刈り草を集めて作る腐葉土づくりと、生ゴミを発酵させてつくる生ゴミ堆肥とは分けて考える、というのがいいように思っています。
刈り草だけの発酵であれば、水分量もそれほどあがらないので、嫌な臭いが出たり、ミズアブの幼虫(=ウジ虫)が発生したりするということも少ないと思います。
ということで、刈った草や抜いた草を使って腐葉土を簡単につくる方法の紹介です。
などというほど、たいした方法ではなくて超簡単。地面にただ棒を突き刺すだけ。そしてそこに刈り草を積み重ねていきます。強いてコツがあるとすれば、空気が入りやすいように少し高めに積み重ねるということ(好気性微生物が活動しやすくしてあげます)。
そのため、センターに棒があると積み重ねやすく、高く積んでも風に飛ばされにくくなります。
↑ちょっと分かりにくいかもしれませんが、これで高さは1mくらいはあります。
刈った草や抜いた草を熊手で集めて、棒にからめて積み重ねます。ウチでは細めな割に丈夫なので、ビニールハウスなどに使われている一番細いパイプ(外径19φ)を使っていますが、トマトなどのイボ支柱でもいいと思います。土が硬い場合は叩ける丈夫なものがいいかも。
上の写真のように、ただこのままでもいいのですが、背の高い雑草があれば、円錐形(上から見ると放射状)に屋根のように重ねると簡単な雨よけになります。多少は水分があったほうが腐葉土化しやすいのですが、水分が多すぎると内部が腐敗して臭いが出たりすることがあるので、いい加減に雨水がしみ込む雨よけが必要で、季節によってはこんなくらいがちょうど良かったりします。
↑水が外周に滴りやすいようにオオブタクサを円錐形に被せたところ。雨の少ない時期はこれだけでも十分だったりもします。
でも雨が多い時期は、ライ麦の藁束など背の高い草の束があればこんな感じに円錐形に屋根状にしてあげると中に水分が入りにくくなります。
ススキでやれば、まさに「茅葺き」。
で、これらはその後どうなるかと言うと、こんな感じになります。
⇧一番奥の円錐形が、今年、積んでいる刈草堆肥。
真ん中の土が露出しているのは、去年積んだ刈り草。
そして一番手前の波板の下にあるのが(すでにだいぶ使ってしまったけれど)、3年くらい前に積んでいた完熟腐葉土。腐葉土になってからも雨ざらしだと、普通の土になってしまうのが早いので、波板をかけて置くと3年くらいは腐葉土の状態が保たれます。
よく見ると、カブトムシの幼虫の糞がたくさん!
カブトムシの幼虫の糞は、団粒構造なので水はけがよく、しかも粒自体は保水性があります。ミミズたちの糞も、用土としてはいい感じです。つまりこうしてできた腐葉土はポット苗などの鉢植え用土に最適。
ただしこれをそのままタネまき用土として使用すると、さまざまな草のタネが芽生えてしまいます。タネまきして発芽したときにどれが目的の双葉だか分からなくなってしまう場合は、黒のシートと透明のビニールとの間に腐葉土をはさみ太陽熱で温度を上げてタネを殺してから使用したり、あるいは焚き火のときにドラム缶のフタで焼いたり、はたまた覆土や上部の土だけ市販のタネまき用土を使用するなどの方法で使っています。
この時期、やらなければいけない農作業が山積みなので、手軽にできる方法としてオススメです。
■追記■2020年9月3日
畑にモラン、登場。
身長2mオーバー。