完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的でていねいな暮らし方が可能で、身近なところで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも一種の哺乳類として自然の生態系の中で
他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくて、いくらお金を得られたとしても、たぶんいつまでたっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうぞ、よろしく。


リンゴとハーレーとラジエター


 ジープは商用車なので車検が毎年やってきます。でも、車検も自分でやると費用をかなり抑えることが出来ます。最近は1万円台で車検を取ってくれる業者もあるようですが、自分で車検に行けば検査代は1300円。自分でやれば、お金はそれほどかかりません、でも手間は少々かかります。また、綱渡りのようなスリルも味わうことが出来ます。

↑下まわりの洗車やアンダーコーティングは、車検の際、必ずしもやらなければいけないことではないのですが、でも、ピットに潜って検査してもらう検査官に敬意を払い、サビの粉雪を浴びせないため、一応洗車しシャシーブラックでサビを隠蔽します。

 それともうひとつ、このジープはストレートの天ぷら廃油を燃料として使用できるように改造してあるので、車検が少々面倒で民間の指定工場では扱ってくれなかったりするのです。一般的な天ぷら油自動車は廃食油を使用していることの記載変更のみで構造変更などの必要な改造はないのですが、このジープは排気管で熱交換していること、軽油と廃食油の二種類のタンクを積み、その都度、切り替えて使っているので、天ぷら廃油用のタンクがエンジンルームにあったりします。これらを陸運事務所に相談したところ、現物を見ないと電話だけでは判断できないと言われてしまいました。山梨の陸運事務所は石和にあって、往復で2時間以上かかります。もしも現地でダメと言われてしまうとやっかいなので、今回は装置をはずすことにしました。

↑これが天ぷら廃油を燃料として使用するための熱交換器。普通はエンジンの冷却水で天ぷら廃油を暖めるのですが、このジープではオートバイ用のオイルクーラーとパソコン用の冷却ファンを流用し、エキマニの排気熱で熱交換しています。

 そんなわけで熱交換器やポリタンクなどは外したのですが、でも我が家のジープはかなりのポンコツなので、他にもいろいろ問題点があります。まず目に付いたのは、ヒビ割れてしまっているタイヤ。以前、タイヤのヒビに黒いゴム系のパテを擦りこみ車検を通したことがありましたが、今回は部品取り車などから、比較的程度のいいタイヤを集めて、それに交換。フロントはスタッドレスでリヤはノーマルタイヤですが、まあ、ビスカスでもないし大丈夫でしょう。
 それより今回の難関はラジエターの水漏れでした。以前から少し染み出すぐらいには漏れていたのですが、不凍液の入れ替えを兼ねラジエターを掃除したら、穴に詰まっていたサビが取れてしまったのか、噴水のように漏れるようになってしまいました。さすがにこれでは車検に通りません。知恵の輪のように苦しみながらやっとのことでラジエターを外して、漏れ箇所を確認。ラジエターの穴は普通ハンダで埋めるのですが、今回はチューブとフネのつなぎ目全体から漏れていたので修理はあきらめ、部品取り車のラジエターと交換することにしました。と書くのは簡単ですが、サビて固着してしまっているボルトもあったりして、この時点で日が暮れてしまいました。

 周囲は真っ暗、八ヶ岳おろしの吹く中で、ラジエターを取り付け、冷却水を入れなおし、ようやくエンジンを始動。ところがなんと、部品取り車のラジエターも穴があいていてサビ水がジャジャ漏れ状態だったのです。なぜ、部品取り車のラジエターも穴があいている可能性がある……ということに思いが至らなかったのでしょう。サビた冷却水の噴水を浴びながらしばらく途方に暮れていたのですが、でもユーザー車検の予約は明日の朝の第一ラウンド(10時まで)だし、しあさってには車検が切れてしまいます。車検の再予約も面倒だし、車検が切れると仮ナンバーの申請も必要になってしまいます。
 ただ、幸いなことに今度のラジエターの穴はドレンボルトの周囲、比較的修理しやすそうなところにありました。そこで一度冷却水を抜き、クルマの下にもぐってハンダで穴を塞ぐことに。ラジエターをトーチで熱し、水分を飛ばしながらハンダ付けに挑んだのですが、溶けたハンダは腕に落ちてくるし、服は焦げるし……なかなかうまくいきません。しまいには熱で飛び散ったフラックス(塩酸)のしぶきを顔に浴び、顔を冷水で洗いながら、再びラジエターを外す決心をしました。外して天地を逆にしたら、比較的簡単に穴を埋めることができました。

 翌朝は快晴。これなら大丈夫!と根拠のない自信と共に、石和に向かったのでした。書類を作り、提出し、いよいよ検査。ラインに並ぶ前に、建物の蔭でクルマの下にもぐり、ラジエターを点検。昨晩までの茶色い水の噴水は止まっています。
「これなら完璧!」と自信満々で検査に望んだところ、どういうわけか、クラクションがなりませんでした。「そんなに乱暴に叩いたら、ホーンボタンが壊れてしまいますよ!」と冷たく言われてしまいました。不合格です。
 でも、その日のうちであれば再検査を受ける際の検査代は無料です。テスター片手に必死に原因箇所の究明に当たるのですが、ヒューズでもないし、ホーンリレーでもないし……、電気の流れをたどっていってようやく判明したのは、ステアリングシャフトの配線でした。ゴムのブッシュの部分が絶縁体なので、そこをバイパスするための配線が切れてしまっていたのでした。これを直し、車検場に何度もクラクションを響かせ、どうにか綱渡りではあったものの車検に合格。


 せっかく石和まで来たので、友達の畑を訪ねてみることにしました。車検場の近くにあるその畑は、タケコさんとフジコさんいう、ふたりの若い女性が手をかけています。しかもおじいさんから譲り受けたという樹齢50年以上の立派なリンゴの木があって、それらは無農薬で管理されているのです。

↑おじいさんが建てたという小さいけれども味のある小屋。いまは農機具小屋だけど、かつてはここに住まわれていたそうです。足るを知る、ですね。

↑我が家の奇跡のリンゴと違って、ちゃんとに色づき実っています。でも、農薬を使って管理していた頃と比べると、収量は激減してしまったとのこと。しかしそれでも無農薬にこだわっているのでした。

↑素敵な看板。でも、こうした看板を掲げていないと、草ボウボウの畑を理解してもらえず、荒地と勘違いして畑として使いたいので貸してもらえないか?と尋ねられたりする、とのことでした。無農薬の果樹栽培は生態系のバランスに頼る部分が大きいので、できるだけ草を生やし、生物の多様性を維持する必要があるのです。この日もリンゴの葉を食害する毛虫を探すコマユバチの姿が見られました。

↑そして彼女たちのもうひとつの楽しみがコレ。ふたりとも自動二輪の大型免許を持っていて、排気量1200㏄のハーレーにまたがり、キャンプ道具を積んで旅してまわったりしているのです。ちょっとカッコ良すぎですよねぇ。