隠蔽(いんぺい)擬態

 

先日、浄化槽のエアポンプの修理をしていたときのことです。
ポンプを持ち上げたようとポンプに両手をかけて数センチ持ち上げたその瞬間、なにかゆっくり動くものが目に入ったのでした。ポンプのすぐ脇にマムシがいたのでした。両手がふさがっているので、棒を手にすることもできず、マムシを刺激しないように、そして素手を噛まれないように慎重にゆっくりとポンプを持ち上げ、後ろ伝いにどうにかその場を離れることができました。マムシは温度にも反応するらしいので、危ないところでした。
こんなことが起きないように、自然の豊かなところでは、目や鼻や耳を研ぎ澄ましながら行動する必要があります。

そんなわけで突然ですが、問題です。
下の写真の中に生きものが隠れています。見つかりますか?

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虫好きの人は案外簡単に見つかるかもなぁ。

じゃあ、見つからなかった人に、ヒントです。
下の写真にも同じ虫が写っています。

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⇧たぶん、こっちの写真の方が見つけやすいですね。

では正解……。







最初の写真は、ほぼ真ん中あたりにチョウがいます。

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⇧写真の真ん中あたり、緑の葉っぱに上向きに止まっています。これなら分かりますね。でも、なかなか見事な保護色。

ふたつめの写真も、真ん中あたりの少し右側にチョウがいます。

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⇧地面に止まっています。


この蝶は、南方系の蝶で、クロコノマチョウと呼ばれています。

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⇧緑の中だと返って目立つのですが、人や鳥を見つけると、地面近くの落ち葉にまみれて止まります。
たしかにこのあたりに止まったはずなのに……と思って探してもなかなか見つからず、どこかに飛んでいってしまったのかも、と思ってそこに分け入ると、足元から飛び立つ、ということが多かったりします。

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⇧実はこのクロコノマチョウも、完熟ハネダシいちじくの虫食堂にやってきた一員でした。

でもまさか、標高750mの寒冷地、白州(山梨北杜市)で見ることができるようになるとは、思いもしなかったなぁ。
私が持っている図鑑(1975年発行)では、伊豆半島が北限になっていました。東京で見つかることもあるがそれは偶蝶で、土着は伊豆までと記載されています。

五感を研ぎ澄ませても、アベレージでの気温の上昇は分かりにくいのですが、五感を研ぎ澄ませ、まわりの生きものを観察すると、地球温暖化の兆しは随所に見られます。
国道沿いに北上しているアオマツムシは、ついに白州のサントリー蒸留所付近までやっていました。
白州の家の中にゴキブリがやってくる日もそう遠くはなさそうです。