Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


トラクター・ロータリー(ヤンマーRS1300)のオイル漏れ修理(オイルシールとベアリングの交換)の備忘録

ヤンマートラクターYM1700に付いているロータリーRS1300のオイルシールとベアリングを交換したのでその備忘録です。


オイルシールやベアリングの交換だけであれば、それほど大変な作業ではなく、正味の作業時間は1~3時間ほどではないかと思います。
が、ヤンマーのサービス部門の対応がよくなくて、ネットで部品番号や在庫や値段を教えてもらえず、代理店なので出向いてください、とのことだったので、なんとか汎用部品で切り抜けてやろうということで、とりあえずバラし、実測して、モノタロウなどから汎用品を取り寄せることにしたので、正味の作業時間は短かったけれども、時間は少しかかってしまいました。

■まずはチェーンケース内のオイルを抜きました■


整備書があるわけではないので、まず何をしたらいいのか? 考えながらテキトーに作業をはじめました。
まずは、チェーンケース下部にあるドレンボルトを緩め、チェーンオイルを抜きました。

■回転軸を外すためシャフトを固定しているボルトを緩めます■


作業しやすいようにロータリーをあげた状態でシャフトを固定しているソケットサイズ19ミリのボルトを緩めておきます。ロータリーの回転速度を一番遅くして、ギアを入れて置くと空回りしにくくて楽ちんです。歳と共に楽をすることを覚え、レンチの柄にはパイプを延長してしまいました。

■回転軸の脱着■


内側ボルトを緩めたら、ロータリーの下に廃タイヤを敷き、その状態で油圧を緩め、廃タイヤの上にロータリーをそろーっと降ろしてから、緩めておいたチェーンケース側のボルトを外します。
次にチェーンケースと反対側の取り付けボルトを外します。このボルト3本(上の写真の7マークボルト)は外側から外せるので回転軸(ロータリーのメインシャフト)は比較的簡単に取り外せるのでした。

■チェーンケース内のスプライン軸を抜きます■


チェーンケースにある点検窓を開けると、そこにはロータリー軸の先端部がありました。サークリップ(スナップリング)が見えたので、まずはそれを外します。

スナップリングがあったということは反対側に押せば抜けるのではないか? と推測し、ソケットをあてがいハンマーで軽く叩いてみました。

⬆スナップリングを外した後、ハンマーで手を叩かないようにソケットとレンチをセットし、ハンマーで叩いてみました。


⬆シャフト端部、スプライン部はあっけなく抜け落ちました。

オイルシールの取り外し■


チェーンケース内側のシャフト側にあるオイルシールをマイナスドライバーでこじって外します。再使用はしないつもりだったので壊すつもりで外しました。


オイルシールのサイズ測定■


この部分のオイルシールは、外径62、内径40、幅14ミリでした。
手元にあったヤンマーの部品早見表には、QLN35.62.11Yとあったのですが、なぜかサイズが異なっています。
いろいろ迷ったのですが、ダストシール付きで全周がゴムで覆われた回転用の似たサイズの(早見表のデータよりも幅が3ミリ広く、その他は実測値と同じである)、武蔵オイルシールのUE型40.62.12(モノタロウで369円だった)を選択。


反対側にも同じサイズが使われていたので、オイルシールは369円×2個。

■ベアリングの取り外しと測定■
チェーンケース側のベアリングはこれまでオイルの中にあって大きくは傷んでいなそうだったのでそのまま使うことにしました。
反対側のベアリングは完全に固着してしまっていたので、交換を前提に寸法測定します。


サイズは35.72.17(内径.外径.幅)のようでした。
この部分はグリスでの潤滑だと思うのですが、田んぼ作業などで水が入りやすく、開放型をそのまま使うのはよくないように思い、両側接触のシール型に変更することにしました。
ベアリングには開放型、シールド型金属プレートでベアリングの転動体を潤滑剤とともに密閉したもの)、シール型(ゴム製シールで密閉したもの)の大きく3種類があり、その中でも、内輪がゴムシール板で両側とも接触シールされているもの(NSKでいうところのDDU、モノタロウの2RSタイプ)が防水性や防塵性に優れていると言われています(その分、摩擦抵抗は大きくなるのですがトラクターのロータリーの場合は問題なしと判断)。
汎用品なんで、開放型との値段の差もそれほどないので、ギアオイルによる潤滑のないこちら側は最も防塵防水性の高い密閉シール型にしました。
これもモノタロウからの購入で、サイズは35.72.17、6200番台のボールベアリングで2RS(両面接触ゴムシール型)で、最も性能に優れた高価ベアリングとは言え汎用品なのでひとつ499円(品番6207-2RS)。
そしてこれらは、(なんだかモノタロウの宣伝のようだけど)、15時までにネットで注文をし、(合計金額が3500円以上なら)送料無料で翌日には自宅まで届けてもらえるのでした。今回は田植え前のシロカキ中に壊れてしまったので、すぐにバラしだしたこともあって、純正部品をヤンマーから取り寄せるよりもはるかに早く、しかも格安で部品を入手できたように思います(おかげで5月中に田植えが終わりました)。


両側接触のゴムシール板型ボールベアリングと純正で使われていた開放型ベアリング。


ただ、問題は、ベアリングが固着してしまったがためにすり減ってしまったシャフトをどうやって修理するか、です。
この部分の修理に関しては、ページを改めて紹介したいと思います。

⬆右端が正常のサイズ、かなりすり減ってしまっているのでした。

■オイル漏れの原因■
チェーンケースと反対側のベアリングケース内に水が侵入し、ベアリングが固着し、シャフトを削って摺動してしまっていたために、シャフトのフレが大きくなり、反対側チェーンケース側のオイルシールにも負担がかかり、チェーンケース内のオイルも漏れてしまったというのが原因と推測。
ということで、削れてしまったメインシャフトも修理したのですが、その模様はこちら(スミマセンまだアップできてません)を御覧ください。








 

6Aから任意の電流値で充電できるという電気自動車用の中国製充電ケーブル、ポチってみました。

6A~15Aまで1A刻みで任意の10種類の電流値で充電可能、とのことだけど240V対応とは書いてあるけど100Vで使えるとは記載されておらず、ほかにもちょっと怪しげな部分もある中国製の充電ケーブルがあって、以前から気になっていたのですが、人柱になるつもりでポチってみました。

これまで使っていたのは、これ。 純正の充電ケーブルに比べたら、これも悪くはないのです。

www.amazon.co.jp8A~16Aまで、任意の4種類の電流値が選べると同時に100Vも200Vも接続可能で、しかも、充電電力値や充電を開始してから通算の充電電気量や時間、温度などをディスプレイに表示してくれます。さらに値段も2万3000円弱とリーズナブル。三菱純正の充電ケーブルは新品だと5万円以上してしまうのです。

100V8A(実測値では730Wくらいでした)から充電可能なので、出先で電気を借りるときなども、普通のコンセントからでも比較的安心して充電可能だったししたのでした。
これに簡易電力計、たとえばこれ

とか、を組み合わせることで、電気代が計算できて、充電の際の電気代をお支払いすることもできます。

ところで、今回、キヨブタの心境でポチった少し怪しげな電気自動車用の充電ケーブルは、こちら。


ドラゴン翻訳らしく「あなたはあなたの電気自動車を充電することができます」などと怪しげな表記も多くあって、肝心の100Vにも対応しているかどうかも微妙でした。
ですが、届いてみたら、100Vへの変換アダプターも付属していて、自動で100Vを認識してくれました(2種類あるようで「Nema6-20 Plug / 5 Meters」という方を選択しました)
とりあえずウチにある、ミニキャブ・ミーブ(軽バン&軽トラ)、それにアウトランダーPHEV(最初期型)で試してみたところ100V6A(実測値だと530Wくらい)から充電が可能でした。

冒頭で紹介した青い充電器との大きな違いは、6Aから充電可能なこと。
最低充電電流値が6Aと8Aの違いなのですが、「パワコンの停電モードを使った自前の車庫屋根太陽光発電」で充電しようとすると、この2Aの違いは大きいのでした。

これまでも100V6A(固定)で充電できる充電ケーブル(トヨタプラグインハイブリッド車用の充電ケーブル)というのがありました。
(ソーラーパネルの配線を組み直したことなどもあって効率が上がり)6A充電ケーブルであれば、晴れていなくても明るい曇りの日であれば充電できることがわかり、また、6Aケーブルであれば、朝7時過ぎから充電可能(8Aの場合は10時頃から)だったのでした。

でも困るのは、その後、太陽の高度があがってもっと大きな電力で充電できるようになっても、6A固定ケーブルの場合、550W近辺でしか充電できず、ソーラーパネルはもっと発電してくれているわけで、それではモッタイナイので、ケーブルをもっと大きな電流値で充電できるものに替える必要があったのです。

もし6Aから15Aまで任意の電流値で充電できる充電ケーブルがあれば、ケーブルの交換(夕方もだと、これが案外面倒)が不要なのです。しかもこの6Aから選べる充電ケーブルは、充電電流値の変更をつないだまま(つまり充電中に)変更が可能でした(8Aからの青い充電ケーブルは一度、クルマ側のジャックを抜かないと充電電流値の変更はできないのです)。

また、この充電ケーブルは1Aごとに電流値の変更が可能で、6A、7A、8A、9A、10A、11A、12A、13A、14A、15Aと10種類の充電電流値が選べました(amazonの説明では16Aまで11種類とありますが15Aまで10種類でした)。
これによって、ソーラーパネルの配線方法(直列がいいのか並列がいいのか)などを実測値を元に調べることができたりもしました(近く紹介したと思っています)。

欠点も紹介しておくと、青の充電ケーブルよりも、キャブタイヤコードが短く5mであること(容量の大きな延長コードを自作しました)。
モニターランプなどがあるだけで、青の充電ケーブルのような電力量などをデジタル表示してくれないこと、などがあります。
また、送られてくるのが中国からの直送なので、時間がかかること。
直送のために円安がすぐに反映されてしまうこと、などがあります。

おまけ


⬆ 床に這わすと操作しにくいし、机などの上においておくとコードを引っ張ったときに落下させてしまい壊しそうなので、100均のクリップで固定して使っています。操作がしやすくオススメです。

 

おまけ2

⬆ 軽トラMiEVの普通給電口は、運転席とは逆側にあり、しかも工具ボックスの流用なのでカギで開ける仕様になっています。とても使いにくいので、カギを外し、太めの針金と空き缶と木っ端で適当に改造。鍵なしで開閉可能で、とても使いやすくなりました。








無農薬田んぼの代掻き・代かき(しろかき、シロカキ)の覚え書き

(
一年に一回のことで、忘れてしまうので覚え書き。
ところで、虫草農園で使っているトラクターは、約50年前の2駆のトラクターでジャイロや水平機能などのついていないものなので、高性能なトラクターやドライブハローを使用している場合はこんな小技は必要はないのかも。

●代掻きを初めてしまうと、水が濁るので、どこまで掻いたか分からなくなってしまうので、最初に耕す方向と直交するように3~4本走り、水面よりも土が出たラインをつくっておくと、ひとつ置き耕転のときの目安を付けやすく、またまっすぐに耕転しやすく曲がりにくい。ただし、水上にスズメノテッポウの穂先が全面に出ている場合は、それが目安になるので直交の目安走行は不要。また、代掻き用のドライブハロー(トラクターの輪距よりも幅がかなり広いもの)がある場合も、こんな面倒なことをする必要はないと思われる。

●直交したラインをつくるとき、田んぼの中の低いところからロータリーを回し始め、高いところでロータリーを上げると、凸凹を少し修正できる。田んぼに入る前によく観察しておき、なにかで目安をつくっておいてもいいかも。

●回数は、最初できるだけ早め(できれば冬期湛水)で土や水が溶けたら、一度行い、その後、田植えの直前に一度の二度が理想的かも。このところは、三回やってしまっていて、田んぼに棲む生物たちには迷惑なことと思う。最後のときには、発芽している雑草たちを浮かすためにできれば深水で代掻きする。
その後、排水口手前に寒冷紗をして、浮いた雑草やタネを受けるようにして水は流してしまう。もしくは、風で吹き溜まったところを、魚取り網や目の細かな熊手で捕獲し陸揚げ。その方が、水に溶け出している肥料分を流さずに棲むような気がするけど、それだと水の引きの悪い田んぼだと、代掻き後すぐに田植えができない。

●除草剤を使用する田んぼの場合は、土を落ち着かせるとの名目で、最後の代掻きから数日のインターバルをとってから、田植えをすることを推奨しているが、除草剤を使用しない無農薬田んぼの場合は、最後の代掻き後、できるだけ早く田植えをしたほうがよいように思う。そのためには、水の出口にネット(寒冷紗)を掛け、雑草や雑草のタネを流さないようにしながら、水を抜き、できるだけ早く田植えする(苗の成長から逆算する)。ただ、このとき、せっかく増えてきた浮草が雑草たちに混じってしまうことと、養分が溶け出した田んぼの(臭い)水を流してしまうことが肥効の面でどう影響しているのかは今後の課題。
●いずれにしても、雑草たちの発芽が遅い寒冷地の場合は、焦って田植えを早くしないことがポイントのひとつのように思う。つまりは浸種やタネまきのタイミングをできるだけ遅くすること。それにより田植えを5月下旬以降にして、最後に深水で代かきし、すぐに苗を植える、というのが良さそう。ただしその場合、育苗に失敗は許されないので失敗の少ないプール育苗がいいように思う。

●ターンは無理して急カーブせず、外周を(二周ではなく)三周した方が、ターンによる凸凹が少なくなるので正解だと思う。
●外周を回るときは、一番外側からまわると、その内側をまわるときも位置取りしやすい。外周の土手際をトラクターの後輪でしっかり踏んでから、ロータリーを掛けると、それによって水持ちが良くなるようなきがする。

●ギアケースのない右側で外周をまわるわけだけど、年代物のトラクターゆえ、ベアリングケースを傷つけないように注意する。特に、畦畔ブロックにこすれるとすぐに破損し、この部分、17800円もする。


●水面から出たスズメノテッポウなどの細胞内に卵を産むイトトンボたちのために、スズメノテッポウを故意に少し残してあげるのも生物多様性ということでは良さそう。

●寒い時期の代掻きでは、天ぷら廃油に少し灯油を混ぜたほうが燃料フィルターが詰まりにくい(燃料フィルターを暖めるのも良さそう)。


⬆田植え直前の最終代掻きの終わった無農薬田んぼ。浮いた草やヒエのタネたちが風に流されて、岸近くにやってきたら、目の細かなネットですくいます。


⬆でも、よく見たら、ワニがいた。
こんなことにならないように、ていねいに代掻きしましょう!





最近のドゥーパ、とってもいいです。

ドゥーパが送られてきました。

 

つらい話や、悲しいニュースが多い中でも、この雑誌をみていると、なんだ人間も、捨てたもんじゃないなぁ、という気になってきます。

今月号のドゥーパもとてもよかった。
自作キャンパーはその暮らし方とともに、どんどん進化しているようです。


小屋を家を、セルフビルドするひとたちのセンスも素晴らしい。生き方がもの作りに現れているように感じました。


割った薪や角材など、自由な発想で積むこのコードウッドハウスも素敵でした。目地はホワイトモルタルなのかと思ったら、土と消石灰とのこと。



今回の連載ページは「廃材を使った超いい加減なドアのつくりかた」というタイトルで相変わらずの貧乏くさいノウハウを書かせてもらいました。


⬆野地板を骨組みにして、廃材パッチワークで片面仕上げたら間に発泡材の断熱板(これもあり合わせのもの)をはさみ、反対側も廃材パッチワークで仕上げるというもの。パッチワークの貼り付けには、薄いナベネジを使用し表から見える形で止めていくのが簡単で、リベット風でもありオススメです。


世界中を巻き込むようなカタチで戦争が勃ってしまい、一刻も早い停戦が必要なのに、それぞれが流す偏った情報により、どちらかに加担することで停戦は進まず、戦争を欲していた人たちとの間で格差がますます広がってしまう……そんな世の中で、私のようなものにできる数少ないことは、我利我利亡者の資本家や、有能とはとても言えない私利私欲に走るだけの経営者たちにこれ以上、お金を貢がないこと。
それにはできるだけお金を使わずに幸せに暮らすことで、捨てられてしまっている廃材を楽しく使い、自分たちの暮らしをDIYする生きかたがいまとても必要なことのようにも思っています。

暮らしが仕事? 虫草農園の「自給知足な暮らし方」を紹介する動画ができました!

 朝、起きて、「はて、きょうは何をしようか?」と考えます。
もう少し正確に言うと(やりたいことはたくさんあるから)「さて、何から始めようか?」なのですが、いずれにしても大切なところは「誰かに何かをやってください」と指示されるのではなく「何をやるかを自分で決める」というところ、のようにも思えます。
 見方によっては「やらなければならないことがたくさんある」「やらなければならないことの山に押しつぶされそうになっている状態」とも言えなくもないのですが、でもそれらの多くはやらなくても、自分がちょっと嫌な思いをするくらいのことで、やらなくてもまあ、人類は絶滅しないし、地球の生態系もきのうとあまり変わることなく、これまでの数億年と同じように多様性で平衡を保つために棲息密度に応じた調整を行ってくれています。定期的な大発生を繰り返すマイマイガもバッタも、エントモファーガ(昆虫感染症菌)などにより個体数制御されていて、バランスを保っているように見受けられます(そのあたりに興味をもった人はどうぞ、こちらを)。

いかんいかん、話が脱線しました。

「地給知足の暮らし」と題して、虫草農園での暮らし方を紹介する動画をつくっていただいたのでした。


www.youtube.com

 誰にでもオススメできる生き方、ではないのかもしれません。
でも、これだけ文明が発達し、技術もこんなに進化したのだけから、朝から晩まで、しかも週に5日も、お金稼ぎのために働かなくてもいい世の中になっているのではないか? わたしたちのようなグータラなナマケモノにもできるのだから、もっと多くの人ができるはず、との思いはあります。
 田舎暮しであれば、土地に余裕があるので、捨てられてしまうものをいただいてきて、ストックしておくことができます。おかげで、小屋の多くは廃材でつくることができました。
 公共交通機関のない田舎では自家用車が必需品なのですが、中古の電動軽トラ&中古電動軽バンを手に入れてからは、太陽光発電でほぼ充電できているので自動車の燃料代はほぼ無料。
 しかもそれらはいただきものの中古のソーラーパネルヤフオク仕入れた5000円のパワコンによる発電なので、手間はかかったけれどかかった経費は3万円くらい。それで田舎暮しの必需品である自動車燃料代は無料にできました。しかもほぼ永久に無料(中古であってもソーラーパネルの劣化率は年1%未満、台風で壊れたりしない限り、たぶん私が死んだ後も発電し続けてくれます)。
そのあたりに興味を持った方はどうかこちらを。

musikusanouen.hatenadiary.jp


また、暖房は自己流のパッシブソーラー&薪ストーブだし、給湯は真空管タイプの太陽熱温水器。草刈機もマキタならパワードby太陽光でいけるし、日本の田舎はいま高齢化と過疎化が進んでしまっているので、いまは田んぼも畑も果樹園も貸していただきやすい状況にあります。
つまり、ヒトが快適に暮らしていく上で必要な衣食住&エネルギーを自給することはそんなに大変ではないし、「知足」をモットーに暮らしをつくれば、そんなにはお金を稼ぐ必要もないように思われます。

 誰にでもオススメできる生き方ではないかもしれません。でも、ヒトの暮らしのほとんどをお金で解決しなければならない暮らし方は、一見、効率的に見えるのですが、実は実質的にも精神衛生的にも不安的で、その効率はお金を猛烈にたくさん持っている一部の人がさらにお金を集めるためにも効率的な仕組みであり、つまりは搾取に都合のいい方法だったりもするように(外から見ていると)感じてしまいます。

 何度も書いてしまうけれど、誰にでもオススメできる生き方ではないのかもしれません。でも、比率としてこうした自給的で農的、そしてちょっと不便で、だけどそれを楽しいと感じられるような人はもっともっとたくさんいるはずだし、そうした人たちが「地給知足な暮らし」にシフトすることが、命をも軽視する我利我利亡者による搾取を減らし、紛争や戦争をなくし、地球の温暖化をも止める確実な方法のように私には思えてしまうのでした。
いまはまだまだ少ないのですが、この暮らし方は、とんでもなく楽しいし、心が弾みだすようなことも多くて、毎日が刺激的で、似たような感覚の人にはかなり充実した暮らし方だと思うんだけどなぁ……。


末筆ながら、虫草農園の暮らし方に興味を持ち、声を掛けてくださったKEEP協会の田村のり子さん、鳥屋尾健さん、大学の授業に使ったり撮影にもお付き合いくださり的確な助言をくれたリッツこと鈴木律子さん、そしてそして、毎日暮らしている我々にも気が付かない視点まで掘り下げ、素晴らしい感性で動画を撮影&編集してくれた田中文太郎さん、ありがとうございました!

「ご夫婦で家を手作りされた」あの河辺さんをお訪ねさせてもらいました!

新聞を読んでいると、「なんだかなぁ」とガッカリさせられるニュースが多いのですが、その一方で、ネットを通じて流れてくる、自給的で農的な暮らしをしている人たちからの情報を目にすると、「いやぁ~、日本も捨てたものではないじゃん!」という晴れやかで明るい気持ちになったのでした。
楽しいですよー、貧乏暮らし! じゃなかった、自給的な暮らし。
ヒトが暮らすことをなるべく自分で楽しむ、というのは「なんというかなぁ、生きものであるヒトの本能に根ざしたような喜びがある」ように思えてしまうのです。

実は昨年のことですが、長野県の小川村に河辺さんの家をお訪ねさせてもらいました。
河辺さんのほかにも、北茨城の鈴木さん、栃木の七田さん、長崎の有安さん、多摩の飯田さん、そして広島の秦さん、実はここに挙げた方々とはまだ一度も(リアルでは)お会いしたことがないのです。
ですが、気心が知れた子供の頃からの友達のようなお付き合いを(勝手に)させもらっています。SNSを通じて、それぞれ情報を交換し合い、いつもたくさんの素敵な刺激をいただいているのでした。ありがとうございます。


そんなわけで「あの河辺さんについにお会いできる!」と言うので、お訪ねする数日前から修学旅行を前にした小学生のようにワクワク。当日は家族がまだ寝ている頃から起き出し、電気自動車(とはいえ軽バンですけどね)の充電ケーブルの選定を考えたり、電欠したときに凍えないように寝袋を積んだりしていたのでした。
なぜそんなに興奮してしまったのかは、この動画を見ていただくのが手っ取り早いと思われます。


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フルバージョンもあります。 
まだご覧になったことがない方は時間のあるときにぜひ!

手に入れた土地に生えていた木を伐採して家を建てるために、製材機の自作からはじめた、なんていう人がいて、そんな凄い人に実際にお会いして話ができるなんてと思うと、ワクワクしてしまいますよねぇ。 


ということで、軽バンEVに家族3人と一匹を乗せ、長野県の小川村へと向かったのでした。
途中、梓川の高速パーキングと美麻という山村にある道の駅の充電所での給電だけで、無事、小川村にたどりつくことができました。見ず知らずの家に「(電欠したので)電気を分けてください」と頼み込んだり、道端の自動販売機から勝手に東電、じゃなかった盗電したりすることなく、無事、河辺さんの家にたどり着くことができたのでした。


以下、感動的だったその日の様子を写真と共に紹介させてもらいます。

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⇧これは当日、河辺さんの家を一緒に見学させてもらった御代田(長野)の友達、風間さんの軽トラ。都会を離れ、カッコいい生き方をしている人は着実に増えています。

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⇧家づくりの拠点として最初に建てたという美しい小屋。

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近くの古民家解体時にもらってきた古い床材をヨロイ貼りにすることで曲線がキレイに浮きでていました。その使い方がまた絶妙なのです。

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⇧そしてこれが河辺さんが自作された製材機。
友人に依頼されて作った2号機に、この1号機の部材の一部を移設したために今回は実演出来ないとの事でしたが、それでも十分に私にとっては感動的で魅力的な外観でした。

小型のエンジン(写真の2号機はテーラーのエンジンでヘッドライト付き)で自動車の車輪を回し、タイヤに帯鋸刃がセットされていて、それで丸太をカットするという仕組み。タイヤやエンジンはレール(アングル材)の上の車輪付きヤグラにセットされていてヤグラごと平行移動し丸太材を製材できるという画期的な自作製材機なのです。

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⇧帯鋸のプーリーとして弾性に優れたゴム製のタイヤを使うという発想が秀逸。なんとも独創的アイデアなのでした。

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⇧そして車輪はホーシングごと流用されています。それによって、ノコの回転を止めるブレーキとして軽トラ?のワイヤー式のサイドブレーキがそのまま使えたりするのでした。どうやってデフの差動を殺しているのだろうと気になったのですが、反対側のフランジを固定していました。走らせるわけじゃないから、(走り屋みたいに)リングギアを溶接する必要はないのでした。

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⇧プロペラシャフトが接続するフランジ部分にプーリが取り付けられ、エンジンのプーリーと自作のテンショナーで動力を断続できるという仕組み。

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⇧走行レールは、アングル材と金属戸車。いずれも汎用品なので、レールなどは丸太の長さに合わせての延長なども可能そうでした。

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⇧車輪側シャーシーとエンジン&帯鋸側とは、四隅4本の全ねじ棒を介して固定されていて、写真にあるチェーンを動かすことで4本同時に上下させることが可能。
こうした仕組みは、出来上がったものを見ると比較的イメージしやすいけれど、構想の段階でイメージし、アイデアを生み出すのはとても大変なことのように思います。

■電気の自給■これがまたとても気になる部分でもありました。

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⇧これは電池ボックス。鉛電池がたくさん入っているようにも見えますが……。

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⇧中に入っているのは、日産リーフの中古バッテリー。つまりは電気自動車用の中古リチウム電池なのでした。高性能ではあるけれど、リチウム電池はひとつひとつのセルを管理する必要があります。奥の壁に取り付けられているのがそのための装置で、BMS(=バッテリー・マネージメント・システム)と呼ばれています。
また、手前のジャックは電気自動車充電用の充電ケーブルで、家庭内の電気だけでなく、なんと電気自動車の電気までも自給されているのでした。

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⇧最近は、オフグリッド用に、中国製のハイブリッドインバーターと呼ばれる装置が普及していて、それを使う人が増えているようですが、河辺さんはそれ以前から取り組んでいることもあり、チャージコントローラー+蓄電池(電気自動車用の中古バッテリー)+200Vインバーター+交流200Vを100Vに落とす変圧器などの組み合わせで使われています。200Vベースで稼働させているのは、電気自動車の充電に有利(2倍のスピードで充電できる)なため。

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⇧建物の裏は南傾斜の斜面になっていて、ソーラーパネルはそこに設置されています。

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⇧こちらは初期の頃のパネルで、伐り出した丸太にセットされていて、丸太を回転させることで、季節に合わせてパネルの角度が変更できるという優れもの。

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⇧現在は単管パイプを使いクランプで角度変更ができるようにしているようでした。

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⇧そしてこちらが母屋の全景(他にも建物はたくさんあります)。
渡り廊下(写真右の半透明の部分)で隣の小屋に繋がれていて、お風呂や洗濯などの水回りの施設は、そちらの小屋に設置されていました(←田舎暮しでは、これ大正解だと思います。給湯のボイラーも小屋の中にあり、寒い積雪地でありながら電熱線ヒーター設置無しの暮らしが出来ているとの事でした)。

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構造は在来の木造軸組工法(太さがあるのでポスト&ビームに近い雰囲気)で、外部面の柱の間の壁は(ふんだんにある?)丸太を使ったコードウッド壁、 内部の間仕切り壁は、軽量藁土充填工法になっています。

 

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⇧室内がまた素晴らしかったなぁ。漆喰の白とナチュラルウッドが基調。そしてそれらのナチュラルウッド色の柱や梁の丸太はもちろん、窓やドアなどの建具、それに家具も、この土地に生えていた木を自分で伐り、自分で製材し、手づくりされているのでした……。

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⇧お風呂までのぞかせてもらってしまいました。そしてまたこれが思い切りがよく、オシャレで素敵なのです。

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⇧ちょうどこのときは、新しいストーブを製作中でした。鋼板を切って前面側をつくり、側面などはパーライトを混ぜた軽量断熱コンクリート板やレンガを積み重ねたメイソンリータイプ。しかも、ヒートライザーによって煙道を横引きするロケットストーブ。

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⇧そしてこちらが横引きの煙道部。土で固めてしまうとその後のメインテナンスができなくなってしまうので、分解可能なヒートベンチを考えているとのこと。たしかにその方が、いいよなぁ、と言われてみて初めて気がつくのでした。

このストーブはその後、完成されていて、こちらの動画で製作過程から、着火までを見ることができます。


www.youtube.com

いやぁ、なんというか、言葉にするのが難しいくらい、とてつもなく素敵でした。圧巻、というのは、こういうときのためにある言葉なんだろうなぁ。

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⇧窓の外に見えるのは河辺さんが、耕されている畑(の一部)。


無事、家に帰り着いたわたなべ家一行は、翌日から、時間ができれば部屋の片付けに精勤しみ(つくりかけの状態で25年たち、モノにあふれすでにゴミ屋敷化してしまっていたのでした)、ものづくりやアップサイクルに勤しむ日々がはじまったのでした。

 

この期に及んで、お金稼ぎの仕事なんかしてる場合じゃない、自分でつくる暮らしをもっと楽しまなければモッタイナイ! 
河辺さん、そして奥様、ありがとうございました。猛烈な刺激になりました!



















 

山陰・浜坂漁港から取り寄せ便、おまかせ魚介セットが届きました。(今後のための備忘録)

クール宅急便代込みで3000円+税というリーズナブルな取り寄せ便なのですが、ウチで消費するにはちょうどいい量で、何が来るのか、開けてみないと分からないというのがまた楽しみなのでした。海の調子により、いつ届くかも分からない、ということにも、ハプニング的な面白さを感じてしまったりするのでした。

次回、より美味しくいただくために備忘録を記すことにしました。

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届くとまずは家中の包丁を研ぎ始めます。
■メモ■刺身包丁は曲がっているので、まずはそれを修正してから研ぎ始めること。冬は外でやらないほうがいい。手が凍傷になる。

また、写真を取るのを忘れてしまったのですが、今回届いたのは、独特の匂いのあるイテカレイ1尾、大きな目がぜんぜん濁っていないマアジ2尾、大きめのイワシみたいな小サ5尾、甘海老6匹でした。

家族で大騒ぎしながら、さばきます。

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カレイのお刺身は、熟成させてからのほうが美味しいとも言われるようなのですが、待ちきれずに、届いたその日にいただいてしまいました。

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⇧カレイは5枚におろして3枚をお刺身に(残りの1枚は熟成用)、アジは3枚におろしてお刺身に。アラは、ブイヤベースに。
■反省点■大きなカレイが来たときには、熟成用や昆布〆めなどにまわしたほうが長く食べられてよかったかも。

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⇧カレイの内蔵には、キモも卵もあったので茹でていただきました。ポン酢につけてそれだけで食べても絶品だし、わさびや山わさびと一緒にお刺身に添えていただくのも最高でした(特にキモはマッタリと濃厚で美味しかった!)。
■反省■今回はゴミ入れに投げ込んでしまったのだけれど、カレイの胃袋の中には小さなイカがたくさんいた。これもなんとか美味しくいただく方法を考えたい。

小サバは届いたその日にエラと内蔵だけ取り出しておいて、翌日、塩焼きでいただきました。

甘エビは向いて、身はお刺身、頭は日本酒やみりん、醤油に10分くらい漬け込んだ後、素揚げに。
素揚げした頭まで甘さが感じられる美味しさでした。

カレイのアラはやはり漬け汁に10分くらい漬けてから、片栗粉をまぶして唐揚げ。
■反省点■骨まで食べられるようにと二度揚げしたのだけれど、今回は骨までは食べられなかった。でも、身はこのくらいの方が美味しい感じだった。中骨とエンガワを一緒に揚げてしまったけれど、それぞれを分け、エンガワはさっと、中骨はしっかり二度揚げが骨まで美味しくいただくためにはよいのかも。たしか礒五郎はそんな感じだったはず。

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いずれにしても家族4人で、2日以上に渡ってこれだけ楽しめたのだから大正解。しかも朝採れた魚をその日に発送してくれて、翌日には届けてもらえるという贅沢品。山奥にいながらも、こんな贅沢も楽しませてもらってなんだか申し訳ないくらいなのでした。
■追記■
西野弘章さんからの情報。
「この時期の小サバは一夜干しでもおいしいですが、ショウガをたっぷり効かせた竜田揚げが最高なのです!」とのことでした。今度、手に入ったらぜひやってみたいと思います。