自然の色彩構成は、なんでこんなにも美しいのでしょうか?……秋はそう思う機会が特に多いような気がします。
赤く紅葉したハート型のツタ。黒褐色の樹皮に生えるアイボリーホワイトのカビ、そしてクリの木の茶色混じりの黄葉……、人が秋にロマンチストになるのは、これらの色彩構成のせいかもしれませんね?
ところでロマンチックのカケラもない話で恐縮なのですが、先日紹介させていただいたMさんのガイガーカウンターですが、GMカウンターの音声出力から信号を拾い、それをiPhoneのイヤホンジャックからiPhone用のアプリ「ガイガーbat」に入力するというものでした。で、その無料で使える自作測定器のためのアプリ「ガイガーbat」をチェックしていたら、もっと原始的な方法があるのではないか?と思い実験してみました。
Mさんの方法では音声出力を、ラインケーブルで拾っているのですが、それをiPhoneのマイクで代用できないか?という試みです。ウチにあるのは音楽プレーヤーであるiPodタッチなのですが、iPodタッチでもアップルストアから無料でガイガーバットをダウンロードすることができ、iPhoneと同じように使えることがわかりました。ちなみにプアマンズアイフォーンとも呼ばれるiPodタッチハードですが、これはハードさえ手に入れれば月々の基本料金が一切かからない上、高速パーキングなどのフリースポットではスカイプ(無料電話)やネットがタダで使うことができます。
さて、その無料のアプリ、ガイガーバットですが、まず最初は、ケースの外側においてケース内のスピーカーの発信音を拾おうとしたのですがうまくいきませんでした。そこでケースを開けてGMカウンターのスピーカーの近く(「ジ、ジジ、ジ」と音がしている近く)に、iPodタッチのマイクを持っていくと、それなら放射線の受信音をうまく拾ってくれことがわかりました。
↑そこでマイクがケース内のスピーカーの音を集音しやすいようにケースに穴を開けてみることにしました。4ミリのドリルを使って穴をあけました。そして使わないときにはプリンターのインクジェット詰め替え用のシリコンのプラグを差し込みふさぎます。
↑ケースに開けた穴のところに、iPodタッチのマイクがくるようにセットします。ガイガーバットという無料のアプリには、さまざまな機能があって、音声が正しく拾えているか?オシロスコープのような形で確認できるモードがあります。これを見るとスピーカーの発信音とピッタリあった状態で放射線がGM管に飛び込んだ際の音を正確に拾っていることが分かります。放射線の入射量を視覚的に確認できる点でも、このモードは有効だと思います。
↑モードをCPMにすると、画面にくっきり大きくCPM値を表示してくれます。
↑カウント数の変異をグラフに表示させるのもワンタッチ。画面上にあるモードの切り替えボタンをタッチするだけで切り替わります。
↑設定画面で、採用されいてるガイガーミュラー管の品番をクリック、あるいは、cpm/μSv/h値などの情報をカスタム入力すればマイクロシーベルトへの換算もしてくれます。しかし、こうしてみるとマイクロシーベルトという単位が、人による抽象概念に依存した、いかに不安定な単位であるかがわかります。やはり放射線量はcpm(1分間にGM管が受信した数)での相対評価で考えなければいけないように思います。
ところで、この方法で音を拾えるのは、室内のような静かな環境で測定する場合で、外で行う場合は、人の声や鳥の鳴き声なども拾ってしまう可能性があり、そうした使い方をする場合は、やはり直接ケーブルでつないだほうがいいように思います。また、この方法はおそらく市販のガイガーカウンターにも応用できるはずで、経済的な余裕のある人はブルートゥースのマイクを購入し、測定器の音を無線で拾わせるなんて方法も可能かもしれません。ガイガーバットを使うと、市販の測定器もオシロのようなグラフで表示することができます。おそらく、記録を保存することもできるのではないか? あわよくば、GPSデータまで含めて記録しそれをkmlファイルで保存できたりいないのだろうか? などとも思っているのですが、誰かご存知の方がいらしたら教えていただけるとありがたいです。