きょうから、ツクツクホウシが鳴き出しました。夜になると、ウマオイやクサキリに混じって、エンマコウロギの合唱も日に日に大きくなってきています。八ヶ岳南麓は、お盆を過ぎ、急に涼しくなってきたのですが、甲府や東京はまだまだ暑いみたいですね……残暑、お見舞い申し上げます。では、ちょっと涼しげな写真を一枚。
やっとどうにか、4輪が一台、仕上がりました。とは言っても、屋根もドアもなし、シートはビリビリではあるけれど……。、
ブレーキがほとんどないクルマ、というのをご存知でしょうか? 10回くらい素早くポンピングすると少し踏み代が出る、ことがある、というクルマに乗ってみて、クルマは「スピードが出せる」ということより、「止まることができる」ということの方が大切だということを彼女も実感をもって理解できたようです。そこで今回は、ブレーキを中心に修理をしました。マスターシリンダーとホイールシリンダーは4輪すべてオーバーホール。
↑ドラムをあけてみたらホイールシリンダーは、キノコの幼菌がビッシリ生えたような状態になっていました。ブレーキフルードが漏れて、シューはビチョビチョの状態。これではブレーキが効かないはずです。でも、モッタイナイから、ブレーキシューはトーチであぶり、染み込んだフルードを析出させて再使用。
↑ホイールシリンダーはワイヤーブラシでこすり、分解したついでにバックプレートも缶スプレーで塗装。
↑こちらは反対側のホイールシリンダーのオーバーホール後の姿。シリンダー内面をハンドドリルでホーニングし、シールなどのゴム類はぜいたくにも新品に交換。ブレーキは重要保安部品?なので、他人のクルマのブレーキを、整備士の資格を持たないものが整備してはいけないのですが、オーナー本人が行うことは許されています。
残念ながら田舎暮らしでは、クルマはどうしてもの必需品。ところが、クルマが一台あると、車検を初め、定期点検、オイル交換、タイヤ交換などなど思いのほか経費がかかってしまうのです。逆に、クルマや農業機械の整備や維持に関することが自分でできるようになると、カントリーサイドで貧乏臭い暮らしをしていく上では、かなり有利になるように思います。そういう意味では、自動車趣味人は田舎で自給的な暮らしをする上では有利かも……。
そして今回、実際に作業を行ってみて、もうひとつ、分かったことがあります。それはスズキという自動車メーカーはなかなかに素晴らしい!ということ。同じ頃に発売されたホンダZはマスターシリンダーのカップさえも、部品の供給がなかったのだけれど、このジムニーは、マスターのカップはもちろん、ピストンやスプリングを含めたオーバーホールキット、ホイールシリンダーのカップ各種、それにデスビのローターも、キャップもポイントもコンデンサーも、すべて新品でしかもプレミア価格なしで供給されていました(ホイールシリンダーのカップキットは219円でした)。宗一郎が亡くなったあと、ホンダの部品のストックはひどい、という噂を聞いたけど、どうも本当のことのようです。
ところで、ホイールシリンダーなどのアルミ部品は金属ブラシで磨くと新品のようにきれいになるのですが、ワイヤーブラシの正しい(ケチ臭い)使い方、ご存知でしょうか? ワイヤーブラシは使い込むと、先端部からワイヤーが丸まってきてしまいます。そこで先端部が傷んだら、その部分をノコギリで切ってしまうのです。すると、新品?とまではいかないけどかなり感じよく復活します。柄が木製のワイヤーブラシが有利ですが、樹脂のものも金ノコで切ればいいわけです。
こうしたケチ臭い修理の模様は、次号のオールドタイマー誌(2011年8月26日発売)で「モノを最後まで使い切る暮らしのプロポーズ」として紹介させていただいております。興味のある人は本屋さんで立ち読みしてみてください。4ページに目一杯ギッシリ詰め込んだから、足が棒になる、かも(笑)。
↑どこに行くにもクルマが必要な田舎では、ドアのないジムニーは、サンダル代わりに最適。毎朝、早朝、ポコン、ポンポン、ポンという軽快な音と、白い煙を残して、有機農家にバイトに出掛けています。
↑そして帰りには、たくさんのハネダシ野菜をいただいて帰ってきます。ありがたや〜。日本で、無農薬で、「農」を「業」としてやっていくということはどういうことなのか? そのあたりにも興味があるようです。