Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


ニホンミツバチの採蜜 虫草農園流

「了解! じゃあ、今度そのあたりの詳しいところ、ブログに書くね」とかなんとか調子のいいことを言っておきながら全然書けてないわたなべです。すみません。ゴメンナサイ。

ということで今回は取り急ぎ、ニホンミツバチの採蜜、虫草農園流について書きます。

今年は異例の長梅雨&冷夏とはいえ、そろそろ梅雨も開けそうで、気温があがってしまうと巣落ちの危険性もあるので、夏に採蜜を行う場合はいまが最後のタイミングではないかと思っています。
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また、ニホンミツバチの採蜜に関しても、いろいろなやり方があると思うのですが、ここで紹介するのは虫草農園我流。
もっとこうしたらいいよ、というのがあったらぜひ、コメントなどで教えて下さい。よろしくお願いします。

■必要な道具■

●スクレッパー(マイナスドライバーでも代用可能) 2個か3個
●0.3~0.5mmくらいの細い(ステンレスの)針金 できれば両端に木っ端を付ける。

●送風機(マキタの汎用コードレスを使っていますが、ドライヤーの冷風でもいいと思います)。

●面布 amazonで購入した中国製が風通しが良くて気に入っています。私が買ったときは中国からの送料込みでなんと600円台でした。

●薄手の皮の長手袋 これもミツバチ先進国、中国のものが安くて優秀です。
●(メントールなどを置くための)メッシュ。100均で売っている鉢底用の樹脂のメッシュを使っています。
●メントールの結晶(アカリンダニ対策) amazonから購入
●ダニよけシリカ(薬局量販店から購入)

●重箱を入れる大きめのタッパウエア(アリなどが入らないように密閉できるもの)
●タッパウエアの中で重箱を浮かせておくためのアミ(100均から購入)

●洗濯ネット(60×60cm) 100均から購入

●洗濯ネットを止める洗濯バサミ

●鳥の羽毛

●巣箱を載せておくコンテナ 大小計3個

●パン切り包丁

必要なものは、こんなところかなぁ。

■採蜜の準備■
蜂に嫌われたくないし、なるべく手際よく短時間で行いたいのであらかじめ、巣箱の近くに準備しておくものがあります。
ひとつは外した重箱を入れるためのタッパウエア。写真のように重箱が浮く感じでスペーサーをセットし、その上に洗濯ネットを広げ、中側に折れ込んでしまわないように洗濯ばさみで固定しておきます。

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ウチでは採蜜と同時に継ぎ箱も行うので、継ぎ箱のための箱もあらかじめ用意しておきます。

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継ぎ箱用の箱の側面には連結用の板をあらかじめつけておくのですが、これがピッタリだとうまく置けないので、連結用の板はすべての固定ビスを緩め、連結用の板がじゃまにならないように少し外側に広げておきます。

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⇧こんな感じです。

ここまで準備できたら、巣箱を外に引き出します。置いてある場所の周囲のクリアランスが大きくてインパクトドライバーが使えるのであればその必要はないのですが。

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⇧作業がしやすいように、まずは薪棚から外に引き出します。でもこれが結構大変。重箱4段ビッシリだと、20kgくらいはあるのです。

私の場合は、採蜜の前に継ぎ箱をします。
そのために一番下の巣門部分と重箱を切り離します。この部分はネジ止めなのでネジをゆるめて切り離します。たいていはすんなり外れますが、もしも巣門がくっついてくる場合は、巣門をクランプなどで留めておきます。

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⇧このときは、上4段を黄色いコンテナに置いてしまっていますが、手前にある継ぎ箱をコンテナの上に置いておき、そこに重ねればひと手間稼げるし、巣が4段目よりも守門側に張り出してしまっていたとしても安全です(あとで気が付きました)。

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⇧ウチの巣箱は巣門の底板には夏用にハチが出入りできないサイズの金網が貼ってあるので春の継ぎ箱時に底板の一部を取り外します。
と同時に、スムシなどをスクレッパーを使って清掃します。
ここでスムシの掃除をしなくてすむように、継ぎ箱をセットした新しい巣門を用意しておいて、巣門ごと変えてしまう方法もあるのですが、なんとなくそれだとその後、ハチたちが少し戸惑う感じがあるので、最近は掃除をすることにしています。

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⇧巣門の上に継ぎ箱をセットし、その上に4段を載せます。そんなわけで一時的にですが、重箱は5段になります。
また箱を載せる際、ハチを挟んでしまわないようにゆっくりと降ろします。
その後、ズレてしまわないようにビス(コーススレッド35ミリスリム)で固定。

次に採蜜の作業にかかります。

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⇧まずは、箱本体のフタをとります。

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⇧次にスノコ状に作ってある内フタを外します。巣がくっついているので、間にスクレッパーを刺し、それでできた隙間にステンレスの細い針金入れ、針金で内フタと箱との間(の巣)を切ります(陶芸で粘土を切る容量)。
ステンレスの細い針金は、写真のように両端に木の木っ端をつけておくと作業性が上がります。また切れやすいのであらかじめこの針金木っ端は2セットようにしておくようにしています(以前、切れて困ったことがありました)。
また、巣に対して針金が直角になるように巣の向きを考えて切ると切りやすくキレイに切れます(特に箱の下を切るとき、そうしないと切り口が崩れてしまうことがあります)。

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⇧針金で切ったら、内フタを剥がす前にフタの上を30回くらい軽くノックし、一番上の箱にいるかもしれないハチを下に移動させます。
その後、内フタを剥がし、すかさず送風機で風を送り込み、ハチを下の方に移動させます。あまり強くすると表面の蜜が流れて下に落ちてしまわない程度に。

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⇧ハチが下に移動したら、一番上の箱をスクレッパーと細い針金で切り離します。送風機を使うようになってからこの部分でハチを切ってしまうこともなくなりまた、取り外す箱に残ってしまうハチもかなり少なくできるようになりました。

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⇧あらかじめ用意しておいた洗濯ネットを敷いたタッパウエアに巣箱を入れます。洗濯ネットはゴミが蜜に混ざらないための1回目の濾過用です。
ハチがこちらに集まってきてしまわないように軽く蓋をしておきます。

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⇧残った4段の箱の上に冬用のダンボールを外したメッシュ状のスノコを載せ、その上にメントール(ハッカ)の結晶(amazonなどで売っています)とダニよけシリカ(ハーブが主体のダニよけ効果があると言われるシリカゲル乾燥剤)を載せます。
どちらが効果があるのか分からないのですが、アカリンダニ対策として少しずつ両方載せています。


⇧あんまりamazonを多用したくないのだけれど、この手の特別なものは普通の薬局では置いていないことが多く、居ながらにして翌日届いてしまうamazonに頼ってしまいがちです……。

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⇧その後、上ブタをかぶせて巣箱の方は完了。

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⇧切り取った箱にはハチが入ってしまっている可能性があるので、風を送るなどしながら点検します。蜂蜜で動きが悪くなってしまっているハチは鳥の羽根で移動させます。鳥の羽根は蜂蜜がつきにくく、このときとても便利です。
でも送風機を使うようになってからほとんどハチは入らなくなりました。

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⇧蜜巣のフタをパン切り包丁を使って切ります。ウチの場合は巣落ち防止棒が井桁状に4本入っているのでそれを切ってしまわないようによけながら切ります。
蜜巣のフタを切ると、下にハチミツが垂れだします。
この状態で一日以上置き、重力に任せた状態で落ちてきた蜜がフリーランです。

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⇧タッパウエアの下から3分の1くらいのところに10ミリの穴が開けてあって(普段はコルク栓をしている)タッパを斜めにしてその穴から、ハチミツ濾過用のかなり細かなメッシュで濾過します。
ここで使っている濾過用のメッシュはこれ。かなり細かなメッシュで落ちるスピードはゆっくりですがこれで不純物はほとんど取れます。

⇧中国からの発送なので時間はかかりますが、コストパフォーマンスはいいと思います。でも2個入りとありますが、351円は1個の値段のようです。

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⇧その後、糖度を確認し80度前後であれば、ビン詰めして完成。

このあと加熱蜜を採取したり、蜜蝋を取ったり、糖度が足りない場合に水分を蒸発させて糖度をあげる作業などがあるのですが、ここではちょっと書ききれないので今回はここまで。そのあたりのことも、またの機会に書きたいとは思っています。

在来種である和蜂のハチミツは洋蜂と比べて量がたくさん採れないので高価で、しかも売り切れのことが多くて申し訳ないのですが、虫草農園でもいちおうニホンミツバチのハチミツ販売しています。よろしくお願いします。
https://musikusa.stores.jp/