ミツバチの給餌とイチジクに集まる虫たち

きょうも雨……。
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雨が多くて少し気をもんでいます。

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ひとつは台風のこと。

きのう、久しぶりに晴れたので、「さあ、稲刈り」と思ったのですが、それまでの雨で田んぼがぬかるんでいて、さらには台風24号が近づいているのでハサガケしたウシが台風で倒れてしまう心配もあり(コンバインだったら、そんな心配も必要ないわけですが)、「稲刈りは台風通過後だね!」と家族で決めたのですが、日本を縦断しそうな24号を追いかけるかのように、熱帯低気圧bが発生した模様。ははは、困った、困った。

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もうひとつは、ミツバチのこと。
こう雨が続くと、吸蜜ができず、お腹をすかせていると思うのです。
砂糖水をつくってそれを給餌する方法もあることはあるのですが、師匠のひとりである重田さんは、これまで給餌をしたことがないけど、それでうまくいっているよ、とのことだし、もうひとりの師匠である上原さんは、他の群れのハチがやって来ない夜だけ巣箱の中に砂糖水を入れるようにしている、とのことでした、が、それでも特有の匂いがあるのか、昼間、巣門のあたりでミツバチ同士でケンカしていることがあるから注意したほうがいい、と教えてくれました。

雨の中、羽根を濡らしながらも健気(けなげ)に蜜を集めに出かけている外勤バチたちのことを思うと、給餌したくもなるのですが、そのあたりの判断はなんとも悩ましいところです。

と思っていたところ、意外な方法が見つかりました。
ショウジョウバエを呼んでしまうので、傷み始めたイチジクを窓の外に置いておいたのですが、それにたくさんのミツバチが来ていたのです。

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イチジクは「無花果」と書きますが、花がないわけではなくて花は花嚢(かのう)と呼ばれる果実のようなものの内側にあります。原種のイチジクは本来、外界と接しない状態で花を咲かせるという珍しい植物で、虫媒花ではあるのですが、その受粉には「空飛ぶ花粉」とも言われるイチジクコバチという面白い生態のハチが関連しています、が、そのあたりの話をしていると、きょうのブログはそれで終わってしまいそうなので、話を戻します。
ということで、イチジクの果実と思っているものは実は肥大した花(のようなもの)のわけで、そこにある甘い汁は曲解すれば花の蜜、とも言えないこともない?

どういうわけか、これまで来ているミツバチは、いまのところニホンミツバチだけです。すぐ近くのコスモスにはたくさんのセイヨウミツバチが来ているのですが、なぜかイチジクには来ません。逆にニホンミツバチはコスモスで見かけることはありません(いまのところ)。
洋バチは見向きもしないレタスの新芽をニホンミツバチだけが食べることが知られていたり、このあたりの嗜好性、種によってかなりの指向性があるようです。

この方法だったら盗蜜で巣を襲われることもなさそうだし、雨の日も濡れずにゆっくり吸蜜できるしなかなか良さそう、に思えたのですが、残念ながらそんなに都合良くはいきませんでした。

少ししたらスズメバチたちがイチジクを発見し、やってくるようになってしまったのです。

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⇧最初にやってきたのは、キイロスズメバチ。全体に黄色いのが特徴。雑食性で花の蜜も吸いますが、ミツバチの成虫なども食べます。

そして次に現れたのは、コガタスズメバチ

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⇧おしりの先端が黄色いことと、腹部のふたつ目の黒縞が他の黒縞より太いのが特徴で、この部分でオオスズメバチ(ふたつ目の黒縞が糸のように細い個体が多い)と区別できます。個体によって大きめのコガタスズメバチと小ぶりのオオスズメバチでは大きさはあまり変わらないので、この部分で見分けるのが一番確実のように思います(最近Tomaさんに教えていただきました、ありがとう)。
上の写真でも分かるように、背後(はいご)にいるのはニホンミツバチ。キイロと違って、コガタスズメバチニホンミツバチは比較的仲がいい感じ。油断しすぎると食べられてしまうこともあるようなのですが、一般にコガタやオオスズメバチは、キイロと違い、ニホンミツバチの成虫を捕食することは少なく、食べる場合は巣箱に入って蜜と共に幼虫たちを襲うようです。


そのうち「お姫さま」もやってきました。

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⇧日本に棲むスズメバチの中で最も美しいから「姫」。
ヒメスズメバチのことを勝手にそう思っています。
個体変異や地理的変異の多い種類ですが、対馬に棲む個体以外は、腹部後端が黒いのが特徴。また「姫」は体長があるので目立つのですが、スズメバチ愛好者の誰もが認める最もおとなしいスズメバチでもあります。腹部の文様にはチャイロスズメバチと同様、赤褐色の部分があり、黄色の部分とのコントラストが美しいスズメバチです。


ついでに書くと、チャイロスズメバチは、これもまた変わった生態のスズメバチで、托卵をします。冬眠からゆっくりと目覚め、ひと足さきに巣作りを始めているキイロスズメバチの巣がある程度大きくなって、働き蜂たちが増えてきたところで、キイロの女王を殺し、代わりに自分がその巣で卵を生み、キイロの働き蜂たちに自分の子どもたちを育てさせる、というヒト社会では考えられないような社会性をもったハチだったりします。
今年はチャイロもときどき姿を見せてくれていて、ウチから少し離れたところに巣があったりもするのですが、いまのところイチジクには関心がない様子。

というわけで、台風に備えて家の周囲の点検などをしなければいかないのですが、ついついイチジクに集まってくる虫たちに目を奪われ、見入ってしまうのでした。

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⇧こちらはクロヒカゲ。案外、勇猛で、羽根をばたつかせてはスズメバチを威嚇したりしていました。

動画も撮ってみました。
まずは、ニアミスでヤバイ場面。



そしてこちらは、キイロとコガタのバトル。
実はよく見ると、ニホンミツバチも加勢をしているように見えます。



ということで、虫たちを見ていると、時間はどんどん過ぎていき、台風もどんどん近づいてきました。さっきより雨が少し強くなってきたなぁ。大きな被害がないといいのだけれど……。

■追記■
このブログを書いた翌日(2018年10月1日)、台風一過の晴天のもと、
うれしいことがふたつありました。
ひとつは、現政権があらゆる権力を使って民意を押しつぶそうとしたにもかかわらず、多くの沖縄の人たちにデニーさんが支持された、ということ。
そしてもうひとつは、イチジクにキベリが来ました!

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