信州・蓼科「親湯温泉」のこと。

我が家にとってここは、秘密の温泉宿なのです。
だから本当は、あんまり大々的には紹介したくなかったのです。

でも、先日初めて知ったのですが、ディズニーランドの入場料が大人ひとり7400円とのこと。人によっては遊園地というのも面白いところなんだろうなぁ、とは思うけれども、まさかこんなに高価だったとは知りませんでした。人を呼ぶための広報にお金をたくさん使っている、というところがどんどん儲かってしまう、というのはなんだかなぁ、と思ってしまったのでした。

(歳のせいかもしれませんが)同じくらいのお金を払うんだったら私たち家族の場合は「温泉宿」の方がいいなぁ、と思うと同時に、せめても似たような考えの人たち間でこうした楽しみ方を共有したいと思い、勝手に広報したくなり、紹介させてもらうことにしました。
だから今回の記事は、親湯温泉に対しての熱い思い入れたっぷりですが、ペイドパブではありません、いちおう念のため。

ということでさっそくですが、これが親湯温泉のロビーです。
どうですか? 

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⇧写真はごくほんの一部で、この数倍の面積と本があります。蔵書の数は3万冊以上、とのことでした。ゆったりとしたソファーの他に、外の景色を楽しみながら執筆作業のできるような素敵な机なども用意されています。
チェックインは15時からですが、少し前に行って、部屋の用意ができるまで、ここでくつろがせてもらうのがオススメです。


ウエルカムドリングとして、美味しいスパークリングワインや生ビールなどをいただくことができます。ゆったりとした雰囲気のBGMと共に、もうそれだけで、体の疲れは緩み、贅沢な時間を堪能することができます。
というのも、ここは信州・蓼科の奥なのですが、ウチからだと(下道で)ちょうど1時間で行ける距離だったりします。午前中、目一杯、土方仕事や農作業で筋肉を酷使し、お昼も家で食べ、食器も洗ってから、さあ~出発。それでもチェックインタイム前に到着できるのでした。

今回、泊めていただいたのは、こんな部屋でした。
障子が三方にあって、その縁取り越しに見える雪景色が素敵でした。

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オフシーズンの平日であり、家族4人で一番安い部屋を予約したのですが、アップグレードしてくれた可能性があります、が、特にそうしたアナウンスはありませんでした。そのあたりも奥ゆかしくてなんだか、上質、という感じ。

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寝室はこんな感じでした。やっぱり本がたくさんあります。
我が家は田舎の家なので、都会と違って間取りに比較的余裕があるほうで、オマチのシティホテルとかに泊まると、狭苦しく感じてしまうことがあるのですがここは違います。

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⇧大正時代創業の老舗宿でもあり、ロビーのソファーもそうですが、調度品のひとつひとつが古くて質のいいものが多く、それらと現代風のオシャレな洗面台がいい感じでマッチしていました。
トイレは、至れり尽くせりの最新式。
部屋にお風呂(ユニットバス)も付いていたのですが、入りませんでした。ここは温泉で、素晴らしい露天風呂があるのです。
まずは食事の前に、ひと風呂。

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⇧この写真は親湯温泉の公式HPからお借りしたものですが、ちょうど雪景色の時期でもあり、まさにこんな感じでした。湯船の横に置いてある薪を浮かべると、針葉樹のいい香りが増します。

露天風呂もいくつかあり、翌日の朝、食事の前に入ったお風呂はこんな感じでした(この写真も親湯温泉公式HPより)。

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⇧こちらのお風呂は、こじんまりとしたヒノキ(もしかしたらヒバ?)の香りの木のお風呂。宿泊者はあらかじめ時間を予約して、30分間貸切りでつかうことができます。

そして親湯温泉のもうひとつの楽しみが食事なのです。
見てください、この満面の笑みを。

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⇧でも、これ朝食。

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こんな感じのシンプルな個室でゆったりと食事ができます。

実は、親湯温泉にたどりつく前、バイキングスタイルの温泉ホテルにいくつか泊まっています。好きなものを自分で選んで食べられるというのはいいのだけれど、飲み放題などというコースも併設されていることが多くお客さんの中には酔っぱらいもいたりして、残念ながらゆっくり食事を楽しむ、という感じではありませんでした。
ビュッフェスタイルながらも、ライブキッチンも充実していて料理も意外と美味しくて、温泉も充実していて、料金も安かったところ(たとえば石和のホテル新光)なんかもあったのですが、それでもやはり落ち着いて食事や会話を楽しむという雰囲気ではありませんでした。そのあたりのことも考えて、親湯温泉は個室にこだわったのではないかと思われます。

ではざっくり、夕食を紹介します。予約時に創作料理のコースと、山の幸のコースの二種類から選べるのですが、今回は創作料理のコース(蓼科キュイジーヌ)にしました。
まずは前菜の前菜? アミューズ・ブーシュから。

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⇧左上からフグとマグロとエビのスモーク(なるほどねー、山の奥で食べる海の幸なので燻製にするというこだわり)。
右はカモのロティ、オレンジ添えと、馬のタンのバルサミコ風味(馬の舌を生まれて初めて食べました)。
小鉢はつぶ貝と「お醤油のゼリー」(絶品でした)。
そしてその左が、ヤリイカと赤えび(上にのっていたのはサクランボのソース?)

 

前菜は、

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ホタテの貝柱のグラタン(ワインがすすみます)。

 

スープは、

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大好きな、オニオングラタンスープ。

 

魚料理は、

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寒ブリのナージュ仕立て。オリーブオイルのジュレ
(ニンジンの素揚げ?が絶妙でした)。

肉料理は、

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蓼科牛のソテー。シャリアピンソースと安曇野のきざみわさびの二種類でいただくことができます。時期外れのはずのトマトは、グラッシェしてありました。

そして最後に、蓼科スープカレー(匂いに誘われスプーンを手にしてしまい、写真を撮り忘れました)。
これは、おかわりができるらしいのですが、お腹いっぱいでおかわりはできませんでした。

続いて朝食。
朝食時はサラダバーがあって、サラダはビュッフェスタイルでした。

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採れたての美味しい野菜が食べたくて農的な暮らしをしているわけで、ハーブやサラダだけは負けない自信があるのですが、クラッシュアイスの上に置かれたシャキシャキの野菜たち、そして自家製のドレッシングたち、さすがはホテル、という気配りと美味しさでした。

そしてこちらが朝食(これが夕食でもいいくらい)。

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鯛の塩麹締めや野沢菜の炒めもの、ホタテの揚げ物、キノコの味噌和えや、だし巻き卵それに信州ならではの漬物各種などなど、ご飯がすすんでしまって困りました。ご飯は曲げ輪っぱのおひつに入っていました。
信州のお味噌を使った根菜のお味噌汁も美味しかったのだけれど、湧水豆腐の湯豆腐が最高でした。豆乳がたっぷりで、食べてるそばからユバができて本当に美味しかった。希少で高価な食材を使うよりも、アルモンヲ美味しく食べてもらおうというこうしたアイデア、素晴らしいと思いました。

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ロビーには、3万冊の蔵書と共にさまざまなソファーが置かれていて、薪ストーブ(正確にはバイオマスペレットストーブでした)が静かに燃え、夕食の後、宿泊している人たちがロビーに集まってきてそれぞれにくつろいでいるホテルというのは珍しいし、食事にも手が尽くしてあって美味しいしアイデアに満ちているし、働く人たちもとてもいい感じで、私たちにとっては最高に素敵な温泉宿だったりします。

あ、そうそう、宿のお値段を書くのを忘れていました。今回は2月の平日だったのですが、旅行会社のクーポンや予約と同時にお金に換金できるポイントなどを駆使したところ、1泊朝夕2食付きで大人ひとり7000円弱(税&サービス料込)でした(正規料金でも7560円)。
しかもウチからだと、高速代もクルマの燃料代もかかりません(天ぷら廃油なので)。

それでも、なるべくお金によらない暮らしをしていて、お金稼ぎに熱心でない我が家にとっては、大きな出費であることに違いはないのですが……、でも、約1時間のドライブで異次元とも言える素敵な空間にたどり着くことができて、家族で美味しい食事もいただくことができ、素晴らしい温泉にも3~4回も入ることができて、素敵なソファーに沈みこみゆったりと本も読む時間も堪能できる……、家にいるとやることややりたいことばかりが思い浮かんでしまい落ち着けない我が家にとって、これは最高の贅沢なのだけれども、一方で、蓼科や八ヶ岳にやってきても、遊ぶところがぜんぜんなくてつまらなくないですか? っていう人がいたり、パチンコ屋さんが繁盛していたり、人も遊び方もいろいろ多様性があることがいいことなのかもしれません。