白州、台ケ原宿と七里岩

「家にこもって虫や菌類と話をしているだけだとボケるよ。たまにはヒトとも話をしたほうがいいと思う」と娘に言われ、道の駅の出荷のついでに、家族に連れ出され何年かぶりに台ケ原宿市に出かけたのでした。
でも、それにしても、わたしにとっては、人が多過ぎ……。
ちょっと古道具をのぞいたくらいで、人混みから早く脱出したくなってしまい、クルマのカギを娘に渡し、ひと足先に歩いて帰ることにしたのでした。
ところが、メインストリートの喧騒からちょっと外れ、歩いてみてみると、この地域ならでは魅力がたくさん見えてきて、案外楽しかったのでちょこっと紹介させてもらいたいと思います。

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⇧いつも気になりながらも、クルマですっと通り過ぎてしまっていたこの建物。いまは廃業してしまったとのことですが、かつてはここにお米を持ち込むと、数日後それに米麹をつけて返してくれたという麹のタネ付け屋さん。そうした仕事が仕事として成り立っていた、ということがまた素晴らしいと思うのです。土壁、瓦棒葺きの建物で、煙突(かまどか?)がいくつかあるという不思議な佇まいでした。

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⇧台ケ原宿を抜けたところにある土手。なんの変哲もないように見えるこの土手。でもこれがまた素晴らしいのです。
以前、このブログでも草刈りではなく「草残し」のことを紹介しましたが、まさにこの土手がそうでした。
上の方にある刈り込まれたサツキのような丸い植物はナンテンハギ。
そしてカラマツソウやホタルブクロ、ツリガネニンジンなどの野草(=雑草で普通は刈られてします)が刈られずに残されていたのでした。

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⇧玉造りのようにして刈り残されていたナンテンハギ。花も美しいし、食べられる雑草なので残す人もいる、とは聞いていたのですが、ウチ以外の土手で初めて見ました。ナンテンハギはアサマシジミの食草でもあります。

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⇧ほぼ一面がワラビで覆われている土手。やってみると分かるのですが、この状態に管理するにはかなり手が入っているはずです(ウチはいつも途中であきらめアメリカセンダングサの草原になってしまいます)。

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⇧このあたりは一面、ムスカリ&ニラ。ムスカリとニラは相性が良いのだろうか? ウチでもさっそく真似させてもらおう!

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⇧鋼板の手鈑金によるサイディング?が貼られたタイニーハウス?

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⇧鋼板の端を折込み、山と谷を組み合わせある様子。
ウチにもこの手の亜鉛引の古い波板や鋼板があって、案外人気があって、亜鉛の華が咲いた鋼板を集めているモノ好きもいたりします。
そういえば以前に、simplifeの(竹内)友一さんがロードムービーの旅の出発数日前にやってきて、スパンクル模様の出た古いトタン板や生コンの付着したパネコートなんかを嬉しそうにもらっていってくれたよなぁなんて、思いながら写真を撮っていたら、車通りのほとんどない道なのに遠くから古いディーゼル車の音がして、なんとあろうことか走ってきたのは友一さんでした。そんなこともあるんですねぇ。

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⇧さらにもう少し歩くと、ぶどう棚の下にいくつかの祠(ほこら)が。
見てください、この切石積みの美しさを!

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⇧思わず、ため息が出るくらいの美しさなのでした。

ところで、この地域には国道20号線と並行して、七里岩(しちりいわ)と呼ばれる総延長30㎞(七里)にも及ぶ断崖絶壁が韮崎市から長野県の富士見町まで続いています。
ユーラシアプレートと北米プレートの境目である活断層から始まった富士川(=釜無川)の流れが、次第に東へと大地を侵食していったのですが、約20年前に発生したと言われている八ヶ岳の山体崩壊によりできた溶岩流に出会い、溶岩流は侵食されにくく、河川による侵食崖としてできたのがこの七里岩だと言われています。

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⇧手前の橋が釜無川を渡る橋で、その東詰めには、七里岩の断崖絶壁が広がっているのでした。

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⇧もう少し近づいてみると、こんな感じ。
よく見ると、ところどころに白いものがあります。
そしてさらに近づいてみると、
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⇧白いものはどうやら鳥の糞、のようでした。
そしてさらにアップにすると……

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⇧長年蓄積されたその糞を栄養としているのか? 植物がそだっていました。

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⇧地層が大きく歪んでいるところもありました。活断層なのだろうか?

そんなこんなで岸壁に見とれている内に、家族の買い物も終わったようで、家まで歩くこともなく、途中で娘にピックアップしてもらうことができました。
ついでだからと、橋の袂にあるフランクで食事。
手づくりソーセージのお店で、ランチはソーセージかハムの定食。
肉類も美味しいけれど、付け合せのザワークラフトやジャーマンポテトも厳選された味。
ついうっかり、写真を取り忘れてしまったのですが、いつ行っても、大満足のレストランなのでした。