Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


クマバチの季節

 今年は例年になくリンゴの花がたくさん咲きました、でも残念ながら、ミツバチの姿は少ない……ただ、クマバチの姿は例年よりも多いように思います。

 残雪の残る八ヶ岳をバックに、置きピンして待っていたら、ちょうどそこに入ってきてくれました。
 いい巣材(ちょうどいい具合の穴のあいたパイプ)がありますよ、とメスにアピールするため、オスがアチコチでテリトリー飛行をしています。ちなみにハチの毒針は産卵管が変化したものなので、悲しいかな、オスのハチはどうあがいても相手を刺すことが出来ません(テリトリー飛行をしているクマバチを恐れる人がいるけど、大丈夫、刺せません)。

 クマバチの季節は、ヤマアカガエルの季節でもあります。我が家ではビオトープと呼んでいる道路脇の(水勾配のとれていない)U字溝に今年もヤマアカガエルがやってきて、卵をたくさん産みました。干上がらないといいのだけれど……。
 そしてこのU字溝、……じゃなかった道路脇のビオトープ。ブルーベリーの挿し木床にもなっていたりします。

 クマバチの季節は、タラの芽の季節でもあります。ことしもこれからしばらく、タラの芽三昧の日々が続きます。木を傷めない上手な採取のコツを知っていると、1本のタラノキから10個くらい、期間としては1か月くらい収穫することができます。コツは、頂芽を収穫したら次の芽のある節まで切り戻すこと。芽を取っただけだと、そこにまた新しい芽を作ろうとして木は衰弱してしまいます。

 クマバチの季節はタケノコの季節でもあります。残念ながらこのあたりの気候ではモウソウ竹ははえないのですが、そのあたりを気づかって南伊豆の友達が立派なタケノコを送ってくれたのでした。ジュンペイさん、とよさん、ありがとう!

 それをコトコト、米ぬかと共に煮込みます。

 タケノコが浮かんでこないように、ダッヂオーブンのフタを重石にしました。米ぬかは油分が豊富で、ダッヂオーブンの錆止めとしても良かったかも? 

 タケノコはゆっくり長く煮る必要があるので、カマドは鋳鉄製のウッドガスストーブとも言える千代田のカマドを使いました。このカマドのいいところは火力の調整ができ、なおかつ燃費がすこぶるいいところ。火がしっかりおこり内部の薪が炭化するまでは、上の写真のようにナベとの間にアングル材をはさんでおきますが、火力が安定したら、その部分からも空気が入らないようにアングル材を取って鍋の底とカマドとを密着させます(裏側に煙突穴があって、一度ダウンドラフトした後、排気はその穴から抜けます)。
 すると、1時間たってもまだ上の写真のような状態。キッチンロケットとこのカマドとの違いは、開放型の暖炉と密閉型の薪ストーブとの違い。吸気量を調整できるので、ゆっくりオキの状態で燃やすことができます。

 クマバチの季節は、醤油仕込みの季節でもあります。

 今回は、プロの作った醤油用麹を手に入れ、それを使って醤油を仕込むことにしました。こうした作業専用に、白の小型の防炎シートがあると便利です(ブルーシートのようにメッシュではなく、表面がつるっとしているので材料が網目に入り込まないので清潔)。
 クマバチの季節は、ついうっかり衝動買いの季節でもあります。土佐刃物の銑(せん)(=ドローナイフ)が今も作られていることを知り、それをネットで見つけ購入してしまいました。

 8600円もしたこの銑。しかしこれで削ると、こんな渋皮だらけの丸太が……。

 こんな風になります。切れがいいので切断面に光沢がでたりします。切断や研磨ではなく切削。昔ながらの方法で、手間はかかるけれども、もしかしたらこれが、材を長持ちさせる秘訣だったりするのかもしれません(などと衝動買いのいいわけをしてみたり……)。

きょうは、七草

 けさの最低気温は氷点下8.9度でした。マイナス8.9度Cがどのくらいの寒さかと言うと、深呼吸をすると肺がキュンと痛くなるくらいの寒さです。
 というわけで、本来は七草粥、朝食にいただくもののようですが、朝は畑のアオモノがカキンカキンに凍っていたので、夕食に七草粥にいただくことになりました。

↑やっとどうにかそろえた畑のアオモノ。カラスノエンドウだとか、ハコベルッコラなどとりあえず食べられそうで緑色のものを集め、それに韓国で買ってきたエゴマ油をちょこっと垂らして、いただきました。

↑これが韓国の油屋さんにあった絞り機。韓国にはローカルマーケットに油絞り屋さんがあって、絞りたての油を手に入れることができたりします。絞りたての油は香りが違うのです。日本にも市場に、こうした油屋さんが復活するといいのになぁ。
 エゴマ油入りのお粥も十分に美味しかったのですが、でも正直に白状すると、二杯目にいただいた、お塩だけのお粥の方がもっとおいしかった。美濃戸に住む大工さんが無農薬で育ててくれたお米を時間をかけてコトコト炊き、南伊豆に住む友達が海水からていねいに作ってくれた大きな結晶のお塩。ウチでも作ったことがあるけれど、こんなに大きな結晶にはならなかったなぁ。この組み合わせ最高でした。トヨさんノリナさん、ありがとうございました。
 七草粥は、お正月のご馳走で疲れた胃を休めるためにあるといいます。
今年のお正月、一番おいしかったのは、これでした。

↑大分に移住された中村海彦さんが、送ってくれた牡蠣。これを薪ストーブの燃焼室で焼きました。貝から汁が出てきたら、お酒とお醤油をほんの少し垂らし、汁が再び貝の身に浸みこんだら、その後それを香りのいい木(今回は栗の枝)で少しいぶし気味に焼きます。

↑貝殻の中の水分がなくなったら、身を取り出して、ガーリックと唐辛子、それにローリエなどのハーブを加え、オリーブオイルで炒めます。貝のそれぞれの部位がそれぞれに美味しくて、これ、ワインのあてに絶品。ワインも普段飲めないような美味しいワインを下関の友達が持ってきてくれました(キョーピンありがとう!)。


 ところで今年は寒さが厳しく、畑に緑色のものがほとんどなくなってしまっているので、急きょ、ノラボウやルッコラに冬囲いをしてやることにしました。

↑材料はすべて廃材。でも毎年使えるように少し凝った仕様で作ってみました。
骨組みは家屋の解体で以前にいただいた古障子。これを補強した上で、外側にトタンの波板を張ります。そして内側にソーラーパネル用の梱包材として送られてきた発泡スチロールの薄板を挟み込みます(白い部分は障子紙ではなくて発泡スチロール)。

↑その上にダンボールを張ってみました。

↑で、出来上がった冬囲いは、こんな感じ。寒さで黒に近い紫色に変色してしまったノラボウ、果たして復活するでしょうか?


廃材と物々交換で、楽しむ暮らし。
気温が低くても、美味しくて、楽しくて、気持ちが暖かくなります。

地域通貨わくわくの収穫祭と魂のアバンギャルド


 山の少し上の方は、すでに落葉。里山にちょうど紅葉が降りてきた、というそんな日、澄み切った秋の光の中、地域通貨わくわくの収穫祭が行われました。薄っすら煙がたなびいているのが分かるでしょうか? 里山に囲まれた田んぼの一番奥にポツリとある、おおえまさのりさんの家で行われました。

 教子&ターボさん、いつも素敵な音楽、それに音響設備を提供してくれて、ありがとうございます。今年は音楽を奏でてくれる人が多くて、とても充実した収穫祭でしたね。

↑宇々地さんたちによる縄文音楽。2連のディジュリドウが圧巻でした。
 ところで、ここ白州町下教来石には、日本武尊が座ったと伝わる「教来石」と呼ばれる大きな石がいくつかあります。そのひとつがここ、おおえさんの庭にある大石。宇々地さんの奏ずる石笛の音がこの大きな石に共鳴しているようにも感じられたのでした。

↑これがその大石。割れ目から大きなエノキが生えていて、夏になるとオオムラサキがこの石の周囲を舞います。登っているのはサルではなくて、ヒトという生きものの幼生。

 岡山に移住されたとっとさんも、チャイの屋台をやってくれました。わくわくメンバーとの久しぶりの再会にいつも人の輪ができていました。

 おおえさんの家のカボチャたち。展示したくなる気持ちがよく分かります。こぼれ種や生ゴミ堆肥からも発芽するし、カボチャってホント、存在自体がアートだよね。

 地域通貨わくわくにはいくつかの部会があり、農部会では311以降、福島支援田んぼという取り組みをしていいます。(クリックすると写真が少し大きくなるので読めるでしょうか?)

 本物のぬかくど、自作のペール缶ぬかくど、千代田のかまど、炭焼きストーブ……、我が家にある火遊び道具をフル稼働させ、フィリピン料理の汁掛けご飯チキンティノーラと、南インドのフィッシュカレーのお店をやらせていただきました。

 盛り付けしたところの写真を撮り損ねたけど、チキンティノーラはぬかくどにで炊いたご飯の上にこのスープを掛けていただきます。レモングラスの生葉が香る魚醤ベースのやさしい味の汁掛けご飯です。

 こちらは炭焼きストーブ。酸素の少ない還元に近い状態で木っ端を燃やし、それを蒸し焼きにしながら未燃ガスを二次燃焼させるという発想で試作した自作ストーブです。

 こんな風に、お鍋の中の具材を、チロチロ弱火で暖めるのに適してします。上のパイプは、二次燃焼用の空気を外から供給するためのもので、パイプの側面に直径3ミリの細かな穴があいていてそこから新鮮な空気(酸素)が供給されるという仕組み。 
 今回は夜の部もありました。日が暮れて暗くなる頃から、インディアンフルート奏者である、かつみさんの演奏が始まりました。
 ミュージシャンとして「なにか力になれないか?」という思いで311の被災地をまわったときの話をしてくれました。避難所の体育館に行ったはいいけど、被災された人の話を聞くうちにあまりの悲痛さに何もできなくなってしまい、逆に体育館の片隅で楽器を持ってうずくまっていたら、子供たちがやってきて「タイコ叩かせて」と。何人かの子供に、ひとつのタイコをみんなで叩くタイプのインディアンドラムを叩いてもらったら、その体育館にいた子供たちが次々に集まってきて、みんなで音をそろえ、満面の笑顔でたたき出し、それを見たお母さんたちがボロボロと涙を流した、という話を聞き……そしてその同じ、インディアンドラムを叩かせてもらいました。

 心臓の鼓動と同期するのでしょうか? 強くなったり弱くなったりしながらもだんだん音がひとつに重なっていきます。


 そして最後は、今回のメインイベントとも言えるおおえまさのりさんの映画の上映会。新しく執筆された『魂のアヴァンギャルド―もう一つの60年代』の出版記念を兼ねた企画で、1965年におおえさんがアメリカにわたり、製作された映画がいくつか上映されました。見入ってしまって撮影するのを忘れたのですが、どれも衝撃的な映像。
 一度に6つの別々の映像を流して、その同時代にさまざまなことが同時に起きていたということを演出する?ドキュメンタリー調の映像は、特に印象的でした。ベトナム戦争ビキニ環礁での核実験の映像などを見ると、昔からぜんぜん変わっていないな! という思いと同時に、町を埋め尽くすデモの映像などを見るにつけ、もしかしたら無関心にさせられてしまっている人がこの頃より今の方が増えているのではないか? という思いも浮かんできて、映像が終わった後も、頭の中をさまざまな思いが駆け巡ったのでした。

追伸:お月さんこと高島さんが映像入りのブログをアップしてくれました。
http://tukinonini.blog33.fc2.com/blog-date-20131123.html
↑こちらもぜひどうぞ!

追伸2:
インディアンドラムのシンクロとはこれぜんぜん違う話だけど、
不思議ですよねぇ。
最後の方まで頑張っているメトロちゃんがなんだかいとおしい……。

明日は……地域通貨の収穫祭。

 国という組織を手に入れた権力者たちは、我々から吸い上げた税金を使い、それを大手広告代理店に払って、スポンサーを通じて圧力を掛けてくる時代に勇気あるテレビキャスターたちが立ち上がった、というちょっとシリアスなブログを書いていたら……、階下からなんとも言えないいい香りがしてきたのでした。

 明日は地域通貨「わくわく」の収穫祭がお隣のおおえまさのりさんの家で行われます(とはいえ歩いていくと40分くらいかかるのですが)。その際、どうにかして次の海外留学の資金を荒稼ぎしようという娘が、家で採れたコリアンダーシードをフライパンで炒ってそれをすり鉢でパウダーにしていて、それが匂ってきたのでした。
 薪ストーブの上には大量のタマネギ炒め……。明日のメニューは、フィリピンのバギオで教えてもらった地元料理チキンティノーラと、南インドの英語&インド料理学校で教えてもらった魚のカレーだそうです(そこに炒ったコリアンダーパウダーが使われるみたいです)。ご飯はぬかくどで炊きます。
 出来上がったものがおいしいかどうかは知りませんが、匂いはまあ、とりあえず素晴らしい! そしてそれがいま、家中に充満しています。
 というわけで、直前ではありますが、収穫祭のお誘いです。
たとえ日本円を使ったとしても、少なくとも消費税を介さずにすむつどい、地域通貨わくわくの収穫祭が明日、行われます。場所は、〒408-0317山梨県北杜市白州町下教来石489
地図はこちら
 参加は自由。誰でも参加できます。
 午前10時頃からわくわく時間(かなりルーズ)で、ボチボチはじめます。
今年採れたもち米でお餅つきをしたり、ミュージシャンの人たちが音楽を奏でてくれたりします。そうそう、KUMAさんが、遊棒パンをやってくれるという情報も入ってきています。
 また今回は夕方、暗くなるころからは、おおえさんが執筆された『魂のアヴァンギャルド―もう一つの60年代』出版記念として60年代アメリカでのドキュメンタリ映画の上映などもあります。夕方はかなり寒いです。暖かな装いでどうぞ。
 参加は無料(でもフィリピンの地料理や南インドのカレーを食べようとするとお金を取られたりします、でも少なくとも消費税はフリー)。
 ギブ&ギブン。収穫の喜びをみんなで分かち合う収穫祭です。もしよければ、どうぞお出かけください。マイカップ、マイハシ、マイスプーンなどを持ってきていただけるとありがたいです。

落葉広葉樹の葉枯らし&新月伐採

 ここ八ヶ岳山麓クヌギやコナラなどの落葉広葉樹を「新月伐採」で「葉枯らし」しようとすると、11月の新月しかありません(ただしクルミやミズキは葉が落ちるのが早いので10月の新月の方がいいかも?)。
 (2013年の)11月は3日の21時50分が新月でした。そんなわけでこの連休、八ヶ岳山麓で自給的な暮らしをしている人たちは、木の伐採をした人が多かったようです。
 海洋生物同様、植物たちも月による引力の変化をとらえる能力を持っているのでしょうか? 新月に伐った木は、デンプン質が毒性のあるフェノール類に変化し、カビなどが発生しにくいなどと言われていたりします(新月と満月とで水分量はそれほど変わらないというデータが最近は多かったりします)。

↑写真はコナラ。このあたりの太い木は、根元あたりで曲がっているものが多く、1959年の伊勢湾台風のときに土石流があってそのため、などと言われていたりします。この木は裏の林の中で一番高い木でもあります。Photo by sara,

↑森の中にはこんなオブジェもあってつぶしたくないので、まずは木が倒れたがっている方向をしっかり見定めなければいけません。そして倒したい方向に受け口を刻みます。木が倒れたがっている方向と、倒したい方向が一致しない場合は、木のできるだけ上の方にロープを掛け、ウインチなどを使って引っ張ります。
 また、木は倒してみると思いのほか高く、思いも寄らないところまで影響が出たりするので注意が必要です。
 受け口の下側は水平に刻むのが正しいとも言われているのですが、どうもそれだと上下の切り込みのラインをピッタリ合わせるのが難しく、深くなりすぎてしまったり、ツルの部分にまで切り込んでしまったりすることが多いので、私は上下ともに傾斜させてしまっています。
 建材にしない薪用あるいはキノコのほだ木用の場合は、チェーンソーが一番使いやすい高さで切って、伐ってから根元あたりでもう一度伐る方が伐りやすかったりします。

↑こんな感じ。慣れないうちは一発で決めようとせずに、小さな受け口を作ってそれを拡大していく方法をオススメします。Photo by sara.

↑そして最後に追い口を入れます。受け口と追い口の間の最後まで残る部分はツルと呼ばれ、この部分が平行に残るように少しずつ慎重に追い口を刻みます。ツルがちょうど蝶板のシャフトの代わりになるように追い口を刻むわけです。Photo by sara.

↑木は生えているときでも、樹幹の細胞のほとんどはすでに死んでいると言われています。生きているのは4%前後で、その他の細胞は死んでミイラ化し骨格を支えていると言われています。自然の生態系の中で生き延びるにはそれくらいにある種の効率を最優先しないといけない、ということだと分かってはいるのですが、しかしそれでも木が倒れる瞬間と言うのは、心が痛みます……。

↑少し受け口が大きすぎですが、ツルの部分はまあまあ、まっすぐに残っていて、素直に倒れてくれました。コナラやクヌギ、クリなどのケルクス類は、切り口から甘い芳香が漂います。……ありがとう、そして大切に使わせていただきます。

↑切り口を整え、心材の真ん中付近にお塩を盛ります。塩は材を菌による腐敗から守り、再萌芽を促すためかもしれません。

↑倒れた木を計ってみたら、樹冠まで18mありました。三階建て住宅の屋根までの高さは普通10m以下なので、それよりもはるかに高いことになります。下から見上げるとそれほど高くはないように見えるけど、立ち木は倒れると思いのほか長い、ということを認識しておく必要があります。

↑こちらは2年前に伐採したコナラ。伐採した切り株からひこばえが成長し、5mほどの高さの木に成長しています。コナラやクヌギ、アベマキ、それに南方系のカシ類などは再萌芽性が強く、これらは膨大な年月をかけてヒトによって品種改良された植物ともいえるのかも知れません。化石燃料が普及する前、ほんの100年前まで、これらの樹木は何千年、もしかしたら火を使って調理をしたりあるいは土器を焼いていた縄文の頃から、稲作よりもさらに前から人と共に生きてきた植物たち、とも言えるのかもしれません。

きょうから三日、土用干し

 ありがたいことに……、寒暖計がなくても、体温計があれば気温が測れるくらいに、白州も暖かくなってきました。焼け付くような日差しは人にとってはきついけれど、梅干を作るうえではありがたい存在。というわけでも、我が家もきょうから3日、梅干しを土用干しすることにしました。

 とにかく今年は梅が豊作でした。いつもの年は、カメムシの吸い跡だらけの梅干なのですが、今年の梅はかなりキレイです。

 我が家の好みは、微妙な赤ジソ。赤ジソが多過ぎると、味がにごってしまうように思うのです。そんんわけで、赤ジソの添加はほんのわずかなのですが、赤ジソの葉に接していたところだけ、ほんのり赤くなります。自然の色加減はホント美しい……こんなことで感動してしまう、安あがりなわたなべ家なのでした。 

収穫した麦を持ち寄り、みんなでワイワイ脱穀…「緑の党」の候補者たちはこんな幸せの形があることを知っているのだと思う。

 きょうは一年に一度の麦の脱穀の日でした。晴れてくれてありがたかった。
みんながそれぞれに育てた自家用麦穂を持ち寄り、脱穀します。
 まずはライ麦、その後、ユキチカラ、シラネ、ナンブ……と続きます。
 そして……、写真はお昼、持ち寄りごはんの風景です。

 緑のスキマをぬって届くこぼれ日の中、それぞれに持ち寄ったご飯をシェアしていただきます。我が家は自家製麦やトマトで作った石窯ピザ。石窯は、焚き付けや粗朶(そだ)を適当に入れておけば、勝手に火が熾って石が加熱され、畜熱されて、その余熱で料理をするので、その間、他の作業ができるので助かります。

 こちらは、ユキさんが持ち寄ってくれた生春巻き。ちゃんとにしっかりコリアンダーが入っていて、美味しかったなぁ。ユキさんは小淵沢で陶芸教室の先生をやっています。だから、料理だけでなく、陶器も自家製。


 しかし、きょうは忙しかった……。朝、日の出と共に起きて、堆肥場に砕石を敷いて均し、鉄筋を配金、生コンを打ちました。前日までに根切りはしてあったので、余裕のはずだったのだけど、思いがけないトラブルが続出で、ミキサー車が到着し、ユンボのバケットに生コンを流し始めた頃に最後の鉄筋締結が終わるというギリギリの作業でした。

↑鉄筋を浮かせるスペーサー(通称、ピンコロ)の代わりには、アスファルトの破片が便利。上と底と両面の面が出ているので、高さが安定するし、その上だったら人が乗っても大丈夫(ピンコロの入っていないところを(私のような)デブが乗るとメッシュが反り返ってしまってたいへんなことになります)。

「少し余分に生コン取るから残コンが出るよ」と基礎屋さんの親方が声をかけてくれたことで、以前から崩壊が気になっていた堆肥場の土留めを急きょRCでやることにしたのでした。でも結局は、時間が勝負の本業の仕事の合間をぬって職人のおふたりにいろいろ助けていただくことになってしまいました。
 ハセヤンを見習って、道路のカーブに落ちている砕石を拾っていたら(ホープロッジに入ったばかりの頃のハセヤンはこれが仕事だったらしい)、見かねて職人さんが、ユンボのバケットで砕石を運んできてくれたり……。

 あまりにしょぼい材料でやっていたら、親方が、材料置き場の草むらに鉄筋捨ててあるからソレ使えし、と助け舟をだしてくれたり、現場を見て残コンだけでは足りないとみた親方は、密かに生コン会社に追加の発注をかけてくれていたり……、時間が勝負の生コン打設にもかかわらず、バイブの使い方やコテでの均し方をていねいに教えてくれたり、本当にありがたかった! ありがとうございました。

 しかしそれにしても、プロの方から見たら、許しがたいくらいの超いい加減なコンクリートの打設。細い鉄筋を地面に直接ハンマーでたたき込み、それに鉄筋を抱かせていたり……鉄だったらまあいいか、ということでサビたアングル材を突き刺してあったり……。

 擁壁の型枠もかなりいい加減なものになりそう(当初は土手側は土にシートを張って型枠(の代わり)にする予定だったけど実際にベースコンを打ってみたらそれだけでも土は崩れてきてしまうのでこの工法は変更せざるを得ないようです)……はたしてこんなことでどうにかなるのか? そのあたりも含めて、今後も紹介させていただこうと思っています。次に残コンがでるのは、水曜日の予定とか、はてどうやって壁の型枠を立ち上げようか……。

 ミキサー車が来ている間は戦争のようだけど、それが終わると少し落ち着きを取り戻します。表面がまだやわらかいうちに、拾ってきた砕石を埋め込んでみました。少しずつ振動させながら埋め込むと周囲にモルタル層が浮き上がってきて、いい感じに埋め込むことができます。ラピスラズリだとか、海で拾ったガラスの破片とかがところどころに点々と埋め込まれた土間とか、ちょっと良さそうな感じがしました。