Blog「自給知足がおもしろい」

自給「知」足と称した、貧乏くさい暮らしを楽しむためのブログです。

完璧な自給自足は目指さず、「テキトー」と「いー加減」をモットーにあまり頑張りすぎない、
そんな暮らし方がこの頃なんだか、とてもオモシロイ!と感じています。
自給「知足」的な暮らしは言いかえると「貧乏臭い・ケチ臭い暮らし」でもあります。

でも「ケチ臭いビンボー暮らし」も、そう捨てたものではありません。
ビンボー暮らしは、お金をそれほど必要としない暮らしとも言えます。
そのため、お金稼ぎの作業や仕事に長時間、拘束されずにすみ、
その分の時間を、ヒトが暮らすための作業に使うことができます。

農的で質素な暮らし方が可能で、それにより身近なことで幸せを感じることができたりもします。
また、昔ながらの農的な暮らしは、ヒトも哺乳類の一種として自然の生態系の中で
虫や草や菌類など他のいきものたちと共に生きる暮らし方だったりもします。

そして、こうしたテキトーでいー加減な自給的な暮らしをうまくやっていくポイントは、「知足」? 
人間の欲望は際限がなくてお金をたくさん得られても、たぶんどんなお金持ちになっても満たされません。
でも逆に、小さなちょっとしたことでも、とても幸せに感じられることがあったりします……不思議です。

日々の暮らしの中から「自給知足的な暮らし」を楽しむためのヒント? 
のようなものを、紹介できたらいいなぁ、と思っています。どうか、よろしく。


スズメバチの習性とヒトの勘違い

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できればスズメバチも殺したくはないのです。
でも、相手がオオスズメバチの場合、放置しておくとニホンミツバチの群は皆殺しにされてしまうことがあります。

ハチの数の多い元気な巣は匂い付けのための偵察バチが来た際、蜂球を作って熱殺することが可能だったりもする(でも失敗することも意外と多く犠牲も多い)ので、全滅させられることは少ないのですが、ダニや農薬、スムシなどの影響で、弱っている巣の場合、偵察バチの熱殺に失敗し、仲間のオオスズメバチに大挙して来られると全滅してしまいます。
オオスズメバチはどの巣が弱っているか? よく分かっているようでそうした弱った巣を狙ってくるようにも見えます。そのため、オオスズメバチに狙われた巣は多くの場合、全滅してしまうのでした。

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でも賢い群?は、「逃亡」という手段で巣を捨て逃げることがあります(今秋もひと群、虫草農園に逃げてきてくれた群がありました。クマに襲われた可能性もあるのですが)。
逃亡すると蛹や幼虫は犠牲になってしまうのですが、スズメバチのスキを付いて、女王と(お腹に満杯にハチミツを蓄えた)働き蜂たちが、一斉に飛び立ち巣を捨てて逃げます(このとき運び出すハチミツは普段運んでいる花の蜜とは濃度が異なると思われます)。
ただそれもタイミングの問題があり、オオスズメバチニホンミツバチを襲うのは、秋なのです。
ミツバチは越冬はしますが、冬眠しません。秋に新しい場所で巣作りをはじめて、はたしてその群は越冬が出来るかどうか(飛翔筋を動かして温度をあげるほどの蜜を蓄えることが出来るか)は微妙なところであり、ヒトの元(待ち箱)に越してきたハチたちはもしかしたらヒトの助けを求めているのかもしれません。

ハチはダンスという方法で、仲間内で蜜源の位置などの意思疎通を図っていることが知られています。飼い主が畑にいると、巣にスズメバチに襲われていることをまるで知らせるかのように、飼い主の周りにまとわりつく働き蜂がいたりするのです。

 

そんなこともあって、虫草農園ではミツバチの巣がオオスズメバチに襲われてしまった場合、ヒトが加勢してあげることにしています。

きのうの朝もそうでした。
玄関のドアをあけて人が出てくるのを待つようにまとわりつくミツバチがいたので、巣に行ってみるとスズメバチがいました。ヒトの姿を見てオオスズメバチはすぐに逃げたのですが、なぜかこの日のキイロスズメバチはヒトが近づいてもホバリングしていて、帰ってくるミツバチを捕らえようとしています(帰宅蜂は、花の蜜を蓄えているので美味しいようなのです)。
虫草農園では、各巣の近くにバドミントンのラケットを用意していてそれでスズメバチを打ち、退治します。フェイントをかけたり、どうにかして相手の裏をかく陰湿なスポーツがバドミントンなのですが、どうしてこんなスポーツを始めてしまったのだろう……と思いつつも、応援してくれる女子部員の前でかっこいい姿を見せたいがばっかりに、高校、大学とはまりこんでしまったのでした(その割にかっこ悪い負け方ばかりしていたなぁ)。そんなわけでラケットワークには少し自信がありました。

バドミントンのスマッシュをスピードガンで計測するとどのくらいのスピードだかご存知でしょうか? プロ野球の投手の最高スピードが170㎞/h程度だと知って、ちょっと驚いたのですが、バドミントンの場合、男子の(世界の一流選手の)最高スピードは400㎞/hを超えています。
多少加減したとしてもちょっとバドミントンをかじったことがある人がシャトルを振ってスズメバチを打つとどうなるかというと、ときに空中分解。打ち所が悪く、頭などの硬い部分がガットに当たると、猛スピードで飛ばされ、モノに当たった場合はそこで脳しんとうをおこして飛べなくなってしまいます。

せめても命を無駄にしたくない、ということで、巣の近くにはスズメバチを打ち付ける的があって、そこに打ち付け回収することが多いのですが、針を出したり引っ込めたりまだ動いているスズメバチは生きたまま焼酎につけられ虫刺されの特効薬(民間療法)として使用したり、友達に配ったりしています。

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でも、正直なところ、スズメバチもできることならば殺したくはないのです。


スズメバチも社会性のあるハチなので、仲間同士、なんらかのコミュニケーション手段を持っているように思われます。
ほぼ毎年、虫草農園のどこかに巣をつくってくれるのですが、農園のあるじたちのことを認識してくれているようで、畑にいるときに威嚇したり襲ったりすることはまずありません。逆に、お客さんが来ると、確認のために顔の前でホバリングしたりすることがあったりします。ヒトの個別の認識能力に関して、かなりしっかり区別できているように思われます。

きのうの朝のキイロスズメバチもこちらを認識できているように思われました。
しかもキイロスズメバチはミツバチの巣を全滅させるようなことはなく、帰り蜂を捕獲するだけで、捕まってしまったミツバチには気の毒ですが、普通はこの時期、働き蜂はひとつの巣に1万頭くらいいるはずなので、キイロが帰宅蜂を一頭ずつ捕まえても、それほど影響はないのでした。

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⇧巣門の前でホバリングして帰宅バチを待つキイロスズメバチ(ピンぼけ)と、巣からでてきて蜂球をつくる機会を狙うニホンミツバチのワーカーたち。

そんなわけで巣の前でホバリングしているキイロには甘いところがあって、ラケットを強くは振らず、フレームのあたりでコツコツと突くようにして逃げていくように催促したのでした。
「こらこら、ヒトが来たんだから、とっとと逃げなさい」と声を掛けながら。
それでも逃げないようだったら打ってしまおうと思った次の瞬間でした。
そのキイロスズメバチは一目散。あろうことか、あっけにとられているヒトの顔めがけて目にも留まらぬ速さでやってきて、顔の真ん中、つまり鼻のテッペン付近にとまったと思った次の瞬間、顔の真ん中を高電圧で感電したようなバチンという痛みが走り抜けたのでした。

考えてみれば当たり前です。
いくら優しい言葉をかけつつとはいえ、日本語が彼女らに通じるわけではなく、スズメバチからすれば巨大なラケットのフレームで軽くとはいえ叩かれたりしたら、怒って刺しに来る、というのは当たり前の論理です。冷静に考えれば、スズメバチにとっての正常行動。
ところがこのところはなぜだか、スズメバチには(どんな場合にも)ヒトの優しさが通じる、と勝手に思い込んでしまっていたのでした。バカだなぁ。

鏡で見てみたら、刺されたところから赤い血と透明の液体のようなものが流れていたので、いまならポイズンリムーバーが効果的に使えるかもしれないと(普段は効果を否定しているくせに)、ポイズンリムーバーを使おうとしたところ、鼻柱の真ん中付近を刺されたので、ポイズンリムーバーがうまく吸い付かず、なんだか返ってもみほぐしてしまったような感じになってしまいました。

アナフィラキシーの特効薬、エピペンの主な成分はアドレナリンで、ヒトは大声をあげたり怒ったりすることでアドレナリンを自ら分泌できるということで、家族はなんとか私を怒らせようと、聞き捨てならない罵声をいろいろ投げかけてくるのですが、このときは意外と冷静で、それが余計に不気味だったとのことです。

娘は「たま」の「オルガン」の替え歌をBGMに歌ってくれました。


たま おるがん

スズメバチにやられちゃった父の顔は♪  パンパンだからうれしい顔がちゃんとできない♬」

さすがに痛みはあるのですが、でも腫れはそれほどでもなく、この日の午前中は友達が野菜を取りに来てくれることになっていて、その友達曰く、なんとなく顔の雰囲気が違うかなぁ、くらいの感じだったかなぁ、とのことでした(気を使っていたのかもしれませが)。

思ったほどには腫れなくて、アシナガバチに数箇所刺されたときやミツバチに目の近くを刺されたときの方が酷かったなぁ、などと思いつつ、農作業を続けていたら、夕方近くになって、頭が痛くなり、顔が全体に熱っぽくなってきたので、その日は早めに休んで寝たのでした。

そして翌日、つまりは今朝なのですが、
朝起きて目を開けようとしたところ目が開かないのです。
壁をつたいながら洗面台まで行き、かろうじてあいた左目で鏡をみたら、コテンパンに殴られてしまったボクサーの翌朝のような顔になっていました。

見苦しい写真なので小さく載せておきます。

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↑鏡を使って自撮りしているので左右が逆です。

顔の表側は皮膚がパンパンになるまで目一杯ふくらんだ感じですが、皮膚に比較的余裕がある口の中は内側にかなり腫れていて違和感がありありで、脳みそとかも圧迫されていないのかが心配になってしまったりもしました。
不幸中の幸いは、直接目を刺されたわけではなかったということ。
また首など、気管の近くも窒息の恐れがあり、注意が必要とのことです。
刺されてから最初の30分くらいは緊張していたのか、花粉症の症状は収まり、鼻水が出なかったのですが、それ以降は刺される前と同じで定期的にティッシュが必要な状態。鼻をスズメバチに刺されることで、花粉症が治ってしまったりするとありがたかったのですが(追記2020年10月5日、でも少し改善された気もします)。

せっかくなのでいろいろ調べてみたところ、毒の強さ(LD50値:mg/kg)は,スズメバチの中でおとなしい部類と言われるヒメスズメバチが 2.8と最も強く,キイロスズメバチが 3.1,オオスズメバチは 4.1とのこと。
とはいえ、毒の量はオオスズメバチが最も多いようです。

また、ドイツの職業別の調査では、ガンの罹患率の小さい業種として養蜂業者が知られていて、その原因はポロポリスやロイヤルゼリーによるものではなく、定期的にハチに刺されることで免疫力があがるからではないか結論付けられた、などという報告も見つかりました。
さらにハチ毒には、活性ペプチドなどが含まれいて、ヒトの免疫力を引き出し、さまざまな症状を改善することがあるとのこと。
ヒトの体のツボに蜂毒を刺す療法は昔から知られていて、ヒポクラテスなども蜂毒療法に関して記述しているとのことでした。

いまの世の中、ネットを使って都合のいい情報を集めればいくらでも集まる情報過多社会なわけですが、免疫力が注目されているこのタイミングでハチに刺されたことは良かったのだ、などと強引に思うことにして、今夜はそろそろ寝ることにします。
ご心配いただいたみなさま、ありがとうございます。

■追記です■2020年10月7日
顔の腫れはほぼ、以前と同じように戻り、きのう6日は手の甲が腫れてしまってモノが握れなかったりしたのですが、きょうになって手の甲の腫れは少し引いて箸も持てるし、スコップも握れるようになりました(でも張り詰めている皮膚が可愛そうで力はいれられませんが)。
以下、面白いアドバイスをいただいたので、書き残しておきます。
オオスズメバチの愛好家、Iさんより。
研究者の中村雅雄さんの体験では、沢山のキイロスズメバチに刺されて意識も朦朧とした後、高血圧が治ってしまったそうです。禿げた頭から毛が生えた人もいるとか。お大事になさってください。
水溶性だそうですから、洗うと案外効果があるかも知れません。蚊は私の場合、水で洗うとすぐ痒みが消えます。ブヨはダメですが。
長野県のある方は、「蜂天国」同様、キイロスズメバチの巣を人工的に継ぎ合わせ、数メートルの巣を作っていますが、毎年、キイロスズメバチに足を刺させているそうです。免疫をつけるためだとか。全く世間と違う考え方ですね。
Q:水で洗う場合は表面だけ水を流す感じでしょうか? それとも皮膚をつまんだり、揉みほぐすようにして洗ってますか?
A:水で流すのが良いのではないでしょうか。ブヨに刺された時に押しもみしたら、水膨れになってしばらく治らなかったことがありました。

私も以前、娘がアシナガバチに同時に2箇所刺されたときに(娘の同意の元)、ポイズンリムーバーありなしを試してみたのですが、娘の場合、特別だったのか、ポイズンリムーバーで吸引しした箇所の方が押し揉まれたようになってしまって明らかに治りが遅かったことがありました。

■追記2■2020年10月8日
顔の腫れはほぼなくなりました。刺された箇所に跡は残っています(消えないこともあるらしい)。
手の甲の腫れもだいぶ引いてきて、右手で箸も持てるし、スコップなども握れるようになってきました。
●ミツバチのハチ毒とスズメバチのハチ毒の交差性に関して、抗体価の変化でみたデータのあるサイトを見つかりました。
ハチ刺されと抗体価の変動」(「都市のスズメバチ」というこのサイト素晴らしいです)
COVID-19とBCGとの交差免疫性が注目されていますが、スズメバチに刺されることでミツバチのハチ毒に対しての抗体価があがることが多いようです。体内に入ってきたその他の異物に対しての抗体価(交差免疫性)はどんな変化があるのだろうか? 後退してしまった髪の毛が突然黒々と生えてきてしまったりしないか? 楽しみに観察していきたいと思います(後退は抗体とは関係ない?)。

■追記3■2020年10月8日
患部を冷やしたほうがいい、という意見と、ハチ毒は熱に弱い?から温熱療法が効果的、という説のふたつがあったります。
これに関しては以下のような記述が見つかりました(「子どもを虫刺されから守るために。長引かせたくないかゆみ、医師が教えるおうちでの予防・ケア方法」というサイトからの抜粋です。
「その根拠はおそらく10年前の論文です。ムカデは温熱療法が効果的という論文で、毒成分が熱で変性するのではと考察しています(鈴木一年ら 皮膚臨床52:1182,2010)」

「しかし実際に毒が熱で変性するという科学的根拠は分かっていません」

「効果的という論文はほかには見当たらず、逆に蛾(ヒロヘリアオイラガ)の幼虫による刺傷に対し、保冷剤を用いた冷却と43度前後の湯を用いた症状を比較しても翌日の腫れの程度には変わりがなかったという実験から温めても抗原性は変わらないのではとの報告があります」

「虫さされ部位を温めることに対する懸念は毒成分に対するアレルギー反応です。たとえばムカデはハチ毒との交差反応性も指摘されています。温める(続ことで血管が拡張し、有毒成分が体内に広がりやすくなる可能性があります。これはアレルギー反応の点からマイナスの可能性もあり、安易に推奨できません」

「総合的に考えると、ムカデ以外の虫さされも基本的に冷却でいいのではと考えます。 ちなみに、話は逸れますが温水での処置が効果的なものはないわけではなく、それはクラゲやウニ等の海洋生物です。30-60分間温水に浸すことで痛みが軽減するとされています」とのことです。
ハチ毒は熱に弱いのではないか?というのも、なんとなく興味深い情報なので、もし今度、左右の腕など二箇所同じ日に刺されたような場合、2種類の方法で比較してみたいと思います。

 

ドゥーパ10月号が発売されています。かなり面白いです。

久しぶりの雨の一日、楽しみにしていた雑誌をやっと開くことができました。
ドゥーパの10月号です。
届いたときにパラパラっと見たのだけれど、見るページ見るページがかなり面白そうだったのでしっかり時間のとれるときを楽しみにとっておいていたのでした。 
今号は手作りアウトドアギアの特集。どのページを開くのが楽しみなくらい刺激的な写真と内容でした。

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このところは農作業に追われていたけれども、秋はモノづくりも最適な季節。いろいろ刺激を受けて作りたいものがたくさん頭の中に浮かんできました。

たとえばこれ!

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まるでイラストのようですが、たぶん実写。
センスよくいい感じでカオスなカブが仕上がっています。
軽トラやカブなど、ミニマムな制限のある中で作る楽しみがにじみ出てくるようでした。

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かと思えば、こちら、竹細工でつくるコーヒードリッパー。
黒竹も手に入ったし、これ、作ってみたいなぁと思ってよく見たら、紹介しているのは(クラシックバイクショップを経営していた)戸崎祐治さんでした。311を契機に、上野原に移り住みいまは竹細工の職人をされています。

ほかにも、船外機がつけられるようなカタマランの帆船を手作りされた方や、コールマンの200Aの収納箱でありながらランタンスタンドになるBOXや、圧巻は「ピネムの森」眺めているだけでも夢が広がりました。


わたなべの連載も今回で3回目。
今回は「カラクリのたくさんある家を作ろう!」と題して、当初は秘かに忍者屋敷を目指していたわが家の貧乏くさいけれども地球には優しい仕掛けを紹介させてもらいました。

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具体的には、黒い屋根材で暖められた空気を床下に蓄熱するパッシブソーラー、逆に地中の冷気を夏に拾い上げる地下熱クーラー、傾斜地に適したステップフロアや、煙突掃除が簡単に安全にできる室内登攀型煙突BOXなどなどを紹介しています。

実はこの号も執筆だんかいではちょっと盛り込みすぎて、ページ内に入らなかった写真&原稿がいくつかありました。ここではそれらをちょこっと紹介しておこうと思います。


■(家をつくるとき)何を一番大切に暮らしたいのか? をまず考えよう■

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2軒目の家(とはいえ、この家もほとんどの部分は大工さんに作っていただいたのですが)は、家の真ん中にキッチンを置くというちょっと大胆な家になりました。調理に薪ストーブも使いながら家族で食事を作り楽しむというのがコンセプト。何が一番必要か? そして欲張りすぎないということが大切なことのように思っています(大きな家は冷暖房にエネルギーを使ってしまって大変だし、2階建て+屋根裏部屋は屋根や外装のメインテナンスに大掛かりな足場が必要になってしまったりします)。

■廃アスファルトを使った舗装の変化■

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目地に土を入れ、ハーブを植えると1年後には、こんな感じになります。

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⇧赤い花はタイム、白い小花はリッピア、黄緑の葉はオレガノ。このほか、コルシカミントなども地被としてオススメです。

 

■屋根裏(小屋裏)の有効活用■

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ツーバイフォー工法の隠れた利点がこれ。モノコック構造で剛性を稼いでいるので柱なしで屋根裏部屋を広く確保することができます。
たとえばわが家の場合は、一番広い部屋は屋根裏部屋だったりします。屋根裏部屋は屋根の勾配を急にすればするほど天井を高くすることができるのですが、屋根の勾配がきついと屋根のメインテナンス時などに屋根足場が必要になってしまうというデメリットがあります。全体をドーマーとすることで屋根の傾斜を緩くできますがそうなると屋根裏部屋ではなくなってしまうのでした。
また屋根裏部屋は天井までの高さが1.4m以下で階段が固定されていない場合、床面積にカウントされないので、固定資産税が安くなるなどのメリットもあるので作る前に調べておくことをオススメします。

 

■低い天窓の魅力■

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屋根裏部屋のメリットのひとつに天窓が低い位置にセットできるということがあります。その下にベッドを置くと、顔と天窓との距離が近くなり、夜空の視界が広がるのです。流星の観察にも便利ですし、夜、ふと目を覚ましたら星座の位置が変わっていた、というのはなかなかよいものだったりします。

 

■拡張性を持たせること■

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セルフビルドで家をつくる場合、一度に全体を仕上げようとすると大変です。そこで、まず最小限必要な住居部分をつくりその後、生活スタイルに合わせて左右に下屋を少しずつ拡張していくというのが正解のように思います。写真は片流れの下屋を延長したところ。裏面全体に接着剤が塗布されているカスタムサンドという屋根材を使用することで屋根の勾配を緩くし、屋根の上で麦や雑穀などを干せるようにしました。2階のドアから出入りできるようになっています。

というような感じで、家づくりのアイデアというか、家づくり後に気がついた失敗談のような内容も多いのですが、これから家をつくる、という人の参考になればうれしい、と思って書いてみました。

ドゥーパ10月号、今号も充実した内容で、とても刺激的でした。
秋の一日、コーヒーをていねいに淹れて、ゆったりと雑誌を読む時間が作れたら素敵ですね。

アカボシゴマダラの急拡散

30m先を飛んでいるモンシロチョウとツマキチョウのメスを見分ける自信はあるのに(実は飛び方が微妙に違う)、5mくらいの至近距離を飛んでいたアサギマダラだと思っていた蝶が、近くの葉に止まったら、アカボシゴマダラだったことにショックを受けています。

そして改めてよく見てみると、在来種のゴマダラチョウとは異なり、アカボシはちょっとアサギ色系のマダラ模様なのです。

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アサギマダラは体内にアルカロイドを蓄える毒蝶、そしてもうひとつ、アカボシゴマダラはオオゴマダラに似た白化型が変異種としてかなりの率で現れることが知られていて(白州でも目撃しました)、こちらのオオゴマダラも毒蝶。
一度食べたことのある鳥の記憶力に頼るというタイプの毒蝶に擬態しているわけだけど、このあたりが普通の在来種のゴマダラチョウとは異なり、温暖化とともに北方拡散しながら急速に勢力を拡大している理由のひとつかもしれません。

停電のときに電気自動車(あるいは満タンのガソリン車)を蓄電池(あるいは発電機)として使う方法。

伊勢湾台風以来という大型の台風が近づいている地域があるので、急ぎ、情報をアップします。
電気自動車(以下EV)があって、屋根に太陽光発電が載っている人は(ガソリン車でも満タンならしばらくは)、停電をある程度、凌ぐことができます。
電気自動車に乗っている人は、駆動用バッテリーから家庭用電源である交流100Vを取り出すためのパワーボックスという機械があることをご存知かもしれませんが、それらはなぜかとても高価で最近のアウトランダーEV用は税込20万円以上だったりします。
でも、高価なパワーボックスがなくても、EVから(あるいは満タンのガソリン車から)家庭用交流100V電源を取り出すことが可能です。

方法は簡単。インバーターという機械を手に入れればいいのです。
昔は、比較的容量が大きな正弦波インバーター(交流モーターを回転させたりする場合には正弦波がオススメ)はとても高価だったのですが、最近はたとえば800Wで使えるもの(モーター起動時などの突入電流に対しては2000Wまで対応)が1万円以下(税込、送料込み)で購入できたりします。



これをクルマの12Vバッテリー(EVの場合は補機用12Vバッテリー)に直接接続します。
この手の大容量インバーターは、シガプラグタイプの接続ではなく、バッテリーの端子に直接接続する必要があります(シガプラグ用の配線では細すぎて危険なので)。

ただこの状態で大量の電気を使ってしまうと、12Vバッテリーはすぐに上がってしまうのでガソリン車の場合はキーをひねってエンジンを掛けて発電機(オルタネーター)をまわしておく必要があります。

電気自動車EVの場合は、というと、こちらもキーはひねって置く必要があります。それによってEVは、駆動用の大容量のリチウムイオンバッテリーから、補機用の12VバッテリーにDCDCコンバーターにより電気が供給されます。音も排ガスもなしで、駆動用の大きなバッテリーに蓄えている電気を使うことが出来るのです。

このあたりの詳しい情報はこちら

tech.hippo-lab.com

を参考にして下さい。

さて、こうしてEVを大容量蓄電池(あるいはガソリン車をガソリン発電機)として使うことで、災害時に大切な通信情報機器が使え、うまくすると冷蔵庫のものも腐らせず棲むわけですが、こうした電源を、家庭内につなぐ方法も紹介しておきます。うまくやると、コードリールなどを使用せずとも家庭内のコンセントが使えるのです。

まず、オスオスのコードを用意します。次に家庭内のメインのブレーカー(漏電ブレーカーがオススメ)を落とし、オスオスのコードでどこか手近なコンセントと、正弦波インバーターとをつなぎます。普通の家だとこれで、半分くらいの室内コンセントがこれで使えるようになります。
オスオスコードに関する詳しい情報は、以下のブログの下の方に書いてある
電気自動車から家への給電に必要なオスオスコードについて■を参考にして下さい。

musikusanouen.hatenadiary.jp


ガソリン車の場合この方法では、エンジンについている発電機(オルタネーター)を使って電気を作っているので、燃料(ガソリン)がなくなってしまうとそこまでで電気はなくなってしまうのですが、屋根に太陽光発電パネルが載っている家の場合は、停電時もそれを使って電気自動車を充電することができ、晴れの日がつづきうまくやりくりするとエンドレスで電気を自給自足しながら使うことができたりします(ただし12Vの補機用バッテリーが傷む可能性があるのでその点には注意してください)。

系統と連結している(売電をしている)家にはパワコンという機械があるのですが、それには自立運転モード(通称、停電モード)というのがありそれを使います。自立運転側にスイッチを切り替えることで、パネルに太陽が当たっていればパワコンの側面(または底面)に付いている家庭用交流100Vコンセントが使えるようになるのです。そこから電気を使うだけだと夜、困るわけですが、そこに電気自動車の充電ケーブルをつなぎ、電気自動車を充電しながら使うことで、ソーラーパネルに太陽が当たっていない夜も、最初に紹介した方法で電気が使えることになります。
そのあたりの概要は以下のブログを参考にして下さい。

musikusanouen.hatenadiary.jp上のブログでは、中古のソーラーパネルを使用し、ギリギリの枚数で電気自動車を充電しているので、少ない電流値でも使える充電ケーブルが必要になっていますが、一般的な家庭のソーラー発電は3000~4000Wかなりのパネル量なので、純正のケーブルが使える可能性が高いように思います。

また、ソーラーパネルが屋根に載っていない場合、あるいは、災害で破損してしまったような場合で、大規模な長期間の停電が起こってしまった場合は、近くにある太陽光発電所を訪ね、電気自動車を充電させてもらえないか、連絡を取ってみることをオススメします。
昨年の千葉の災害時は、停電が長期化したのですが、停電で系統に流せないことから、太陽光発電所のオーナーが機転を聞かせて、パワコンの自立運転モード(停電モード)を開放していたところがあったことがニュースになっていました。

solarjournal.jp

送電網に高電圧で流し込むメガ発電所は別として、中小規模の太陽光発電所は、家庭用と同じパワコンを(複数)使っていてそれにはたいてい自立運転モードがついているのです。

https://solarjournal.jp/wp-content/uploads/2019/11/SJ_201911112_02.jpg
solarjournalより


もっと早く、気がついて記事を立ち上げておけばよかったのですが、大きな台風が近づいてきたギリギリになってしまいました。
正弦波の大容量インバーターは、ネットからでないと手に入れにくいですが、矩形波や疑似正弦波のインバーターであれば、自動車用品の量販店やホームセンターなどでも手に入ります。あとはオスオスのコード、あるいは、リールタイプの延長コード(ホームセンターで入手可)があれば、ある程度はしのげるのではないかと思います。

直前になると品切れになったり値段が上がったりすることもあるようなので、いまはまだ台風の直撃がなさそうな地域でもあらかじめ準備をしておくと良いかも知れません。

蜂蜜泥棒の羽化

「おうまがこく」というのをご存知でしょうか? 
夕方、黄昏れて、あたりが薄暗くなってきた頃のことで、「逢魔が刻」と書きます。
自然の中で暮らしていると、黄昏れの頃のことを「逢魔が刻」と表現したくなる気持ちが実感できることがあるのでした。

そんな夕方、あたりはだいぶ暗くなっていて、そろそろヘッドライトが必要かという頃、ディルやらネギやらの移植の作業を慌ててしていたら、隣の畑にいた娘から叫び声が聞こえてきたのでした。
「なんだこりゃ!」

駆けつけてみると、ハタネズミよりも大きな得体のしれない黒い生きものが地面を必死に歩いているのでした。
当初は、巣を襲われてしまった鳥のヒナ?かと思ったのですがよくみたら、まだ羽根が伸び切っていない羽化したばかりのメンガタスズメでした。

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⇧いやぁ、大きくて驚かされました。地面を歩いていたときはまだ羽根がここまでも大きくはなっていなくて(その分、体液がたくさん入っている腹が大きくて、一瞬、新種の爬虫類かとも思ったのでした。(9月1日18時32分)。

土の中から這い出してきて、地面を歩きまわって羽根を伸ばす場所を探している様子なのですが、あいにくそこはタネまき前で草が短く刈り込まれた畑。
羽根が柔らかい内に体液を翅脈に注入することができないと、羽根が伸び切らない奇形になってしまいます。近くにあった農業用コンテナを歩いている前方に置いてみたらそれによじ登り、ようやく落ち着き、翅脈に体液注入の作業に入ったようでした。
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⇧9月1日18時54分。
翅脈に体液を注入し、羽根を伸ばすときには蝶のように羽根を閉じていることを知りました。新種のアゲハのようでもあります。

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⇧9月1日 21時01分。
メンガタ(ドクロ)の他にも、いろいろ文様が見えます。しかしそれにいても、細かく織り込まれた絨毯のような美しさ。

当初の姿とはまるで異なるその姿に驚かされました。
逢魔が刻に出会った巨大な羽根のないセミのような生物は、夜の帳が降りるとともにペルシャ絨毯のような美しい蛾へと変身したのでした。

でも、この蛾、蜜蜂の巣箱に入り込んで、蜂蜜を盗蜜することでも有名な蛾でもあるのです。
しかしこれだけ大きいと、ウチの巣門からは出入りできないように思うけれども、でもときどき、巣箱を掃除していると、この蛾の死骸を見つけることがあるのでした。どうやってはいるのだろうか?



(覚書) 切る予定のオオブタクサは8月中旬までに切り倒すこと!

この時期になると、草はみるみる成長し、ヒトの背丈よりも高くなってしまった草たちを刈り払うこともあったりします。

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⇧この状態でこのオオブタクサは草丈は3~4mくらい。枝先を少し残して側枝を落とすと、高所の蜘蛛の巣を取り払う棒として軽くて便利なのですが(茎の中が発泡材のようでモノコック構造なのです)、とはいえ、こんにたくさんはいらないので、いまのうちにバッサバッサと切り倒したいところなのでした。


1年草なのにガンガン大きくなるオオブタクサ。
ミツバチたちにとってはありがたいことなのかも知れませんが(でも吸蜜している姿はいまのところ見たことはありませんが)、8月下旬になるとオオブタクサは大量の花粉をつけるのでした。
そんなわけで8月の下旬、オオブタクサを刈り払うと、上空から花粉が降り注ぎ、雰囲気を黄色く染めるのでした。

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⇧この状態であればなんとかOK。まだ花粉ができていません。

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⇧こうなってしまうともう手遅れ。刈り払おうとすると、空からは黄色い雨が降り注ぎます。周囲も、黄色いフォグランプで照らし出された霧深いときの箱根の山道のようになってしまうのでした。
そしてこれだけ大量の花粉を吸ってしまうと、花粉症になるのは時間の問題。春だけでなく、夏や秋も花粉症というのはつらいのです。

 

そしてもうひとつ、秋の花粉症原因花粉として有名なのはカナムグラ。キタテハの食草なので虫草農園としては、全滅はさせないのですが、カボチャ畑やタラノキなどに絡んだカナムグラは取るようにしています。またカナムグラは風媒花として知れれていますが、ニホンミツバチも吸蜜に訪れます。

そしてその取り除きのベストタイミングがいま(8月下旬)なのでした。
カナムグラやクズなどのツル性雑草は、大鎌をナギナタのようにして振り回し、木っ端微塵に切り刻む方法も若い人だったらいいのかもしれませんが、中年以上がこれを夏やると熱中症で倒れます。医療関係者の負担が大きなこの大変なときに救急車のお世話になることは極力させたいので、ここはもっとクレバーな方法で除草します。

蔓を持って小刻みに揺らすと、どのあたりに根本があるか、見つかるのです。
覚えてしまうとカナムグラの根本は独特の風貌で、目に付きやすくなります。
ときにより小指くらいの太い根本が見つかるとそれは至福の瞬間。周囲のカナムグラが一網打尽、ゴッソリ取れる証しでもあるのでした。

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⇧根本を見つけて引っ張るとこんな感じで、まさに芋づる式で取り除くことができます。

ただし注意してほしいのは、カナムグラの茎は紙やすりのようになっていて、それが素肌にこすれるとミミズ腫れができるのです(もしかしたらなんらかのアルカロイドも出ているのかも)。そんなわけで、この作業をするときには、長袖で手には厚手の革手袋をつける必要があります。
もうひとつ、鬱蒼と茂った草の根元付近には、ヘビが休憩していることもあります。不幸な事故にならないためにも、この種の作業では厚手の革手と長袖、それに長靴は必須。
もっとも自然相手の作業は、どんな場合でも真剣勝負。神経を取り澄まし、気を入れてやる必要があるのでした。
草の下にはこんなのが潜んでいることもあるのです。

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⇧美しい文様なのだけれど、何度見てもドキリとしてしまいます。




 

 

ニホンミツバチの採蜜 虫草農園流

「了解! じゃあ、今度そのあたりの詳しいところ、ブログに書くね」とかなんとか調子のいいことを言っておきながら全然書けてないわたなべです。すみません。ゴメンナサイ。

ということで今回は取り急ぎ、ニホンミツバチの採蜜、虫草農園流について書きます。

今年は異例の長梅雨&冷夏とはいえ、そろそろ梅雨も開けそうで、気温があがってしまうと巣落ちの危険性もあるので、夏に採蜜を行う場合はいまが最後のタイミングではないかと思っています。
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また、ニホンミツバチの採蜜に関しても、いろいろなやり方があると思うのですが、ここで紹介するのは虫草農園我流。
もっとこうしたらいいよ、というのがあったらぜひ、コメントなどで教えて下さい。よろしくお願いします。

■必要な道具■

●スクレッパー(マイナスドライバーでも代用可能) 2個か3個
●0.3~0.5mmくらいの細い(ステンレスの)針金 できれば両端に木っ端を付ける。

●送風機(マキタの汎用コードレスを使っていますが、ドライヤーの冷風でもいいと思います)。

●面布 amazonで購入した中国製が風通しが良くて気に入っています。私が買ったときは中国からの送料込みでなんと600円台でした。

●薄手の皮の長手袋 これもミツバチ先進国、中国のものが安くて優秀です。
●(メントールなどを置くための)メッシュ。100均で売っている鉢底用の樹脂のメッシュを使っています。
●メントールの結晶(アカリンダニ対策) amazonから購入
●ダニよけシリカ(薬局量販店から購入)

●重箱を入れる大きめのタッパウエア(アリなどが入らないように密閉できるもの)
●タッパウエアの中で重箱を浮かせておくためのアミ(100均から購入)

●洗濯ネット(60×60cm) 100均から購入

●洗濯ネットを止める洗濯バサミ

●鳥の羽毛

●巣箱を載せておくコンテナ 大小計3個

●パン切り包丁

必要なものは、こんなところかなぁ。

■採蜜の準備■
蜂に嫌われたくないし、なるべく手際よく短時間で行いたいのであらかじめ、巣箱の近くに準備しておくものがあります。
ひとつは外した重箱を入れるためのタッパウエア。写真のように重箱が浮く感じでスペーサーをセットし、その上に洗濯ネットを広げ、中側に折れ込んでしまわないように洗濯ばさみで固定しておきます。

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ウチでは採蜜と同時に継ぎ箱も行うので、継ぎ箱のための箱もあらかじめ用意しておきます。

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継ぎ箱用の箱の側面には連結用の板をあらかじめつけておくのですが、これがピッタリだとうまく置けないので、連結用の板はすべての固定ビスを緩め、連結用の板がじゃまにならないように少し外側に広げておきます。

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⇧こんな感じです。

ここまで準備できたら、巣箱を外に引き出します。置いてある場所の周囲のクリアランスが大きくてインパクトドライバーが使えるのであればその必要はないのですが。

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⇧作業がしやすいように、まずは薪棚から外に引き出します。でもこれが結構大変。重箱4段ビッシリだと、20kgくらいはあるのです。

私の場合は、採蜜の前に継ぎ箱をします。
そのために一番下の巣門部分と重箱を切り離します。この部分はネジ止めなのでネジをゆるめて切り離します。たいていはすんなり外れますが、もしも巣門がくっついてくる場合は、巣門をクランプなどで留めておきます。

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⇧このときは、上4段を黄色いコンテナに置いてしまっていますが、手前にある継ぎ箱をコンテナの上に置いておき、そこに重ねればひと手間稼げるし、巣が4段目よりも守門側に張り出してしまっていたとしても安全です(あとで気が付きました)。

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⇧ウチの巣箱は巣門の底板には夏用にハチが出入りできないサイズの金網が貼ってあるので春の継ぎ箱時に底板の一部を取り外します。
と同時に、スムシなどをスクレッパーを使って清掃します。
ここでスムシの掃除をしなくてすむように、継ぎ箱をセットした新しい巣門を用意しておいて、巣門ごと変えてしまう方法もあるのですが、なんとなくそれだとその後、ハチたちが少し戸惑う感じがあるので、最近は掃除をすることにしています。

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⇧巣門の上に継ぎ箱をセットし、その上に4段を載せます。そんなわけで一時的にですが、重箱は5段になります。
また箱を載せる際、ハチを挟んでしまわないようにゆっくりと降ろします。
その後、ズレてしまわないようにビス(コーススレッド35ミリスリム)で固定。

次に採蜜の作業にかかります。

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⇧まずは、箱本体のフタをとります。

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⇧次にスノコ状に作ってある内フタを外します。巣がくっついているので、間にスクレッパーを刺し、それでできた隙間にステンレスの細い針金入れ、針金で内フタと箱との間(の巣)を切ります(陶芸で粘土を切る容量)。
ステンレスの細い針金は、写真のように両端に木の木っ端をつけておくと作業性が上がります。また切れやすいのであらかじめこの針金木っ端は2セットようにしておくようにしています(以前、切れて困ったことがありました)。
また、巣に対して針金が直角になるように巣の向きを考えて切ると切りやすくキレイに切れます(特に箱の下を切るとき、そうしないと切り口が崩れてしまうことがあります)。

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⇧針金で切ったら、内フタを剥がす前にフタの上を30回くらい軽くノックし、一番上の箱にいるかもしれないハチを下に移動させます。
その後、内フタを剥がし、すかさず送風機で風を送り込み、ハチを下の方に移動させます。あまり強くすると表面の蜜が流れて下に落ちてしまわない程度に。

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⇧ハチが下に移動したら、一番上の箱をスクレッパーと細い針金で切り離します。送風機を使うようになってからこの部分でハチを切ってしまうこともなくなりまた、取り外す箱に残ってしまうハチもかなり少なくできるようになりました。

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⇧あらかじめ用意しておいた洗濯ネットを敷いたタッパウエアに巣箱を入れます。洗濯ネットはゴミが蜜に混ざらないための1回目の濾過用です。
ハチがこちらに集まってきてしまわないように軽く蓋をしておきます。

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⇧残った4段の箱の上に冬用のダンボールを外したメッシュ状のスノコを載せ、その上にメントール(ハッカ)の結晶(amazonなどで売っています)とダニよけシリカ(ハーブが主体のダニよけ効果があると言われるシリカゲル乾燥剤)を載せます。
どちらが効果があるのか分からないのですが、アカリンダニ対策として少しずつ両方載せています。


⇧あんまりamazonを多用したくないのだけれど、この手の特別なものは普通の薬局では置いていないことが多く、居ながらにして翌日届いてしまうamazonに頼ってしまいがちです……。

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⇧その後、上ブタをかぶせて巣箱の方は完了。

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⇧切り取った箱にはハチが入ってしまっている可能性があるので、風を送るなどしながら点検します。蜂蜜で動きが悪くなってしまっているハチは鳥の羽根で移動させます。鳥の羽根は蜂蜜がつきにくく、このときとても便利です。
でも送風機を使うようになってからほとんどハチは入らなくなりました。

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⇧蜜巣のフタをパン切り包丁を使って切ります。ウチの場合は巣落ち防止棒が井桁状に4本入っているのでそれを切ってしまわないようによけながら切ります。
蜜巣のフタを切ると、下にハチミツが垂れだします。
この状態で一日以上置き、重力に任せた状態で落ちてきた蜜がフリーランです。

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⇧タッパウエアの下から3分の1くらいのところに10ミリの穴が開けてあって(普段はコルク栓をしている)タッパを斜めにしてその穴から、ハチミツ濾過用のかなり細かなメッシュで濾過します。
ここで使っている濾過用のメッシュはこれ。かなり細かなメッシュで落ちるスピードはゆっくりですがこれで不純物はほとんど取れます。

⇧中国からの発送なので時間はかかりますが、コストパフォーマンスはいいと思います。でも2個入りとありますが、351円は1個の値段のようです。

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⇧その後、糖度を確認し80度前後であれば、ビン詰めして完成。

このあと加熱蜜を採取したり、蜜蝋を取ったり、糖度が足りない場合に水分を蒸発させて糖度をあげる作業などがあるのですが、ここではちょっと書ききれないので今回はここまで。そのあたりのことも、またの機会に書きたいとは思っています。

在来種である和蜂のハチミツは洋蜂と比べて量がたくさん採れないので高価で、しかも売り切れのことが多くて申し訳ないのですが、虫草農園でもいちおうニホンミツバチのハチミツ販売しています。よろしくお願いします。
https://musikusa.stores.jp/