Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


松皮づくりほか、魚料理の備忘録

海なし県、山梨に移り住んでちょっと残念なのは、美味しい魚が食べたくなったので地魚が買える葉山の魚屋さんまでちょっとドライブ、なんてことができなくなったことでした。
でも今は、とても有り難い時代。山陰の魚屋さんに(おまかせで)ネット注文すれば、地元で水揚げされた魚を漁港で買い付けてくれて、それらを送ってもらうなんていうことができ、翌日には届くので、水揚げされた次の日に超新鮮なそれらをいただくことができたりするのでした。
しかも、冷蔵便の送料や発泡容器や梱包代などを含めて3000円+税で、4人家族が数日楽しめるほどの魚介類が送られてくるのです。
今回、送られてきたのは、赤カレイ、真鯛メジナ、カナガシラ(ホウボウに似た棒のような赤い魚)、小ダコ、赤バイ貝でした。
唾液腺にめまいを催す神経毒がある赤バイ貝だけは下処理済みでしたが、その他の魚やタコは丸のまま、内臓やウロコも取ってない状態なので下処理までは早めにやる必要があります。また、いつ届くか、どんな魚が届くかもおまかせなので、好き嫌いがある人などは辛いかも知れませんが、魚が好きで自分でさばくことをいとわない人には最高の素材。しかもどんな食べ方がオススメかが書かれたメモが同封されてきます。

時間的な余裕さえあれば魚を自分でさばくのは好きで楽しいのだけれど、わたしの場合、物覚えが悪いことにくわえ、魚をさばく機会が少ないということもあって、何度も同じ失敗を繰り返してしまうので備忘録としてブログに記録しておこうと思ったのでした。

届いた初日はとりあえず、すべての魚の下処理をし、赤ガレイと小ダコをいただきました。
●タコはたこ飯。ビニール袋に塩を多めに入れてその中にタコを入れてもみ、ヌメリをとります。新鮮なタコだったからか、驚くくらいに美しいサクラ色のご飯で、美味しくいただきました。

●赤カレイは、うろこを取り、内臓をとってから、5枚に降ろしました。
今回のいただいた赤カレイには、卵が入っていたキモも大きかったので、内蔵をていねいに取り、卵は茹でてからバラし、その後、炒ってタラコのようにして、お醤油を少し垂らしていただいたり、お刺身にまぶしていただいたりしました。
内臓は心臓とキモ(肝臓)を取り分け、茹でてからすりつぶし、ペーストにしました。あん肝ならぬ、カレイキモ。これが素晴らしく美味しくて、わたしはお刺身のお醤油にといて、さとみさんはトーストしたライ麦パンにぬってレバーペーストのようにしていただいていました。
赤カレイは、お刺身でいただきました。ヒラメよりも、身は柔らかめなのですが、甘さもあって美味しかった。
カレイのアラは、適当な大きさに切って片栗粉を付けて、から揚げに。縁側はもちろん、中骨も尻尾も、半分に割った頭も、塩とレモンで美味しくいただきました。骨まで美味しくいただくためには、二度揚げするのコツ。
カレイ1尾で大ごちそうになりました(美味しくて写真は撮り忘れました)。


二日目、朝食は、カナガシラのアラで作ったブイヤベース。自家製サフランと、氷点下の畑で耐えていたイタリアンパセリをちらしていただきました。絶品。←これはさとみさんの作。

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ブーケガルニ用のハーブ、サフラン、その他の野菜や根菜もなんとか自給できているので、あとは魚介類があると料理のレパートリーが広がるのでした。

夕食は、メジナ(グレ)とタイをお刺身でいただきました。
松皮づくりが好きなのですが、産直商店からのメモ書きに皮をさっと炙って食べてみて下さい、とあったので、湯通しと両方やって比べてみたのですが、トーチで炙った方がシコシコはするのですが、硬すぎることとなぜか生臭さが出てしまう感じもあって、表面にペーパータオルを一枚敷いた状態で熱湯を掛けて湯通しし、すぐに氷水に漬けるという方が家族にも評判が良かったです(これ、以前にも試しているのにすっかり忘れていました)。でも、もしかしたら炙り方にコツがあって、トーチ(今回ははんだ付けなどにも使える細口のガストーチ)の種類などによっても違ってきたりするのかもしれません。ご存じの方、アドバイスお願いします。

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⇧タイとメジナ(グレ)のお刺身、松皮造り。大根のツマが見えなくなってしまったほどのテンコ盛り(ふた皿に分ければよかった)。自家製の山わさびをすりながら(摺った直後が最高に香り高い)、内山さんからいただいた無農薬レモンを垂らしながら、塩レモンほかでいただきました。手間はかかるけど、こんなに美味しいお刺身をこんなにたくさん食べることができると、スーパーのお刺身になかなか手が出せなくなってしまうのでした。

ところで、以前メジナは皮を引き、その皮を小さく切って、炙ったか湯通ししたか(忘れてしまったのですが)も酒の肴に最高だったことなども食べ始めて思い出しました。
炙るにしても、湯通しするにしても、皮に軽く塩をすることで、熱湯をかけたとき、たんぱく質がすばやく凝固して、身のほうまで熱がそれほどまわらない、とのことです。今回は塩をしなかったので次回は忘れずに試してみたいと思います。

翌日、カナガシラ(アラはもういただいたので身)は壷田さんの土鍋で湯豆腐。

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⇧身は、湯豆腐にしてもシコシコしていて、タラとはまた違った美味しさ。昆布との相性も抜群で、汁はお醤油を少し垂らしたらすまし汁のようで、汁もダシガラの昆布も、全部いただいていました。

赤バイ貝はバターソテー。
メジナとタイのアラは潮汁にして、骨までしゃぶり尽くしました。新鮮だからなのか、アラも驚くくらいに臭みがなく、あー、美味しかった!
ちなみに、今回、送ってもらったのは、こちら、繁忙期やお正月、それにシケたときなどはおやすみになることもあるようです。