山梨、白州は雲ひとつなく晴れ上がっています。目の前に白い八ヶ岳があって、それは見事なまでの美しさなのですが、テレビをつけると地球のまったく別の表情を見せつけられ、愕然とさせられます。
情報を得るためのサイトが意外と少ないので、きょうも、私が気が付いた範囲でですが、重要そうな情報や有用そうな情報をピックアップして掲載させていただこうと思います。できるだけ客観的に伝えるつもりですが、現地で実際に自分で取材しているわけではないので、誤った情報を流してしまう可能性もあります。冷静に判断していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
昨日、掲載した情報はこちらのページにあります。
■原発関連■ 福島第一の三号機も冷却機能喪失
最初から残念なニュースで心苦しいのですが、福島第一原発の三号機も冷却機能を失い法に基づき国に通報した、とのことです。冷却機能喪失は、第1原発1、2号機、第2原発1、2、4号機に次ぐ6機目。政府をはじめ原子力保安院などの対処する部署、命令系統はひとつしかないにもかかわらず、原発関係で六つもの重大なトラブルが同時進行してしまっているということになります。しかもこれらに関係する人たちは、おそらく地震以降、不休不眠に近い体制で対処にあたっているものと思います。会見などを聞いていて思うのは、彼ら自身も情報を整理できていない可能性がある、ということ。その点を考慮した上で、情報として取り入れる必要があるように思いました。
いま言うべきことではないのはわかっているけど、人は時間の経過と共に忘れてしまいがちなのでのひとことだけ言わせてください。人間は、核分裂といった原子の力をコントロールできると思ってしまい核分裂(原子力)を使った道具を作ってしまったわけですが、技術や知識は言語や映像を使うことで世代を超えて積み重ねられるけど、生物である人間は世代交代によってその都度フォーマットされてしまうわけで、その人間がこれらの技術をコントロールできると挑んでしまうのは間違いではないか、と改めて思います。そしてこのことを少なくとも今生きている世代は忘れず、後世に伝えていかなければいけないと思うのです。原子力や遺伝子組み換え生物のような技術は、世代交代によってその都度、初期化されてしまう人間には、コントロール不可能な技術であると思うのです。
■保安院の会見とテレビの解説■
保安院による会見がありました。それをテレビでも解説者が解説しているのですが、どうもいまテレビで解説している人はこれまで原発を推進していた人のように見受けられ、解説している内容に大きな偏りがあるように思いました。
素人ではありますが、私の知りうる限りで以下に解説させていただきます(誤っていることがあったら指摘いただけると助かります)。
福島第一原発、三号機では圧力容器内の圧力を抜くために、リリーフバルブ(圧力の逃がし弁)を開けたようですが、それによって放射性物質が放出された可能性があります(保安院や東電はこのバルブのことを「安全弁」と呼んでさかんに安全を強調していますが、この弁を開けることで高濃度の放射性物質が排出される可能性があるわけで決して安全な弁ではありません)。
素人考えですが、このとき気をつけなければいけないのは、γ線や中性子線などの直接掃射される放射線ではなく、放射性ヨウ素などの放射性物質だと思います。これらの放射性物質は光線などのように原発から直接掃射されるわけではありません。晴れているので大気に混ざって飛散し、生物の細胞に影響を与えます。そのため近隣の住民と風下に当たるひとたちは、風に乗って飛んでくる放射性物質(目には見えません)に注意する必要があります。特に注意するのは吸引です。放射線量の小さな放射性物質であっても、吸引してしまい内部被曝をしてしまうと、肺や消化管、甲状腺などの細胞が至近距離で長時間被曝することになり危険です。
またリリーフバルブを開けたということは、容器内の圧力が設計安全値を超える恐れがあったためと思われます。内部圧力を下げるためにやむなく開放したというのが本当のところであり、それによって起こる現象で注意が必要なのは内部の冷却水水位の低下と思われます。また、リリーフバルブが確実に作動しているのかも気になるところですが、そのあたりには言及がありませんでした。開いたままの状態なのか、圧力を抜いた後、締めることができたのか?
いずれにしても、これまでは圧力がかかっていたので水は水蒸気になりにくかったのですが、それが一気に大気に開放されたとすると、冷却水はこれまでと違って急激に水蒸気化し、それによって冷却水の水位が下がって燃料棒が露出し、露出するとその部分の温度は急上昇してしまい、燃料棒が溶融してしまう可能性があります。それを防ぐためには、短い時間に冷却水を大量に供給する必要があるのですがそれがうまく行われているのかどうか? これが現状での一番の問題点ではないかと思われます。
■輪番停電のお知らせ■13日20時20分
山梨県北杜市の輪番停電、14日は、12時40分頃から15時40分頃までとなりました。おそらく下水処理施設との兼ね合いと思われますが、この時間は水道の使用も控えるようにとのことです。
■女川原発のモニタリングポストの数値■
女川原発のモニタリングポストのサイトがダウンしてしまいました。原子力保安院が、13日の夕方に発した緊急情報によると、「MP2付近のモニタリングポスト等の指示値に変化有りとなっていて、その数値が約10,000nGy/h(13日13:09)となっています。最初は点の位置は小数点ではないかと思っていましたが、どうもそうではなくて1万nGy/hのようです。
このことに対しての保安院の見解は、東京電力福島第1原発1号機(福島県大熊町、双葉町)で12日に発生した爆発事故で漏れた放射性物質が南風で約100キロ離れた女川原発周辺に運ばれた可能性が高いと推測している、とのこと。もしもこれが事実だとすると、100㎞以上離れたところで1万nGy/hが観測されてしまうほどの放射性物質が福島第一原発から放出された、ということになってしまいます。その後の数値がどう変化しているのか?を見極めたかったのですが、その後の情報がありません。
念のため、100㎞以上離れた地域の方もできるだけ皮膚を露出せず、マスクなどを着用して放射性物質を吸い込まないようにしたほうがいいように思います。
女川原発のモニタリングポストのサイト、うまくつながるとときどき見ることができるようです。それによると少しずつ数値は落ちていますが、でもまだ1000nGy/h前後の数値のようです。普段は40nGy/h前後ではないかと思います。
放射線として直接掃射される中性子線などと違って、飛散する放射性物質はそれぞれの線量がわずかであっても、それを吸引するなどして体内に取り入れてしまうと、至近距離で長時間、被曝してしまうことになるのでよくありません。その場合は、放射性物質を体内に取り入れてしまい、そこから放射線を照射されてしまうと、α線やβ線など、本来は障壁で遮断しやすい放射線が遮断できず、影響を及ぼすことが考えられます。空気として吸い込んでしまわないように、そして放射性物質が付着した状態の食べ物を食べないようにできる限り注意して欲しいです。
■13日23時41分■
女川のモニタリングポストのサイトにつながりました。相変わらず、MP2の値が高い状態が続いています。数値は8400nGy/hです。東北電力によると、排気筒のモニターの値に有意な変化はないので、MP2の値が高いことは当発電所によるものではありません、と解説しています。
各地の放射線監視サイトのURLを貼っておきます。
●新潟のモニタリングポストのサイト
http://www.k4.dion.ne.jp/~ngtl-rad/
●静岡県の環境放射線監視サイト
http://www.hoshasen.pref.shizuoka.jp/rr-condition/index.html
●茨城県放射線テレメーター
http://www.houshasen-pref-ibaraki.jp/present/result01.html
●福井県原子力環境監視センター
http://www.houshasen.tsuruga.fukui.jp/f_e2180.html
●東北電力 東通発電所
http://www.tohoku-epco.co.jp/electr/genshi/higashi/mp.html