Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


命を賭して「東京放棄」を回避した男のこと……。

 今回の原発事故はギリギリのところで、実はこれでもまだ運が良かったのではないかと思っています。メルトダウンはしてしまったけれども、現場の作業員の方たちの決死の努力でベントは間にあい格納容器の爆発はまぬがれました。彼らが死を覚悟の上で頑張ってくれなかったら、そしてもしあの時、東電保安院のいいなりであったであろう自民党政権だったら……「東京放棄」に至っていた可能性はかなり高いと思います。
 東京放棄どころか、1Fの6機にあの状態で近寄れなくなってしまっていたとしたら、第二も、女川も東海も……考えたくなりことではあるけれど、現実問題としてそれを認識し、命を賭して、危険を顧みず、いや危険であることを十分知りながら作業を続けてくれた人たちがいたことをいまも忘れてはいけないと思います。少なくともいま、東京や山梨にこうして暮らしている我々は、忘れてはいけないことだと思います。

 吉田祐一さんにとって、昌郎さんは年の一番近いいとこでその頃から昌郎さんは「お兄ちゃん」的な存在だったそうです。祐一さんからのメッセージを転載させていただきます。

             ・           ・
 先週昌郎さんの見舞い行ってきましたが、そのご報告。個人の健康のことであるので、あまりこと細かくレポートするのは控えさせていただくが、一部報道もされてるので、現状を簡単に書いておきます。

昨年末に食道ガンが発見されたあと(本人曰く「ステージ3」) 手術のため入院(このとき福島第一原発所長を退任)。3月にいったん退院のあと、4−5月に抗ガン治療のため再入院、6月に退院し、自宅療養をしながら再起を図っていました。7月には福島現地の集会のためにビデオメッセージを発信したり、現場の当時の状況を本の出版により伝えるための取材に応じたりしていましたが、そのときに脳梗塞を発病し緊急入院。
現在はリハビリのための病院に転院し、回復のためにトレーニング中です。

今回見舞いにいったとき、少し話しもできましたが、まだまだ回復には時間がかかりそう・・・・でも奥さんによると「だいぶ良くなってきた」そうです。

本人も、あの事故について語り尽くしていないだろうし、何よりも事故そのものが収束していないのだから、世間に対してもいろいろ発信したい想いでいっぱいだと思います。

7月に倒れる直前に取材を受けた ノンフィクションの本が出版されています。(昌郎さんだけでなく、多くの現場最前線で戦ってくれた人たちに取材して書かれています)
門田隆将さん著 
『死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発の五〇〇日』
です。

見舞いに行ったときこの本を一冊もらいましたが昌郎さんが病床で言っていたのは「この本は本店の連中に、読んでもらいたい」ということ。・・・それだけ「現場はこういう状況だったんだ、本店の社員はそれを腹に据えて事故収束のために働いてくれ」という想いでいっぱいなんだと思います。

同時に、今年3月に見舞いに行ったときに言っていたのが「これから事故収束に働けるベテランの現場作業員が(被爆により)足りなくなる。ヤクザとかが作業員の派遣にからんできたら大変になる」という趣旨の心配をしていまた。・・・・事実現状がそうなりつつありますね。

本人が健康なら、もっと前面にでて色々語ってくれるのだろうと思いますが、現時点ではこの本が一番現場の状況をリアルに伝えてくれていると思うので、是非読んでみてください。

見舞いからも帰路高速バスの中で一気に読みました。
政府事故調査委員会の調査報告書は事実をかなり忠実に調べて書かれていますが、このノンフィクションは政府事故調が書き表せなかった「現場の叫び」を再現してくれています。

あの原発事故は本当に最悪に近い現状ですが、それでもどん底どん底に落ちる1歩手前で食い止めたのは、昌郎さんはじめ現場で戦ってくれた皆さんの機転と努力があるとつくづく判りました。
僕がいう「どん底どん底」というのは、激しい核爆発が連続し福1だけでなく、福島第2発電所も、東海村原発も運転員が放棄せざるを得ないような大事故ということです。

冷却用の全電源喪失に至ったとき、現場運転員の共通認識は「とにかく冷却水を入れて冷やす」ことだったようで、当直の運転員の人たちは震災(津波)後の極初期の段階で水を炉内にいれるためのラインを必死で工作しています。
また、吉田所長は消防ポンプを直列につないでの送水が必要になることを予見し、事故直後から自衛隊や関係機関に消防ポンプの出動を要請し、これが実際に冷却作業で最大の功を奏しています。

「闘う武器がなんにも無いときでもあきらめない」現場の底力というものを感じました。

いまこうやって、FBであれこれ書くことができるのも彼ら運転員・作業員の献身的な努力があったからこそです。
彼らの努力の上に、この震災後2年弱の極めてもろい「安定」が保たれているにすぎません。
福一の現状は全然収束していないうえに、4号炉の使用済み核燃料棒プールのキケンさも震災直後からいっこうに改善されていません。手がつけられないのです。
現時点でまた大きな地震があったら、「東日本壊滅」の状況はそのままなのです。

いま、総選挙で原発の扱いが焦点の一つになっていますが、ともすれば原発の事故を「隠そう」とか、「あれは終わったこと」にしたいといった原発推進者・大手マスコミの目くらましに騙されないで、賢明な選択をしてもらいたい と思います。
(以上転載終わり)