カーブを曲がっていたら、なんとんくいやな音がしたなぁ、と思ったら、ユンボ(バックフォー)の覆帯(キャタビラ=クローラー)がはずれてしまい、圃場の真ん中で動けなくなってしまいました。前にも同じ症状で修理したのですが、今回はキャタピラのピンを外さずにはめる方法に挑戦してみました。やり方を忘れてしまいそうなので備忘録としてアップさせていただきます。
↑スプロケットから外れてしまったクローラー。レバーを操作すると、履帯は動かず、スプロケットだけがむなしく空回りを続けるのでした。
↑原因は分かっています。フロント側(廃土板側)のプーリーの側壁が磨耗し、あるいは一部が割れてしまっていて、それが原因でカーブで履帯がよじれ後ろのスプロケットを飛び越し、外れてしまうのでした。本当は、このプーリーを修理しないといけないのだけれど、これを溶接肉盛りで修理できる自信がありません。もしもどこかにこの型(YB1200SS)のフロントプーリーの中古があったりしたら教えていただけるとありがたいです。
↑まずは、外れた履帯側にバケットを接地させ、バケットで地球を押し、履帯を宙に浮かせます。ジャッキなしでもこんなことができるのユンボの偉いところ。次に、無限軌道の真ん中あたりにある朽ちかけたカバーを外します。
↑すると、こんなボルト&ナットが現れます。最近のユンボの多くはグリスニップルが付いていて、グリスの油圧を使って履帯を張っているものが多いのですが、我が家のヤンマーはボルトで張力を調整するタイプです。ダストブーツを手繰りよせ、ロックナット(右側のナット)を可能な限り緩めこみます(ダストブーツ側に回転させます)。
↑次にボルト(左側の六角ヘッド)を締めこみます(時計まわりに回転させます)。すると、左側の壁にピッタリくっついていたボルトの頭がだんだん離れてきてスキマができます。スキマができたらその分、フロントプーリーを内側に押し込むことができるということ。
しょっちゅう外れる場合は、このスキマに(抜けにくい)適当な形の鉄板をはさんでおくといいかもしれません。グリス調整式と違って、このボルト&ナットの送り作業にけっこう時間がかかります。
↑履帯ごとハンマーで叩いて、フロントプーリーを内側に押し込みます。手元に大ハンマーがなかったので中ハンマーで叩いているけど、大ハンマーの方が正解です。
↑目一杯緩め、大プーラーでこじったりしながらどうにかこの状態でスプロケ側をいれようとしたのですが入りませんでした。そこで仕方なしにまずはフロントプーリー側の履帯を外しました。
ここから先は、写真を撮る余裕がなかったのだけれど、バケットで地球を押したり接地させたり、履帯の上側に余裕を持たせたり、下側をたわませたりしながらこじり棒でこじってフロントプーリーを外します。
ただしその際、履帯が完全に外れてしまって地面に落ちてしまわないようにした方があとで楽(鉄クローラーはとにかく重い)なので、落ちないように単管パイプをテンションプーリーのあたりにかませておくといいかもしれません。
で、フロントプーリーから履帯が外れたら、スプロケット側をはめます。このときも無理に力ずくではめるのではなく、バケットで車体を上げ下げすると同時に(下げるときは一気に下がるので要注意)、スプロケットをゆっくり回転させたりしながら作業を進めると、それほど力まなくてもどうにかはまります。
その後、フロントプーリーをはめ込むのですが、こちらも同様。スプロケットがかかっているわけだから、履帯のたるみを下側にした状態(車体を浮かせた状態)でスプロケを回転させ、そのときにこじったり叩いたりしながらプーリーにはめ込みます。
↑スプロケをゆっくりまわしながら叩きたいので作業はふたりでやると楽。自給的な暮らしで一番必要なのは力持ちのパートナーかも? あっ、力持ち、余計でした。
このあとも、ちょっと動かしたところで、また外れそうになったのですが、大事に至る前に気が付き、車体を浮かせ、逆回転させたらはまりました。とにかく早期発見が大切。それとフロントプーリーが傷んでいる場合、急カーブはなるべく「ほおづえターン」を使ったほうが良いのかも。
このほかに、キャタピラのピンを外す方法もあります。ピンを外す方法はこちらを参考にしてください。
また、ワイヤーを使ってはめる方法もあって、ひとりでやる場合はこの方法がオススメです。