになったのですが)、地元の地域通貨のMLで紹介したところ、あっという間に20人の定員がいっぱいになってしまった!とのことでした。原発に頼らないちょっと不便だけど楽しくて豊かな暮らし、貧乏だけど組織に囲われることなく正しくないことには正しくないと表明できる生き方に興味を持ってくれるひとが、このところグンと増えているような印象があります。ニホンミツバチが戻ってきてくれたことと共に、私にとってはとってもうれしいニュースなのでした。

■超小型太陽光発電所を普及させたい!■


↑移動可能な超小型太陽光発電所?

↑「ルリボシカミキリの青」……いつも見つけるたびに、ハッとさせられます。ルリボシカミキリはなぜこんなにも美しい瑠璃色をしているのでしょうか? 薪を運ぶ手を止め、それを考える余裕のある生活と、スイッチひとつでお湯が供給されるオール電化な生活と、どちらが豊かな生活であるか? それは簡単には比較できないことのように思うのです。

 費用が何百万円もかかる電力会社に売電するようなシステムではなくて「1万円くらいの費用から始められる(自分で作る)超小型ソーラー発電所?!」というのを普及させたい、と、いま強く思っています。そのための材料探しを始めました。この時期なのでソーラーパネルやチャージコントローラーなどは手に入りにくいのですが、でもいまどんどん輸入されているようです。もともと日本はソーラーパネルが得意分野だったのに、原発を推進し、個人による自作を良くないことのように言ってきたのでいまは小型の製品の多くは、残念ながら海外からの輸入品です。
 独立型は構造が簡単だし、自分で理解しながら作れるので、作ることも楽しめると思います。廃バッテリーを使った小型の「おかもちタイプ」なんかもオススメです。そうやって苦労して自分で作った電気は、それを使うにしてもなんともいえない喜びがあったりします。作ることを自分でやってみると、それを使うのも大切にする気持ちが生まれると思うのです。

↑●インバーター:直流電流を交流電流にする装置で、これがあると自動車用のバッテリーから家庭用の100V交流電流を取り出すことができるようになります。でも交流にコンバートせずに直流のまま使えば変電ロスもないし、それもいい方法だと思います。12Vのシステムであれば自動車用の製品が使えるわけです。

↑●ソーラーパネル:最近は高性能なパネルが安く手に入るようになってきました。5000円で5ワット程度の新品、しかもそれが発電能力に優れたアモルファスタイプ(曇天の日や蛍光灯でもある程度発電できる)を手に入れることができたりします。中古も増えてきて、1万円くらい出すと50ワットくらいの大容量のものが手に入ってしまったりします。あ、でも、最初から欲張らないことも大切です。
●チャージコントローラー:ダイオードの入っていないパネルの場合は、夜などパネルが発電していないとき電気が逆流してしまいます。また、過充電を防止したり、太陽光が強すぎて電圧が高すぎる場合にそれを調整したりする必要があります。そうしたことを調整してくれるのがチャージコントローラーです。以前はとても高価でしたが、最近はこれもとても安くなってきました。小型のものであれば1000円以下で手に入れることができます。
閑話休題■自作溶接機
 
↑充電された自動車用バッテリーが3つあって、それを直列でつなぐと36ボルトの電圧を作ることができ、36ボルトあるとアークが容易なので鉄の溶接ができます。バッテリー溶接機はベースが電池なので、突入電流が大きく取れるので100Vのアーク溶接機よりもはるかに使いやすい溶接機だったりします。鉄の溶接ができるようになると、工作の範囲がぐっと広がります。自給的な暮らしがますます楽しくなったりします。いつかこのあたりのことも、ぜひ紹介させていただこうと思っています。

 放射線のように目には見えにくいことだけど、もしかしたらボクたちは、エネルギー会社にお金を上納するするために働かされているのではないかと思うことがあります。このこともいつか具体例をあげてしっかり紹介したいと思っています。衣食住と共に、エネルギーの地給知足は、とても大切なことだと思うのです。しかもこれらを実際にやってみると、とても面白くて楽しいことだったりします。たしかにこうした自給エネルギーは少し不便なところがあります。薪は伐ったり割ったり乾かしたり運んだり、天ぷら廃油自動車も廃油を集めたり、ゴミをろ過したり、エンジンに熱交換器を取り付けたり……確かに不便なことは多いです。
 昔のような不便な生活にはもう戻れない、というひとが多いのだけれども、でも実際にこうして不便ながらもエネルギーの地給知足を実践してみると、不便なことは不幸なことと同じではない、ということに気が付きます。薪作りはたいへんだけど楽しいのです。
 薪棚に薪を積んでおくと初夏、ルリボシカミキリという美しいカミキリムシが羽化します。心に余裕をもち薪仕事をすることができると、長い時間かかってルリボシカミキリは人の生活に寄り添うようにその生態自身を遺伝子レベルで変化させてきたということに気が付きます。それを進化といういう人もいるけれど、それは長い長い時間がかかっての淘汰による変化、ある意味、長い時間を経過した末の物理的な変化であると私は思っています。しかし我々の生活はここ100年くらいという(生物学的にはもの凄い)短い時間で猛烈に変わってしまいました。石油という便利な化石燃料を手に入れたことで我々の生活は猛烈なスピードで変わってしまいました。その変化のスピードはあまりにも急激過ぎて、人の生活に寄り添って生きてきた生き物たちは生きていくことができなり次々に絶滅の危機に瀕しています。
 メダカもそうだし、ホタルもそう、オオクワガタも、ひとが稲を育てるようになって(田んぼに刈敷きを行うようになって)あのような立派な姿に変化した、と言われています(八ヶ岳在住、山口進さんが書かれた「米が育てたオオクワガタ」は素晴らしい)。ひとが急激に生活を変えてしまうと、自然の生態系のバランスを支えている生物の多様性が失われてしまうのです。
 地元にある食堂で、勇気を出して天ぷら廃油を分けてもらえないか?と尋ねたら、それが素晴らしい多くの出会い発展したなんてこともあったりしました。
 生活が不便になることは決して、生活が不幸になることと同一ではないのです。生活が不便になるということは、それだけていねいに暮らすことができるようになるということ。「ひとが暮らす」ということを原点に戻ってていねいに実践してみると、なぜだかそれはとても面白くて、豊かな気持ちになれるのです。そしてこの感覚は途上国と呼ばれる国に行くたびに感じることでもありました。


↑以前取材させていただいた浦田式「小型太陽光発電所兼太陽電池自動車」。移動可能で角度も調節できるので、効率よく太陽光を受光できる。家庭配線につなぐことで家庭に電気も供給できる。できるだけ太陽光で発電した電気を使用し、バッテリーの電圧が低くなったら、電力会社からの電力に切り替える、という方式。
 でも、浦田さんはこんな大きなものを作るのではなく、小型のものをたくさん作るほうがいい、とおっしゃる。今回の原発事故があり、久しぶりに浦田さんとMLを通じて情報を交わしました。浦田さんによると「高価な1500ワットのインバーターをひとつ買って運用するより、安価でシンプルな120ワットのインバーターを4個買って家電単位で独立系にすることを勧めます、とのこと。そして「みんなでどんどん自家発電をやって、原発を倒産に追い込みましょう! 」との熱いメッセージをいただきました。


↑超小型太陽光発電所、やっとどうにか形になってきました。直流を交流に変換して使用する方法と、直流をそのまま変圧して使用する方法(パソコンなどはこの方がたぶん正解)両方使えるようになっています。

計画停電時の非常用電源の自作方法

 問合せをいただいたので、計画停電時の非常用電源にしぼって具体的に書きます。
■必要なもの■ ①バッテリー、②充電器、③インバーター、基本はこの三つです。
■仕組み■ 自動車用のバッテリーを電源として、停電していないときにそのバッテリーを充電しておき、停電したらそれにインバーターと呼ばれる変換機(直流の12ボルトを交流の100ボルトに変換してくれる)をつないで、そこから電話機やモデム、パソコンなどの電源をとります。
 電話とパソコンとネット環境が確保できれば、ユーストリームでテレビも見れるし、各種の情報を得ることができる、情報を得る手段が確保できていれば、精神的な安心感をえることができる、それが最大のメリットではないでしょうか? 
[
]■必要なものの補足■

①バッテリー。自動車用のバッテリーがお勧めです。とりあえずは1個あれば十分です。足グルマのバッテリーをはずしてしまうとその間、クルマが使えなくなってしまうので、セカンドカーがあれば、そのバッテリーをはずして家の中に持ち込むのがいいと思います。あるいは配線が届けば、使っているクルマのバッテリーをはずさずに使う方法もあります。
 ホームセンターや自動車量販店などからも新品バッテリーを買うこともできますし、自動車の解体屋さんや金属を扱う廃品回収屋さんなどにも中古バッテリーがあったりします。いずれにしても買い占めないようにしてください。中古バッテリーが使えそうなバッテリーかどうかを見分けるポイントは、液が適量入っていること。ケースの側壁(正面ではなくサイド側)が大きく膨れていないこと(少し膨れ気味くらいなら問題ありません)。

②充電器。自動車用の12Vバッテリーを充電するための充電器です。持っていない方は、ホームセンター、自動車用品量販店、アマゾン、楽天などで手に入れてください。高価な急速充電器ではなく、満充電まで時間がかかるけれども値段は安いタイプの方がバッテリーのためには優しいです。自動車用の鉛蓄電池は高い電圧で急速充電させると傷みます。またバッテリーは過充電をさせてしまっても傷むので、できれば過充電防止機能付の全自動充電器(上の写真のタイプ)というのがオススメです。トランスを使うタイプよりもスイッチング充電タイプのほうがバッテリーにもいいし、熱に奪われないので節電にもなります。

インバーター(コンバーター、変換器)。直流12Vの電気を交流100Vに変換するための機械です。これもホームセンター、自動車用品量販店、アマゾン、楽天などで売っています。さまざまなサイズのものがありますが、あまり欲張らないほうがいいと思います。12Vの自動車用バッテリーひとつを電源とする場合は小型のもののほうが変換に無駄な電気を使わずにすむので良いように思います。できれば写真のようにワニ口が接続されているものの方が屋内では使いやすいですが、シュガライターアタッチメントを使ったり、線を切り被覆をむき、充電器のワニ口ではさむなどで対処できます。

■注意しなければいけないこと■

■とても重要■鉛蓄電池(一般的な自動車用バッテリー)は、充電時に正極から水素が発生します。そのため電極が電解液に浸っていない状態だと、空気中に露出した電極部分で火花が発生する可能性があり、それによって水素爆発を起こす恐れがあります。これはシャレになりません。希硫酸が飛び散る可能性があり、とても危険です。特に中古バッテリーを使用する場合は、電解液がレベルゲージのLOWラインの上まで入っていることを必ず確認してください。

●逆接続をしないということにも注意が必要です。上の写真のようにペイントペンでプラス側のターミナルポストの上部を赤くペイントしておくと、間違いを防ぎやすいと思います。配線は普通、プラスが赤、マイナスが黒です。
●静置型バッテリーの弱点に、内部の希硫酸の濃度が上と下で変わってしまうということがあります。その点、車載されているものはクルマの振動で揺らされるので問題ないのですが。内部の希硫酸が飛び散らないように注意しながら、できればときどきバッテリーを揺すってあがるといいと思います。山小屋に静置されているバッテリーなどは各セルの下部からエアを入れ、ときどき内部の電解液を拡販できるように改造したら、バッテリーの持ちがすごく良くなったとの話もあります。

■超小型太陽光発電所?■

 下の写真は、かなり前、10年くらい前だったかなぁ、太陽光を使った独立型の超小型ソーラー発電システム?を作ったときのものです。鉄の溶接や、バッテリーが上がってしまった車両の始動、小型のエアコンプレッサーによる空気入れなどなど、欲張って多用途なシステムにしてしまったために、バッテリーをたくさん積んでいますが、計画停電時の非常用電源ということであれば、こんなにたくさんのバッテリーは必要ありませんし、ソーラーパネルも不要です。

↑この種の独立型発電&充電池があると、電源がないところでもある程度の電気製品を使うことができます。避難所などでは重宝するかもしれません。インバーターの性能によりますが、写真のような電動工具も(短い時間だったら)使えたりします。12Vのバッテリーが3つあると、鉄の溶接もできます。バッテリーは重いので、こんな風にカートに乗せると移動可能でとても便利です。
 小さなものでもソーラーパネルがあると、晴れた昼間、それを使って蓄電することができます。このソーラーパネルは20年以上前に個人輸入したもので、いまのものに較べると性能はかなり劣るのですが、でもいまだに使用可能です。太陽光発電は、静かで安全で、製造後、少なくとも20年以上廃棄物をまったく産まないサスティナブルな発電です。そしていまはこれとほぼ同じものが日本のホームセンターでも売っていたりします。とはいえ、このソーラーパネルだけで大量の電気を使うのは難しいのですが、3時間くらいの停電だったら節約すれば、どうにかなるように思います。いずれにしても足るを知る、ということが一番大切かも?
 計画停電の場合、電気が使える時間帯もあるわけだから、足りない分はその間に充電器を使っておくという方法をとることができます。3時間くらいならクルマ用の12Vのバッテリーひとつでもかなり意外と使えます。
 下の写真がいまウチで使っているシステムです。12Vの(解体屋さんに廃棄されていた)バッテリーひとつで、計画停電の3時間を十分に乗り切っています。停電中に使っている電化製品は、パソコン、モデムと無線ルーター、電話機 それにときどき、白熱灯型蛍光灯。ネットが使えるとユーストリームを見ることができるわけで、停電中もテレビからの情報を得ることができます。停電して初めてわかったのですが、今回の災害の場合一番の恐怖は情報が入ってこないこと。被災し情報から隔離されてしまった人たちはさぞや不安だったと思います。

 このシステムの場合、100Vの電気製品を使うには、直流12ボルトを交流100ボルトに変換してくれるインバーターという道具を使います。これもホースセンターの自動車用品売り場や自動車用品の量販店で売っています。かなり品薄になりつつありますが、アマゾンでもまだ売っています。
 肝心のバッテリーですが、これは自動車用の12Vのバッテリーが手軽でオススメです。ホームセンターへ行っても新品のバッテリーはもうなかなか手に入らないかもしれませんが、でも新品である必要はありません。普段乗らないセカンドカーがあれば、そのバッテリーが最適です。解体屋さんで分けてもらった廃棄バッテリーでも十分です。すぐに放電してしまうバッテリーを再生する方法もありますが、それはまた別の機会に紹介させてもらいます。
 ソーラーパネルでの発電だけで間に合えばベストですが、今回のような場合、停電していない時間にバッテリーを充電しておくというのもよいと思います。充電器はもう売っていない可能性がありますが、パソコン用のコンセントなど日用品で流用できる場合もあります。途上国のひとたちなどと較べると、われわれはものすごくたくさんのものに囲まれて暮らしています。断捨離などといって使わなくなったモノを簡単に捨ててしまってはいけない、だったら最初から買わない決断をするべき。お店にモノが売ってないからとあきらめないでください。アイデア次第で身近な日用品でなんとかできることがたくさんあります。
 災害関連の情報のURLを整理して紹介してくれているサイトは増えているので、このブログでは今後は上記のような災害時に役立ちそうなアイデアなどを紹介させていただきたいと思います。