プロジェクトうんこ「浄化槽を自分で管理しよう!」

 我が家では、都会から訪ねてくる人のことを密かに……「農奴」と呼んでいます。
 農奴というのは、農業に従事する「奴隷」のこと。屋根裏部屋(しかもまだ未完成)を宿泊場所として提供する代わりに、そこに泊まる者は農奴のようにこき使われるわけです。中学生はもちろん、これは運転手として休日返上のボランティアでやってきた自由の森の教員であっても例外ではありません。てなわけで、下の写真は、プロジェクトうんこでやってきた中学生たちが、麦踏みをさせられているところ。あっ、右からふたり目は中学生ではなく教員です。こんな風に自由の森学園は、多くの教員の生徒に対する熱意によって支えられている学校でもあります。でもたまには家族やご自身の友達のことにも時間を使ってください。お願いします。

 このときは雪がなかったので地面がホコホコしていて、都会人たちのけがれのないピカピカの靴は、わずか5分で見事な土ぼこり色になったのでした。その後も薪仕事を手伝わされたり、犬の相手をさせられたり、目一杯こき使われたのでした。

 というわけで、プロジェクトうんこの最終日は、主に我が家の浄化槽の管理方法を紹介させてもらいました。そう、このページは「浄化槽の構造編」からのつづきのページでもあります。これまでの経緯を知りたい方は「序章」から読んでいただけるとうれしいです。
 ところで、一般的には浄化槽の管理は業者の方にお願いすることが多いのですが、我が家はそこまで裕福ではないので自分でやっています。まっ、言ってみればユーザー車検のようなものです。ただし、浄化槽協会による法定検査というのが年に一回あって、これは必ず受けるようにしましょう。BODなど高価な装置がないと測定できない検査をしてくれますし、この検査は法令で義務付けられています。そしてもし、法定検査によって浄化後の排水が汚染されていることが分かったりした場合には、すぐに対処する必要があります。その結果、自分では手に負えないという場合には、資格を持った専門の業者にお願いするという決断も必要かと思います。
 一方、自分で管理するメリットとしては「どうすると、どうなるか?」ということを目の当たりにすることができるということがあります。たとえば、インフルエンザにかかって抗生物質を飲んだとします。するとその数日後、浄化槽に棲む微生物たちにも大きな影響が出たりします。大きく変わるのは、臭いと色。抗生物質は体内のウイルスだけでなく、浄化槽内の微生物も殺してしまうのです。
 話が飛躍しますが、でも私は基本的にはタミフル肯定派です。ウチの娘がインフルエンザで熱性けいれんを起こした際、タミフルによる副作用と言われるのとかなり似た症状を起こしました。その頃はまだタミフルという薬剤はなく、この種の抗生物質を飲まなくても、体内に侵入したウイルスによって幻覚や錯乱は起こる、そしてそれらの症状はタミフルを服用した頃に最も起きやすい、という気がしてなりません。でもこれはあくまで私の想像です。ちゃんとした臨床実験の結果が出るのを待って判断したほうがいいと思います。
 それと同時にもうひとつ思うのは、日本のような医療体制が進んだ国に住む健康な人がインフルエンザなどの予防接種を受ける必要がどのくらいあるのだろうか?ということです。予防接種による免疫力はその年限りと言われています。一方インフルエンザに関しては発症すれば、その型に関してほぼ終生免疫を得ることができるのではないか?と思うようなできごとが最近ありました。これは昨年「新型インフルエンザと呼ばれていたインフルエンザウイルスのことで、なぜか、スペイン風邪などを経験しているお年寄りたちは感染しませんでした。60歳以上の人はほとんど発症しませんでした。昨年流行った新型インフルエンザと呼ばれるインフルエンザは、実はかなり前に流行った「旧型インフルエンザ」だったのではないか?とも思うのです。
 だとするとウイルスたちとの付き合い方として、A型肝炎のように、健康な状態のときに罹患して、生涯免疫力を身につけておいたほうが、いいという考え方もできるのではないだろうか? シカの生肉を食べると罹患するというE型肝炎も発症による免疫力は強いようです(ただしこれはまだ終生免疫かどうかわかっていません)。途上国に行くと必ず一度は襲われ「洗礼」などと呼ばれる劇症の腹下しは、日本があまりにもウイルスや菌に対して寛容ではないから起こってしまうのではないか? とインドの田舎町の安宿で、腹を下し死にそうになりながら、思ったのでした。
 スミマセン、話が大きくそれました。話を戻します。抗生物質の他にも合併浄化槽に大きな変化を及ぼすものがあります。それは洗剤です。これはとても言いにくいことなのですが、私が浄化槽を観察した限りでは、石鹸よりも、ある種の合成洗剤(生分解性に優れいていると言われるタイプの中性洗剤)のほうが浄化槽に棲む微生物たちには優しいように思えます。特に「みどりの魔女」と呼ばれるドイツの環境配慮方合成洗剤(このあたりのホームセンターでも売っています)がいい感じだったりします。少なくとも言えるのは洗剤を石鹸にすると、浄化槽の中の汚水のペーハーがかなり強いアルカリ性に傾きます。そのあたりも影響があるのだと思うのですが、浄化槽の排水を池に引き込んでいるような場合、石鹸に変えた途端に金魚が死んでしまった、という実例もあります。界面活性剤の場合も、自然由来のものは良くて、そうでないものは悪い、というのは、人間が陥りやすい、感覚的な問題を含んでいるようにも思います。でもこれは植物由来の製品よりも、合成洗剤と呼ばれているものの方がいい、ということを言いたいわけでもありません。
 子供たちの若い感性はとても素直なので、こうした問題にぶつかるとたくさんの疑問が生じます。
●「植物由来」あるいは「天然」というのはどういうことなのか? 
●石油は「植物由来」や「天然のモノ」とはいえないのか? 
●毒性が強く劇物にも指定されている水酸化ナトリウム(=苛性ソーダ)を混ぜてけん化という化学反応を使って作る石鹸はなぜ合成洗剤と呼ばれないのか……、
●化学物質っていったい何? 

 というわけで、自分で浄化槽を管理し、そしてしっかりと観察していくことは、そこに生活する人たちや共に暮らす微生物たちの健康状態を知る上でとても大切なことのように思うのです。浄化槽に棲む微生物たちはある意味、炭鉱のカナリアのような存在でもあるわけです。というわけで、このあと具体的な手法を紹介させていただこうと思っていたのですが、睡魔に負けました。きょうは、スミマセン、ここまでとさせてください。この先は「浄化槽の管理1」に続きます。